逆転蒼録検事   作:山崎五郎

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初現場で初投稿です。


第一話 ② 現場到着

 

同日 18時15分

クロノス第8ビル 6階スタッフルーム

 

(ここが事件現場‥‥ですわね。

容疑者はトリニティ重役の関係者だそうですが‥‥さて‥‥。)

 

 

「‥‥‥から、わた‥‥きた‥けで‥‥!」

 

(厶‥‥中から声が‥‥?

私も詳しい話を聞かせてもらうとしましょうか。)

 

 

 

 

「だから! 私は人殺しなんてしてないんですってば!!」

 

「‥‥‥って言ってるけど〜?

 どーすんの、中務刑事。」

 

「ううん‥‥‥そうは言っても、捜査の結果凶器も状況証拠もしっかりあるんですよ!

 あなた以外に犯人と思しき人は居ないんです!」

 

「でも‥‥私、本当に違うのに‥‥‥!」

 

 

(‥‥‥なんなの、この状況は?)

 

 

「とにかく、詳しい話は署で聞きますので!

 逮捕です! 連行ですよ!!」

 

「い、いや‥‥‥!」

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

 

‥‥‥事ここに至って、私の出番などないのでは?

証拠も揃っているのなら、このまま警察の逮捕を待てばいい。

私は本来の役目通り、警察とさらなる捜査を行い、容疑者を立件しその罪を証明すればいいだけ。

 

‥‥‥だが、本当にそれで良いのか?

彼女の怯えた目、震える声、とても犯罪を犯した人間のそれとは思えない‥‥。

 

もし、彼女をこのまま連行させてしまったら‥‥。

 

 

真実が闇の中に消える、そんな予感がしてならない‥‥‥!

 

 

 

 

『待った!』

 

 

 

「え‥‥?」

 

「ん?」

 

「だ‥‥誰ですかッ!?」

 

 

「‥‥少し、待っていただきましょう。」

 

「あ、あなたはッ‥‥!!

 ‥‥‥‥その、どちら様でしょうか?」

 

「‥‥‥まあ、ご存じないのも無理はありませんわね。

 何しろ、本日付でキヴォトスに配属されたばかりなものですから。」

 

「はあ‥‥‥ええと、警察の関係者でしょうか?」

 

「フッ‥‥口で語るより、このバッジを見ていただければ分かるかと。」

 

「こ、これは‥‥!

 

 ‥‥‥‥‥‥‥綺麗なバッジですね!!」

 

「んなッ!!」

 

「‥‥‥キリノ〜。

 さすがにそれはどうかと思うよ?」

 

 

(‥‥‥思わず驚きの声が漏れてしまいましたわ)

「‥‥‥ナカツカサ刑事、と言いましたか?

 これは、検事バッジですわ。」

 

「けん‥じ?」

 

「つまりこの人は検事さん。

 私らにしてみればお偉いさん‥‥で、いいんでしたっけ?」

 

「‥‥‥‥‥な、な、なな。

 

 なんっですってえええええええええ!!!」

 

 

(‥‥‥そのように驚くことでも‥‥いや。

キヴォトスで序審法廷制度が定められたのはここ数年‥‥それもかなり最近でしたわね。

見たところ新人の刑事らしきこの刑事が知らないのも無理は‥‥‥ない、かしら)

 

 

 

「‥‥‥‥とにかく。

 その逮捕は少し待っていただきますわ。」

 

「な、なぜですか!?

 先ほども言いましたが、すでに証拠は揃って‥‥。」

 

「私は‥‥つい先程、この事件の担当検事に任命されましたの。

 事件の概要を聞く権利があり‥‥あなたたち警察には、ソレを説明する義務があるのですわ。」

 

「な、なんですって‥‥‥!」

 

「事件についての全容を知らなければ、正しい判断は下せない‥‥‥。

 彼女が本当に犯人かどうかも分からず立件するなど、私の誇りが許しませんわよ。」

 

「う、ううん‥‥‥。

 

 ‥‥‥‥‥分かりました。」

 

 

 

「!」

 

「ありゃ。 良いの〜キリノ?

 この人ウソついてるとか思わないワケ?」

 

「あのバッジの輝きと、自信に満ちあふれた有様‥‥‥。

 彼女は本物です! 私の刑事としてのカンがそう言ってます!!」

 

「‥‥‥あんたも私も、刑事になったのつい最近じゃん‥‥。

 はあああああああ。 まあいっか、めんどくさいし‥‥‥。」

 

「‥‥‥‥‥‥‥。」

(‥‥‥色々と言いたいことはあるけれど。

ひとまずは、良しとしましょうか)

 

 

 

 

「では‥‥‥ナカツカサ刑事。

 事件概要の説明を‥‥。」

 

「あ! その前に自己紹介などよろしいでしょうか!?

 その、今後も仕事を同じくする可能性があるかもなので‥‥‥へへへ‥‥。」

 

「‥‥手短にお願い致しますわ。」

 

「はいッ!!

 私、中務(なかつかさ) キリノと申しますッ! 殺人課の新米刑事です!」

 

「‥‥‥‥あ、私も? はあ‥‥。

 合歓垣(ねむがき) フブキ、同じく殺人課刑事‥‥‥ったくもう、私は刑事課なんて希望した覚えないっての‥‥‥。」

 

「ナカツカサ刑事に、ネムガキ‥‥ムゥ。 フブキ刑事ですわね。

 私は小嶽レイア‥‥‥検事です。 よろしくお願い致しますわ。」

 

「ちょっ!?

 な、何故フブキだけ名前呼びなのですか!?」

 

「‥‥‥フブキ刑事の名字はその‥‥堂々と呼ぶにはアレなもので。

 あなたの思うような深い意図はありませんわ。」

 

「私は別にいいよ〜。

 呼ばれ方なんて大した問題じゃないでしょ。」

 

「フム‥‥‥そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいですわ。

 

 ‥‥‥では、改めて。

 お二人とも、事件概要を聞かせていただきましょうか」

 

 

「ハッ!

 

 

 ‥‥‥事件は本日17時30分頃、このスタッフルームで発生したと見られています。

 被害者は黒淵(くろふち) ヒノマル氏。 モモフレンズの販売などで有名なMGI商社の執行役員だったそうです。

 

 この部屋の‥‥あのテーブルを挟んで向かい合っているソファー。

 あれに腰掛けた状態で亡くなっていました。」

 

「‥‥‥会社の重役が、なぜこのような場所に?」

 

「なんでも、本日はモモフレンズのライブイベントがあったそうで。

この階をまるまる貸し切って行われたそうですよ。」

 

「ま、それだけ力の入ったイベントなら、重役が様子見に来てもおかしくはないんじゃない?」

 

「フム‥‥被害者の死因は?」

 

「体内のメモリーカードを銃弾によって破壊された‥‥‥銃殺ですね。 

 遺体は回収済みで、現在検死解体の最中です。」

 

「んで凶器は、容疑者が握ってた拳銃って見られてるね〜。

 まだ線条痕の特定は済んでないけど‥‥容疑者の指紋がバッチリ付いてたから、ほぼ間違いないと思うよ。」

 

(凶器は拳銃、死因は銃殺‥‥‥。

捜査手帳にも、記録しておくとしましょうか)

 

 

『凶器の拳銃』を

捜査手帳に記録した。

 

 

(手に入れた証拠品は、このように『捜査手帳』に記録されていく。

また、事件の関係者についての情報も記録してある‥‥。

『捜査手帳』はいつでも見ることが出来るので、都度確認しておくのがいいですわね)

 

 

「あ、検事殿!

 証拠品の保管なら我々にお任せいただければ‥‥!」

 

「いいえ、この手の資料は手元に置いておくほうが都合がいいのですわ。

 捜査手帳に記録しておけばいつでも見直すことができるもの。」

 

 

(‥‥‥『真実を見つけ出すには、小さなことも見逃してはならない』。

どのような情報であろうと簡単に切り捨てず、記憶に刻みつけなくては‥‥)

 

 

「あ! そうです検事殿!」

 

「‥‥どうしたのです、ナカツカサ刑事。」

 

「一応、こちらの方を渡しておきますね!

 新米の刑事に配られる捜査マニュアルです!」

 

「‥‥‥‥‥。」

(‥‥まあ、備えあればなんとやらとも言いますし。

受け取っておいて、損はないでしょう‥‥)

 

『よく分かる現場捜査のイロハ』を

捜査手帳に記録した。

 

 

「さあ!さあ! 行きましょう検事殿!

 捜査です! 捜査ですよ!」

 

「ええ。まずはこの事件の『情報』を集めるとしましょう。」

 

 

 

捜 査 開 始

 

クロノス第8ビル 6階スタッフルーム





証拠品/人物


検事バッジ

私の身分を証明してくれるもの。
普段はポケットにしまっている。
詳細確認可能。


凶器の拳銃

今回の凶器と見られている、リボルバータイプの拳銃。
容疑者の指紋が付着。
詳細確認可能。



よく分かる現場捜査のイロハ

ナカツカサ刑事にもらった。
現場捜査以外の情報も簡単に書かれている。
詳細確認可能。




中務 キリノ(24)

通称、ナカツカサ刑事。
刑事となる念願が叶い、常にテンションが高い。



合歓垣 フブキ(24)

ナカツカサ刑事の同期にして同僚。
常に持っているドーナツと、気だるげな態度がトレードマーク。



?????(??)

本事件の容疑者。
どこかで見たことがある気がするが、思い出せない。



黒淵 ヒノマル(58)

被害者。
MGI商社の重役だった。
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