12月12日
唯華side
智也君から信じれない事を告げられ、私達は返答が出来なくなってる中で結月先輩が
「それじゃあ、技能を覚えれる適性があるだけで、その人は簡単にスキルを習得できるの?」
「そうだ。結合さえあれば、気の操作を感覚で教えれるから、簡単な基礎ぐらいなら一ヶ月で習得が可能になる。具体的に言うと、適性があれば半年で確実にGランクになれる。農業がGランクなれば小さい家庭菜園を一つ管理出来るようになる。そうしたら30人分の食糧を用意できる。でもGランクじゃなくてFランクの人間が欲しいんだ。まあ、Gランクでもエネルギー量が増えれば作れる量も増えるし、農業に専念してくれるのならからGでも200人分の食料は期待できるけど」
たったそれだけの時間で30人分の食糧が作れるなら、農業のスキルを1万人が覚えれば食糧問題も解決するんじゃ。でも万単位での数じゃあ現実的じゃないよね。それでも200人分になるなら千人いれば20万人分の食糧になる。それに智也君と同じ技能レベルがある人が10人になれば一区の食糧問題は簡単に解決できるし、智也君の気の質が上がれば少人数で解決することが出来て、別の区に食糧輸送できる。本当に一区ては食料問題で争いが起こらないかも
「それなら、食糧問題も解決するわね」
結月先輩がそう言うと、智也君は何とも言えない顔をしている
「なんや、無理なん?」
理奈先輩がそう言うと
「白咲学園でGランク以上の農業を覚えれる人が10人ぐらいしかいない。それにHやIランクを入れても50人ぐらいだ。第一大公園でGランクを習得できる人も100人ぐらいしかいなかったから、食糧問題は何とも言えない。解決できる可能性があるとしか言えないかな。Eランクの農業スキルを覚えれる人が大量にいるなら、俺は結合を躊躇なく広めるんだが」
うぅ~、そんなうまい話はないか。それでも100人はいるんだよね。これからも人が増えばなんとかなるかも
「800人中10人ぐらいしかいないの。農業持ちは少ないのかしら」
「少ないというより、そもそも白咲学園の生徒が農業に適性がない人が多い。公園の方で取引した人は10人に一人は農業を覚えれた。けれどほとんどがHランクでFランクは2人しかいなかったけど」
農業を覚えれる人が少ないじゃなくて、皆の適性が無いというか、攻撃に才能があり過ぎて生産系の適性がないのかな?
「一度、学園内の所持スキルを確認した方が良さそうね」
「個人的には、スキルを覚える時は考えて取るというより本能的にスキルを選んでいたから、自分に適性があるスキルを選んでいると思う。最初の方に選んだスキルは本当に何も考えずに取っていたから、前半のスキルを見れば才能がわかるかもしれない」
私もスキルを選ぶ時、水中呼吸・水中行動・液体操作は特に考えずに選んでいたかな。あれは、私に適性があったからなのか。それもそうだよね。普通は水中呼吸はわかるけど液体操作なんて考えないだろうし、術系も皆に言われて取っただけで、他のスキルも取ったスキルに合いそうなのを選んだから生産系のスキルを一つも取らなかっただよね。あれ?それって、私には生産系の適性がないのかな?私も脳筋?いやいや大丈夫、私には杖製作Aがあるから脳筋じゃない
「それじゃあ、智也は学園での目標というか、目的は何かな?」
智也君の目的?そういえば、智也君は小学生なんだよね。なんだか同年代と話している感じがするけど。それに、3年ぐらいしか学園を利用しないって言ってたけど、何が欲しいのかな?
「そうだな。まずは、目標は海の魔物と戦えるだけの戦闘能力を手に入れること、次に食糧を製造できる人材を見つけること、この二つを目標にしていた。他には簡単なギルド的な組織が出来ればいいとしか考えていなかった。さっきも言ったけど、Bランク以上の適性が見つけれなかったから戦闘能力は期待していなかった」
「それで、ここに来てAランクの適正を持った人が多数いて驚いたと」
「そうだ。ここの戦力を見るとここが機能するかしないかで、これからの未来が大きく変わると思う。ここ以外では、まだ3000人ぐらいしか確認が出来ていないから何とも言えないけど、Cランクのスキルを持っている人が少なかったから、現時点では戦闘能力は期待出来ない」
「なるほど、現時点では学園外の戦力は期待できそうにないと」
それは困る。私達が前線に出ないといけないんだよね。私に出来るかな?それに、殺しをするんだよね。考えただけでも手が震えるのに、本当に戦える人がいないのかな
「現時点では期待は出来そうにない。それに才能があっても殺しが出来るのか、例え出来たとしてもトラウマにならないかはその人次第だから、これからどうなるかは本当にわからない。他の誰かに期待して必要な時に力がない、なんてことになると自分が死ぬことになるから他力本願にはなれない。幸いここら辺には魔物が出てきていないから、今のうちに戦える準備がしたい」
「その考えには賛成ね。物語的にも力がないと蹂躙されるだけだから、今のうちに準備しないといけないわね。智也は学園の戦力を海の魔物討伐に使いたいってこと?」
「そうだ」
「そんなに、海を求めるのはやっぱり塩?」
「ああ。食糧は何とかなりそうだけど、塩がないと詰むことが確定だからな。まだ、備蓄があるうちに何とかしないといけない。これからは県の移動はもちろん区の移動すら難しくなるし、どこも物資の確保に苦労するだろうからな。最低でも港を取り戻したい」
そんなこと考えていたなんて、私は自分の事ばかりでこれからの事なんて考えても見なかった。食糧は何とかなりそうだけど、外からの物資ない事からのいろいろな物資不足の問題。そして魔物なんて存在による命の保証もない世界になったことをもう一度よく考えよう。必要な物、自分に出来ることスキルなんて力もあるんだし、私も多くの事が出来るはず