領域に閉じ込められても人は生きてる   作:水二式

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第三十一話 技能訓練5

 12月12日

 

 主人公side

 さて、あんな初歩的な失敗はもうしない。というか、なんであんなことをしたのかわからない。同時並行を使わないと複数のスキルを同時に使えないって、知ってたのになんでやったんだ?

 

「気を取り直して、同時並行を使っての練習をしますか」

 

 水中呼吸を使いながら行動を開始した。まずは知識通りの軌道が取れるように練習をする。とは言っても水中行動がIランクなので、何もスキルの恩恵は感じれないが技能ランクを上げるために今は泳ぐのみだな。Aランクのスキル知識が、どうすれば最速で技能を上げれるかを教えてくれるので、それに従って体を動かしていく。そうして呼吸の制限時間の30分になった。やっぱりエネルギーに余裕があっても、水中呼吸がGだと30分が限界だな。技能の効果を実感しながらプールサイドに戻ると

 

「お疲れ様です」

 

 そう言って、唯華がタオルを渡してくれる

 

「ありがとう」

 

 俺は唯華に感謝を伝えると、結月が

 

「お疲れ~。水中での行動時間が30分なら、水中呼吸はGランクかな?」

 

 行動時間で技能ランクがわかるのか。そうなると比較対象が多いのか?まあ、水泳部だし水中呼吸と水中行動を取ってる奴は多いか。呼吸時間は技能ランクで固定なのかな。ならFランになったら、また10分増えるのか

 

「そうだけど、やっぱり水泳部は水中呼吸を取ってる人が多いの?」

 

「もちろん。夢のようなスキルだしね。水泳部なら絶対に欲しい物だし、うちの部員は全員が水中呼吸と水中行動を取ってるよ。まあ、それ以前に試練が水の中って言ってたから、水泳部以外の生徒も取っている人はかなりいるけど」

 

「あ~」

 

 それもあるのか。そうだよな。試練の攻略を出来ないと20年後に死ぬことが決まってるのに、対策を考えない方がおかしいか

 

「それから、一つ言い忘れていたことがあったから伝えるよ」

 

「ここの使用でのルールでもあるのか?」

 

「そうよ。我が水泳部には一つ、絶対に守らないといけないルールがあるの。難しいことじゃないから安心して。ここで泳いだ時間と同じ時間、休憩すること。これが、水泳部の絶対に守らないといけないことね」

 

「30分泳いだら、30分休憩しろってことか?」

 

「そうよ。泳ぎによる疲れって分かり辛いからね。休憩は過剰に取るぐらいが丁度いいのよ」

 

 そういう、ものなのか。前世はあまり泳がなかったからな。その辺の感覚はわからないから、ここは素直に従う方がいいか

 

「わかった。瞑想くらいはやってもいいか」

 

「瞑想?まあ、他に体を動かしたりしないのなら自由よ」

 

「わかった。唯華、これありがとう」

 

 そう言ってタオルを唯華に渡すして、皆から少し離れた場所で瞑想を始める

 

 

 結月side

 智也は瞑想を始めたけど

 

「やっぱり、瞑想もスキルかな。効果は回復系かしら?唯華はどう思う」

 

 唯華の意見を聞こうと思ったけど、返事がなく。気になって唯華の方を見ると、タオルをじっと見ていた

 

「唯華。それは、やめときなさい。それに、そこには汗の匂いはしないわよ」

 

「えっ、いきなり何を言うんですか。私はそんな趣味はありません」

 

 私の言葉に驚いた。唯華は、慌てて反論するけど

 

「へ~え、いったいどんな趣味だと思ったの?」

 

「・・・」

 

 唯華は固まってしまった

 

「おーーい」

 

 唯華の前で手を振るっても反応はなく、目が泳いでる。これはからかい過ぎたかしら、唯華にはもう少し耐性を持ってもらわないと面白くないわね。割と切実な願いを考えていると、理奈が下りてきた

 

「結月。からかい過ぎてたら、ホンマに嫌われるで。ほどほどにしとき」

 

「いや~あ、唯華がここまで、ちょろくて耐性がないとは思ってもみなくてね。普段は恋愛ドラマの感想とか普通に言ってるから、大丈夫だと思ってたけど。こうなるとは、創作物の話と現実での出来ことは違うって事かしら」

 

「う~ん。現実じゃなくて、自分の事やからこうなったんじゃ?」

 

「あ~、そうかも」

 

「それにしても、現実でこんな風になる人がいるんだね」

 

「詩奈。先輩に失礼ですよ」

 

「え~、玲奈もそう思うでしょ」

 

「思っていても口に出さない」

 

 そんな話をしていると、唯華が再起動した

 

「あっあの、私・・」

 

「はい。いったん深呼吸しなさい」

 

 そう言ったら、唯華は素直に深呼吸をする

 

「あの、先輩」

 

「あ~、私がからかい過ぎたのが悪かったから、落ち着きなさい」

 

「あっあぅ~」

 

 唯華にこの手の話でからかうのは難しそうね。いいネタなんだけど、反応が返ってこないなら意味がないし、面白くないからね。智也に関する気持ちが永続的なのかは気になるけど。でも、唯華はショタコンじゃなかったのになんであそこまでの好意を智也に持ってるのか疑問ね。いくら、精神的に参ってるところに、希望をもたらしたとしてもああなるかしら?玲奈が理奈に対して神聖視してるのはまだわかるんだけど、いやあれもおかしいか?

 

「それで、智也はどんないな感じなん」

 

「取り敢えずは問題ないわよ。スキル知識を参考にして練習していたし、無茶なことはしていないわ」

 

 理奈は、ホッとする。そんなんだから、ショタコン疑惑を持たれるってわかってるのかしら

 

「この後は、どないするん」

 

「たぶん、2回ぐらい泳ぐんじゃないかしら?そうしたら、ちょうどお昼時になるから、そこで一区切りでしょ」

 

「あ~、もうそんな時間かいな」

 

「理奈はお昼どうするの?」

 

「こっちで食べるわ。玲奈、悪いんやけど、風紀委員室にあるうちの鞄を持って来てくれんか?」

 

「わかりました。詩奈、行くわよ」

 

「は~い」

 

 玲奈は嬉しそうに理奈の言う事に従う

 

「相変わらずの忠犬ね」

 

「そこまでは、いってないやろ」

 

「う~ん。怪しいところね」

 

 まあ危険な感じはしないし、玲奈も同性愛者じゃないから放って置いても問題はないでしょ

 

「そんで、智也の力量はどれくらいや?」

 

「今のところ、どうとも言えないわね。戦闘能力は私達を止めるために使った物質を掴める水柱ぐらいだし、他に何が出来るかは不明。そして水中呼吸はGランクあるみたいだけど、水中行動はIランクかしらスキルの恩恵を感じなかったわ。でもこれは今まで練習が出来なかったからだろうし、本当に何とも言えないわね」

 

「せやな。泳げる場所は貴重やし、川で泳ぐのはリスクがあるもんな」

 

「それに、髪が青系に変色してるのなら、水系でAランクなのは確定で適性がAランクあるから、水術は最低でもBランクまで上がるだろうし、水中呼吸と水中行動もすぐにCランクまで上がるでしょ」

 

「そういえば、属性適正が高いと関係するスキルも高いし技能ランクも上がりやすいもんな」

 

「私の適性は水がAランクだから水中行動・水術・液体操作がAランクで水中呼吸がBランクなのよね。それに唯華や沙月も適正がAランクなら適性関係のスキルがCランク以下のスキルはないのよ」

 

「そういや、風紀委員のメンバーも適性がAランクでスキルがCランク以下なのは一つもなかったと思うで」

 

「まあ適性あるのにスキル、つまり才能がないというのは考えれないわね」

 

「そうやね。スキルのランクが自分の習得可能な技能や考えでいいと思うで、そんでスキルを取ってなくても自分が持ってる才能は変わらへん」

 

「だから智也は水系統の術や液体操作が最低でもBランクはあるはずよ。水術は取ってないって言ってたけど、あの水柱を見る限り液体操作は取ってるわよ」

 

「智也はしっかり考えてる子や。そんな智也が攻撃手段を用意してないとは思えへんから、スキルの構成は生産系が3つか4つで行動系が最低でも2つ残りが戦闘系だと思うんやけど」

 

「そうよね。液体操作があると予想だけど、智也の話を信じるなら農業・浄化・式紙に水中呼吸と水中行動が確定かしら?他は戦闘系でも索敵なんかの感知系のスキルも考えられるわよ」

 

「接近戦なんかのスキルも取ってるはずやし、そうやなかったら術系は必ず取ってるはずや。そんで、一人で行動する予定だったら移動系や隠れる系のスキルも持ってるやろ。結月がそんなに智也のスキル構成が気になるなら本人に確認したらええやん」

 

「馬鹿ね。今の好感度でそんなことを聞いたら距離を取られるわよ。スキル構成は気になるけど、最低でも半年は我慢ね」

 

「まあ、スキル構成を聞いても契約はなくならないと思うけど、例え聞くとしても聞き方には注意やで、自分から関係を壊すことは許さんで、今の状態に持っていけてるのが奇跡なんや」

 

「わかってるわよ。戦闘能力だけがやたら高くて食糧系が絶望的だったのに、智也のおかげでそれも解消して、後は20人ぐらい農業の技能を習得出来れば完璧な状況なんだから、心配しなくても私の個人的な好奇心でそれを台無しにしたりしないわよ」

 

「わかってるんやったらええけど。智也ていう食糧系のチートキャラがおったおかげで、お母様の最終作戦がなくなったんだから、ほんっと頼むで」

 

「そんなに念を押さなくてもいいわよ」

 

 白咲学園長が立てていた作戦って、白咲学園の武力による重要拠点の制圧作戦ね。というか、理香は積極的に作戦会議に参加してたのに何を言ってるのかしら。まあ、智也が農作業をしていなかったら、高確率で来年に行われていた作戦だけどね

 

「それはわかってるけど。どこに落とし穴があるかわからへんからな」

 

「そうね。今の状況が、私達にとって都合がよすぎるからね」

 

「そや、こんな状況が続けばいいけど。そんな楽観視は出来んで、それに内側にも火種があるんやから」

 

「それはそうだけど。今できる想定や対策はもう終わってるんだから、ちょっとは落ち着きない」

 

「うっ、それはわかってるんやけど。どうしてもな」

 

「はいはい。暗い話はここまで。話は変わるけど、昨日の件はどうなったの」

 

「ん?ああ、昨日のあれな。あれはな~・・・」

 

 それから理奈と雑談をしていたら、お昼の時間になった。やばい雑談に夢中で監督するのを忘れてた

 

 

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