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□レーヴ果樹園入口 【
サウダ山道でのレベル上げを終えてから王都に戻って<旧レーヴ果樹園>での金策の為に、あれこれ買い物をした翌日、俺はレーヴ果樹園の入り口に立っている。
あの後コドクが進化したりしたが、ちょっとしたスキルの拡張と《蠱毒生成》時に投入出来るリソース量が倍になった程度だったので細かくはその内説明しよう。
ここで<旧レーヴ果樹園>について説明しておこう。
<旧レーヴ果樹園>は王都アルテアの南門の近くに存在する放棄された果樹園だ。
何故廃棄されたかは知らないが、今は昆虫型のモンスターの巣窟になっており、サービス開始直後からその立地により初心者向けのダンジョンと勘違いしたマスターが突っ込んでは死んでいく様から初心者殺しの異名を持つダンジョンだ。
デンドロにおけるダンジョンは<旧レーヴ果樹園>を含む殆どが何かしらの要因でモンスターが集まっている巣や過去の魔法使いの研究所の様な場所を指している。
フィールドでもそうだが、デンドロのモンスターは基本的に生態系を築いており普通のゲームの様な所謂リポップしない仕様の為、狩りつくすとそのまま絶滅する可能性もある。
実際にデンドロの開始直後には幾つかのスタート地点の周囲のフィールドで狩り過ぎて国から注意喚起も起きたらしい。
今回の探索では初めての場所なのでソロではなく他のマスターとパーティーを組んで行こうと思い、冒険者ギルドや<旧レーヴ果樹園>に近い南門で一緒に行ける人を探したのだがタイミング等の問題で残念ながら一人しか捕まえられなかった。
「それじゃあよろしくお願いいたしますね、ムシチーナ・ズヴェーリスキーさん」
「ハハハ、ゲームなんだからそんなに畏まらなくてもいいさ。
それに僕のことは気軽にズヴェーリと呼んでくれよ」
今回一緒に探索してくれるのは身長二m近い長身かつ、ムキムキの体を法衣の様な服を着たズヴェーリさん。
堀の深い顔でイメージ的にはロシアとか北欧系の様な顔付きで〇〇スキーという名前からロシア人っぽい気がする。(ガバ判定)
「それじゃあズヴェーリ、早速行こうか」
「オーケーオーケー、回復は任せとけ!」
彼はその大きな体格に似合わず、【
俺は<旧レーヴ果樹園>に入って先ずはテイムモンスターを召喚する。
呼び出すのは黒曜とゴブ郎にゴブ次郎そしてゴブ弓、ゴブ兎の五体だ。
アタッカーのゴブ次郎だけは従属キャパシティ内での運用で後はパーティーメンバー枠での召喚だ。
本当ならゴブマジも召喚したかったのだが【狩人】にした関係で【
ダンジョン内に入って直ぐは、まだ整備されていて
取り敢えずは黒曜とゴブ兎には近くにモンスターが居ないか探して貰って、その間にズヴェーリと今回のダンジョン探索の目的を確認する。
「確認だけど、今回の探索の目的はアイテム採取による金策である程度深くまで行ってレムの実を中心に採取をして売るのが目的だけど問題ないよね?」
「ああ、こちらから戦闘は仕掛けずに襲って来る奴だけを倒して、儲けは山分けでモンスター素材はライトに優先して場合によっては買い取りもありだったな」
「オッケー、問題なさそうだね」
今回の目的はダンジョンになっている果物を使った金策だ。
<旧レーヴ果樹園>はその名の通り、元々は果樹園であり多くの果物を取ることが出来る。
その中には単純に高級食材であるレムの実や回復アイテムの素材となる物など、良い値段で売れる物が多くあり、今回はそれを売ってお金を稼ごうというのが目的だ。
ただ、毒等の状態異常をもたらす攻撃をする昆虫モンスターが多いのもあって、人気はなく、更に現実よりも大きな虫は単純に気持ち悪いので更に人は少ない。
前準備として、毒等の状態異常を回復するアイテムを買っているが場合によっては、アイテム代が高くなって元が取れない場合はまた別の金策に移行しなければいけなくなるだろう。
ゴブ郎達にも採取してもらえれば人手が多いのでそれなりの稼ぎになると思いたい。
そうこうしているうちに、黒曜がモンスターを引き連れてやって来た。
蜂形のモンスターで五〇㎝以上ありそうで無茶苦茶大きい。
「じゃあ、ズヴェーリ下がって回復の準備して」
「オーケー、派手やっちまおうぜ!」
結果は楽勝。
流石に七対一なら負けようがない。
ゴブ郎が前に出て攻撃を防いで動きが止まった所に、【狩人】になったので弓を装備(粗悪品)した俺とゴブ弓で攻撃して追撃に黒曜が飛びかかり地面に引きずり下ろした所にゴブ次郎の斧による振り下ろしで、そのままノックアウトでドロップアイテムだけが残る。
そこから更に何度か戦った。
最初の蜂以外にも攻撃力の高い蟷螂に音もなく忍び寄る蜘蛛、蝶や蛾も含めて色々な昆虫モンスターがいた。
突如上から落ちてきて奇襲する蜘蛛対策の為に黒曜は常に警戒させておかねばならず、戦闘に参加させられなかったり、後は芋虫等の幼虫型モンスターは単体では手強くはないが乱戦状態だと、吐き出す糸が凄く邪魔で厄介だったりした。
その上で蟷螂以外の殆どのモンスターは毒や麻痺による状態異常を仕掛けてくるので<旧レーヴ果樹園>の不人気具合を思い知らされた。
現状前衛がゴブ郎とゴブ次郎の二人で、盾役のゴブ郎がヘイトを集めるスキルが使えないから乱戦になりやすいく戦闘中は弓での攻撃に指揮と中々に忙しい。
その中でMVPを挙げるならズヴェーリになるだろう。
彼は戦闘中は基本的に後衛ヒーラーとして後ろに待機して俺の指示か自分の判断で回復してもらっているが、その真価は彼のエンブリオだ。
名前は教えてくれなかったが、彼のエンブリオはtypeテリトリーでその効果は状態異常の無効化バフだ。
流石に全てを無効化するのではなく病毒系の状態異常を無効化するものだ。
デンドロの状態異常は主に病毒系・精神系・傷痍系・制限系・呪怨系の五種類に分別されて、その中で病毒系とは毒や風邪の様な主に体の内側からの不調をもたらすものが多い。
彼のスキルは一度掛けると効果を発揮するまでは時間で解除されないがある程度、ダメージを受けるか何度か無効化すると解除される。
ダメージによる解除は蜘蛛の牙や蜂の針、蟷螂の鎌だと一度で解除されるが蝶や蛾の鱗粉や直接毒をかける様なものなら五回位なら無効化してくれる。
一応解除されるタイミングでの攻撃までは状態異常は無効化出来るので、確りと管理出来れば状態異常にならずに戦闘出来る。
それと無効化かけた後は外部からのバフも受け付けない様なのでスキルの順番や奇襲には注意が必要だが、このスキルのお陰で事前に準備した回復アイテムを殆ど消費することなく戦闘出来ているのでエンブリオの効果込みとは言え、やはりヒーラーは重要だ。
しかし、コドクの特性上直接的な戦闘力に特化していくのでヒーラーを創り出そうとするなら半分以上か出来る事なら全て回復能力を持ったモンスターの素材が必要になるから、下手すると買った方が早いかもしれないが、そういうモンスターは中々売られていないというか、【
それと想定外の事態として《解体》のスキルは自分で止めを刺さないと効果が発動しないのだ。
パッシブスキルなので持っているだけでパーティーに恩恵があると思ったのだがそうではなかった様だ。残念。
一応は他にも有用なスキルもあるので取り敢えずはこのまま【狩人】のレベル上げをしていこうと思う。
戦闘は順調なので後は果物等のアイテムの採取だ。
ここの稼ぎ次第で今後の活動方針が色々と変わっていくので、出来るだけ稼ぎたい所だ。
ある程度ダンジョンを進んだ所でレムの実がなる木が群生している地点を見つけたので早速、採っていく。
レムの実が成る木はアルテア内にある普通の果樹園でも狩り体験が出来る果物らしく、割と取りやすい位置にそれなりに生っているが、手の届かない場所にも有り、それはその高さまでゴブ兎が跳躍してもらい枝に飛び乗ってそこから実を落としてもらい、地面に落ちる前にキャッチする。
尚、跳び上がって枝に上がるのは得意だが着地は下手なのが一回目飛び降りた時に地面にキスしたことで発覚したので二回目からは受け止め要員が必要になったが、これはズヴェーリがやってくれた。
彼は、ハハハ、これくらいお安い御用さ! と笑いながら受け止めていたが、その際にHPが減っていたのには見なかった事にした。
そうして、レムの実を初めとした果物に、ポーション等の薬の材料となる野草に後は何か良く分からないアイテムまで色々と沢山採取することが出来た。
「いやぁ、初めての場所だったけど、かなり採取出来たし良い稼ぎになりそう。
また時間が合えば、またよろしくお願いいたしますね」
「ああ、ヒーラーは一人じゃ戦えないし、こっちこそよろしく頼むよ!」
そうして俺達は大量のアイテムを換金してホクホクで解散したのであった。
エンブリオ紹介
今回出たムシチーナ・ズヴェーリスキーのエンブリオを紹介するよ!
【混同無 ルーデサック】
Typeテリトリー
特性:状態異常予防
《スキン・ガード》
対象にスキン状態のバフを付与する。
スキン状態のバフがかかっている時、対象は病毒系状態異常に成らなくなる。
この効果は時間によって解除されない。