トゥレンブラの書-The Book of Trumbrela- 作:式塚あきのり
クラリッサ・アークライトがロンドンを去ったのは、年が明けてすぐの話だった。
一度は世間に名の知れた外科医であり、同時に魔術師達の組織である≪未明の聖塔≫に加盟していた異色の経歴を持っていた。
そんな彼女は、ある手術で失敗した。その失敗は、到底誰も庇えないもので、彼女は職を失った。その後の医学と魔術の狭間で居場所を探し続けていた。
「イングランドの地方にある孤児院で医師を募集している」
──そう耳にしたのは、≪未明の聖塔≫の寄り合いでのことだ。紹介者は、オフィーリア・クラークと言う魔術師。彼女の軽い口調での提案は、奇妙なほどすんなりとクラリッサの心に落ちた。
一方、とある事情により母国に住み続ける事が叶わずイギリスに移住してきた
錬金術師としての実績は若くして確かだったが、口下手な彼が属せるような場所は少なかった。
イングランドの地方にある学院の研究職に空きが出た、と聞いたのはやはり同じ頃。やはり、オフィーリアからの知らせだった。
――――
1月の灰色がかったイングランド郊外の道路を、疾駆する古いセダンがあった。セダンは濃い霧を切り裂くようにして進んでいた。
ハンドルを握るのはタカオ、中邑孝雄だった。まだ30代前半であるが、表情は年齢以上に硬い。
助手席のクラリッサは、20代後半の若い女性に見える。少しくすんだ金色の髪を靡かせながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。流れる風景は灰色一色で、形を持たぬものばかり。そこに本当に道があるのかさえ怪しい。
「……霧が、濃いわね」
そう呟く声は、眠りから覚めきらぬように淡く響く。
タカオは軽くうなずいただけだった。
「この辺りはいつもこうらしいですよ。」
そう言う彼の言葉には、自信も不安もなかった。ただ、そう“聞かされてきた”ことを、そのまま口にしたような声音だった。
2人は元々同じ大学を出た事や、研究範囲が似ている事から親交はあった。けれども、二人がなぜ同じ時期にこの街を目指すことになったのか。それは、説明できるようでいて、どこか靄のかかった話だった。
≪未明の聖塔≫の仲間、オフィーリア・クラークが口にした一言で、すべては決まったように思える。
「ちょうどいいでしょう? 二人は今までの居場所を失った。2人には新しい場所が必要なんだから」
その言葉を、二人とも疑いはしなかった。むしろ、疑う理由がどこにもなかった。
車内のラジオは一日中、中国・武漢で確認された「原因不明の肺炎」が"新型コロナウイルス"と言う新種の感染症だと判明した。というニュースを永遠と繰り返し流していた。
「やっぱり、恐ろしいですね……」
ハンドルを握りしめながら、タカオが呟いた。彼は"新型コロナウイルス"を大層恐れていたのだ。
「こうやってあっという間に広がっていくんですよね? そして、一瞬で世界中が……」タカオの声は僅かに震えてた。
「そ、そこまで酷くならない事を願うしかないわね……こういう病が流行ってしまうと人々は争いあってしまうもの……」クラリッサもまた声を震わせていた。
「き、気が滅入ってしまうからラジオ消してしまいません?」
「そうですね……」
クラリッサがラジオを消そうとした時だった。
『
「ど、どうして……どうして、ロシア語が?」
ここはイングランド郊外。ロシアのラジオ放送が入って来る訳が無かった。
『偉大なる赤軍はスターリングラードにおいて、ナチス軍を完全に打ち破りました!』
ロシア語の男の声が高らかに叫ぶ。タカオは驚いて思わずブレーキを踏み込んだ。
幸運な事にこの田舎道には彼が運転している古いセダン以外車は無かった。その為に交通事故は発生しなかった。ただ、正気で居られなくなった彼は車を道路の端に止める。
「……い、今スターリングラードって言いましたか?」
「赤軍がスターリングラードでナチに勝ったとか言ってたけど……。それって、1943年とかの話じゃないのかしら……?」クラリッサは怪訝そうにそう言葉を紡ぐ。
次の瞬間、音声は切り替わった。
『大本営陸海軍部。12月8日、六時。──帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり』
ハッキリとした口調でそう告げる。それは、あの悪名高い"大本営発表"とタカオは知っている。彼は静かに背筋を凍らせる。クラリッサは眉を上げて「大本営発表!?」と驚いた。彼は静かに頷いた。
『こちらニューヨークです……ワールドトレードセンターに航空機が突入しました!』
『市民たちが壁に群がっています! 人々は歓声をあげ、ベルリンの壁は──崩れ始めています!』
『兄弟姉妹よ、聞いてくれ! 今夜、北爆が始まった。戦争に反対する! 愛と自由のために──!』
『ゴルバチョフ大統領が辞任を表明しました。赤い旗がクレムリンから降ろされました──』
『本日、ロシア軍が我が国の領土へ全面的な侵攻を開始しました。爆発音が首都キーウでも確認されています。国民の皆さん、落ち着いて行動してください──』
『この先を──はいけ、ません。早く、早く──に戻ってください! 繰り返します。──ドンへ戻ってください! お──です、聴いてく──!』
『1999年7の月、人類は滅亡する──そう予言されております。街の書店には予言の書が並び、人々は不安と好奇心に揺れています。果たして“恐怖の大王”は本当に降り立つのでしょうか──』
『今夜、76年ぶりにハレー彗星が地球に接近します──』
『日本軍がハワイの真珠湾を攻撃しました!』
『女王陛下エリザベス二世が本日、崩御されました──』
『ダラスからお伝えします。大統領が銃撃されました! 繰り返します──ケネディ大統領が、狙撃されました!』
次々と切り替わる放送。時代も国境もお構いなしに、ラジオ放送の断片が混線するように流れていく。タカオは冷や汗を流し、クラリッサは先ほどまで浮かべていた微笑みを失っていた。
そして最後に、やけに鮮明な声が流れた。
『|ヒューストン、こちら静かの基地。イーグルは着陸した 《Houston, Tranquility Base here. The Eagle has landed》』
歓声と拍手が混ざり、ラジオはふっと沈黙した。車の中に残ったのは、2人の荒い息遣いのみだった。
ラジオが沈黙して一分後に二人は顔を見合わせる。
「……ク、クラリッサさん。い、今の、全部……聞こえましたよね?」
「え、えぇ……全て、何もかも聞こえた、わ。……ま、まるで、歴史の見世物小屋に……迷い込んだみたいよ」
クラリッサは胸に手を当てながらそう言った。
「一体……どういう事ですかね……? ど、どう壊れてもラジオが、こんな挙動を示すのは……おかしい」
タカオは冷や汗を額に垂らしながら、カーオーディオを弄り始める。電源ボタンを何度も押したり、波長を合わせたりした。ただ、その後どれだけ弄っても放送が復活する事が無かった。
「……ま、まぁ、ラジオの事を気にするのは……や、やめましょう!」クラリッサはそう言い切った。これ以上は考えたくないようだった。
「それも……そうですね……」
再びタカオはハンドルを握り、車を発進させる。
ラジオの沈黙を無かったことにして、タカオはなおも郊外の道を走らせた。しかし、まるで世界が呼吸をやめたかのように、辺りはしだいに白い霧に包まれていった。
視界は瞬く間に数メートル先さえも見えなくなり、ライトの光が霧の粒子に阻まれて、濁ったカーテンの中でかすかに揺れるだけだった。
「こりゃあ……無理ですよ」
タカオはハンドルを強く握り、やがて大きく息を吐いた。「これ以上、車を運転するのは危険すぎます。このまま走らせたらロードサービスの世話になるかもしれません。……と言うか、ロードサービスもこんな田舎まで来てくれるんですかね? ……どうしますか?」
「いっその事歩いてしまわない? 幸い、荷物はそこまで多くないし、目的地までは約三キロらしいわよ」
そう言ってクラリッサはマップをスマホで表示させ、タカオに見せる。確かに、[トゥレンブラまでこの先直進約2マイル]と書かれていた。
「そう……ですね。確かに。後日、霧が晴れたらこの車を回収すればいいですし」
車を路肩に停め、二人は荷物を取ってドアを開けて霧の中へ足を踏み入れた。足音が未舗装の道に吸い込まれる。
冷たい湿気が衣服にまとわりつく。だが何よりも異様なのは、漂ってきた匂いだった。
「……ク、クラリッサさん……い、磯の匂いがします」
タカオが立ち止まり、顔をしかめる。「ここから海なんて、ずっと離れてるはずだろに……」
潮と鉄が混じったような匂いは、むせ返るほど濃く、鼻に鋭く刺さった。呼吸のたびに、まるで肺の奥まで海水が入り込むかのように感じられる。
「お、おかしいわね……」
クラリッサは暫く原因について考えだしたが、すぐに辞めてしまって後部座席に載っている荷物を運び出す。
彼女の荷物は、バックパック一つとコンパクトだった。対して、タカオの方は矢鱈と荷物が多く二つのスーツケースを引く羽目になっている。それも未舗装の道なのだから、尚更困難な様子だった。
「タカオくん……君も腐っても魔術師なのだから、魔法を使ったらどうかしら?」
「本当はそうしたい気持ちは山々ですが、≪
「やっぱり、君は日本人ね……そう言う几帳面さは……」
クラリッサは飽きれたような口調だった。
「僕はそこまで几帳面ではありません。ほら、国ごとの印象を個人に押し付けないでください。僕だって、家に帰って来て靴下を放置しっぱなしにする事ぐらいあるんですから」
「──君はどういうところで意地を張っているのよ……」
「あ、え!?」
マップを確認しようとしたタカオが突然スマホを見て叫ぶ。
「ス、スマホが使えなくなりました!」
「本当? 本当に使えなくなっちゃったの? あー……確かオフィーリアさんは言っていたわよ。トゥレンブラの街は山間部にある所為で、電波が入りにくいって」
「あー……そう、……仰っていたかも知れません……」
タカオは暫くの間はスマホを高々に掲げ、どうにか電波を捕まえられないかを試していた。しかし、最終的にはスマホをポケットに仕舞いこんでいた。
二人は霧に覆われた道を進み続ける。やがて、霧の白はゆっくりと薄れ始めた。真っ白なヴェールが裂け、淡い街灯の明かりが揺らめきながら姿を現す。
その光に導かれるように進んだ先──二人の目の前に広がったのは、時を止められたような街並みだった。
煤けたレンガ造りの家々が肩を並べ、を戴いた教会の影が霧の残滓に溶け込んでいる。
ガス灯が並ぶ石畳の道には馬車の轍のような刻みが残り、窓枠には黒鉄の装飾が施されていた。産業革命の熱気とヴィクトリア朝の気高さが、そのまま切り取られたかのように保存されている。とても車で乗り入れられるような街並みをしていなかった。
二人はそんな街の入り口の門の前に立っていた。まるで、邸宅の庭にある門のように思えた。
「……ここが、"月の街"トゥレンブラなのね」
クラリッサは小さく息を呑んだ。タカオもまた口を開けて門を眺めていた。
彼らの目の前に広がる光景は、まるで19世紀そのものの幻影だった。霧は既に背後へ退き、二人は異なる時代へと確かに足を踏み入れていた。
「さぁ、宿でも探しましょう。観光するにしても、今日はそこまで動きたくないわ……」
石畳は凹凸が激しく、とても歩きやすいとは言い難い。特にクラリッサはそこそこの高さのあるヒールを履いていたので、タカオは彼女が何故転ばずに歩けるのか不思議で仕方が無かった。
「そ、そうですね……。誰か街の人に出会えればいいんですけど……」
二人が入って来た場所は市街の郊外にあたるせいか、人影は見当たらなかった。
「……人っ子ひとりいませんね。皆、教会にでも集っているのでしょうか」
タカオは街の上層にそびえる尖塔を仰ぎ見た。時計塔が午前10時30分を示していた。
「おやおや、旅のお方で?」
クラリッサがその意見に同意しようとした時に背後から声がかかり、二人は警戒して振り返る。そこには深い赤毛をした女が立っていた。
ヘーゼル色の瞳は右目が眼帯に隠され、服装は奇異そのもの──まるで本当にヴィクトリア朝の庶民が纏っていた衣服に、格式あるマントを重ねているようであった。
「え、えぇあーっと、私達はこの街に移住しに来たのよ」
赤毛の女は少し悩んだ様子を見せてから、何かを思い出した表情になった。
「……もしや、あなた方もオフィーリアさんの勧めでこの街に来たのですか?」
「そうなの。そうなのよ! えぇっと、貴女もそうなのかしら?」
「そうなんですよ! わぁ……同じ境遇の人と会えるの嬉しいです。これも何かの縁です。私が、色々とご案内して差し上げますよ」
赤毛の女はそう言ってニッコリと微笑みを見せた。
「あら、嬉しいわ! 私の名前はクラリッサ・アークライト。ロンドンで医者をしていたの」
「ぼ、僕の名前はタカオ・ナカムラです。錬金術師です……」
錬金術師と言う言葉に赤毛の女は反応した。
「え、錬金術師なんですか? 私も錬金術師なんです。もしや、オフィーリアさん。学院の研究職が空いていると言う知らせをナカムラさんに伝えたのですか?」
「そ、そうです……」
赤毛の女は良くしゃべる人だった。
「あぁっと、すみません。自己紹介がまだでした……。私はウェンディ・リード。錬金術師で学院の研究職に就いています。ナカムラさん! 是非。是非、私の研究室に入ってはくれませんか?」
「そ、その……君がどういう研究をしているのか把握するまでは……なんとも……」
タカオは、ウェンディのテンションに合わせる事が出来ず、ニ、三歩後退りしていた。その様子をクラリッサは微笑ましそうに見ていた。
「ああぁ……そうですよね。そうですよね。ごめんなさい。少し急かし過ぎてしまいました。申し訳ないです。」
ウェンディは、やっとこさ最初の位置に戻った。
「じゃあ、ウェンディちゃん。私達は、まず宿に行って荷物を置きたいの。この街の宿屋さんを教えてくれるかしら?」
「そうですよね。荷物重そうですもんね」ウェンディはタカオの荷物を少し憐れみの表情で見て行った。
「実は私の友人の実家が宿を営んでいるんです。私もこの街に来た時に、そこへ泊まりました。とても優しい方が経営しているので、おすすめです。そこを案内しますね」
そうして、二人はウェンディの後を着いて行く。
「そう言えば、クラリッサさんはお医者様と仰っていましたけど、もしかして孤児院の医師になられようと?」
「えぇ、そうなの。オフィーリアちゃんが私に勧めてくれたの。……ロンドンも随分と長い間居て疲れたわ。だから、この街の孤児院で医師として働くのは、第ニの人生として丁度いいかな。って思って来たの。」
クラリッサの語り口調はのんびりとしながらも、苦難の末に導き出された答えを発表する。と言う決死に近いものをタカオとウェンディは感じた。
「アークライトさんの第ニの人生に幸多からん事を"月"に祈りますね」
「あら、ありがとう」
独特な言い回しだったが、ニ人は突っ込まなかった。なんと言ったって、三人は既に大通りに出ていたのだ。そこには多くの市民が行き交い、驚くべきことに皆が皆、19世紀風の衣服を纏っていた。
元々、オフィーリアからトゥレンブラの街は時代遅れの街であり、街並みも街の人々の恰好も現代とは相容れないものであると、2人は聞いて居た。ただ、ここまで徹底されていると言う事実に驚いた。
通行人の視線は一瞬二人に集まったが、敵意はない。二人は僅かに安堵を覚えた。
「こちらです」
数分間歩いてウェンディが足を止めたのは、大通りに面した大きな宿屋だった。扉を押し開けて中へ入る。二人もそれに続く。
内部もまた、現代では到底あり得ぬ古風な意匠に彩られていた。
「おや、ウェンディ。その方々は?」
カウンターの奥に立つのは、恰幅のよい金髪の中年の女だった。女は突然の来訪者に少々困惑しながらも、優し気な笑みを浮かべている。
「ソフィさん、このお二人、外から来たらしくて。移住者だそうです。移住場所が決定するまで、宿を探していたのでお連れしました」
ソフィと呼ばれた女は頷き、二人をじろりと観察する。それは品定めにも見えた。しかし、暫くすると友好を示す温かな笑顔に切り替わった。
「へぇ、移住者かい? 長い事そんな人は居なかったからねぇ、珍しい事もあるもんだ。」
「えぇっと、ソフィさん。ニ部屋お願いしたいのですが、空きはありますか?」
クラリッサが用件を切り出す。タカオはなお呆然とし、言葉も出なかった。
「空いてるとも。この宿はいつでも空いている。三階の部屋が一番眺めがいいよ」
「では、そこを」
ソフィは鍵をニつ取り出し、二人へ手渡した。その鍵は、二人の常識から考えるとセキュリティ的に貧弱で旧時代の物であると思えた。
「そうだ。ウェンディ、折角だから、この方々を案内しておやり。外から来た人にとっては、この街はさぞ新鮮に映るだろうからね」
「勿論、そのつもりです! どうしますか? 丁度、お昼時ですし、お昼を食べれる場所を案内しましょうか?」
ウェンディはその太陽にも似た笑みを二人に見せつけてくる。
「えぇ、頼みたいわ」「よろしくお願いします」
そうして、二人は自身が止まる部屋である三階に荷物を置いてからウェンディと街へ繰り出した。
Tips
魔術師 Magisters:
人間とは魔法に最も適性の無い生物である。しかし、遺伝子の突然変異によって魔法が使える者になった者を魔法使いと呼ぶ。魔法使いは黄金の血が流れている。
【赤き血を持ちながら、魔法を渇望する痴れ者達。
魔法の適性を欠いた人間が、努力と執念によって力を得ようと足掻く姿。
最も手近な"努力”は「魔法使いを殺し、その魔力を奪う」ことであり、これが魔女狩りや異端審問を正当化したと伝えられる。よって魔術師は魔法使いにとって最大の脅威である。
魔術師達の努力が実を結んだとき、産まれるモノは祝福か若しくは憎悪か。】
未明の聖塔 The Dawnspire:
【魔術師達はどんな人間達よりも残酷で非情である。しかし、そんな魔術師達にも"協力”をしようと心に決めた時代があったらしい。その時代のお陰で現代の魔術師はある程度の恩恵を受けられている。
現代の魔術師よ感謝するが良い。先人達の足跡を、先人たちが築き上げた未明の空に浮かぶ聖塔の恩恵を。】
クラリッサ・アークライト Clarissa Arkwright:
20代後半ぐらいの容姿で、金色の髪を持つ。
≪未明の聖塔≫に属する魔術師であり、元外科医。
かつては名の知れた外科医だったが、医療事故を起こした咎で懲戒処分を受ける。オフィーリア・クラークと言う魔術師の知らせで、イングランドの地方にある孤児院で医師を募集している。と言う話を聞き、トゥレンブラにやって来る。
孝雄の事は後輩として大事にしている。
中邑孝雄:
30代後半。
≪未明の聖塔≫に属する魔術師であり、錬金術師。紆余曲折あってイギリスにやって来る。優秀な錬金術師であったが、口下手だった為に組織に属せ無かった。
オフィーリア・クラークと言う魔法使いの知らせでトゥレンブラにあるローレンス学院の研究職に空きが出来たと聞き、トゥレンブラにやって来る。
クラリッサの事は先輩として尊敬している。
車の運転が出来る。
オフィーリア・クラーク Ophelia Clark:
≪未明の聖塔≫に属する魔術師。クラリッサ・アークライトと中邑孝雄に対して、トゥレンブラの職を勧めている。
ウェンディ・リード Wendy Reid:
深い赤毛でヘーゼル色の瞳を持つ。右目には眼帯で覆いかぶせている。
錬金術師の家系に生まれた。幼少期から錬金術に触れて育ってきた。錬金術的合成獣の創造などの生物錬金の研究に心血を注いでいたが、躓く事が多かった。
オフィーリア・クラークと出会ってトゥレンブラに行く事を勧められる。そうして、トゥレンブラにやって来て、ローレンス学院の研究職・教授職に就く事になる。
ソフィさん:
宿屋の女主人。恰幅のよい金髪の中年女性。気前が良い。
トゥレンブラ Trumbrela:
イングランドの郊外にある。霧深い場所になる。ヴィクトリア朝の様式を残しており、住民達の服装もまたヴィクトリア朝。
少なくとも学院と孤児院がある。