私生活の方はとっくの前に落ち着いていましたが、更新が滞っていたのには、一つの理由があります。
実はですね、あの、勢いで書きすぎてオリ主のキャラが分からなくなったと言いますか…。
えっと、はい、自分で作ったキャラなのにわからなくなっちゃいました。
本当は「僕っ娘」を書きたかったんですけど、色々と想定外の展開が起きまして……。
ごめんなさい。ちなみに、今のオリ主の作者イメージは普段は無口系幼女?感情が高まると泣いて“僕”が出るとかいうよくわかんない感じになっています。
周囲の支えもあって、憐花は少しずつ授業にも顔を出すようになっていた。そして、まだまだ精神的には未熟ではあるものの、彼女にも当然、任務は割り当てられていた。もっとも、それは4級相当の、ごく簡単なものだ。
引きこもりがちな憐花だが、任務にはきちんと赴いていた。——分身が。
任務はすべて単独で行われている。これには、五条の配慮があった。
本来、1年生は安全のために合同で任務にあたるのが通例だ。しかし、書類上の等級では憐花は4級呪術師であり、2級の伏黒とは釣り合わない。実力的には真逆なのだが、制度上はそうなってしまう。
さらに、憐花の術式は分身の生成、伏黒の術式は式神の召喚。どちらも手数を揃える術式であるため、単独でも対応可能だろう、というのが五条の判断だった。
それに、憐花がいきなり伏黒と組んで任務に出るのは、心理的にも難易度が高い。そういった関係性は、まず交流を重ねてから築いていくべきだと、五条は考えていた。
連携ミスで呪霊に逃げられたり、怪我をしたりしたら、それこそ話にならない。だからこそ、憐花にはずっと単独任務を任せてきた。だが、いつまでもそれではいけない。そろそろ、一度くらいは合同任務を経験させるべきか——そう五条は思い始めていた。
ちょうど6月には、もう一人1年生が入ってくる予定だった。女の子だ。ならば、憐花・伏黒・新入生の3人で任務に出してみようか。そう考えていた矢先のことだった。
2018年6月——特級呪物「両面宿儺の指」。それを“食べることができる”宿儺の器が、現れたのだ。
そして、宿儺の器——虎杖悠仁が高専に入学することとなった。
その報せを聞いた憐花だったが、特に興味を示すことはなかった。
「ふーん」
それだけだった。
そして、こう続けた。
「それよりも、ママと一緒にいられるこの時間の方が大事」
そう言って、4人目の新入生を迎えに行くことも、あっさりと断った。
「おいしいご飯をおごるよ」
そう言って、頑張って誘う五条だったが、「いい」と断られる。
五条は、少し残念そうだった。
***
「一年がたった4人って、少なすぎじゃね?」
原宿で4人目の新入生を待ちながら、虎杖は伏黒にそう問いかけた。
「じゃあ、お前、今まで呪いが見える奴に会ったことあるか?」
「……ねぇな」
「それだけ、呪術師ってマイノリティなんだよ」
「っていうか、一年は4人いるんだろ? あと1人は?」
「ああ……あいつは、たぶん来ない」
「なんで?」
「ひきこもりだから。最近ちょっとずつ外に出るようにはなってきたけど、今回のは無理だと思う」
「まじかー……」
虎杖は、残念そうに肩を落とした。
そんなとき、五条がやってきた。
「おまたせ〜。おっ、制服間に合ったんだね」
そう言う五条に、虎杖は元気よく答えた。
「おうっ、ピッタシ!」
そして伏黒の制服をちらりと見て、首を傾げる。
「でも伏黒と微妙に違ぇんだな。パーカーついてるし」
五条はゼリー飲料をチューッと吸いながら、軽く言った。
「制服は希望があれば、いろいろカスタムしてもらえるからね」
「え、俺そんな希望出してねぇけど」
戸惑う虎杖に、五条はさらっと返す。
「そりゃ、僕が勝手にカスタム頼んだもん」
「……」
絶句する虎杖の横で、伏黒がぼそりと忠告する。
「気をつけろ。五条先生、こういうとこあるぞ」
虎杖はすぐに気持ちを切り替え、笑顔を見せた。
「ま、いいか。気に入ってるし」
3人が集合場所から歩き出すと、伏黒がふと五条に尋ねた。
「それより、なんで原宿集合なんですか?」
「本人が、ここがいいって言ってたから」
そんな会話をよそに、虎杖は目を輝かせて叫んだ。
「アレ食いたい!ポップコーン!」
能天気な声が、原宿の雑踏に溶けていった。
***
その夜、女子寮へ向かう釘崎野薔薇は、五条先生との会話を思い返していた。
「そうそう、野薔薇」
夕食はすでに終わり、虎杖と伏黒は先に帰っていた。釘崎も席を立とうとしたところで、五条に呼び止められたのだった。
「何でしょう、五条先生」
そこそこ良いご飯を奢ってもらい、ご機嫌な釘崎は、少しばかり愛想よく応じる。
「今日ここにいなかった、もう一人の一年生のことなんだけど」
「ん? そういえば、一年って4人いるはず。確かに一人足りないわね」
言われて初めて、釘崎はもう一人の存在を思い出した。
「その子、憐花って言うんだけど、かなり人見知りでね。恵のことも少し苦手みたいだし。僕もできるだけ様子を見てるんだけど、僕って特級だからさ、忙しいんだよね。それに憐花も思春期の女の子だから、僕と恵じゃどうしても限界がある。だから、まあ……優しく接してあげてほしいんだ」
そう言う五条に、釘崎は迷うことなく即答した。
「当たり前でしょ。たった4人の同級生なんだから」
その言葉に、五条は嬉しそうに笑っていた。
……
女子寮の廊下を歩きながら、釘崎は前方に目をやる。こちらに向かってくる女の子がいた。
小柄な体格、長い髪。どこか自信なさげで、気弱そうな雰囲気。
——この子が、五条先生の言っていた憐花?
釘崎の脳内では、五条の話と目の前の人物が一瞬で結びついた。
始めが肝心よ、私。できるだけ優しく、柔らかく。
「初めまして。私は釘崎野薔薇。あなたは?」
彼女は、笑顔を添えて声をかけた。
憐突然の呼びかけに、憐花はびくりと肩を揺らした。けれど、かすかに残る“僕”の記憶が、この女性が原作に登場していた一年生だと告げていた。少しだけ落ち着きを取り戻し、震える声で返事をする。
「えっと……あの……乙骨、憐花です……。一年生……です……。よ、よろしく……おねがいします……」
そう言って、軽く頭を下げる。まったく落ち着けてはいないが、憐花なりの精一杯だった。
「やっぱり、あなたが憐花ね。私も今月から高専に入った一年生だから、これからよろしくね」
釘崎は柔らかく微笑みながら言った。
「あ、憐花って呼んでいい?」
憐花は、コクンと小さく頷いた。
「じゃあ、憐花。また明日ね」
そう言って、釘崎は軽やかに歩き出した。
廊下に残された憐花は、少しだけ胸の奥が温かくなるのを感じていた。
——でも、あの笑顔はちょっとだけ怖かったな。
そんなことを思いながら、憐花はそっと自室の扉を開けた。
***
翌日の昼休み。
「あの子、来ないわね」
釘崎がぽつりと呟くと、その言葉に虎杖が反応した。
「なあなあ、“あの子”って誰のこと?」
「ん? 憐花よ」
「憐花?」
聞き慣れない名前に、虎杖はきょとんとする。
「ちょっと! まさか知らないの!? たった4人しかいない同級生なのに!?」
「しょうがねぇだろ、俺が入学したの昨日だぞ!」
ギャーギャー騒ぐ二人をよそに、伏黒は黙々と昼飯を口に運びながら、静かに言った。
「たぶん乙骨は来ないぞ。あいつ、授業になかなか出てこないからな」
「あー、昨日言っていたもう一人の一年生か。会ってみたかったな……」と残念そうに肩を落とす虎杖。
一方で釘崎は「なんでよ!?」と不満げに声を上げる。
伏黒は淡々と説明を続けた。
「詳しくは知らんが、乙骨は医務室に通ってたらしい。中学卒業後、そのまま高専に入って、今もよく医務室にこもってる。まあ、最近は少しずつ顔を出すようになってきたから、そのうち授業で会えるかもしれん」
「医務室って……それって大丈夫なのかよ?」
虎杖が心配そうに尋ねると、釘崎も同じく不安げな表情を浮かべた。
「わからん。でも、もし重い病気だったら、ここにはいないだろうし、五条先生も何か言ってるはずだ。あと、乙骨は任務には行ってるしな」
「「よかったー」」
二人そろって安堵の声を漏らす。
その反応があまりにも息ぴったりで、伏黒はふと考える。
——こいつら、本当に昨日会ったばかりのはずだよな?実は昔からの知り合いだったりしないか……?
そんな疑念が、昼食の味を少しだけ薄くした。
三人が食事を終えたころ、虎杖がぽつりと口を開いた。
「っていうか、乙骨って授業に出なくて大丈夫なのか? 高校の勉強って、けっこう難しくて大変だろ?」
素朴な疑問に、伏黒は箸を置かずに答える。
「ああ、それについては補助監督の人(伊地知さん)も心配して、軽くテストしてみたらしい。結果、全部満点だったとか」
「まじかよ……」
虎杖はぽかんと口を開けたまま、思わず呟いた。
「天才かよ……」
「でも、それでも授業は出るべきでしょ!」
釘崎は即座に反論する。声には、同級生としての責任感と、どこか苛立ちが混じっていた。
伏黒は、そんな二人のやり取りを横目に、淡々と続ける。
「まあ、そうなんだけどな。本人なりに、少しずつ外に出ようとはしてるみたいだし……焦らせても逆効果だろ」
「……そっか」
釘崎は少しだけトーンを落とし、納得したように頷いた。
「でも、会えたらいいな。なんか、気になるじゃん」
虎杖の言葉に、釘崎も「そうね、同級生なんだし、4人でいろいろやってみたいわ」と小さく笑った。
三人の昼休みは、そんなふうに静かに流れていった。
**憐花の頭の良さは“僕”のおかげ。本人の実力は普通に小学生レベル**
ある日の昼下がり。校舎の窓辺で、五条は珍しく暇を持て余していた。
ふと視線を落とすと、校庭の隅で水風船を手にした憐花の姿が目に入る。
「お、憐花が外で遊んでる。珍しいな」
気まぐれな好奇心に背中を押され、五条は校庭へと向かった。
最初は微笑ましい光景に見えた。小柄な少女が水風船を両手で持ち、何度も割ろうとしている。水風船で遊んでいる——その程度に思っていた。
だが、距離が縮まるにつれ、五条の表情が変わる。
六眼が捉えたのは、異常なまでに緻密な呪力の流れだった。
掌には小さな印が描かれている。そこに呪力を集中させ、回転させている。だが、ただの回転ではない。呪力は多方向に乱回転しながら、中心に向かって収束していた。
「……乱回転と同方向の練り合わせ? そんなこと、誰が教えた?」
五条は思わず立ち止まる。
呪力は、憐花自身のつむじの巻き方に合わせて、自然な流れを持っていた。反発を最小限に抑え、威力を逃がさず、風船の内部に圧力を集中させている。
——これは、遊びじゃない。
水風船が、音もなく破裂した。
「……やばいな、これ」
五条は呟いた。
六眼が見てしまった。憐花が行っているのは、呪力の回転・乱流・収束・凝縮を習得する、極めて高度な技術だった。
しかも、それを誰にも教わらず、独学で。
「……呪力にこんな使い方があるなんてね」
五条は、初めて憐花の“底”を垣間見た気がした。
校庭の風が、静かに吹き抜ける。
憐花は、誰にも気づかれないまま、次の水風船を手に取っていた。
五条はしばらくその様子を見守っていたが、ふと背後から声が響いた。
「おーい、五条先生!何してんのー?」
虎杖の大きな声が校庭に響き渡る。
その声に、憐花はようやく周囲に目を向けた。そして、五条と、校庭に駆け寄ってくる虎杖の姿を見て、手を止める。
五条は振り向きながら、軽く手を挙げて応じた。
「お、悠仁。いやなに、珍しく憐花が校庭で遊んでたから、ちょっと様子を見てたんだよ」
「ん?憐花って……もしかして、同じ一年の乙骨憐花?」
虎杖が首を傾げながら五条の背後を覗き込むと、そこには水風船の破片を片付けている少女がいた。
五条はにこやかに言った。
「そうそう、彼女が乙骨憐花。君たち一年生は4人だからね。これで、ようやく悠仁も全員と顔合わせできたってわけだ」
憐花は虎杖の視線に気づき、少しだけ肩をすくめた。けれど、五条の言葉に背中を押されるように、ゆっくりと顔を上げる。
「…乙骨、憐花です…。よろしく……おねがいします……」
虎杖はぱっと笑顔を見せる。
「おー、よろしくな!俺、虎杖悠仁!やっと会えたな、同級生!」
その言葉に、憐花はほんの少しだけ目を見開き、そして小さく頷いた。
五条はにこにこしながら、二人の間に軽く手を振る。
「ほら、二人とも。せっかく会えたんだから、もうちょっと話してみなよ」
憐花は少しだけ躊躇いながら、ぽつりと口を開いた。
「…虎杖さんは……宿儺の指を食べたの? どうして呪いと関わろうと……?」
「虎杖でいいよ」
虎杖は笑いながら言い、少しだけ首を傾げる。
「それで、呪いにどうして関わろうとしたかだっけ? それ、学長にも同じようなこと聞かれたなー」
その言葉に、憐花はびくりと肩を揺らす。
「……学長。あいつは嫌い」
「え、どうして?」
虎杖が驚いたように尋ねると、五条が肩をすくめて説明した。
「憐花も悠仁と同じように入学試験を受けてね。色々ときつい質問されたんだよ。あの人、そういうとこあるから」
「あー、あれはきつかったな……」
虎杖が思い出して苦笑すると、憐花も小さく「うん、きつかった……」と頷いた。
少しだけ沈黙が流れたあと、虎杖は真っ直ぐな目で憐花を見て言った。
「えっと、俺が呪いに関わるのは……生き様で後悔はしたくないから」
その言葉に、憐花は目を伏せながら、ぽつりと呟いた。
「……死刑、こわくないの?」
憐花の問いに、虎杖は少しだけ考えてから、まっすぐに答えた。
「そりゃ死にたくはないけどよ。呪いは……ほっとけねぇだろ」
「すごい……わたしだったら無理。その理由で呪霊と戦うのも、あんなまずい宿儺の指を食べるのも」
「確かに、宿儺の指はまずいな」
虎杖は苦笑しながら言った。
憐花は少し驚いたように目を丸くする。
「虎杖も味わかるんだ……」
「いや、味覚はあるよ。普通にまずかったし」
そのやりとりに、五条が面白そうに口を挟んだ。
「で、宿儺の指ってどんな味だったの?」
虎杖は少し考えてから、眉をひそめて答える。
「んー……腐った鉄みたいな味? 血と錆を混ぜた感じっていうか……とにかく、口に入れるもんじゃねぇな」
「……うん、そんな味」
憐花がぽつりと同意する。
虎杖は驚いて彼女を見る。
「え、乙骨も知ってるの? その味」
憐花はきょとんとした目で、なんてこともないように言った。
「…食べたこと、ある」
その言葉に、虎杖も五条も一瞬、言葉を失った。
「まじで!?」
虎杖が思わず声を上げる。
五条も、少し目を見開いて「まじかー」と静かに驚いた。
「大丈夫だったのか?」
虎杖が心配そうに尋ね、五条は六眼で憐花をじっと見つめる。
「……いや、特に混ざってないな。呪力の流れも普通だし……?」
その言葉に、憐花は首を傾けながら、ぽつりと補足した。
「……わたしじゃなくて、分身が食べた」
「分身?」
虎杖は困惑したように眉を寄せる。
五条はその言葉で、ようやく全容をつかんだように頷いた。
「ああ……そういうことね」
憐花は静かに印を結ぶと、空気がわずかに揺れた。
次の瞬間、彼女の隣にもう一人の“憐花”が現れる。
「うわっ!? 乙骨がもう一人!?」
虎杖が目を見開いて叫ぶ。
五条は落ち着いた口調で言った。
「これは憐花の術式だよ。分身の生成を可能とする。……かなり特殊で、精度も高い」
虎杖は分身の憐花を見て、ぽつりと呟いた。
「……すげぇな」
呆然と分身を見つめていたその瞬間——虎杖の頬に、突如として口が開いた。
「小娘。お前は、少し前の脆弱な器か?」
低く、恐ろしい声がそこから漏れ出す。宿儺だった。
虎杖はびくりと肩を揺らし、頬に手を当てる。
「うわっ……だから勝手に喋んなって!」
五条は目を細め、宿儺の気配を確認するように虎杖を見つめた。
「また宿儺が出てきた。本当におもしろい体になったね、悠仁」
憐花は分身の背に隠れるように一歩下がりながら、宿儺の声に静かに答えた。
「……そう。あの雷の呪霊のときは…助かった」
宿儺の口は、虎杖の頬に残ったまま、しばらく沈黙していたが、やがてふっと消えた。
五条は腕を組みながら、呟く。
「憐花にまで反応するなんてね……宿儺も、なかなか好奇心旺盛だね」
虎杖はため息をつきながら、憐花に向き直る。
「……ごめんな。勝手に喋るやつが住んでてさ」
憐花は小さく首を振った。
「だいじょうぶ。むしろ……もう少し、話してみたかった」
その言葉に、虎杖は少しだけ目を丸くし、笑った。
五条がふと思い出したように、憐花に尋ねる。
「そういえばさ、憐花。宿儺の指、まだ持ってたりする?」
憐花は小さく首を横に振った。
「……ううん。ない。どっか、いっちゃった」
「そっかー。どこにあることやら」
五条は肩をすくめて、空を見上げた。
夕暮れの光が、三人と一体の分身をやわらかく包み込んでいた。
キャラ崩壊タグでもつけようかな?
(オリ主)キャラ崩壊。
もはやギャグ。
原作キャラはできるだけキャラ崩壊しないようにしますので、安心?してください??
次回は呪胎戴天編かな?