Re:》遊戯王GX 25歳フリーターがJKになって転生?!   作:神聖SmD

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2、入試デュエルと炎の剣士

前略。女になった。

 

「先攻は君だ。始め給え!」

「私のターンッ!」

 

しかし、《デュエル・モンスターズ》か。10年ぶりくらいだな。

だが、ルールはしっかり覚えてる。いや、流石に最近のエクシーズ?

とかは分からないけどな。融合までならバッチリだ。

 

てか、このデッキの内容をあまり把握して無いんだが?

ま、大丈夫だよな。楽しめ楽しめ。

 

「ドロー!」

 

このデッキ……よくわかんねぇカードばっかだな。《ブラック・マジシャン》

とか《青眼の白龍》とか無いのか? 俺の知ってるデュエルって「物理で殴る」

だったんだよな……とりあえずこれでいいか。攻撃力高いし。

 

「《サファイアドラゴン》を召喚してエンド!」

 

うお! マジでカードが実体化しやがったぞ!? どんな技術使ったんだ?

どっかから映写してるのか……? どっちにしろやっぱ凄い技術なんだろうな。

 

「私のターン! 魔法カード《地砕き》。君の場のモンスターは一体のみ。

故にそのモンスターを破壊だ」

「くッ。魔法カード……」

 

そうだった。攻撃力高いだけじゃ魔法にカモられんだった。

 

「更に、《ゴブリン突撃部隊》を召喚! ダイレクト・アタック!」

 

攻撃力2300かよ! けど、LPは4000って少なくないか!?

そいつの攻撃2発でデュエル終わんだけど? 

 

「うわッ」

 

立体映像から発せられた謎の風圧に体を煽られる。

あ、女だから「きゃッ」とかの方がいいのかね。

 

紗姫/1700LP

 

ゴブリンは守備表示になる。

 

「どうした? 私はカードを一枚伏せてターンエンド!」

「いえ、私のターン! ドロー!」

 

アイツを超えるのは容易だが、その次を考えると……もっと攻撃力の

ある奴はいねぇのか? ん……このカードは。

“《融合》”か。確か、二体のモンスターを合成して強い奴を呼ぶ魔法だったな。

これ、行ってみるか。丁度、おあつらえ向きの手札だしな。

 

「私は、手札から魔法カード《融合》を発動しますッ!」

「ほう」

 

やや意外そうな顔を作る先生。見とけよ。行くぜ融合モンスター!

コイツは俺の好きなモンスター。かの、DMの王国編の城之内の切り札的存在!

 

「《伝説の剣豪MASAKI》と融合代用モンスター、《沼地の魔神王》を融合!

融合召喚! 《炎の剣士》ッ!」

 

おお! かっこいいなオイ! 俺、このモンスター大好きだったんだよな!

昔ずっと使ってたし。このカードが入ってるとか、分かってんじゃねぇの。

 

「なかなか、レトロなモンスターを使うじゃないか」

「どうも! 私は、剣士に2枚の装備カードを装備します!

1枚目は《巨大化》。これの効果で剣士の攻撃力は―――3600となる!

さらにもう1枚は《融合武器ムラサメブレード》。これで攻撃力は4400まで

上昇するッ!」

 

炎の剣士が二刀流になってさらにシブくなる。こりゃたまんねぇぜ。

圧倒的な攻撃力。「攻撃力を上げて殴る」。これぞデュエルの真髄だ。

 

「なるほど……だが、攻撃力だけ上げても私のゴブリンは守備表示」

「関係ありません。攻撃ッ!」

 

剣士がゴブリンに向かって走る。それを見てゴブリンは身を固くする。

なるほど精巧に作られてるな。リアルなゲームをしているようだ。

益々、楽しくなってきた。

 

「行きますッ! 速攻魔法《エネミーコントローラー》を手札から発動!

ゴブリンを攻撃表示に変更し、バトルを続行ッ!」

「何! このタイミングでッ?!」

 

ゴブリン突撃部隊の攻撃力は2300。今の剣士には遠く及ばないぜ。

細切れになれやゴブリンッ!

 

「“フレイム・ツイン・ブレード”ッ!」

 

技名なんか言ってみたりする。

 

「くッ!」

 

先生/2300LP

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

俺の場には攻撃力4400の炎の剣士が居る。次に先生が何を出して来ようが、

返しで倒して終わりだ。案外、行けるもんだな。楽勝楽勝。

 

「……その顔は勝った気でいるね?」

「え?」

「確かに攻撃力4000オーバーの君のモンスターは驚異的だ。だが。

攻撃力で勝てるほどデュエルは甘くは無いぞ! 私のターン!

なるほど、高攻撃力に加え破壊耐性を持つモンスターか。だが、攻略法はある」

 

強がりだな。目で分かる。これは2年目ダチのトシが面接前に、

「俺、特技とかねぇけど……大丈夫! ガッツはあるんだよな!」とか言ってた

時の目だ。ついでにトシは圧迫面接に屈した。あの日は荒れ酒だったなぁ。

慰めるのが面倒だったけど、タダ酒は旨かった。

 

「はったり、ですよね?」

「………ふッ、それはどうかな?」

 

ただ、相手がターンを渡すのを待つ。

 

「と、言いたいところだがこれは参った。降参だ」

「そうですか」

「あぁ。試験用のデッキじゃこの状況は瓦解できなかったよ」

 

ほら見ろ。まぁ、時間の浪費をするよりはマシか。しかし、興ざめだ。

「クッ! まだだ!」的な熱い展開は無いのか……ってこれテストだったわ。

まぁ、エンターテイメント的には面白くないが、あくまでテストだからな。

効率重視という事だろう。つまり、勝ち負けは二の次で、目的は受験生の

力量を図ることのみと言う訳だ。なら、

 

「―――――それじゃ、私はこれで」

「筋がいい。結果を期待するといい」

「恐縮です」

 

最後に営業スマイル。完璧に女になってしまっている自分が怖いぜ……

まぁ、無事に終わったんなら何よりだ。これでお先真っ暗は回避しただろう。

 

 

建物から出たところで携帯が振動する。電話ってことはあの女か。

てかそれ以外に想像つかない。

 

「えと、もしもし?」

『あ、テストの方はどうでしたか? いや、どうも最初のお仕事だったので

気になっちゃって。あ、もしかして負けちゃいました? 負けちゃうとマズイ

んですよね。何がマズイって、そうなると入れるのは地元の底辺の不良高校しか―――』

 

相変わらずのマシンガントーク。付け入る隙を見逃さない。

凄いよこの子、セールスウーマンか保険屋にでもなった方がいい。

 

「いや、勝つには勝ったけど……この姿どうにかならんのか?」

『それはちょっと難しいですね……後、口調は気を付けた方がいいですよ?

ちょっと俺系女子とか、ボーイッシュ系って遅れてると言うかなんと言うか』

 

おい、全国のボーイッシュ好きに謝れよ。

 

「それは問題ない。あんたの前だけだから。それ以外じゃ完全に女だから」

『あ、そうだ。いいものを上げますよ! ちょっとそこに居てくださいね』

 

いい物だ? 言われた通り待っていると、急に頭に何か降ってくる。

 

「痛ってッ!? なんだ……これ? 《オトメの会話術》だぁ?」

 

安っぽい文庫サイズの本が落ちていた。帯には「これでアナタも素敵女子」だと

か書いてある。正直鳥肌物だ。中にどんな馬鹿っぽいことが書かれているのか、

容易に想像できてしまう辺り安い。

 

『届きましたか? それを読んで参考にしてください。

完全といっても油断はできませんよ? いつボロが出るやら』

 

届いたってことはこれ、嬢ちゃんが送ったのか? ア○ゾンもビックリ

な配達速度だなオイ……即日どころか、瞬間だったぞ? 

 

「まぁ、一応目を通してみるわ。サンキュウ」

 

まぁ、俺の身を案じての行為だ。ここは受け取っておくか。

 

『そうですね。では、また連絡しますね』

「あ、ちょっと待て」

『え? 何ですか?』

「カードとか、金とかって何処で手に入るんだ? 後、当面の衣食住はどうすれば

いいんだ? この後は、どうしろってんだよ?」

『なるほど、お金でしたら財布がありましたよね? そこに自動分配されます。

一定金額が途切れないように支給されるのでご安心を。カードもそのお金でどうぞ

存分にデッキを強化してくださいな』

 

なるほど、凄い財布だ。ん? ということは、これで酒も飲み放題だし、

パチンコも打ち放題の何でもし放題じゃねぇか。この金で儲けて、儲け分を

貯めれば……行く行くは億万長者も夢じゃない?

とっても奇抜なHな下着とか買っても面白いんじゃないか? 話のネタくらい

にはなるんじゃないだろうか? 内面は男な俺は別に下着を見られた程度じゃ

羞恥心は感じないしな。他人の金で馬鹿やるのも一興か……。

 

『あ、必要の無いとみなされた物を購入した場合はその分次の配給が減るので。

ちなみに判定は私が責任を持って行います。未成年で飲酒とか喫煙はさせません。

パチンコとか競馬とか、ギャンブルも認めません。くだらないものも没収です』

「……あ、そう。ですよねぇ知ってました。世の中そんなに上手くないって」

 

馬鹿な。今夜は浴びるほど飲むつもりだったんだが……無理だったか。

夢ってのはいつだってそういうものだ。何せ、「人」に「夢」と書いて

「儚い」と読むんだ。そう、人の夢は儚いのだ……これ常識な。

 

『とりあえずは、ホテル暮らしになりますね』

「ほー憧れのホテル暮らしが今ここに。で、学校の手続きとかどうなるんだ?

戸籍とか、そういうの必要じゃないのか? 大丈夫なのその辺」

 

ホテル暮らしか……悪くないな。朝飯はビュッフェ式がいいな。しかし、

書類とかそういう類って親がやってくれてたし、いまいち分からないんだよな。

やっぱ自立出来て無かったんだろうなぁ。死んでから分かる自分の情けなさだ。

 

『それらも問題ないです。“自動”で行われるので。詳しくは言えませんが、

とりあえず大丈夫です。では、また連絡しますね。いいですか? お酒もたばこも

ギャンブルもダメですからね? 未成年なんですからね?』

「分かったよ……あんたは俺の母ちゃんかよ」

『似たようなものだと思って頂いて結構ですよ。では頑張ってくださいね。

紗・姫・さ・ん』

 

「やろう……わざと女の方の名前で呼びやがったな。電源切ってやる」

 

電源が切れたのを確認するとため息をつく。形態のディスプレイには、

顔立ちの整った少女の顔が映る。……無駄に可愛い顔じゃねぇかやっぱ。

ナルシストに目覚めるつもりは毛頭ないが、これだと現実味が湧かない。

とりあえず、ホテル探すか……いや、その前にデッキの強化か? 

しかし、金も自動で入るとか謎だけど……いいのかね?マネーロンダリングとか

じゃねぇよな? 俺は、関係ないぞ? 関係ないからな?

 

俺は、この金が黒い金じゃないことを祈りながら歩き出した。

身体売る展開だけは御免だぜ? いや、マジで。痛いって聞くし……




カットも入れつつサクサク進んでいきます。20話に収めたいと思ってます。
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