全滅エンドがデフォな死にゲーでモブの俺が長生きする為に出来る事 作:ボツ
俺が生まれたこの世界は、俗に言うファンタジーな世界だった。
魔法が当たり前に存在するそんな世界。それを当たり前で普通だと、何の疑いも無く生きて来た。そんなある日に俺の常識は崩された。まるでそんな物無かったかの様に綺麗さっぱりとあの女神の一言で。
『君、転生者だよ。所謂前世持ちって奴だね。はい証拠』
十歳の誕生月に教会に行くと、神様から今後の行く末と少しの会話が出来ると言うのがこの世界の常識で。人間は自分がこれからどうなるか気になる人間が多いから必須では無い物の、殆どの人間がこの行事を通過していた。それに漏れる事無く、俺も参加した訳だがそこでまさかこんな仕打ちを受けるとは思わなかった。
初見殺しだろこんなの。お陰様で全部思い出したわ。今まで神様好きだったけど、反転アンチになります!!
ふぅ……。すまない、少し興奮してしまった様だ。申し訳無いね。女神の会話によって、全てを思い出した俺に次に襲いかかったのはもう一つの特典。これから先の行く末である。
『このままじゃ君は死ぬよ』
「は?」
『聞こえなかった?死ぬの。後一年ぐらい』
「いやいやいやいや、聞こえたけど何で?」
『それはね……』
女神によると、この世界は死にゲーらしい。
しかもかなり殺意が高く、殆どのエンドが主人公も含めて死ぬ絶滅エンド。スタッフ一同はゲームに親を殺されたのかとネットで話題になる程。と言うか、俺もプレイした事があるタイトルだったので良く知っている。
ディザスター・ファンタジー。日本語で、幻想的、あるいは空想的な災害。このゲームは理不尽で唐突な
そこだけ切り取れば王道的かつベタなストーリー展開で、時にはヒロイン達と良い感じの仲になり、「何が死にゲーだよw」って思ったのも束の間。次の瞬間突如何の前触れも無く現れた黒塗りの災害に押し潰されヒロインが肉片化し、それは恋愛フラグでは無く死亡フラグだったと言う事をプレイヤーは理解させられる。
そんな天災がいつどこで誰がとか関係無く平等に起こるのがディザスター・ファンタジーの世界である。そんな世界に転生してしまったらしい俺が真っ先に思ったのは死にたくないだった。だって死ぬの怖いし。なのに、死ぬらしい。そりゃあ、死ぬだろうねと納得はする。だが注目すべき点は、このままじゃと言う所だ。
『簡単だよ。死にたくないのなら、強くなれば良い。誰にも負けないぐらいにね。馬鹿な君にも分かりやすく言えば、最強になれば良いのさ』
最も強い人間になれば、他の誰も君を殺せないだろ?との事だ。確かに理には叶ってはいるが、大事な事が一つ抜けている。この世界で最強を目指すと言う事は、理不尽で残虐で唐突な天災と呼ぶべき災害達。そして、様々な戦闘に関する才能を持った文字は違うが天才と呼ばれたヒロイン達。
そいつら全員より強くならなきゃいけないと言う事だ。
戦闘経験なんて、ゲームでしかない。現実では人目を気にして縮こまって生きていた俺が?無理だ。
「無理です。対戦ありがとうございました」
俺は最強になるのを諦めた。が、生きるのを諦める気は無い。最悪な世界だが、何か他に方法がある筈。何より。
『たは〜。人類ってホント馬鹿。愚かだわ〜』