さて、待ちに待った。スキルを練習する時間だ。そうは言っても順番は決まっている。
まずは戦闘能力。これが優先だ。食料は十分にあり生産が不可能なのは、食肉の確保だけで、
これは魔物の出現で解消される可能性が高いからいいとしよう。一番は牛や鶏・羊などを飼うこと
だけど、流石に世話をしきれないから、畜産スキルを持ってる誰かがしてくれることに期待する
一番重要なのは戦闘能力で、最低でも生き残れるように逃げ足が重要になってくる。
まず欲しいのが軽功になるが、これは体術などの基礎が出来ていること前提の技術になるので、
一番にやることは、体術の基礎を習得するのが最優先だ。農業はレベルが上がるといろいろと
効果が付くが、そんなことは今は求めてないので、手が空いたら練習するでいいとして、
錬成も物資が十分にあるので後回しでいい
水中呼吸と水中行動は今の質でやっても、すぐにエネルギー切れになるのがわかるし、
水中行動に関しては練習場所がないからこれも後回しに、やるとしても水中呼吸を軽く
練習するだけにして、浄化は必要だけど体術が優先だからこれも後回しにする。適応は体術と
並行しても問題ないから一番前に、その次に命綱になりそうな気配察知を習得してから、
中距離での攻撃手段になる流体操作を練習する
まとめると、体術と適応を一番にして、二番に気配察知で三番に軽功で、次に流体操作だ。
俺の状態次第で浄化の練習もする。農業・錬成は必要になるまで練習しなくていい。水中呼吸・
水中行動は練習場所が出来るまで考えない。まずは、気の循環をしながら体術の練習で、
適応は習得時間を短縮してくれるから、発動が切れないように注意しないとな
「よし、改めて体術の確認からだ。スキルの知識は柔拳と足技しかないから剛拳などの
才能はないってことだろう。だから、掌打や合気などをメインにして、サブに足技の練習で
いいか。まあ合気は知識的にしか練習できないけど、でもどこが関節でどう体を動かせば
いいか、感覚的にわかるから本当にありがたいよな」
方針も決まったから体術の練習を始める。
そうして一週間の時間が流れ、父さんが仕事に行って、俺は体術の練習をしようとすると、
真剣な表情をした母さんから大事な話があると呼び出された
「智也。ちょっといい?大事な話があるの」
「何?大事な話って」
「あなたは誰?」
「何言ってるの?」
いや本当にどうしたの。さっき名前を呼んだよね。俺が疑問に思っていると
「小学校に通うぐらいで、あなたは私の知る智也と違って回りを見て考えることができるように
いきなり変わったわ。小学生から中学生に上がるから意識するようになったならわかるけど、
あなたは幼稚園から小学校に上がるときに、いきなり変わったわ。私の智也はそんなこと
出来ない。でも、あなたを見ていると智也の影も見える。もう一度聞くわ、あなたは誰」
最初からわかっていたのか。順番に知識をつけていったようにしていたのに、
最初からばれていたのか。まあ、隠すこともないか、でもどうなるかなこれ、
まあどうなっても結果を受け入れるか
「信じれないかもしれないけど、これから言う事は噓偽りはつかない。
俺の名前は白波智也。当時は30歳の会社員で仕事終わりに、自分が借りているマンションの自室に
帰ってベットに寝転んだら、小学校入学前の体になっていた。
つまり2025年からタイムリープした。それからは母さんの知っての通り」
素直に自分に起きた事を言うと、母さんはほっとした様子で俺に抱き着いてきた
「よかった。やっぱり私の智也だ」
「ちょっと聞いてなかったの、これでも中身は母さんの知らない」
「そんなこと、どうでもいいわ。あなたは私の智也よ。それだけで、十分よ」
俺は何も言えなくなり、そのまま母さんが満足するまで、抱き着かれていた
「えっと、落ち着いた」
「ええ、いきなり抱き着いてごめんなさい」
「いや、それないいけど中身は母さんより年上なんだけど」
「あれ、照れてるの。これからは、智也さんって呼ぼうかしら」
「ちょっと」
文句を言うと、母さんがからかってきた。まあ、変に関係が壊れるよりいいか
「それじゃあ、質問してもいいかしら」
「質問?いいけど」
「一つ目は、これから社会はどんな風になっていくの?」
あ~、この時間軸の未来の話か。まあ気になるよな。
でも、それに関しては俺もわからないからな
「えっと、それはわからない。俺が経験した時間は、こんなファンタジー的なことは
起きてない。俺は普通に大学卒業してサラリーマンになったから」
「そうなの?じゃあ、二つ目は結婚できた?」
「ちょっと、いきなり話が変わったけど」
「えー、でも聞きたいことが、全部なくなったから仕方がないじゃん」
「えー、じゃない」
まあ仕方がないか。未来の情報が役に立たないからな
「どうなの?結婚出来た」
まだ続けるのか。この話は早く終わらせるか
「結婚はしていないよ。そんな相手は大学でも居なかったし、
働いていた会社も女性は40代ばかりで若い人はいなかったし」
「ふ~ん」
「何、その意味深な顔は」
「何でもない。気にしないで」
めっちゃ気になるけど、聞いてもはぐらかされるだけか。まあ、トラブルになるよりマシだな
「それじゃあ、練習に行ってくるから」
「いってらっしゃい。そうだ来週は私の実験に付き合ってね」
「実験?」
「試してみたいことがあるの」
「わかった」
何だろう。結界関連で試したいことがあるのか?他には使い魔ことか?
まあ、来週になればわかるだろう。今は体術の練習に集中しますか。
それにしても前世では、ネットやゲームばかりで体を動かすのが好きではなかったけど、
抵抗がないものだな?あっそうだ。前世と言えば、この時間軸で娯楽方面で期待できるのかな?
名作って、言われた物が出てくるのかもわからないんだよな。出てこない以前に原作者が
生存しているかどうかもわからないし、それ以前に東側にいるなら絶対に見ることが出来ないな。
現代人いや未来人にしてはつらい世界になるのかな?
いやそんな余計なことを考えないで練習に集中しないと
そうして、一週間が過ぎて掌打と足技に歩法の基礎を習得することが出来た。
こんなに早く習得できると思ってなかった。適応先生すげえわ。
スキル知識があるから出来たことだが、適応と知識の相性が良すぎるだろ。
これなら、軽功を優先してもいいかな。いや、気配察知が優先だ。認識外からの攻撃が一番怖い
からな。やりたいことが優先じゃなくて、必要なことからやっていかないと、
リセットボタンはない現実なんだぞ
まあ、今週は母さんの実験に付き合うって言ったし、基礎鍛錬をしながら気配察知の練習もして
いこうかな。朝の鍛錬が終わった時に母さんに呼び出された
「それじゃあ、今週は約束した通りに私の実験に付き合ってね」
「いいけど、何をするの?」
「まあ、相性が悪かったら一分で終わるわ。やることは手を繋ぐだけでいいの」
俺は、言われるままに手を繋ぐと母さんの手に薄い青色に光だし、俺の手に気が流れてきた。
他人の気って、こんな感じなのか。何か暖かい感覚だけで何かあるってわけでもなさそうだし、
これで何になるんだ?
「智也からも気を送って」
「わかった」
俺は言われた通りに、薄い琥珀色の気を母さんに送った
「これで、一旦終わりよ」
「えっと、これで何がわかったの?」
「私との相性はいいみたいね。敏勝とやったらお互いの気が反発して、智也のようにお互いの
気を送り合うなんて出来なかったの」
「原因はわかっているの」
「ええ、知識によると霊と魔と気には陰と陽があるの。針時計をイメージして1~6が陽で、
7~12が陰って、イメージでいいわ。この陰と陽は互いに反発するの、でも陰同士や陽同士なら
反発しないわ。例外で、陰陽が別でも2つ隣までは大丈夫なんだけど、えっと陰7の場合は陽の6と
5は反発しないって感じなの。まあ、効果はかなり落ちるけど。それで智也の気は陰の9で
私は陰の10ね。ちなみに陰陽の男女比は、大体7対3になるらしいわ。女性が陰で男性が陽ね」
「へぇー、それで陰陽って、何か特性があるの?」
「特に何もないわよ。あるとしたら互いに反発することぐらいかしら、あっそうそう生産なんかの
相性にも関係するみたいね。素材にも陰と陽があって、同じ性質の物じゃないと完成の品質が
悪くなるみたい。だから完成した道具にも陰陽があって、自分の性質と離れるだけ道具の性能が
下がるみたいね」
「それって、大事な事じゃん」
本当に大事な事じゃん。俺の場合は陽の武器を使ったら攻撃力が半分になるとか、
そういう話じゃん。でも、これだけのことなら1週間も時間は要らないと思うけど、
まだなにか重要なことがあるのか?
「それでね。智也は私との相性が悪くないから、スキルも試せるの」
「どういうこと?」
「えっと、スキルによっては気の動かし方は違うでしょ。私の場合は気なら健康とかの気の動きを
智也に送って智也がその気を真似したら健康が使えるの。まあ、スキルに対しての適性が関わって
くるけどね。ちなみに、これは結合のおかげで出来ることね」
まじで、それって他のスキルを楽に身につけれるってことなんじゃ
「めっちゃ有能じゃん」
「そうでしょ。これで、智也は私の杖製作・式紙・結合・健康・老化軽減を覚えることができると
思うの。まあ、熟練度は術者次第になってくるけど。他のスキルは魔のスキルになるから智也には
意味がないかな」
「へー、俺のスキルは全部覚えれるかもしれないね。老化軽減?」
「あっ、それは」
「スキルを言わなかったのって、それが原因?」
「えっと、はい」
すっごい気まずげになってるけど、まあ、母さんも女だから仕方がないか
「いや、それはいいけど効果は?」
「すごいんだよ。これ、老化軽減Aなんだけど、なんと八割減にしてくれるの。常時使うのも
気の質がFあれば出来るみたいで、健康と合わされば肌をぷるっぷるにすることも夢じゃないの。
だから、智也も覚えなさい。今は老化軽減が要らないかもしれないけど、健康は本当に有能よ」
「はい」
すごい気迫だ。これからは病院が機能しないかもしれないから、健康は覚えて損はなさそう
だな。老化軽減は別にいいんだけど、強制的に覚えらせれそうだな。
まあ、あって困る物じゃないしいいか
「それで、智也の錬成と浄化と農業を覚えたいの。いいかしら」
「いいけど、それより適応を覚えた方がいいと思うよ。適応は練習時間を短縮してくれるからね。
互いの覚えれる奴は全部覚えよう。あって困る物じゃないし、何かの役に立つでしょ」
「やってみましょう。まずは健康から」
そうして、スキルの習得ができるか試して見る。母さんから流れてくる気を真似してみる
これを何度も試しているとステータス画面の一番下に技能という欄ができて、
そこに健康Iと出てきた。他にも今まで練習していた体術などもあった
「習得出来たよ。それに、ステータス画面に新しく技能って欄が出来て、そこに健康Iって
出てる。今まで練習していたものも出てるからスキルは才能と知識で合ってるね」
「そうなの、技能は熟練度でいいのかしら?」
「多分あってると思う。それに、結合の熟練度と技能熟練度が相手に教えれる上限だと思うよ」
「それじゃあ、他のスキルも試してみましょう」
そうして、一週間後に俺は杖製作I・認識阻害I・式紙I・結合I・健康I・老化軽減Iを習得し、
母さんは体術I・錬成I・浄化I・農業I・水中呼吸I・適応Iを習得した
「俺が覚えれなかったのは結界・魔法陣・使い魔・回復術か、回復が覚えれないのが痛いな。
わかっていたことだけど、魔力関係は才能がないってことかな」
「そうみたいね。でも私の回復術などの知識は魔だけで気を使った知識はないの。
だから気を使った回復術を覚えれる可能性は残ってると思うわ」
「なら希望はあるか?回復手段はほしいからな。でも鍛錬はスキルが優先だから、
あんまり試すことが出来ないかもしれないけど」
「ええ、それでいいと思うわ。それにスキルの熟練度が上がれば、また結合で楽に覚えれるわ」
何か機嫌が良さそうだけど、まあ実験が成功して技能が増えれば機嫌も良くなるか。
良し、最低限必要なスキルは覚え終わったから、式紙製作に必要なことをしていくか、式紙は
即戦力にならなくても、式紙のスキルレベルを上げるには、エネルギーが必要ないからな。
それに式紙を本格的に使えるのは、かなり先の事になるからな。式紙は式紙核を作って
式紙にしたい奴に、霊的に埋め込んで、10年後に埋め込んだ奴の学習を終えた式紙核が、
自分のところに戻ってくるって、しかも相手の強さや自分のレベルで時間が変わらないが、
自分よりスキルレベルや質が高い存在には埋め込めないって、式紙をメインにスキル取得して
いたら終わってたな
「母さん、これから式紙核を作って外で埋め込めそうな奴を探してくるよ」
「式紙を作るの?それなら待って、式紙核の製作技能なら三日もあればDまで上げれるし、
核は実質Dが一番上だからDに上げてから式紙を作りましょう」
「そうなの、それに簡単に上がるの?」
「知識のおかげでね。試行錯誤しないといけないのを全部答えを教えてくれるから。
それに、Cからは集めた核の情報から好きものを取り出して合わせたり改造できるものだから、
10年後までにCになればいいだけね。それに、式紙は知識と素質があれば簡単に上げれるわ。
智也も素質があるからAランクまで、すぐに上げれるわ」
「へー、そうなんだ。じゃあ、そうしよう」
「決まりね。じゃあ、これから式紙の技能を上げていくわ」
それから一週間後に俺は、結合のおかげで式紙の技能がDまで上がった。
そこから核を作り埋め込む相手を探すことになる
「核はいくらでも作れるのは親切だよな。しかし、式紙って核に学習させた技能を作成者が
疑似的な体を作って戦わせるだけって、しかも埋め込んでいた存在の知能はなしで、
技能だけなんて、式紙だけで戦わせるのは難しそうだな」
そんなことを愚痴ってたら母さんが
「そんなことないわよ。式紙の技能をAにすれば、Dで得た情報から疑似的な思考できる式紙を
製作可能よ。それに、結合の感覚的に智也は式紙をAにできると思うわ」
「そんなこと言ってたね。じゃあ頑張ってAに上げますか。でも、10年の制約は厳しいな。
野生動物が10年生存するのは難しいと思うんだけど、それに人間に埋め込むには同意がいる
みたいだし」
「それもあるけど、智也は埋め込む核にどんな条件を付けたの?」
式紙には条件を付けることで、学習の精度を上げることが出来るそうだ。というか、条件を
付けないと10年後に戻ってきた時に、埋め込んだ存在の半分ぐらいしか学習出来ないそうだ
「まずは、陰の存在であること・自分に対して敵意がないこと・埋め込んだ核を排除しないこと・
核を拒まないこと・生きることを諦めないこと以上5つが条件にした。まず埋め込んだ存在が、
陰じゃないと俺のところに戻って来ても上手く使えないから。それに、俺に対する敵意を
学習した核は使えないし、埋め込んだ核を排除されたら無駄に終わって、核を拒まれたら
学習できる範囲も少なくなる。そもそも死んだら何も手に入らなくて、困るからね」
「あら、よく考えているじゃない。それで核って、どれぐらい作ったの?」
「核は一度作ったら、次に作るのは簡単だから100個は作ったよ。コストも少ないしね。
数打てば当たるの精神で行くよ。こんな世の中になったんだから、野生動物の寿命も
延びてることを祈るよ」
俺と母さんは家の周りにいる鳥や野良猫など、埋め込めれる奴に片っ端から埋め込んでいった
そうして時間は10月20日になり世界がまた変革したが、俺はこの日に起きた事を把握する
ことが出来なかった。だから残酷な結果を回避することができなかった