魔法の森の中ごろの、開けた場所には霧雨魔法店なる
待てど暮らせど誰も来ぬ地。そこに住まう霧雨魔理沙は今日を振り返る―
「とまぁ、書き出しはこんなとこか」
香霖から勧められて日記をつけ始めたが、いまいちしっくり来ない。香霖は「日記は生活の記録物」とか言ってたが、それならわざわざこんな物無くたって、魔法の研究帳でいいじゃないか。私の生活はほとんど魔法なんだし。
そんな愚痴じみたことを内心思いながらも、結局書くのをやめられないのが、この霧雨魔理沙という少女である。
「そうだなぁ。今日の研究のこと…を書いちゃったら研究帳と変わんないもんな。」
でもしばらく大きなこともないし―
「感想でも書いとくか。」
魔法の森の中ごろの、開けた場所には霧雨魔法店なる萬屋がある。
待てど暮らせど誰も来ぬ地。そこに住まう霧雨魔理沙は今日を振り返る―
☆彡2019/9/29
初めに書いたように、今日から日記をつけようと思う。香霖から日記帳をもらったからだ。正直必要性は感じていないが、せっかくあるのだから活用しようと思う。
今日は以前から行っていた、「二種の菌を混ぜて培養してみる実験」の結果が出た。混ぜたキノコはアメタケとアカドクタケ。そしてできたキノコはアカドクタケだったが、何やら黒い線が走っていた。キノコが五本育ったので、二本残して三本を加熱(火、湯煎)、冷却してみたが、結果はアカドクタケと同じだった。明日は黒く変色した部分だけ切り取って試そうと思う。
他に特筆すべきことはしていないが、強いて言うなら星空を眺めた。新月だったこともあって、いつも以上によく見えた。やっぱり綺麗だった。何光年も先から降り注ぐ光が、夜空を彩っていた。
あの星空を、いつか絶対に手に入れてみせる。そう心に誓っている。
さて。
「ほとんど実験レポートになっちゃったが、まあいいか。事実だしな」
ふと、窓を覗く。さっきも見たばかりだが、見ているとわくわくしてくる。今度香霖堂か紅魔館にでも行って望遠鏡を
「よし、明日の予定は決まりだな。朝香霖堂に行って、夜に紅魔館に行く」
星々は、そのときに必要なものをくれる。情熱であったり、夢であったり、明日の予定であったり。董子曰く、外の世界じゃもう碌に見られないものらしい。
そんな暗い世界は面白くなさそうだ、幻想郷に生まれてよかったな、と少女は思う。こんな美しいものを見られず、忘れてしまうなんて。気の毒なもんだ。
「うし、じゃあ、寝るか!」
明日も早い。朝から香霖堂、昼は実験、夜は紅魔館。忙しいんだから、早く寝ないと。
四作目ですね。
星空って、綺麗ですよね。儚くも永久の…じゃなくて、儚いながらも力強い輝きを持っている。光害であまり星が見られる環境じゃありませんが、それでも暗がりを見つけては空を仰いでいます。いつか夏の大三角とかみたいですね。
今回は霧雨魔理沙です。
正直、東方の顔と言ってもいい彼女を描くのはもっと後にするつもりだったのですが、書きたいものを書けって言われた気がしたので今回やりました。彼女の魅力は、ありがちだけど「努力家」なとこだと思っています。めっちゃ頑張っているのに表に出さない。かっこいいですよね。直情的だけど冷静なところも大好きです。魔法使いにしては情熱的なんですが、冷静な描写を見ると「ああ、やっぱり魔法使いなんだな」と感じますね。
そういえば、2019/9/29は本当に新月だったようですね。え、何知らん怖…調べてないよそんなの…
注意:pixivのものと内容は同一です。