12月15日
智也side
「まずは二区から話すか」
若頭が周囲の状況を話し出した
「最初に言っとくが広島の被害状況で被害が少ないのは1区と4区で、被害が大きいのが5区だ。そんで全滅しているのが6区だな」
今、なんて言った。全滅してる?
「6区が全滅?」
「そうだ。現時点で6区の生存者は見つかってない」
「6区だけは魔物による被害がなかったのに、どこかに隠れていたのか?いや、それよりいつ全滅したんだ」
6区だけは魔物の目撃情報がなかったのに、というか不味くないか。6区は一番の安全な場所として人が集まってた。人だけじゃない物資も運び込まれたのにどうするんだ
「全滅したのは約2週間前だな。原因は当然、魔物だ」
「どんな魔物だ」
一つの区を潰せて生存者なしって状況に出来るなら、大型には難しいだろ。大型なら逃げ切れる奴が絶対にいるはず、なら小型の魔物による包囲戦でもやられたのか?
「魔物の見た目はネズミだな。ただサイズは大型犬並みで数もいる」
「戦闘力はどれくらいだ?数がいても大型犬なら戦いやすいだろ」
「6区の外縁部にいた個体の戦闘能力は低かったな。陸に上がってきたサハギンの方が強いし固い。1対1ならGランクの戦闘技能があれば勝てるし、Eランクの技能なら1対10でも何とかなる」
「えっ、直接確かめてきたの?」
「ああ、自分で確かめないとわからないことが多いからな」
下手したら自分が死ぬのに行くか普通?
「なら数で負けたのか。それとも特殊な能力でもあるのか」
「うちの調査では特殊な能力は確認できなかった。数が異様に多かったが、俺が確認できただけでも千体ぐらいで一つの群れになっていた」
千、それは多すぎるだろ。そんな数を相手にしたら負けるわ
「力があっても戦いなれていないし、それにエネルギー切れと純粋な物量で負けたのか」
「だろうな。幸いなくことに奴らは6区から出てこないようだから、取り敢えずこれ以上、被害は大きくならないだろう」
「だといいが」
一定数超えたら縄張りを出て行動するなんてことが起きないといいが。いや、それよりも行動範囲が広いのが問題か
「6区はこんな感じだ。6区から話したし、次は5区だな」
「5区の情報はテレビでは流れて来ないがどうなってるんだ」
テレビの情報では有線ケーブルが切断されて、5区との連絡が取れないって話だったけど
「5区の魔物はトカゲでサイズは2メートルある。このトカゲは厄介なことに金属を腐食させる毒ガスを使ってくる。幸いなく事にこの毒は人体にはほぼ無害だ。人が吸っても、気分が悪くなる程度で後遺症も確認されてない。まあ、長時間吸ったらどうなるかわからないが」
「5区の被害状況はどんな感じだ」
「トカゲの討伐は問題ないみたいだが、毒ガスによる金属関係の被害範囲がかなり広い。人的被害は大したことはないだが、建築物はかなりやられてる」
現代日本で金属を使ってない建物は基本ないからな
「5区は立て直せるのか」
「かなり難しいとだろうな。金属系の被害がデカすぎる」
人は何とか守っても金属系の被害がデカいか。ただでさえ金属は入手が難しい物資なのに、どうにか出来るのか?俺は何もしないが、頑張って立て直して欲しいな
「5区の件はどうしようもないとして、どうして4区が1区と同じで被害が少ないんだ?樹海化してるんだろ」
「ああ、4区は全域が樹海化しいる。樹海化してない場所を1割ぐらだろうな。多種多様な虫型の魔物が出ているが、こいつらは自分の巣からあまり離れない。樹海化による建物の被害が出ているが、こっちは何とかなるレベルだ。とは言っても、車は物理的に使えなくなってるが。まあ、総合的に見て一番被害が少ない区だな」
「それじゃあ、2区と3区は被害がデカいのか」
「その2つは建築物の被害は少ないが、人的被害がデカい」
「恐竜や大型肉食獣が相手ならそうなるか」
「だが自警団的な存在が機能しているから、初期の人的被害以外は何とかなってるみたいだ」
「日本人って、非日常に適性があるのかな?」
「適性はあるだろうが、魔物の行動範囲は決まってる。そこさえ把握出来れば意外と何とかなってる」
「対処法というより行動範囲さえ、わかれば何とかなってるのか。それはどこも同じか」
「ああ、だが数は少ないが例外はいるみたいだがな」
「例外?行動範囲から出てくる奴が居るのか。それは特殊個体とかで強いのか?」
特殊な動きをするのは強い個体か知能が高い奴って思うが
「いや、特に強い訳でもおかしな行動をすることもない。純粋に逸れ個体だな。ただ行動範囲が広い個体なのかもしれないが」
「それはそれで厄介だな」
「各地の魔物被害はこんなものか」
そんで1区は海に面した場所は魔物の支配下になってると
「各地で出現した魔物は何か特殊な技能なんかは使ってなかったのか」
「トカゲ以外は特に技能を使ってなかったな。属性攻撃をしてくることもなかったな。あるとすれば虫系は隠れて奇襲をしてくる事が多かったぐらいか。これも隠密なんかのエネルギー系の技能じゃなかった。何か気になる事でもあるのか」
それじゃあ腑に落ちない。俺の考えすぎか?
「ああ、6区の事が気になる」
「6区が何が気になるんだ」
「二つある。まずは純粋な強さだな。強さは大型の獣や恐竜と比べて高くないに負けてるというより逃げれてない所が謎だ。数がいてもGランク程度で何とかなるんだったら、なんで強行突破出来なかったのか?それと魔物に行動範囲があるのに6区だけが他と比べて行動範囲が異様に広い所だな」
「全滅と言ったが、6区の外縁部だけしか確認できていないから、中心部には生き残りがいるかものな。それに、あいつらの脅威は個体の強さより数の力で多勢に無勢にやられたんだろ。それに強行突破するだけの戦力と集団が作れなかったんだろ。行動範囲の方はわからないが」
「それはわかる。簡単に倒せたとしてもエネルギー切れでやられてそうだが、なんで6区からの脱出者が一人もいないんだ。それに、なんで6区だけがそんな理不尽な数がいるんだ?」
「そういえば、そうだな。とは言ってもここで出来るのは妄想することぐらいだ。考えるだけ無駄だ」
6区だけは行動範囲がなかったのか?そうだとしたら5区にも被害が出てそうだが
「それもそうか。そんで、一番重要な事だが魔物は食えそうか?」
「ああ、食えたぜ。だが味は期待するな」
「不味いのか」
「不味いとまでは言わないがうまくはないな」
「十分だろ。これで食糧系も何とかなりそうだな」