Re:》遊戯王GX 25歳フリーターがJKになって転生?!   作:神聖SmD

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ばたばたしてて何が何やら分からなくなってしまった……ので今回、
加筆を加えリメイクしました。とりあえずキリよく完結目指します。
ちょっと前作と味を変えるよう意識してます。


1、Welcome, New World

『―――――という事ですが? 理解できましたか?』

「あ゛? 訳わからん。つまり俺は死んだってことでOK?」

『要約すれば、そういう事になりますかねぇ……驚かないんですか?』

「まあ、な。心当たりあるしな」

 

初めての仕事でこんな人の担当になるなんてついてません。

目の前に居る男性。手元の資料では急性アルコール中毒だそうです。

よれたTシャツにジーパン。顔は悪くないです。どこか苦労してきた、そう

昔の農民のような顔立ちをしています。

 

「ふーん。まぁいいや。あ……ガス切れてらぁ。火持って無いか?」

 

男性はマルメンを一本咥えると、傍らで呆けてる私に手を出します。

現世では有名な女性歌手も好きな銘柄だとか、ちがうとか……

それよりもこの人は、自分が何で死んだんだとか気にしないのかな?

 

『え、と……マッチでいいなら』

「ありがとうよ。で、俺にどうしろっての? 成仏しろってんならするが?

でも、俺は殊勝な仏教徒でもなけりゃただのフリーターだからなぁ。ハハ。

行先は地獄かねぇ。ん?」

 

ふぅっと煙を吐く男性。あの、ここは禁煙なのですが……

成仏すると仰いますが、これも仕事なので質問をすることにします。

マニュアル通りにやらないと上司がうるさいので。

この類はさくっと送っちゃうのがセオリーなのですが。しょうがないです。

 

『え、未練とか無いんですか?』

「――――未練ねぇ。特にねぇなぁ~。俺は貯金とかしないタイプなんだよな。

何でだか分かるか嬢ちゃん?」

 

何故、未練から貯金の話になるのでしょうか?

 

『はぁ……何でですか? 後、嬢ちゃんって歳じゃないです私』

 

現世の齢換算で言えば300歳は超えているはず。男性は気にした素振りを

見せずに語りだしました。……もう定時過ぎてるのにな。これ残業代は出るのかな?

 

「貯金とか、さ。そういう明確に形があるモン残すとさ、未練残るだろ?

だから、金は入ったら使うし入らなければ使わない。そう生きてきた。

交友関係にしてもそうだ。たまに、気が合う奴と煙掛け合ってる方がいいのさ。

まぁ、偉そうに語ってるが25でバイト暮らしだったんだけどな。そうさなぁ。

強いて言えば、まともな高校生活が送りたかったなぁ。あ、俺の高校さ男子校だったん

だけどさ。これがまた楽しいっちゃ楽しかったんだけどな。なんていうか、やっぱ

アレだろ? 高校時代って言えばこう、な――――」

 

自虐を織り交ぜながら男性はなおも語ります。私は適当に相槌を打つことしか

出来ません。入らなきゃ使わないって……それは収入が安定しないだけじゃ。

要するにこの人はただのフリーターなんですね。

 

『はぁ……大変そうですねぇ』

 

未練あるんじゃないですか。というより、25でフリーター……

それってどうなんでしょう? 世の女性の審議が気になります。

 

「まぁ、な。親にも散々迷惑をかけたよ。こうなって初めて分かるんだなぁ……

結局歳食っても死んでも親って存在は消えないんだな。なんだ、よくよく考えれば

未練ばっかじゃねぇか。俺。ハハッハ……」

 

そう言って、男性は自嘲気味に笑います。この手の話は本当に聴く方は困ります。

 

「あーあ。健全な青春時代を送りたかったもんだ。さ、嬢ちゃんよ。行こうぜ。

天国か地獄か知らないが、行くとこがあるんだろ? パパッとやってくれよ」

 

男性は煙草を吐いて、靴で消します。それを掃除するのは私なのですが……

 

『決めました。あなたには“転生”して頂きます』

 

未練が本当になければ、そのまま成仏して頂こうと思いましたが。

もう手続きも面倒なので、適当な場所に送ることにします。“転生”

と聞けば響きがいいですが。要は、「めんどうだから適当なところに流す」

という方が正しいです。業界では“死の保留”とも言います。

 

「は? んだそりゃあ? そんなもんはお断りだ」

 

私がパチンと指を鳴らしますと、その空間に穴が開きます。この穴は……(略)

大体、予定調和ですので。お決まり展開ともいいます。

 

『では、幸運を祈ります――――』

 

穴の中へ男性をぐいぐい押します。

 

「おい! 押すんじゃねぇ! あ、これヤベぇって!? なんかドス黒いぞ!?

奥見えない! なんか渦巻いてるじゃねぇかこれッ?! 話し合おう! なッ!

いいか、言語は人間に与えられた唯一の――――――――――あッ――――――――――!

ぁぁぁぁ……」

 

私は笑顔でその穴に男性を落としました。彼はあの世界で様々な体験をし、

きっと有意義な青春を送れるでしょう(適当)。これからは、彼の物語です。

あースッキリしました! 

 

 

「つぅ……何だってんだよ。こりゃあ……口の中砂利だらけじゃねぇか」

 

俺は、頭を摩る。あの嬢ちゃんマジで穴に人のこと落としやがった。

 

「んだこりゃ……オイオイ、穴の下は世界でしたってか? 笑えねぇな」

 

アンダーザワールドとでも言って笑えばいいのか。俺が落ちたのは、

どっかのテーマパークの敷地内のようだ。そしておかしなことが数点。まずこの服。

 

「セーラー服……? はぁッ!?」

 

俺は、服の裾を引っ張る。オイオイ……25の男が公衆の面前でセーラー服とか、

そんな公開恥辱プレイに目覚めた覚えはミリもねぇぞ……

声もなんだか、少し高いようなそんな気もする。体も軽いような。

 

と、そこへ一人のリーマンが寄ってくる。如何にも日々の労働で疲れているような。

そんなサラリーマンだ。

 

「あの、君?」

「ん? なんか用スカ?」

「いや、これは至極真っ当な親切心。そして私に下心なんてこれっぽっちも無い。

そうだ。あぁ、そうさ」

「なんだ? おい。あんた? 気は確かか?」

「そうか。いや、なんでもないんだ。いや……ありがとう、ありがとう」

 

そう言うと、リーマンはよくわかんねぇが「いいモノを見た……」などと呟きながら

去って行った。なんだ? 薬でもキメてるのか? まぁ、世の中世知辛いからな。

そういうものに頼りたくなる時もある。

 

「しっかし、どうしたもんか……弱ったなこりゃ、ん?」

 

俺は、そこで初めて建物のガラスに映る自分を見た。

セーラー服を身に包んだ嬢ちゃんがそこに居た。髪は王道の黒で背中まで長い。

体系は将来性を感じさせる発展途上と言うべきか。悪くない。ただ理想を言えば胸が

もう少しあればというところか。ん? 何かおかしいぞ。俺は、右手を上げる。そうすると、ガラスの向こうの嬢ちゃんも手を上げる。次にその場で自分の顔を殴る。

するとガラスの中の少女の顔も歪む。あぁ、そうかそうか。なるほど……

 

あ、これ俺じゃね?

 

「FOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ! んだこりゃぁあああああああッ!!!!」

 

瞬間。地面をのたうちまわる。そこを通る連中が「なんだッ!」と俺を

見る。まぁ、いきなり女子が「FOOOO!」とか奇声発しながら転げ回ってたら

そうなるか。いや、それよりも驚くべきことがこの身に起きているわけだが!

確かに巷じゃこういうの流行ってるらしいけど! おま、25のフリーターが

これは無いだろ……

 

「何だってこんなことに……どういうことだこりゃぁッ」

 

まぁ、よく分かんねぇが死んだとこまでは覚えてる。んで、あの白い部屋に

行った。そっから嬢ちゃんに穴に突き落とされて……女になった?

いやいやいや、おかしいだろ! そんなことが可能なのか!?

過程がすっ飛んでる。そりゃ世の中結果が全てだが、これは、えと、なんだ?

胸を揉んでみたり、身体を触ってみたりするが……ホンモノの女だった。

長年連れ添った相棒も今や居ない。AIBOOOOOO!

 

「わけわかんねぇ!」

 

地面に頭を叩きつける。頭が割れるほど痛い上に、ツゥっと赤いものが

垂れてきた。おばちゃんがハンカチを貸してくれた。親切にどうもです。

 

よく見れば微妙に可愛いじゃねぇか……そこにまたショックを受ける。

いや、でも案外清楚ビッチな顔だな。なるほどなるほど。さっきのリーマンは

そういう目的で近寄って来たのかもしれん。

 

「とりあえずどうしろってんだよ、これ……」

 

煙草を探そうとスカートのポケットに手を突っ込む。しかし、アレだな。

スカートと言うものは存外着心地は悪くない。そして、煙草は無い。

代わりに紙切れが出てきた。

 

「んだこれ。《デュエル・アカデミア》……? その試験案内か?」

 

気が付くと近くによく女子高生がぶら下げてるようなブラウンの鞄が転がってた。

これ俺のかね? 中を漁る。中には、カードゲーム(これは確か《遊戯王》

だったか)と、円盤状の機械とその他の財布やらなんやらが入ってた。

 

「遊戯王か、やったなぁこれ。いや、あの時代は良かった」

 

遊戯王。まぁ、TCGの一種だ。これが昔にてか今も割と人気なのだ。

俺は、脳裏に中学生時代を描く。あの頃は本当によかった。適当に学校に行っては

カードやらゲームボーイだなんだと遊びながら、友達と将来を語り合ったものだ。

つまりこれは男子のコミュニケーションツールだったのだ。麻雀みたいなもんだな。

 

「つまりは、これ付けてこの試験やれってことでいいのか、な?」

 

どうもそう臭いな。と思っていると、スカートが振動する。え、このスカート

そういう機能でも付いてんのか!? 発禁になるだろうからやめろよ……

とか思ってたらどうやら携帯のようだ。一昔前のガラケーだ。ピンクの。

これ電話だが、出ろってことなんだろうか? 知らない番号だけど大丈夫か?

 

「はい? もしもし……? どちらさん?」

『あ、私です』

「その声は、さっきの嬢ちゃんか! なんだこれどうなってんだ?

俺、女になってんだけど? そういうアレなのか? これ?」

 

電話の相手は白い部屋に居た嬢ちゃんだった。

 

『それがですね、なんか手違いで“女性”になっちゃったみたいで……』

「……お、おうそうか」

 

ぶっとんでんな。手違いで女性になるってどういうことだ? オーダーミスで

とんこつラーメンがミソって次元の話じゃないぞこれ? 

 

『納得して頂けましたか?』

「いや、納得と言うより思考を捨てた。その方が身体にいい」

 

今後の話は「あーそうなのか」って感じに受け流す。そうしよう。

 

『まぁ、いいです。それでこの後は《デュエル・アカデミア》の入試を受けて

頂きます。あ、これ落ちちゃうとこの先の人生真っ暗なんで気を付けてくださいね。

必要な物は一緒に届いてますよね? いやぁ、良かったですよ。適当に落っことしては

みましたが、そこそこまともなところに落ちてくれて』

「あぁ。一応な……え、お先真っ暗? 適当って……オイ」

 

間髪いれないマシンガントークに呆気を取られる。

 

『ではでは、また連絡するんで。連絡先登録しといてくださいね~』

 

そこで通話が途切れる。なんだったんだ……

とりあえず。俺は《嬢ちゃん》の名前で連絡先を登録する。

まぁ、よくわかんねぇが。

 

「んじゃ、いこうか?」

 

鞄を背負うと俺は歩き出した。真っ暗な人生はこりごりだからな。

いや、もう俺は俺じゃないんだった……なんてこったよ。さらばAIBO……

使ってやれなくてスマン。

 

 

「なぁ、この試験ってここでいいんだよ……ですか?」

 

紙に書かれていた場所へ着く。まだ時間はある。

そして女っぽく口調をしようと試みてるが、難しい。

 

「はぁ。ここで合っていますけど。受験の方ですか?」

「そうっぽい。これ、見せればいいんだろ……ですか?」

 

俺は、別の紙を提示する。

 

「はい。照会が完了しました」

「どうも。あ、喫煙所とかある?」

「えッ……!?」

 

驚愕の顔つきになる受付の人。

ついついいつのもノリで聞いてしまう。いけね、これじゃテストどころか

その場で退場かもしれん。でもしょうがないだろ。葬式とか、結婚式とか

行くとフロントで絶対聞くだろ。

 

「っとそうじゃない! 冗談……です、わ? え……お手洗いは」

「そ、そうですか。そうですよね……」

 

取り繕って建物の中へ進む。こんな姿で煙草なんて吸ったら大変なことになる。

本当に気を付けないとな。でも面倒だな……色々。なに、このブラもこうなって

初めて分かるが暑い。トイレ行って取っちまえ。Cカップくらいでこの暑さじゃ、

それ以上の人とかやべぇだろこれ。皆苦労してんだな……

兎に角。こっからは女言葉でしゃべらないとな。

 

 

「へぇ……やってるやってる。マジでカードが3D映像になってるし」

 

近くの席にドカッと座る。俺の受験番号は83番か。

待ち時間が分からんけど、凄く眠い。と、そこへ

 

「おい! そこの女! そこは万丈目さんの特等席だぞッ!?」

「早く開けろ!」

 

「ん?」

 

後ろを見れば青い服を着た坊主が三人。後ろには偉そうな奴が一人。

 

「早くしろ! 聞こえないのか! 万丈目さんはな! 中等部の――――」

 

「うるさい。何丈目さんだか知らないけど、この席……名前でも書いてあった?」

 

俺は、騒ぎ立てる坊主共に一喝入れてやる。見た目が黒髪清楚系だし、

こういう高圧キャラでいこうかねぇ。

しかし、居るよな。こういう公共施設を我が物顔で使う奴。挙句、「俺の物」とか

言っちゃう奴。道路に平気で路駐しちゃうみたいな? 道路で子供遊ばせちゃう

みたいな? 迷惑極まりない。

 

「くッ言わせておけばッ!」

「なんて女だッ!」

 

「いい? 今どき男か女かなんて些細な問題なのよ……竿があるか、ないか。

あなたが想像する女がなんだか知らないけど、帰ってギャルゲーでもやってれば?

良ければ、オススメを教えるけれど? どうかしら?」

 

ってバイト場のリーダーが前に言ってた。あの人しょっちゅう嫁にDVで告訴されてたからなぁ。てか割と俺、女の真似出来てね?! 

 

「このッ!」

 

坊主Aが拳を握る。そんな腰が入ってない構えじゃ猿にも勝てんわ。阿呆。

 

「やろうっていうの?」

 

俺はニヤッと笑うと立ち上がる。面白い。この体でどこまでやれるか……

試させてもらおうじゃねぇか。馬鹿げた殴り合いは嫌いじゃない。

こっちだって中学じゃ剣道やってたんだぞ? 関係ないがな。

 

『―――――受験番号83番の受験生は――――』

 

会場内にアナウンスが響く。

 

「ふん。私の番か……興ざめよ。ここ、好きにどうぞ」

 

鞄を乱暴に背負うと、坊主共に背を向ける。だが、

 

「おい。貴様、名前は?」

 

後ろで見てた「何丈目」だかが呼び止める。

 

「……人に名乗る前にまず自分からってのは最低限の礼儀よ? お坊ちゃま。

後、「様」付ければ丁寧だと思ったら間違えよ? 覚えておきなさい」

 

「てめぇ、言わせておけばッ!」

 

再び坊主Aが拳を握る。短気ってレベルじゃねぇぞこれ。

これだから最近の若いのは。日本の行く末は大丈夫だろうか?

 

「―――――やめろ。こいつは失礼。俺は、万丈目準」

「なるほど、ねぇ。私は、えっと……」

 

アレ、ここでの名前って……あ、受験票に書いてあるわこれ。

 

「仁村紗姫……よ」

 

俺はやや顔を引きつらせて名乗る。うわぁ、名前がDQNネームな件。

いや、でも最近の子供の名前ってもっと凄いらしいな。

面接とかで苦労すんじゃないだろうか? 親御さん、名づけはどうか普通にな。

 

「そうか。覚えておこう。連れが失礼をした」

「結構よ」

 

恥ずかしいんで。俺は、髪を振り払いながらその場を後にする。

 

 

色々、あったがこの世界はカードゲームが背景的に大きいようだ。

この施設といい機材といいな。つまり喧嘩が出来ようが、なんだろうがこれで

強くなくちゃならないようだ。

 

「君が受験番号83か?」

「あ、はい。そうです」

「よろしい。それではこれより私とデュエルしてもらう」

 

なるほど、単純だ。要は勝てばいいんだな。

 

「分かりました」

 

青い服を着た男。恐らく、アカデミアの教師なのだろう。

俺は、鞄からデュエル・ディスクを取り出すと腕に付ける。

段々思い出したが、アニメで見たなコレ。それの窪みにデッキを

差し込むと、シャーといい音がしてデッキがシャッフルされる。

 

科学の力ってスゲーッ!! 

 

「用意はいいか?」

「えぇ」

 

これに勝たないと、お先真っ暗なんだろう。なら、勝つしかねぇ。

 

「「デュエルッ!!」」

 

色んな後先は勝ってから考えればいい。それに俺はデュエルは嫌いじゃない。

久々に楽しもうじゃないか。

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