領域に閉じ込められても人は生きてる   作:水二式

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第二十六話 契約

 12月7日

 主人公side

 さて、答えを聞きに行こう。それにしても白咲学園の価値を甘く見ていたな。ぶっちゃけ施設以外に価値はないと思っていた。ただのお嬢様学園じゃあ、これからの世の中では、その力を発揮できないと考えていたけど、実際は戦闘に特化した武闘派集団なんて誰も予想出来ないわ

 

 今日、改めて話をするけど白咲学園にはどんな条件を突き付けられるか。白咲学園の保有スキルのランクが予想より遥かに高かったから、いろいろ条件の緩和か、何か要求されるかわからないけど、ここで考えても仕方がないし行ってみますか

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「いってらっしゃい。話がうまくまとまっても油断しないようにね」

 

「わかってるよ」

 

 

 学園に着くと校門前に理香と理奈が俺を待っていた

 

「おはようございます」

 

「おはよう」

 

「おはようさん」

 

 挨拶を済まし、軽く探りを入れる

 

「話はまとまりましたか?」

 

「ちゃんと、まとまったよ」

 

「安心し、智也が心配しているような。条件を増やしたり対価を減らしたりなんてせーへん」

 

「そうなんですか?今日が交渉の本番だと思っていたんですが」

 

「えっ、そんなこと考えていたの」

 

「はい。農業をするのは確定事項だとしても、最低でも条件の緩和か、農業業務の延長を要請してくると思っていました」

 

「ん~、どうやろ。そんなことせえへんと思うけど。対価も過剰でもないし、スキル知識の紙に書き出しもさじ加減はこっち次第やし、母様もあの条件で満足してたみたいやから、大丈夫だと思うけど」

 

 そんなものか?高ランクのスキル知識はかなりの武器になると思うけど。まあAランクの知識は高望みだとして、最初からCランクの知識が手に入ったら良しとしか考えてなかったし、Bランクの知識が手に入ったらラッキーぐらいしか期待してなかったから、俺としてはEランク以下の知識しか渡さない、なんて馬鹿な真似をしない限りは問題にしない

 

 あの後、周辺を探索して見たけど髪が変色した人は見つけれなかった。Aランクは貴重な存在だと考えていいだろう。なのでAランクのスキル知識なら価値は計り知れない。あの学園長が、そのことをわからないとは思えないし、誰も突っ込まなっかたのか?それとも、農業の価値が俺の予想より高いのか?

 

 それにしても、昨日よりこちらを窺っている生徒が多いな。戦闘にはならないだろうけど嫌がらせぐらいならやってくる可能性も少しはあるか?二人は友好的だけど、敵対的の生徒もいるだろうし、まあ伝統ある学園で農業をする、なんて学園に対して誇りを持ってる奴は面白くないか。そんなことを考えながら、二人と雑談をしていたら学園長室に着いた。さあ、本番だ

 

 コンコン コンコンとノックをして理香は返事を聞かずにドアを開ける 

 

「お母様、連れてきたよ」

 

「「失礼します」」

 

 この人も相変わらずだな。二人も呆れているけど

 

「よく来てくれました。こちらにどうぞ」

 

 学園長は理香を無視して、俺はソファーに案内する

 

「まずは昨日の返事をしたいと思います」

 

「お聞きします」

 

「それでは、白咲学園は先日の交渉内容で合意します。我々、白咲学園は白波智也様が条件を守る限り、白波様の味方であります」

 

 本当に何も要求してこないのか。こちらとしては有難いがいいのか?

 

「それでは、よろしくお願いいたします」

 

「では、細かい作業内容を決めていきましょう」

 

「はい」

 

「農地にできる範囲はどれ程になりますか」

 

「収穫量を低くしていいのなら、農地にできる可能範囲は白咲学園全土を農地にすることが可能です。収穫量を多くするのなら、第一大公園の2倍までなら可能です」

 

「それでは、グランドをすべて農地に変えることも可能ですね」

 

 それは、いいのか?白咲学園のグランドは複数あるから、一つぐらいは残せばいいのに

 

「それは、いいのですか?複数あるグラウンドの全部を農地に変えるのは、さすがに反対されるのでは?それにスキルの練習場所がなくならないですか?」

 

「はい。反対の意見は多くありましたが、今は食糧を確保することが最優先です。幸いスキルなんて便利な力があるので後日、元に戻すことも可能ですし、スキルの練習場所はグランド以外にもあるので問題ないです」

 

 さずが金持ち学園、スキルを安全に使える場所がグランド以外にもあるのか

 

「それでは、欲しい作物はありますか。私が所有してる種や苗木は小麦・米・大豆・ネギ・玉ねぎ・トマト・ジャガイモ・レタス・白菜・てん菜・バナナ・ブドウ・ミカン・梨になります。他には、アロエや鎮静効果がある花・リラックス効果がある花や花蜜の多い花など、薪にできる広葉樹などもありますが、それ以外は種や苗木さえ手に入れば、育てるのは可能です」

 

「作物は天候・気温や環境に左右されないのですか?」

 

「はい、スキルが出る前の作物なら育てることは可能です」

 

 3人とも農業のスキルの力に驚いている

 

「それでは、グラウンドを一つをすべて使って穀物類を中心に育ててください。他のグラウンドは後ほど詳細な計画を練りましょう。作物の予想収穫量はどれほどになりますか」

 

「そうですね。グランド一つをすべて使っていいなら、第一大公園の敷地より少し小さい範囲ですので、最低でも年間1万人分の食糧を育成可能です」

 

「それでは、最高では?」

 

「2~3倍でしょうか」

 

 学園長や理香と理奈は俺が言った事に信じられないって、顔をしている

 

「どうして、そこまで増えるのでしょうか」

 

「農業のスキルを使用したら、作物の収穫量が2倍~5倍になります。私の力量なら基本は3倍になるので収穫量が増えます」

 

「なるほど、だからあなたは表に出てきたのですね。食糧問題を解決できなくても、一区の住人一割分の食糧の生産が可能と判断したのですね。それでは作物はどれほど、増やせるのですか」

 

「そうですね。土地があっても私一人では二割が限界ですね。私と同じ力量の人が五人いれば、一区すべての住人分の食糧の製作はできますが。まあ、数年後には私の力の使い方も上手なり、質も上がっているので、作れる量も三割以上になってると思いますが」

 

 3人は俺の言ってることに驚いているな。いやあ、自分で言っていてもめちゃくちゃな事を言ってるな。50万人分の食料を数人で作れるようになるなんて、本当に出来そうで怖いけど。というか、Bランクになれば土地さえあれば一人でも可能になる

 

「出来た作物は、すべてこちらが自由にして本当によろしいのですか」

 

「はい、構いません。私の分は自宅で製作可能ですので」

 

「そうですか。では対価の話に移りましょう。対価を選択する前に陰陽の判断はどのように行うのですか」

 

「それは、私が作った陰の石板を使います。これに、魔力か気力を纏いながら触ると陰の人は何もなく、陽の人は反発しますので、これで判断します。どちらの力が使えなくても陽の人なら触っただけでのなんとなくでわかるはずです。その後、陰の人には式紙核を埋め込むか、スキル知識の紙に書き出しかを選んでもらいます」

 

「わかりました。それでは生徒を集めましょう」

 

 そうして白咲学園生徒の陰陽の診断を行い、どちらを選択するか選んでもらった。白咲学園の生徒は720人で、陰陽の結果は6:4だった。その中で、3割の約130人が式紙核を受け入れた

 

 その後は、名目上監視の風紀委員長と水泳部部長の二人が付き添いの中でグランドを農地に変えていったり、別の南にある共学で中高一貫校の中島学校に似た取引をしたが、この学校にはBランク以上の存在はいなかった。なので中島学校での農業は収穫量が低い管理が簡単な畑しか作らなかった。俺は中島学校の価値はないと判断して、こことの付き合いは最低限にする

 

 それから俺は白咲学園での農作業に勤しんだ結果。12月12日にすべての作業が終わり、後は水を撒くだけでいいよう出来た。おかげで白咲学園の施設を集中して利用出来るようになった。さて、やっと水中関係のスキルを鍛えることが出来る

 

 あの上位者は意外と優しいみたいだから、ちゃんと段階を踏んでから難易度を上げてくるはず、これからは半年でどれだけ技能を上げれるか、時間との勝負になるかもな。まあ頑張るしかないか

 

 

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