Re:》遊戯王GX 25歳フリーターがJKになって転生?!   作:神聖SmD

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3、デュエル・アカデミアへ

入試から数日が立ち、俺の元にアカデミアの合格通知が届く。

これを破って捨て、うきうき楽々引き籠り生活をスタートしようかなぁ、と

真剣に悩む今日この頃である。だが、そんなことをしようとすれば俺への

資金援助がストップしてしまう。世は無情なのだ。

よって俺はデュエル・アカデミアでの鬱々学畜ライフを余儀なくされたのだった。

――――ホントめんどくさい。

 

 

「おろろろろっろr……」

 

ホテルからアカデミアを目指す船に乗った俺は数分でトイレに直行していた。

というのもどうやら船酔いしたらしい。らしいというのは、生前の俺は乗り物酔いの

気などなかったのだ。そんなこんなで開幕早々、お茶の間にお届けできないような、

親御さんからバッシングを受けそうなゲロインに成り下がったわけである。

 

希望に満ち溢れた高校生活。なんて夢は開幕砕け散った気がした。

 

「クソ、気持ちわる……後何時間便器と睨めっこしてりゃいいんだよ」

 

辛さのあまり男言葉の呟きが漏れる。既に船は港を出ているので、当然止まらない。

つまり、慣れるかこのままかの二択なのだ。結局、慣れることが出来ずに船室と

トイレを行ったり来たりしている始末だ。

 

「はぁ……帰りてぇ」

 

そう言ってから、この世界には自分の帰る家が無いことに気付く。いや、転生したって

んならこっちの両親がいる可能性も無くは無いが、この際関係は無い。

帰る場所が無いなら、このまま成り行きに任せるほかないのだろう。

 

とりあえずいつまでもここに居る訳にはいかないので、2、3回深呼吸して個室から

出る。ここから出たら俺はまた女だと言い聞かせる。せめてここで知り合いでも

作らないとなぁと軽く思いながら船内を移動。廊下を歩くが、やはりここは海上。

多少は揺れるわけで、そのたびにまたリバースしそうになる。

えーどんだけ弱いのこの身体……。

何とか開けたバルコニー的な場所に出る。これまた潮臭さが胸を刺激し、大変

気持ち悪いわけだが、船内よりマシだと思い。柵に寄りかかって景色でも見ること

にする。

 

「あの、大丈夫ですか?」

「え?」

 

やや暫くそうしていた頃だろうか? 一人の女子生徒が話かけてきた。

この船に乗っているということは同じく新入生なのだろう。俺と同じ、

青い制服を着ているその娘は、眼鏡が似合っている。そして何より胸がデカい。

うん。アカデミア……最高ですね。

 

「ちょっと顔色悪そうだったから。大丈夫?」

「えぇ。ちょっと緊張して酔ったみたい」

 

自然にそう返す。心配して声をかけてくれたようだ。

 

「そうなの。私も少し緊張してるかな……

あ、えと私は大角真須美って言うの。貴方の名前は?」

 

そう聞かれたので「仁村、仁村紗姫」とDQNネームを名乗る。

 

「いい名前だね」

 

いやいや全然よくないけどね。むしろ設定画面何処ですか、今すぐ名前変えたい。

とも言えず俺は「ありがとう」と無難に返す。

 

「ん~風が気持ちいいね」

 

そう言ってぐっと背伸びを始める大角さん。凄い! 胸が凄い!

この広大な海より、隣のバストと言わんばかりに観察する。

やっぱり胸は大きい方がいい。そうだろう皆! 

 

「どうかした?」

「い、いえ! なんでもない……」

 

胸を見てたんだ。なんて言える訳も無くそう返す。やっぱこう女子と会話すると

疲れるなぁ。ほとんど全部建前で会話してるようなもんだし。

これがこれからデフォとか信じらんねぇ。

 

《――――もなく、到着となります…》

 

船内放送が響く。見れば先の方にうっすら島が見えてきた。どうやら到着のようだ。

 

「あ、もう着くんだね。じゃあね、紗姫ちゃん。あっちで」

「えぇ。また」

 

そう言ってやんわりとした笑みを残して船内に戻っていた。

後には潮臭さと、アカデミアへの不安とか少しばかりの期待感が残った。

 

「まぁ、着ちまったモンはしょうがねぇ……か」

 

 

「はぁ、やっと地に足ついた気分だ――――」

 

無事にアカデミア港に到着した船を目上げ呟く。こう思うと飛行機にすれば

良かったなと思う。いや、もしかしたら乗り物全般がダメなのかもしれん。

この際、ついたのだからどうでもいいのだが……

さて、周りを見渡す。離れた方では教師と思わしき男性が「学園はこちら―――」

と叫びを上げている。手元のパンフレットを確認すれば、この後は入学式のようだ。

……入学式。それは入った学校の校長先生の話の長さを知る一種の儀式だ。

 

(じゃけんバックれましょうね~)

 

その答えが出るまで数秒とかからない。本当に屑だなと思いつつ、島を探索

しようかと辺りを見渡す。島の全貌は未だ分からないが、随分自然が多いというか

森しかないと言うか……火山とかあるし。サバイバルでもさせられそうだ。

 

「――――そこのあなた」

 

「え?」

 

もの珍しそうにあたりを見渡していると、声を掛けられてしまう。相手は――――

俺と同じ青い制服に身を包んだ女子。今日はやけに女子から話しかけられて参ったなぁ

とか思ったら、俺自身女だった。なんて話はよくあることだが(ない)。

しかしこの女子。何というか纏った風格とか気品とかが凄いな。あと、胸も凄い。

 

「な、何かしら」

 

格上の人との会話で必ず声が上ずるのはもはや、社会の底辺経験者としての一種の

性だ。染みついた本能と言っても過言ではない。

 

「入学式はこっちよ?」

「あぁ、ありがとう。間違えてしまったようだわ」

 

無理に取り繕う。やはりと言うべきか相手は優等生肌のようだ。

 

「緊張しているのね。私は、天上院。天上院明日香よ」

「えぇ。よろしく。仁村紗姫よ」

 

天上院明日香か……何処かの令嬢のような名前だなと思いつつ挨拶を返す。

何というか、他人のことを言えないがこの世界は随分と名前が煌びやかだ。

 

「じゃあ行きましょうか」

「そ、そうね」

 

結局俺は入学式に出席することになった。

 

 

校長の話は思ったよりも短かった。結果的にここはデュエルの専門学校だ。

故に、「勝ったものが正しい」的な風潮があるのだろう。そんな様子は、他の

男子生徒や教師から見て取れた。女子は関係なくオベリスクの配属となるが、

男子は成績によって上からオベリスク、ラー、オシリスに分けられるようだ。

そのこともあり、やはりここはそういう風潮が強いと思わざるおえない。

それなりのポストに座りたければ、デュエルが強くないといけないのだ。

まぁ、その辺全然気にしない俺は適当に三年浪費するまでだけどね。

 

「ここが女子尞ねぇ……わーすげ」

 

なんて考えながら足を動かしているうちに女子寮に着いてしまう。

これから三年間の住居となるそれは、まるで英国の屋敷のような外装だった。

凄いな……まるでホテルだ。こういった優雅そうな暮らしと縁が無い俺は、暫く

それを見ていた。

 

「紗姫ちゃん」

「あ、また会えたわね」

 

後ろからの声ではっとして振り向く。そこには大角さんがいた。

 

「どうしたのこんなところで? さ、中に入ろう」

「え、あぁ。うん」

 

そうしてその背中に追従する形で俺は尞へと踏み入る。なんだか、女子になった

とはいえ女子寮という所謂一種の「聖域」に踏み入るような背徳感がある。

まぁ儲けもんだよなってくらいに受け止めておくか。神様ありがとうっと。

 

 

その夜は新入生の歓迎会と言う形の立食パーティが催された。聞けば、どの尞も

今日はこういった形で新しい住人を迎えているようだ。しかし、この立食というか

パーティというものは苦手だ。まず、腹に溜まらない。そしてあるものが見た目重視

で腹に溜まらない。あ、二回言ってしまった。

ということで俺は現在、皆がアハハオホホしてる中で一人料理を食べているわけだ。

スモークサーモンめちゃ美味い。

 

「どう、楽しんでいるかしら?」

 

もくもくと手を動かしていると、卓に天上院さんが寄って来た。片手にはシャンパン

が入っているグラスを持っている。その姿がとても様になっている。

 

「えぇ。料理も凄くおいしくて手が止まらないくらい。太っちゃうかも」

 

そう返す。まぁ、実際に体重とか気にしないけど。

 

「ふふ、ほどほどにね」

「えぇ」

 

二、三口会話してそのまま彼女はまた輪の中心に戻って行った。

そして俺はまた食事に戻ることにする。途中で大角さんが話しかけてくれたり、

その他の生徒ともそこそこ交流が図れ、充実していた。

 

 

「あ゛ぁ~………疲れた」

 

割り振られた部屋に戻り、ベッドに倒れ伏す。凄く疲れる。

なんたって会話に気を遣う。

 

「やってけんのか、ここで」

 

こうなって分かるのが、一人だと楽だが卑屈になるということだ。

ため息をつく。こうしてると疲労と安堵でこのまま寝てしまいそうだ。

――――っと、いかんいかん。明日からもう授業だ、

 

「風呂入らないとな。流石に」

 

俺はもそもそとベッドから立ち上がりなんとか風呂の支度をすると、

大浴場に向けて歩き出した。

明日からもう学園生活が始まる。一日でこの疲労だ。けど、慣れていくしか

無いのだろう。だが、人間はなんだかんだ順応していく動物なのだ。

 

「まぁ、なんとかなんだろ」

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