領域に閉じ込められても人は生きてる   作:水二式

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第二十二話 白咲学園 面接

 12月6日

 

 主人公side

 朝になり、いよいよ。あのお嬢様学校に行くことになった。母さんは、女の子は怖いから気を付けてね。なんて、意味深なことを言っていたけど、女子校はそんなにやばいのかね。まあ、別の事は対策しているけど、本当に式紙核には驚いたな。式紙のスキルがAランクなら核の裏の条件で軽い思考誘導ができるし、自分にも核を埋め込める。なんて知らなかったな

 

 自分に使って、相手に失礼のない対応ができるように、自身の思考を裏の条件で制限できるし、ついでに自分の煩悩を封じることにした。童貞には、女子学生は眩しすぎるからな。条件を少しずつ、ずらして多重に掛けて効果を高めた。この裏の条件は同意が要らないけど、思考誘導の内容に共感を覚えないと効果がない

 

 他にも、相手の目を見て話せるようにした。陰キャにはハードルが高いことを、式紙Aのおかげですべて解決した。自分にできる対策はしたから、後は出たとこ勝負。でも、あの学園長の感じを見る限り問題は起こりそうにないけど、むしろ俺が畑を作らないって言う方が問題になるかも、条件に対する駆け引きなんかはないと嬉しいな。俺は営業とかはわからないからな

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「気を付けるのよ。無事に帰って来てね」

 

「心配しすぎ、向こうも食糧は欲しいんだから、大丈夫だって」

 

 そんなに、心配することなのか。あの学園、もしかしてやばい学校なの。金持ちや頭のいい人が、集まる学園だから秩序はあると思うけど

 

 

 そうして、白咲学園に着くと、二人の学生が待っていた

 

「おっ、10分前に来るとは偉いね」

 

「ちょっと、理香。いきなり失礼やで」

 

「えっと、初めまして白波智也です。本日は白咲学園学園長の白咲理恵さんとの約束で来ました。確認の程お願いいたします」

 

「えっ、固い固い。そんなに、かしこまる必要はないよ」

 

「そうやで、自分ほんまに小学生?」

 

「そうですよ」

 

 まあ、小学生がこんな対応してい来たら疑うよな。少し、軽い話し方にするか

 

「まっいっか、別にそこまで気にすることでもないでしょ」

 

「う~ん、そうやね。それじゃあ、母様のところに案内するえ」

 

 しかし、あっさり納得され、白咲学園内に入っていく

 

「それじゃあ、自己紹介から、私はお母様の娘で生徒会長の白咲理香よろしくね」

 

「うちは双子の妹で、風紀委員長の白咲理奈や、よろしゅうな」

 

「よろしくお願いします」

 

「それで智也は一人で、あそこの公園を一人で農地に変えたって本当?」

 

「本当です」

 

「あれには、ほんまに驚いたで。公園を畑にしたのを、ここでもするんやろ」

 

「そのつもりです。まあ、話し合い次第ですけど」

 

 そんなことを言うと二人は少し表情を変えた。これは、怒ってるより焦っている感じか。小学生だから下に見てるって感じでもなさそうだし、何かあるのか?それに、いきなり名前呼びか。距離感が近いな。俺が子供だからか?

 

 そんな話をしていると、学園長室に着いた

 

「ここよ」

 

 コンコン コンコンと生徒会長がノックして、返事を待たずドアを開ける。風紀委員長は呆れた顔をしている

 

「お母様、連れてきたよ」

 

「失礼します」

 

 俺は、頭を下げてから中に入った

 

「よく来てくれました。それでは改めて、私は白咲学園学園長の白咲理恵と申します。本日は、よろしくお願いいたします」

 

「白波智也です。本日は、よろしくお願いいたします」

 

「それでは、こちらにどうぞ」

 

「失礼します」

 

 ソファーに案内される。さあ、本番だ頑張ろう。それにしても、ここの調度品は豪華だな。さすが、金持ち学園か。廊下も豪華だったし大学でも、こんな豪華な内装は見たことないぞ。位置は、学園長が対面の長椅子に、二人は机の端にある一人用の椅子に、正面を見ると左右に座る二人が見えない位置だな。

 

 これは、警戒されているか。右の生徒会長はいいが、左の風紀委員長はまずいな。今のままでは、勝てない可能性が高いな。勝率は三割いや一割かな。でも、向こうの2人を巻き込むようにしたら、逃げるだけなら何とか出来そうだ。まあ、他の生徒がどれだけ強いか次第だな。生徒会長が平均的な強さならまずいな。家を捨てて、逃げるしかできないぞ。いやそれが出来る可能性も低いかな

 

「それでは、本題に入らせて貰います。この白咲学園で、農作業に関しての条件を決めたいと思います。白波様は何をお求めになりますか」

 

 

 高等部二年生教室side

 髪色が黒に1割ほど薄い水色に変色した髪型がセミディの少女が、髪色が白で4割ほど薄い朱色に変色した髪型がロブの少女に

 

「どう思う。沙月」

 

「まだ始まったばかり、何もわからない。でも、小学生じゃないと思う」

 

「まあ、小学生はあんなしゃべり方をしないけど。それは言いすぎじゃないの。ほら、家でしっかり教え込まれてるなら、おかしくないでしょ」

 

「どちらにせよ。あの子が何を要求するのか、次第じゃない」

 

「それも、そうね」

 

 

 学園長side

 さて、何を要求してくるかで、生徒の好感度は変わってきます。何とか、上手くまとめなくては

 

「こちらからの条件は2つ、正確には3つ。これを守るなら、私はこの地を農地にします」

 

「聞きましょう」

 

「まず、陽の人はスキル知識の紙に書き出し、それをこちらに提供すること、陰の人は私が作った式紙核を霊的に埋め込み取り出しも破壊もしないこと、この二つです。最後は、この学園の一部施設を使わせて貰いたい。正確には屋内プールを使わしてほしいです」

 

 陽と陰?私達が知らないルールがあるようですね

 

「質問いいかしら」

 

「構いません」

 

「先ほど、言われた。陰と陽の説明をお願いします」

 

「中華にある陰陽の概念で考えてもらえたら、わかりやすいでしょう。この陰陽に性質は互いに、反発する性質を持っています。ですから、陰の私が作る式紙核を埋め込むのに、陽の存在には向かないのです」

 

 なるほど、後で詳しく教えてくれればいいですが、今のところ嘘はないですね。私のスキル真偽には、偽の反応はないようです

 

「わかりました。それでは、式紙核の設定されてる。条件をお聞きしてもよろしいですか?」

 

 彼は、驚いた表情をします。これは、核の条件を話すつもりはなかったのでしょうか?

 

「えっと、式紙核の条件を知ってるなら、陰陽の事もご存じのはずでは?」

 

「それは、どういう事でしょうか」

 

「陰陽の知識の出どころは式紙のスキル知識です」

 

 それを聞き、私は娘に目を向ける。私の記憶が正しければ、この子は式紙の他に陰陽師・巫術・符術を取ってたはずですが

 

「えっと、ちょっと待って」

 

 そういうと、理香は慌てて目を瞑り集中する。しばらくすると、気まずげな顔をする

 

「どうでしたか」

 

「ありました」

 

「わかりました。話は後でします」

 

 理香は露骨に落ち込む

 

 

 高等部二年生教室side

 話しを聞いていた。髪色が黒に薄い水色の少女が

 

「はっはっはっはっは、理香やっちゃたね。これは後で、説教コースね」

 

 髪色が白で薄い朱色の少女が

 

「結月、笑いすぎ。それより、式紙核を埋め込むって話の方が重要」

 

「えー、でもあれは理香が言うには、10年後になるまで使えないし、対象を操るような条件は付けれないって言ってたじゃない」

 

「少なくともあの子は、何かに使えると考えてる。じゃなかったらあそこで、核を埋め込むなんて話はしないはず」

 

「まあ、そうね。あの子にとってわ。まだここは、敵地でもあるからあんな挑発なんてしないでしょ。ねえ、沙月」

 

「何?」

 

「核を埋め込む話、どう思う」

 

「理香の話が嘘じゃないなら、埋め込むことは問題ない。ただ、核に付けてる条件が何なのか。まあ、核の条件に何を付けてるかしだい。それで、性格も大体わかるでしょ」

 

「さて、沙月に認められるか、見ものね」

 

「そういう、結月こそどうなの」

 

「私?う~ん、今のところはアリかしら、ちゃんとしてるようだし、私達を食い物にしようとしてないし、私が陰がどうか、わからないけど」

 

 現段階は、埋め込む話に嫌悪感を持ってる生徒と、そうでない生徒で温度差がある。それでも、ここ高等部二年生は食料の事が重要と判断しているので、最初から賛成寄りだ

 

 

 学園長side

「えっと、式紙核の条件ですよね。条件は5つで、難しい内容はないです。陰の存在であること・自分に対して敵意がないこと・埋め込んだ核を排除しないこと・核を拒まないこと・生きることを諦めないこと、この5つです」

 

 内容には問題はなさそうですが、詳しく聞いてみましょう

 

「その条件に、どんな意味があるのですか。それと式紙核を埋め込むメリットとデメリットを教えてください」

 

 もしここで、まともな回答がなかったら、生徒が反対になってしまうかもしれないので、なんとか撤回してもらわねば

 

「条件の意味ですか。一つ目の、陰の存在であることは、ただの相性です。先ほども言いましたが、陰と陽は互いに反発します。ですので、陽の存在に埋め込んでも核が陽の技能を学習しきれないデメリットがあります。なので、最初から陰に限定してます」

 

 なるほど、理解できる選択ですね

 

「二つ目の、自分に対して敵意がないことは、安全確認のためです。全員が味方に、もしくは中立になってくれるなんてあり得ないので、条件に入れました。条件に違反している存在に、埋め込まれてる核の学習速度は低くなるので、それにより敵意があるかどうかの判断材料になります」

 

 潜在的な敵を見つけることが可能なのね。それは強みですね

 

「三つ目と四つ目の埋め込んだ核を排除しないこと・核を拒まないこと、これは、核を排除すれば核が無駄になるし、拒めば学習速度も下がるので、核を埋め込むのを受け入れるのなら拒むなって話です。最後は、生きることを諦めないこと、これは死なれたら何の得にもならないので、条件に入れました。野生動物とは違い、10年は生きれるのが保証されてるだから、核の回収が出来ないのは持ったいないし、生きてもらわないとこちらの損です。それに、核を埋め込むのが嫌なら、陽と同じ条件でいいですよ。陰の一番のメリットは、スキルの書き出しをしなくていいところですし」

 

 考えに問題はなさそうですね。こちらのメリットの方が多くて、彼に得が無さそうですが

 

「後は、式紙核を埋め込む、メリットとデメリットの話ですね。まずはデメリットですが、これは特にありません。式紙核は体に害はないですし、私が埋め込んだ存在を自由に操るなんてことも出来ません。メリットは、埋め込んまれた存在の気の質がE以下ならあります。私が作った核の質はDランクの核なので、体内にDランクの気がある状態では、才能さえ有れば自然と自身の気の質がDランクまで上りやすくなります」

 

 ここまでは、嘘は一つもありませんでした。誠実な人と見てよさそうですね

 

「特に問題はなさそうですね。嫌な生徒は別の選択肢があるので、問題にはならないでしょう」

 

 さて、後は彼をどれだけ有用なのか生徒に示さないといけません。そんなことを考えていると、娘が

 

「はいはーい、次は私の疑問に答えてよ」

 

 まあ、生徒に興味を示せるのは理香の方がいいかもしれませんね

 

 

 高等部二年生教室side

「それで、沙月はどう思う?」

 

「式紙核とやらに、ついては問題ない。あのスキルが持ってる学園長が何も言わないなら、嘘を言ってないようだし、私が文句を言う事はない。それで、生徒会の回し者は何かある?」

 

「あらら、わかってたか。理香から頼まれていたんだよね。だから文句は理香に言ってね。それで、私は特に反対はしないかな。取引相手も問題なさそうだし、というか、あっちにメリットがあるのかな」

 

「それは、わからないけど。何か、狙いがあるんじゃないかな。あの子はとても小学生とは、思えないほどしっかりしているし、もしかしたら別の何かが本命かも。それにプールの話もしていないし、結月にはそっちの話の方が興味があるんじゃない」

 

「それもそうね。それじゃあ、後は我らが生徒会長様に期待ね」

 

「それは大丈夫?あの頭のいい残念な天然ポンコツに託して」

 

「大丈夫でしょ。理香はやるときはやる女よ。駄目なら妹様が何とかしてくれるわよ」

 

 白咲学園高等部は一部のプライドの塊以外は賛成になっていた

 

 

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