領域に閉じ込められても人は生きてる   作:水二式

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第十九話 畑と対価

 11月21日

 

 さて、ヤクザとの関係もあまり考えないでよさそうだな。まあ、気を許すなんて愚行はしない。

ちゃんと一定の距離を取って、関係を築いていく。外に出てからの出だしは順調に進んでいる。

このまま戦力確保まで行ければいいが、どうなるかな。この悩みもあっさり解決して欲しいが

 

「それじゃあ、第一大公園の畑化をしますかね」

 

 これだけの土地でもエネルギー的に1日でできるが、全部のエネルギーを使うのはさすがに

まずいし、3日に分けてやるか。戦闘能力は維持しないとまずいからな

 

 そうして、10日程経つといくつかの出会いが会った。まずはヤクザの組長が、ヤクザの集団を

引き連れて対価を支払いに来た。これは、何も問題なく終わった。貰ったスキル知識の紙束と

交換で名簿に名前を書いてもらい。スキル知識の紙を持って来た奴の気を俺が作った石の札に

染み込ませた。これは、今後の作物の受け渡しの際に本人確認のために必要な物だ。

 

 今回の対価の支払いでわかったことだが、どうやらヤクザには陰の存在はいないようだ。

もしくは、核を埋め込むのは嫌だったか。まあ、深読みをすれば式紙核を埋め込めば、

俺に支配される可能性があるから、事実確認が出来るまでは嫌だよな。

それ以前に体の中に異物を入れるのが嫌だったか

 

 一つ目の出会いは、どうでもいい不良集団で畑を寄越せと、威圧して来たけど鍛えてなかった

ようで、一人でぼこして対価を払って下に付くかと聞いたら、逃げて行った。その後、ヤクザにも

脅されていて、可哀そうなことになっていた。本当にどうでもいいことだ

 

 まあ、ヤクザも周りを囲って逃げれないようにしてから、不良集団に声を掛けようとしていた

けど、ヤクザが介入する隙もない見事な出落ちキャラだったな

 

 二つ目の出会いは、近くにある鈴木商店街の会長さんだった

 

「君、ちょっといいかい」

 

「何ですか?」

 

 おっと、これは求めてたいい方の出会いかな

 

「この公園で、農業をしているのは君で合ってるかい」

 

「そうですよ。それで要件は何ですか。作物は対価を払えば手に入りますよ」

 

 あら、おっさんが固まった。まあ小学生がこんな対応したら驚くか

 

「ああ、ここの農作物について聞きたかったんだ。いいかい」

 

「どうぞ」

 

「まずは自己紹介から、私は鈴木商店街で会長をしている鈴木陸人です」

 

「俺は白波智也」

 

「ここの農作物の取引条件は何ですか。それと、ここはヤクザの畑ですか?」

 

 後半は声を小さくして聞いてきた。まあ気になるよね。あんな厳ついおっさんが周囲にいたら、

会長さんもよく近づいてきたよな、度胸あるな。俺だったら絶対に近づかないわ

 

「まず、ここはヤクザの畑じゃなくて俺の畑。あの厳ついおっさんは取引先のヤクザ。そんで

取引条件は、陽の人間にはスキル知識を紙に書き出して俺に渡すこと、陰の人間は俺の式紙核を

埋め込むこと、それだけ。守れば一ヶ月に一回、一人当たり一ヶ月分の作物を渡す。

それと陰陽の識別はこっちで出来るよ」

 

 会長さんは、何やら考え込んでから質問をしてきた

 

「三つ質問があります。一つ目は取引人数は何人ですか。二つ目は式紙核を埋め込むにあたっての

デメリットは何ですか」

 

「収穫予想は5000人分の食糧が生産予定。だから5000人ぐらい。でも他にも畑は作る予定

だから、今後の収穫量は増える。式紙核には人体に害になることはないし、俺が操作出来るとかは

ない。式紙核を埋め込んだ対象の技能を学習する物で、基本的にデメリットはない」

 

 5000人分の収穫量は予想最低限の収穫量だから、運が悪くなければ1万人分は出来る予定。

運が良ければ2万人分の食糧が出来る。本当に簡単に出来すぎるな。水に関しても近くの川の水を

操作して持って来てから、農業のスキルで川の水を農業に使えるように変化させるだけでいいから

本当に簡単だ。それに川の水を浄化したら簡単に飲み水も確保できる

 

 スキル選びを間違えなければ、この世界は生きやすいな。これだけ簡単なら他にもやってる奴が

居ても良さそうだけど、この辺りにはいないのか?

 

「最後に、先ほどの条件で食料提供の期間は何時まで可能ですか」

 

「基本的に5年と考えてる。1・2年の延長があるかもしれないけど、5年もあれば農業の技能を

覚えるには十分。技能がFランクになれば数人で小さい公園の管理が出来るようになる。

技能の習得には俺も協力する。学びたいならいつでも来て、覚えれる才能があるかはわかるから」

 

 会長さんはかなり驚いているな。まあ無理もない。スキル知識さえ、差し出せば5年分の食料が

手に入るんだから、俺も5年は長すぎると思うけど、それでも知識を手に入れることが最優先だ。

それに知識を出し渋られても面倒だし、畑もそんなに負担にならないからな

 

 自分で食糧を手に入れたいと思う奴も出てくるはずだし、ここの噂が広まれば周囲に農業を

持ってる奴が居ない所は俺のところに農業のスキル技能を習得しに来るだろうからな。

俺は農業に関しては無償で教えてもいいと思ってる。食糧を作れる奴は幾ら居てもいいからな。

でも俺を権力や力尽くで言う事を聞かせようと、する輩は物理的な対応をするがな

 

 農業に関しては、礼儀さえあれば対価は無しで教えてやるけど、結合を使って教えることは

絶対にしない。結合は絶対に秘密にする。結合を教える時は、口が堅くて本当に信じてもいいと

思える奴じゃないとな。それ以外で教える場合は、結合を教えないとやばい状態な時だけだな

 

「なら、お願いします。対価を支払いにますので、食糧供給をお願いします」

 

 こうして俺は順調にスキルの知識を収集していくが、肝心の求めている戦いの素質が高い奴が

見つからない。今までに、接触して来た取引相手は一番高いのがCランクなんだよな。

Bランク以上は珍しいのか?そんな時に、一人の身なりのいいおばちゃんが話しかけてきた

 

「あなたがこの畑の管理者かしら、少し話がしたいのいいかしら」

 

「いいですげど、何ですか」

 

「この作物は、本当に一ヶ月で収穫可能になるの?」

 

「そうですけど、証拠がいるなら2週間前に植えた場所があるから見ますか?

10分ぐらい歩くけど」

 

「お願い出来るかしら」

 

 そうして俺が作った畑に案内したら、おばちゃんは畑を注意深く見てから、

俺の今後の予定を聞かれた

 

「予定といっても交渉次第かな。予定は、東の白咲学園と南の中島学校の校庭で畑を作りたい。

まあ、対価を支払うならだけど。これが出来れば、広島1区の人口分の食糧が確実に確保できる」

 

 そう説明すると、おばちゃんが何か考え出して、覚悟を決めたような顔で

 

「私は白咲学園学園長の白咲理恵と申します。後日に詳しい話をしたいので12月6日に時間を

頂けないでしょうか」

 

「白咲学園の学園長。まじで、話はいいけどいいの?歴史ある名門校なんでしょ。

俺と取引をすれば校庭を畑にするってことだよ」

 

 俺は幾ら立地条件がいい土地が有っても、白咲学園での農業は無理だと思っていたんだけど。

まさか向こうから来るとは考えなかったな

 

「ええ、それで構いません。そんなことより食料の確保が最優先です。

他にも細かい質問はありますが、私が職員と生徒の説得をしますので、

あなたは12月7日の10時に、白咲学園に来て頂けないでしょうか」

 

「いいですよ。どうやって話を持っていこうか。悩んでいたところだったので」

 

「では、よろしくお願いいたします」

 

 そうして、来週に本来なら入ることが不可能な。日本有数の名門お嬢様学園に行くことに

なった。さて、噂の学園には強い奴はいるんだろうか?いや、それ以前に友好的な生徒がいるん

だろうか?向こうは上級国民だろ。本当にどうなるのか、ちょっと怖くなって来た

 

 それに才能は有っても戦うだけの度胸があるのか、わからないからな。そこまで期待はしない

方がいいか。でもいいスキル知識が手に入るのは期待出来るかな。でもなんで一週間後なんだ?

周囲を説得するためにそれだけの時間がいるのか?

 

 

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