12月15日
主人公side
白咲学園でスキル上げをしていると、第一小公園での農作物の収穫が可能になったので、今日は収穫とヤクザなどの裏社会がどう動いているかの確認をする。魔物が出てきて一ヶ月で、どれだけ社会が変化したのか知る必要がある。テレビの情報だけでは知れることも限られているからヤクザの情報はかなり重要だ。情報がないのなら、脳筋疑惑がある白咲学園との縁が出来たから、ヤクザと手を切ることも考えないとな
ちなみに、俺の気の質と技能はこんな感じだ
気力質:D
技能:<体術E> <錬成H> <浄化E→D> <農業C> <流体操作F>
<水中呼吸G→E> <水中行動I→F> <気配察知G> <適応C> <軽功F>
<杖製作I> <認識阻害H> <式紙A> <結合C> <健康F>
<老化軽減G> <瞑想E> <念話I> <水術E> <土術F→E>
<風術H> <熱術F> <生術F> <植術F→E> <結界E>
<念動力E> <並行思考E> <高速思考D> <同時並行E>
スキル知識の効果が高いけど、たった三日でここまで上がるとは、やっぱり練習できるところがあるかないかでかなり変わってくるな。とはいっても式紙みたいな知識が物を言うスキル以外は、Bランクにするのに感覚的にかなり時間がいる
それでも集中して鍛えたら、スキル知識のおかげで五年後には一つぐらいスキルがAランクに出来そうだけど、このペースじゃあ五年後に試練の攻略は無理だな。試練の攻略には水中呼吸と水中行動の二つがAランクにならないと、試練に挑む気にはならないし
それに水中での攻撃手段が、流体操作以外にも欲しい。水以外の攻撃手段がないと、水を使用した攻撃に耐性がある敵が出ただけで何も出来なくなる。出来れば貫通系の攻撃手段が欲しい。水の中にいる魔物は特殊な水系の攻撃以外は効果がないと思うが、あるとしても土系か鋼系か、雷はそもそも水中では危険だから使えないだろうし、考えれば考えるだけ水中での戦闘は厄介だな
「それじゃあ、これから公園での収穫とヤクザから情報や他にもいろいろと調べてくるよ」
「わかったわ。でもヤクザの人に気を許したら駄目よ」
「わかってるよ。何でもかんでも話して全部台無しになったら最悪だからね」
ヤクザに気を許すとか後が怖いことをするわけがない。気を許すとしても白咲学園ぐらいになると思うが、まあ白咲学園には武力面で完全に負けているから、ほとんど白旗状態だけどな。でも本当に白咲学園はお嬢様学校なのかわからないんだよな。お嬢様にしては殺意が高いし、なんでお嬢様が攻撃系統中心にスキルを選んでるんだよ
そんなことを考えていると第一小公園に着いた。公園にはすでにヤクザの一団がいた
「やっと来たか」
「なんで若頭が、来てるの?」
そう聞くと、若頭が呆れた顔で答える
「お前との関係が、どれだけ島崎組に重要なのかわかってるのか」
「それはわかってるよ。それでも木坂が中心の下っ端で来ると思ってたからな」
「お前、本当に自分の価値をわかってるのか?」
「もちろん。だからそっちも馬鹿をやりそうな奴らを外して来たんでしょ。それに第一大公園で若頭中心でやってるからこっちは木坂中心だと思っていたけど」
「それは大体合ってるな」
その考えでいいのか。まあ若頭がこっちに来るのは最初の一回だけで、次からは部下に任せるのかな。ここの収穫物がヤクザの食糧事情に直結するだろうからな
「それで前にも言ったけど、収穫物はそっちで運んで保管してよ」
「ああ、わかってる。倉庫の準備も終わってるし、収穫物の運送手段もちゃんと準備している」
そう言って若頭が公園の隅を指さす。そこにはリヤカーなどの人力での移動に使えるものが、大量にあった
「いや、リヤカーが多すぎない?10も要らないでしょ」
「お前が作った作物の量を考えろ。例え、ここが小さい公園でもスキルで作った作物の量を考えれば、もっと増やしてもいいぐらいだ」
そうか?ああ、事務所じゃなくて、どっかの倉庫に移動させるためか。そうだよな。この量を一つの事務所で管理というか、収納できるわけがないか
「倉庫まで距離があるの?」
「まあ、それもあるが。それよりこの光景は何だ」
若頭が何やら現実逃避をしているのも無理はない。スキルを使ってる俺もそんな感じだし
「いやあ、俺もこの収穫術は初めて使ったけど。このスキルはマジで便利だけど、ちょっと現実逃避をしたくなるよ。まさにファンタジーな光景だな」
俺の目の前では、作物が自動で土から掘り返され食用可能部位とそうじゃないのに分別されて、俺が指定したところに移動している。術式の構築が面倒くさかったけど便利で楽だ
「まあ、こっちとしては収穫作業がないのは楽でいいが。まだ、この光景に頭が追い付かないわ」
「でも、これからよく見る光景になると思うよ」
「農場の守りをやってるとそうなるか。まあ、これの光景もすぐに慣れるだろ」
作物の収穫はいいとして、そろそろ本題に入るか。どこまで話してくれるかな
「それで、気になってたんだけど。他の裏組織やらの干渉とかなかったの?」
「?ああ、他の組の話か。その辺の心配はしなくていい」
「そうなの?」
「ああ、元より広島市のヤクザは島崎組だけだ」
「そうなの」
「50年前なら他にも在ったらしいが、今は残ってるのは俺達の組だけだ」
「ヤクザは現代に適さないと」
「それがでかいな。だからお前が警戒するのは半ぐれがちょっかい掛けてくるくらいか」
「後は役所がどういう感じで干渉してくるのか、かな」
「それはどうにでもなるだろ」
「そうだね。それに上から目線で好き勝手なことを言って来なかったら、食料は流していいけど。こっちを下に見て、一方的な命令をしてくるようなら無視一択で、何かしらで俺を自分らの支配下に置こうとするなら、例え、後が面倒くさくなるとしても消えてもらう」
「なんだ。もうやってもいいのか」
「ああ。もう武力は十分にあるから、役所がなくなっても俺が困ることはない。でも暴力は、まだ必要ないと思うけど」
白咲学園の武力があり得ないほど高かったからな。白咲学園が間に入れば理不尽な事は起こらないだろう。むしろ役所の対応を学園長に任せるのが正解だと思う
「なんでだ?こっちが圧倒的に有利だろ。今のうちに圧を掛けといた方が楽だぞ」
「それはそうだけど、それでも力を振るうのはまだ早い。白咲学園みたいに、Aランク以上の人間が複数いる集団が他にもいるかもしれないからな。暴力で支配して、いるかもしれない力のある集団に大義名分を与えたくない。それに、今の段階で力での支配は白咲学園に反対されるだろうから、考えるだけ無駄だな」
役所などの警戒は後で学園長に相談した方がいいかな。それよりも、集団に属さないAランクの存在を考えた方がいいな。不良なんかが強い力を手にしていたら最悪だし、何をするかわからないからな。だから現時点での一番の不安要素は野生の不良集団だな
「それでお前はこれからどうするんだ?」
「拠点は作り終わったし、物資の生産も安定して作れる事も確認できた。それに武力の心配も解消した。これからは自分の強化に専念する。だから半年は大きな行動はしない」
「なんで半年なんだ?」
「半年あれば水中戦が出来るだけの技能が手に入る。技能が手に入ったら、海の魔物とどこまで戦えるかを確認してから、今後の計画を立てる」
「俺はお前の戦いを止めないが、この公園を一人で管理できる農業の使い手を最低でも十人は用意しろ。それさえ用意出来れば、お前が戦場に出るのを止める奴も減るだろう」
「戦場に出るのは決定事項だが、農業がある時点で止められるのはわかっていたことだけど、それ以前に年齢で止められるよ」
「それはそうだろ。一桁後半の奴が戦場に出るなんて、馬鹿な事を止めない奴は頭がどうかしてる奴だけだろ」
「そうだな。例え二次元のような世界になっても、そこは変わることはない・・・。いや世紀末にでもなれば、当たり前にでもなるか?こんなことを考えても仕方がないか。それじゃあ、ここからが本命で、一区以外で出現した魔物やその周辺の情報を教えてくれ」
ヤクザとの関係を持つことで裏社会の情報網を使うことが出来る。まあ、ヤクザも自分らの強みを馬鹿正直には教えてくれないと思うが、触り程度でもこっちからしたら十分だし、何も教えてくれないならこっちも最低限にしか協力はしない
「ああ、他の区に出て来た魔物か・・・」
「?言えないことでもあるのか」
「いや、そうじゃない。なんというか、ここは恵まれてると思ってな」
「他の場所は状況が悪いのか?テレビでは何とかなってるって感じだったが」
「テレビは本当の事を喋ってない。正確にはまともな所しか映してないが正しいか」
それから、俺は若頭から他がどれだけの被害が出ているのか教えられた