領域に閉じ込められても人は生きてる   作:水二式

35 / 38
第三十四話 昼休憩3

 12月12日

 

 結月side

 智也の考えは基本的に生存戦略で悪意はないと考えてよさそう。理奈も智也に友好的に話ているから善人よりだと考えていいわね。それに白咲学園を戦力として考えているのなら、学園の害をなそうとはしないはず、私の質問に素直に答えているのは、こちらに敵意がないと示していると思う。少なくとも智也は小学生の知能じゃない。実際にスキルを使う予定だとしても、もう少し内容を隠すはず、なら私たちの役割は智也の監視より智也に敵意を持っている生徒の対処と中立派を増やす事ね

 

 伝統がどうとか男がどうとか、文句を言ってる過激派の馬鹿が智也に接触できないようにしないと、まあ大半は智也の重要性を理解しているから気に食わなくても問題を起こさないけど、金持ち連中は変なプライドを持っていたりカリスマがあったり、本当に面倒よね。さて、今はこんな事を考えるより、智也がいろいろと話してくれるのなら、もう少し踏み込んだ質問をして見ますか。こちらも情報を出せばスキル構成ぐらいは教えてくれるかな?

 

「海を取り戻したいなら、智也のスキルは水中で戦える構成なの?」

 

「水中戦ができるかは正直わからない。水中呼吸と水中行動はAランクだから攻撃手段が用意を出来ればやれるけど、俺の攻撃手段は水系だから海の魔物に効果があるのかが不安要素だ。有効打がないなら戦闘支援にしか出来ないかも。まあ流体操作や体術があるから戦えないって事はないはず」

 

 呼吸と行動があり体術も取っている。流体操作は液体操作と変わらないなら水がある場所ならランク次第で戦闘能力は高いと考えていいのかしら?よし、私のスキルを教えて智也のスキルを教えてもらいましょう。まあ、教えてもらえなくても問題はないけど

 

「智也のスキル構成を教えてもらってもいいかな?ちなみに私のスキル構成は水中呼吸B・水中行動A・液体操作A・水術A・氷術B・風術B・障壁B・気配察知C・気配隠蔽B・按摩Aよ」

 

 私がスキルを教えたことに皆は驚いて、智也は少し考えてスキルを教えてくれた

 

「俺のスキルは体術B・錬成D・浄化A・農業B・流体操作A・水中呼吸A・水中行動A・気配察知D・適応C・軽功Aだ」

 

 えっ、教えてくれるの?全部のスキルを教えてくれるのは有難いわね。智也のスキルでわかってなかったは錬成・気配察知・適応・軽功ね。錬成は錬金術とかかしら?気配察知は戦闘を考えているなら取っても不思議はないわね。適応はどんな効果があるのか?軽功は移動系と戦闘系のスキルかしら?

 

「全部のスキルを教えてくれると思ったけど、ランクまで教えてくれるとは思わなかったわ」

 

「まあ、信頼を得るためならこれぐらいなら問題はない」

 

「なら、式紙や結合のスキルは後から覚えたわけね」

 

「その二つは結合があったから覚えれた。なかったら式紙は覚えれてもIかHランクだと思う」

 

「結合があるのなら、皆いろいろとスキルを覚えれそうね」

 

「適性があればな。とは言っても俺が覚えれないスキルもあったから、無制限にスキルを覚えれるなんて都合のいいスキルじゃない」

 

 適性がないと覚えれない。それって適正さえあればいくらでも覚えれるってことでしょ。それだけで神スキルって言えるわよ。智也は相手の適性を判別できてランクすらわかるって言ってたから、他のスキルを習得するときにいい目安になるわね。それに智也に適性がなくても私達の誰かが結合を覚えれたら、習得できるスキルも増えるでしょ。それにここまで話してくれるなら、私達のスキルを教えたら農業以外のスキルも教えてくれるでしょ

 

「スキルのランクがわかるのは結合の効果?」

 

「そうだ。自分のスキルランク以下なら習得できるかわかる。そして自分のランクまでなら相手の習得可能ランクがわかる」

 

「なんですか。その出鱈目なスキルは」

 

「玲奈の言う通りや。効果がえげつないで」

 

 あまりの効果に理奈達もツッコミを入れた

 

「まあ、俺もめちゃくちゃな効果だと思っているけど、便利だからそれでいいと思う」

 

「それもそうね。結合のおかげで私達も楽が出来るなら文句はないわ」

 

 そこで詩奈が智也に踏み込んだ質問をした

 

「ねえねえ、智也はどうしてスキルを教えてたの?」

 

「ちょっと詩奈、何言ってるの」

 

 玲奈が詩奈を止めようとするが

 

「え~、玲奈も気にならないの?学園長との話では必要な話しかしてなかったのに、スキルのランクまで教えてくれるのは学園との付き合い方を変えたって事でしょ」

 

「それは気になるけど。いま聞くことじゃないでしょ」

 

 二人が口論を始めそうになったのを智也の一言で止まった

 

「俺が学園に対する対応を変えた事か?別に話しても構わないが」

 

「えっと、いいんですか?」

 

 玲奈は驚いて智也に確認するけど。智也は何にも思ってないのか簡単に教えてくれた。まあ、智也が完全に友好的な態度の理由は学園の戦力にあると思うけど

 

「ああ、別に深い理由があるわけじゃない。理由は簡単で俺が学園に対して上からものを言うのが不可能だと考えたからだ」

 

「なんでなん?学園の食糧は智也の手にあるから、学園に対して智也はかなり上にいると思うんやけど?」

 

「それでも結局は学園の戦闘能力が上だから、力で来られたら俺にできるのは逃げることだけだからな。逃げるといっても成功率が低いんだけど」

 

 智也の言葉に理奈は強く反論する

 

「うちらは、そんなことせえへんで」

 

「それはわからない。権力・財力・暴力っといった力に人は酔う生き物だ。三年後には性格や思考が変わってるかもしれない。これは、こんな世界になる前でも変わらないことだ」

 

「それは・・」

 

 理奈もこれには反論できないようね。まあ、これには理奈は反論できないでしょ。ただでさえ、三年前に似非関西弁を使うようになってるし

 

「それに俺はここの戦力が機能するのを望んでいる。さっきも言ったけど、ここの戦力は現時点で異常だと思う。あまりにも揃い過ぎている。学園がこんな世界になるのを前提に人を集めていたと言っても俺は疑えないレベルだ」

 

「まあ、そうね。智也の話が本当ならBランクでも珍しいのに、ここにはAランクが20人はいるし、Cランクスキルを持っていない生徒は私が知る限りいない。それに智也の話を聞くまでは学園外のスキルランクが低いなんて考えなかったわ」

 

「そうやね。うちのスキルもほとんどがAとBやし、学園外のスキルランクがCランクが珍しいなんて考えんかったわ」

 

「まあ、正式な統計が取れていないから俺の周りが低かったって、落ちがあるかもしれないけど」

 

「どっちの可能性もあるけど、私的にはAランクが少ない方がいいかな」

 

「えっ、結月先輩。どうしてですか?戦える人が少ない方がいいんですか?」

 

 唯華は私の言葉に驚いているけど、少ない方がいろいろと都合がいいからね

 

「唯華の疑問もわかるけど、大前提として力を手に入れた人が善人とは限らないのよね」

 

「まあ、そうやね。智也と取引をしているヤクザもそうだけど、不良系が何するかわからんのが一番怖いで」

 

「あ~、そうですね。他校ではやんちゃしている馬鹿が結構いるそうですよ」

 

「詩奈その情報は正確なの?」

 

「友達の警察関係者から聞いた話だから正しい情報だと思うよ」

 

「詩奈の言っとることは正しいで、風紀委員でもその情報が入ってるで」

 

「やっぱり、こんな二次元の力は使いたいだろうが、馬鹿はなんで問題を起こす使いた方をするかね」

 

 詩奈や理奈の情報が正しいなら、Aランクは少ない方がいいわね。問題を起こしている馬鹿は弱い方が都合がいいし、例え戦力が減るとしても無秩序な状態になるよりはいいでしょ。それに戦力がいる本番は十年後でしょうし、というか馬鹿がいる学校ってどこかしら、少なくとも私はそんな話聞いたことがないのに、白咲学園の周辺ではないって事かしら、理奈の情報源ってあの子よね。あの子からの情報ならちょっとした悪さ程度じゃないだろうし、あの子の性格からしてどこの学校が問題を起こしたのかは、流石に教えてくれないか

 

「詩奈。それはどこの学校で起きたことですか?」

 

「あ~、流石に学校名は教えてくれなかったけど、ここからかなり距離がある東にある学校としか教えてくれなかった」

 

「東で離れた学校ですか。それだけでは特定は難しいですね」

 

「その件は考えても答えは出んで」

 

「まあ、何かまずい状態になったら理奈が教えてくれるでしょ」

 

「えっ、なんでうちなん」

 

「なんでって、何かあれば学園長か後輩が教えてくれるでしょ」

 

 学園外の情報は学園長が集めてるまずだし、後輩の方も過保護な父親がいるから危ない情報は必ず教えてるはず、他にもいろいろな繋がりがあるから、広くて浅い情報なら理奈に聞けば大抵の事はわかるのよね

 

「そうやけど、詳しくは知らへんで」

 

「それで十分よ。詳しい情報は関係者に聞くから、理奈は危なそうな事が起きたって事を教えてくれたら十分よ」

 

「そんな話は考えても何も答えは出ないだろ。俺はそろそろ練習に戻る」

 

「待って下さい。私も行きます」

 

「あっ、私も行く」

 

 これからの事を考えていたら、智也が練習に戻るみたい。そうよね。ここで考えても何も答えは出ないし、選択肢もないから考えるだけで時間の無駄ね

 

「ちょっと詩奈。理奈先輩、すみませんが私も」

 

「問題あらへんよ。うちらはもう少し休憩してから行くから」

 

「わかりました。詩奈達の監視は任せてください」

 

 そう言って、唯華と詩奈の後を玲奈や他の水泳部も追ってプールに戻って行った。というか、妹の監視もいるんだ。それでここに残った理奈は私に何か用があるのかしら?

 

「それで私に何か用でもあるの?」

 

「そうやで、多分次の会議で母様から話があるはずやけど、触りくらいは知っとった方がいいと思って」

 

 

 そうして理奈から信じられない話を聞いた

 

「それって、マジな話?」

 

「そうやで」

 

「はぁ~~。本当に、これからどうなるのかわからないわね」

 

「ホンマ次から次へと問題が増えるばかりやで」

 

 食糧問題が解決して、さあ本格的な修業期間だと思ってたのに、どうしてこうなるのかしら

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。