12月6日
会議が終わり、会議室には生徒4人だけが残った
「それにしても、理奈が智也の対応をするなんて、お姉ちゃん驚いたな~」
「もう、理香まで茶化さない」
「まあ、無理もないでしょ。めんどくさがりで有名な、あの理奈が自分からやるって言うんだから、誰でも驚くわよ。ねえ、沙月」
「それはそうだけど、からかい過ぎて喧嘩にならないでね。わかってる結月」
「わかってますよ」
「それで、2人は智也にどんな評価をしたの?」
生徒会長は結月と沙月の智也をどう評価したのか気になっていた
「私は、目標もしっかり考えてる面白そうな小学生かな。沙月は」
「小学生とは思えないけど、現実を見て自分にできることを頑張ってる子かな?」
「おお、沙月にも高評価なのね。それじゃ、理奈は?」
「うち?まあ、うちも沙月と同意見やな。突然、強い力を手に入れたのに自分勝手なことはせずに、真っ当に生活してるし、こんな世の中になって、自分の意志でちゃんと考えて行動しとるのが、すごいと思っとる。そういう理香は?」
「う~ん。私は、どちらかと言うとお母様に近いかな。智也がいると学園を守れそうって感じ」
「みんな、評価が高いんやね」
生徒会長・風紀委員長・水泳部部長・弓術部部長代理の4人は雑談を続けていた
「はい。雑談もそれぐらいにして、今後の方針を決めていきましょう」
「そうやね。時間は有限や。早く決めないとみんなが困るし、お昼も遠のく。はよ、決めよか」
「それで、どうするの?」
「ちょっと、仕切りだしたんなら最後までやりなさい」
結月に突っ込まれた理香は
「えー、でもこれから何を決めるの?」
「それなら、理奈がやりなさい」
「なんでや。そういう結月がやれなええやん」
醜い擦り付け合いが始まると、沙月が
「取り敢えず、理奈がやって」
「え~、沙月まで」
「仕方がない。理香には任せられない。結月も自分の趣味を優先しそうだし、残るは私と理奈なら、風紀委員長の方が仕切るのに相応しい」
「それって、自分がやりたくないだけやん」
「ほら、早く」
「う~~、しゃあない」
渋る理奈を説得する沙月は進行役なんて、面倒くさいことはしたくなかったのだ
「それじゃあ、白波智也の対策が会議を始めます。みんな、真面目にやってな」
「もちろん。お姉ちゃんは何時もまじめよ」
「わかってるわ。さすがに、ふざけるのは時と場所を考えるわよ」
「了解。よろしく」
こうして、白波対策会議が始まった
「今から決めるのは、反対派の対応をどうするか。智也に付き添う人員を決めること、施設の利用してもええ場所と駄目な場所。そして、農業と浄化のスキルを覚える人の選定を決めること、後は智也に関わっても問題ない生徒の選定の5つを決めていくで」
理奈は白板に決めることを書いていく
「ねえ、理奈」
「なんや、理香」
「スキルを覚える人と関わる人は別にしなくてもいいじゃない」
「まあ、正確には智也と関わっても問題ない生徒から、スキルを覚えるれる人を探すが正確やね」
「まあ、そうね。悪感情がないのは、私が所属する水泳部や沙月のいる弓術部・長物部・合気柔術・陸上部・文芸部・料理部に、生徒会や風紀委員ぐらいかしら、他の体育会系は部員の何割かが嫌悪感を持ってるし、他の文化部もかなりの割合で敵対心を持ってるから、そこら辺の対応は要注意ね」
「なんで?それじゃあ、剣術部や柔道部に茶道部なんかも?サッカー部とかは、グラウンド関係でわかるけど。なんで屋内の部活動が嫌うの」
「そうやね。茶道部なんかの文化部は、金持ち特有のプライドの問題や。自分達が上だと意識が高いから、式紙の事で嫌悪感があるみたいや。まあ、学園で農業することに反対しているし、それ以前に男とだから学園に入れること自体で拒絶反応を出しとるからな」
「剣術部なんかは、子供に頼るのが嫌らしい。まあ、気持ちはわからなくもないけど、でも智也にはあまり合わせない方がいいかも。それより、意外なのが陸上部が歓迎ムードみたいなんやけど、何か知らへん」
理奈の疑問に沙月が答える
「それなら知ってる。もともと陸上部は大会に出ることが目的じゃない。体形を維持するために入ってる生徒がほとんどで、大会を目指している少数派の生徒も、こんな世界になったから、いろいろ諦めているし。何より、あそこの部長・副部長は人格者で有名。あの2人がいる時点で問題にはならない。他の部員も食糧が手に入るので好意的」
「へ~、そうなんや。それじゃあ、本題に入るで。まずは、反対派の職員や生徒の対策や」
「これは、仕方がないよね。伝統ある白咲学園で本格的な農業をやるなんて、伝統を重んじる人には受け入れがたいし、でもこれはお母様に任せればいいでしょ」
「そうやね。反対の職員は母様に任せておけば問題ない。問題は生徒の方や」
「難しい問題。これは、私には荷が重い」
「沙月に同じく。まあ、これは我らが生徒会長様にお任せします」
沙月と結月は自分がやりたくないから、生徒の対応をすべて生徒会長に任せる気だ
「えっ、私に一任?ちょっと誰か手伝ってよ」
「うちは、智也と一緒に行動するから無理や」
妹からもあっさりと見放された
「うそー」
「生徒の問題を解決するんが生徒会長の役目やで、上手い感じに宥めて不満をなくしてや」
「うーー、はい」
生徒会長は諦めたのか、机に突っ伏した。理奈は白板に生徒会長が担任と書き込む
「それじゃあ、次の智也に付き添う人員は、うちと結月でええやな」
「いいわよ。自分で言ったんだから、責任は持つわ。それで、私たち二人だけでやるの?」
「それなら、生徒会から副会長と双子を出すわ。生徒会と理奈が揃えば、反対派も変な事は出来ないでしょう」
「ええの?生徒会が大変になるで」
「大丈夫よ。3人を常に一緒にするんじゃなくて、一人ずつ順番に出すから」
「ありがたいけど、後で泣きついてこないでよ」
「大丈夫。泣きつくなら理奈に泣きつくから」
「なんでや。何も大丈夫やあらへん」
「まあ、人手が要りそうなら、うちの副部長を出すから心配しなくても大丈夫よ。安心して生徒会長を手伝ってあげてね」
「副部長って唯華の事やん。便利に使い過ぎやあらへんか?そんなことを続けてたら嫌われるで」
「大丈夫よ。あの子はいい子だから。それに、これからの事に絶望していた唯華は、農業に希望を見出しているから、彼には感謝で一杯よ。だから彼に関わる事なら、何も言わなくても手伝ってくれるわよ」
「本当に水泳部は大丈夫なんか?ますます疑問なんやが」
「少し、心配」
「もう、沙月まで。大丈夫よ子供に手を出さないわよ。人を何だと思ってるの。もし手を出すなら6年後ね」
三人は性犯罪者を見る目をした
「結月。そこはせめて、8年後にした方がいいわよ」
「理香も何言ってるんや。24歳が15歳に手を出すのは犯罪やで」
「はいそこまで、いま手を出す気がないなら、それでいいから」
「そうよ。そこのムッツリども。何でもかんでもそっち方面に話を持ってかないで」
双子は結月をにらみつけるがこれ以上のことは言わなかった
「気を取り直して、次は施設の利用についてや」
「智也が利用するのが決まってるのは、南館の屋内プールとグランドだけでしょ。なら、南館だけを自由に出入りできるようにして、反対派の人には南館に近づかないように手配すればいいんじゃない」
「そうね。運動部は基本北館だし、南館は水泳部意外にも弓術部や一部の運動部があるけど、沙月は問題なさそう?」
「問題ない。弓術部は好意的だから大丈夫。それに合気柔術部や護身術部も歓迎してる。本校舎がある西館に近づかなければ、反対派とも会わないし、東館は学生寮だから近づかないでしょ」
「それじゃあ、他に何もなければ。そういう風に手配するで」
「私はそれでいいわよ。楽が出来そうだし」
「私も問題ないわ」
「同じく」
こうして、白波智也が白咲学園での行動可能な場所は、グラウンドと南館だけになった
「後は、智也と関わっても問題ない生徒を決めることやね」
「それって、難しいと思うけど。だって、最初の段階で陰陽の判断が必要になるし、陰陽の検査をするから自然と全生徒と会うわよ」
「そういえば、陰陽の識別は式紙の知識でわかるんでしょ。なら、理香が調べればいいじゃない」
「それもそうやな。ついでに、うちらはどっちなん」
「えっ、あーーそれは当日までのお楽しみってことで」
ただの陰陽の識別に渋る理香に三人は疑わしいって目で見ていると、三人はあることに気付いて
「あー、なんとなくわかったし、いいわよ。書き出し頑張ってね」
「ドンマイ」
「うーー」
「はいはい、唸らないの」
「まあ、理香の事は放っておいて、時間が足りないから全生徒を調べるんは現実的じゃないで」
「あー、そうね。もう本人に相談するのがいいんじゃない?」
「まあ、私だけじゃ調べるのは難しいし、スキルの事もあるから、明日の契約後にでも相談しましょう」
「ほな。うちは決まったことを母様に報告してくるで」
「ねえ、終わってから言うのもなんだけど、これって私達だけで決めていいことなの?」
「大丈夫やで。沙月はついでやけど、智也の担当になった。うちと結月が、これからの基本方針を決めるように言われたから」
「そんな大事なことを、私達が簡単に決めていいの?」
「問題があるようなら、母様が止めるやろ」
「それじゃあ、話がまとまったことで会議は終わりにしましょう。もう、お腹がペコペコよ」
「終わった。ご飯にしよ」
そうして学園長に報告をした4人は、遅めの昼食を取ることにした