コドクな軍隊   作:カオスセイバー

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感想で漁夫の利みたいだと言われましたのでここで書いておこうと思うのですが、コドクのモンスターは最後の一体になると同時に簡易モンスターからモンスター(仮)になってHP等が全回復というか再構築されます。今回の【リトルゴブリン・蠱毒種】はリトルゴブリンに毛が生えた程度なので瞬殺されましたので分かりにくいかもしれませんね。これが全部別のモンスターとかになれば大きく変化したりする予定なんですが。


三回目の蠱毒

□ノズ大森林 空き地

 

 エリザが予想外のレベルアップをしたが悪いことではないので、そのまま蠱毒を続行して二回目の《蠱毒生成》が終わった。

 

 二度目の蠱毒は【リトルゴブリン】の素材を七に対して【パシラビット】の素材を三の割合にして、HPとMPとSPは倍の各二〇〇〇で試してみた。

 

 結果からいけば一回目よりも強い【リトルゴブリン・蠱毒種】が出来た。

 しかし、同じ【リトルゴブリン・蠱毒種】の表示でもその見た目には【パシラビット】の特徴が体に出ていた。

 具体的には本来殆ど毛のないゴブリンに体毛が生えていたり、耳が大きく兎の様に上を向いていたりだ。

 

 戦ったエリザの体感ではあるが、ステータスは一回目よりもそれなりに高いそうだが、レベル1の【リトルゴブリン】がレベル10になった位とのことなので強くはなっているが、まだ誤差の範囲内だろう。

 

 一回目にエリザが、かなりの経験値を獲得してレベルアップしたので、今回は俺も積極的に戦闘に参加して倒したのだがレベルアップした。

 少なくともイースター平原の【リトルゴブリン】なら十や二十倒した位では上がらないはずだったのだが、レベルが上がって次のレベルまで後少しまで上がった。

 

 まだ経験値周りのシステムを完全に把握出来てないのもあって、何故こんなに蠱毒種のモンスターが経験値が貰えるのかは分からないが、一応予想ではあるが、蠱毒種モンスターを倒した際には今の所ドロップアイテムが無いので、それが理由かもしれない。

 

 気にはなるが、今の所はそこまで重要ではないのでその内wikiを見るなりティアンの人達に聞くなりで調べてみよう。

 

「じゃあ、三回目やっていこうか」

 

 二回目の蠱毒を終えて、軽食を取ったり休憩したりした。

 二回だけで殆どダメージや消耗はないが、次にする三回目は素材は【リトルゴブリン】だけではあるが、HPとMPとSPは現在投入出来る最大の各一〇〇〇〇にするのでどれ程の強さになるか分からないのもあり休憩を挟んだ。

 

 一回目と二回目の差を見る限りでは、予想として【ゴブリン】レベルの強さで、一番高いステータスで一〇〇から二〇〇位と見ているので黒曜より強いということないと思う。

 

 黒曜のステータスは一番高いAGIで五〇〇を超えてSTRも三〇〇程有るので多少は、予想より強くなっても問題ないし他にも対策はしているので大丈夫だろう。

 

「次で最後だからもう少し骨のある強いが出来るといいわね」

 

「それ、フラグっぽくない?」

 

「あら、テイムするなら強いモンスターの方が良いのでなくて?」

 

「それはそうなんだけどね」

 

 テイムするためにサブジョブに【従魔師(テイマー)】を置いて、少し値が張ったがジョブクリスタルも準備した。

 ただ、毎回蠱毒をするたびにジョブクリスタルを準備するのはちょっと勿体ないので【指揮官】系統のジョブで【従魔師】系統のジョブスキルが使えるジョブを探しておこう。

 

 デンドロのスキルには汎用スキルと系統別スキルに分かれていて、メインのジョブに関係なく使える汎用スキルとメインジョブと系統毎に使えるスキルがある。

 例えば【従魔師】の《テイム》は野生のモンスターを味方にするスキルであるが、このスキルを使用するにはメインのジョブを【従魔師】系統や【従魔師】の能力を内包するジョブにしなければならないのだ。

 

 【指揮官】のジョブはパーティーメンバーの強化に重きを置いたジョブで【従魔師】は従属キャパシティ内で使役するモンスターの強化であり、この二つは別の系統なので【指揮官】では《テイム》を使う事は出来ないのだ。

 

 そんな感じでエリザと会話しつつ、今後のジョブについて思いをはせながら《蠱毒生成》で使う素材を選んでいく。

 んー、折角だし完全遺骸も入れておくか。

 

 残っている【リトルゴブリン】の素材から部位毎に同じ位になるように選びつつ最後に【リトルゴブリンの完全遺骸】を選んでアイテムの選択を終えて最後に投入するコストをそれぞれの最大値である一〇〇〇〇に設定してスキルを発動する。

 

「《蠱毒生成》」

 

■ ???

 

 【リトルゴブリン】の途切れていた意識が覚醒する。

 

 ずっと寝ていたような、そうでもないような不思議な気分でそれは起き上がった。

 

 周りを見渡せば、始めて見る土の壁で囲まれた広い空間だった。

 

 何でここに居るのか思い出そうとするが、思い出せるのはハンマーを持った二足歩行で歩く黒い狼と戦い、殴り飛ばされたことだけだ。

 初めて見た様な気がする存在だが、思い出すだけで何となくイライラする。

 

『告。貴方達はもう一度生きる機会を得ました』

 

 唐突に頭の中に響く声に困惑しながら辺りを見渡すが、周囲には同じ様に困惑してキョロキョロと見渡す同族である見慣れない【リトルゴブリン】が居るだけだ。

 

『求。機会を権利にする為に最後の一人になるまで殺し合いなさい』

 

 謎の声は勝手に告げるだけ告げて、それっきり静かになってしまった。

 何を言っているのかは、良く分かっていないがそれでも内から湧き出る衝動が何をすれば良いかを教えてくれる。

 

 即ち目の前の敵を殺せ。

 

 普段なら理由も無く同族と殺し合いをすることは無いのだが、それでも今はここにいる自分以外の存在を殺すことだけが生き残る道であると。

 

「ゲギャアアア!」

 

 まだ困惑から抜け出せずにボケっとしている目の前の【リトルゴブリン】の頭を掴み、そのまま石で出来ていると思われる床に叩きつける。

 

「「「「!?」」」」」

 

 叩き付けられた頭が果実の様に弾けて血をまき散らしつつも、光になって消えるのを横目に次の獲物を選定する。

 

 ここで漸く、他の【リトルゴブリン】達が動き出す。

 主に近くの【リトルゴブリン】を襲う者、身の安全を測るために距離を取る者に別れるが、最初に動きだした【リトルゴブリン】の周りにいた者達はそれが脅威になると判断したのか打ち合わせることなく一斉に襲いかかった。

 

 モンスターの中でも弱いゴブリンの中でも、最底辺に位置する【リトルゴブリン】が戦闘における戦術として囲んで叩く袋叩きは一般的であり、最初に動き出して一体倒した個体を脅威として認識して一斉に襲い掛かることは【リトルゴブリン】の習性として当然のことだ。ただ普通なら共闘するのが、群れの仲間ではない点が普通とは違うだけだろう。

 

 しかし、今回はその袋叩きを受けるのも【リトルゴブリン】であり、同じ種族だからこそ次の動きは容易に想像出来た故に取る行動は一つ。

 

 逃走だ。

 

 数の少ない所を選んで突撃とは名ばかりの体当たりを敢行、向かってくるとは思ってなかったのもあり簡単に倒れる。

 そのまま倒れた【リトルゴブリン】を無視して離れる。

 

 そして倒れた【リトルゴブリン】に他の【リトルゴブリン】達が集まって袋叩きにしている。

 元々群れの仲間でない以上は少しでも隙を見せれば襲われるのは明白だ。

 

 そうして包囲を脱した後は駆け周りながら戦っていく。

 

 乱戦の中で弱い奴、隙を見せた奴から死んで数が減っていく。

 

 自分が襲われないタイミングで他の【リトルゴブリン】を襲い倒して経験値に変えていく。

 途中でどうしても横槍を入れられるが、その時に唯一思い出せる二足歩行の狼の動きで凌いだ。

 

 自分も含めて一〇以上の数で囲って襲いかかったのだが、後ろに目でも付いているかのような反応と動きで全て回避されて返す一撃で簡単に自身も含めて仲間達は倒されてしまった嫌な記憶だ。

 

 原理も何も分からないなりに模倣した動きは完全ではないにしても攻撃を避けたり、ダメージ軽減を軽減してくれている。

 

 そうして数が少なくなって凄く強くなっている事に気付く。

 

 然程賢くない【リトルゴブリン】でもモンスターや人間を倒せば強くなることは知っているが、それでもこの異常な速度で強くなる事に不思議に思う事はあっても、その疑問は直ぐに流される。

 

 今は殺し合いの最中であり、殺されかねない状況である以上はどうでも良い疑問に思考を割いている場合ではなく後で考えれば良いと判断した。

 まぁ、【リトルゴブリン】の場合はそのまま忘れることの方が多いが。

 

「ゲギャアァァァ!」

 

 何故か分からなくても強くなっているだけなら問題ない。

 今必要なのは、ただ目の前の敵を倒すことなのだから。

 

 そうして最後の一体が残った。

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