アリウスと原罪   作:パエリアさん

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結構読みづらいかも。あとで修正するかも〜カラカラ
早くドレスサオリが欲しいでやんす





第4話 曇り空の青春

とりあえずここにいれる権利を手に入れた俺は、早速身の回りのことを整理し始めた。

 

そして最近知ったが、俺が会った連中はアリウススクワッドという機動部隊的なものらしい。

 

どうやらアリウス最強の部隊で、すごい人達らしい。俺が関わっていいのか微妙なところだ。だけど、はじめに会ったとき殺されなくて本当によかった。

 

…『最強』か。…きっと、俺には理解できないところにいるのだろうな…。

 

 

 

 

 

…痛い

 

 

 

 

 

さて、突然だが、人には衣食住が必要だ

 

しかし、俺はまだいずれも持っていない。これは困った。衣食住がなければ人足り得ないというのに。俺は人ではありたいのだ。

 

そんなこんなで、俺は用意を始めた。

 

まず衣、これは簡単だった。支給される制服を着るだけだから。意外と丈夫で、動きやすい。服に特にこだわりもない俺はこれで満足だ。

 

しかし…ガスマスクがあるのはちょっと……。

 

次に食、アリウスには料理の文化はないのか、これも支給されるのだが…あまりにも味が…アリウス生は平気な顔して食べてるけど、本当に不味い。きっと栄養だけを重視したんだろう。ちょっと言葉にできない味だ。

 

強いて言うなら…カブトムシとナメクジを足して、蜂蜜で割ったようなそんな味だ。

 

流石に俺は耐えられない。幸い自炊能力はある。さらに植物も探せばある。なんと動物もいる。槌永さんに撃ってもらえば簡単に手に入る。

 

つまり、俺は自炊によって食を得る必要があった。

 

それからというもの、主に鳥を食べているんだが、たまに…いや頻繁にアリウススクワッドらに振る舞っていてな、

 

特に槌永さんがすごいおいしそうに食べるんだ。

 

『うわああああん!!こんなの初めてで、幸せですうううう!』って。

 

こっちも嬉しくなる。何か、役に立っているという感覚がこみ上げてきて、暖かくなった。

 

最後は住だが…これは大変だった。キヴォトスでは基本的に中高生は一人暮らしをするらしいのだが、アリウススクワッドらは一緒に住んでいるらしい。

 

そこでだ…俺が一緒に住むと提案したんだ……もちろん下心はない、話の流れで言っただけなのだが……。

 

スクワッドの面々からの反応は冷ややかだった。特に戒野さんからの反応はすごかった。あの養豚場の豚をみるような目……今思い出すだけで吐き気が……うえっ。

 

そりゃあどんな突然現れたわけわからんやつ、しかも異性が一緒に住むなんて言い出したらキモいにも程があるかもしれないけど、あれはないだろあれは。なんだったってあんな、排するような目を…。

 

…よって、俺は物件探しを始める必要があった…これがすごい大変だった。いや、場所はあるんだ、場所は。でも設備が全部酷いものだった。

 

当然のように水は出ないし、すっごいボロボロだし、電気なんてもちろんないし。

 

だから家を建てることにしたんだが……俺は凡人ということを痛感したよ。

 

材料探しがまず大変だ。アリウスに生えている木は全部もろく、つかえない。ありとあらゆるところにコンクリートはあるが、それを持ってってさらに組み合わせるのは俺じゃできない。

 

やり方がサッパリだ。戒野さんに『こんな事やっても無駄だよ…全ては虚しいんだから…』とかも言われたし、心が折れそうだった。

 

しかし!!俺は努力した。とても努力した。あの戒野さんにも褒められた。『すごいね…これ』って!!

 

まともな家が出来たんだ。頑張って水脈を見つけて、水を通して、電気は無理だったけど……。

 

でも壁も風を通さないくらいにはなった。コンクリートを粉にして、水に溶かしてひび割れを抑えたんだ。このアリウスの中では良い物件になったと思う。

 

たまにスクワッドの連中がくるよ、意外と戒野さんが来るんだ、「居心地がいい」って。素直じゃない奴め。

 

それと…最近足が治ったんだ。まさか()()()()()で完治するとは思わなかったな。すごいね人体。

 

でも…ここまで俺は傷の治りが早い気はしなかったんだが普通に考えて、足を撃ち抜かれて一ヶ月で元通りになるってあるのか?…まあ、そんなこともあるか。

 

風がないでいる。温度を含んだ風の季節だ。俺はそれをすうっと吸い込んで、ふうっと吐いた。俺の存在が、肯定するように溶け込んで、ここに広がった。

 

さあ衣食住は整った。学校生活を謳歌するぞ!!

 

 

____________________________________________________

 

 

 

って決心したんだけどなあ。

 

びちゃびちゃの土を歩く。口の中に泥が入る。ぺえっと吐き出すが、それすら気にする暇はないほどに、今は極限状態であった。

 

「おいハジメェ!!早く立って走れ!!死にたいのか!!」

 

「ぐうううああ!」

 

訓練がおかしい。ホントに

 

体力がないのか……いや普通なんだ、シャトルランも別に八十くらいはいってるから。つまり、ここの奴らがおかしいんだ。

 

30kgのバッグを持ちながら道悪の中を100km走るなんて不可能だろ。ふざけやがって。

 

「この出来損ないがあ!!」バチン

 

「ぐあっっ!!」

 

電流のような刺激が背筋を伝う。目の前が黒に染まっていくが、ギリギリのところで気合を使い、瞼に力を込めて耐える。

 

 

しかし…この教官ロボット……クソ鬼畜だ。

 

 

俺がヘイローなしなの知ってるのにめっちゃムチで打ってきやがる。けどこれはまだいい、もっとヤバいのは午後の訓練からだ。その訓練は…。

 

 

 

ドドドドド

 

 

 

 

「あぶねっ!?」

 

辺りを揺らす音波の後に、顔の横を鋭利な風が通過する。その風は少し熱を帯びていて、同時に憎しみもこもっている気がした。

 

「チッ」

 

対人訓練がキツイんだこれ。…怖い。俺お前に何もしてないはずなのに…。まるで親の仇のように迫ってくる。

 

他の奴らは銃弾当たっても死なないから全然実銃を使ってるんだが……俺は死ぬんだよ!

 

組む相手もランダムだから事前に打ち合わせとかできないし、手を抜くと教官にやられるから相手も手を抜かない。よって俺は全弾よけながら戦わなければならない。かなり詰んでいる。

 

…そして、俺にはまだ欠陥的な問題がある。

 

 

 

「くっそ…くらいやがれ!」

 

目の前に広がる眩しい閃光(マズルフラッシュ)。体にずっしり伝わる反動。その全てが、とても新鮮だった。反射的に、にやりと笑ってしまう。…しかし。

 

 

スカ、スカ

 

 

「?」

 

 

 

空を切る音。それらが悲しくこだまする。組み手の相手は一瞬ばかり困惑しながら、すぐに攻撃を仕掛けてくる。…そう、銃の扱いがてんでだめなのだ。

 

そりゃそうだ、銃なんか使えるのはほんの一部の特別な人だけだったから。普通な俺は使えなかった。それは当然のことで、当たり前だ。

 

本当に当たらないんだ。反動もやばいし。ラガーマンに本気で体当たりされる事が想起されてしまうほどだ。

 

「模擬戦やめっっ!!」

 

聞き慣れた、教官の無機質な機械音が広い訓練場へ響く。それは、この地獄の終わりを告げるものであった。

 

「……………」スッ

 

「や…やっとおわった…」

 

緊張の糸がやっと解けた俺は、地面へへたり込んだ。持久走の終わりを思い出すが、それよりも精神的にとても辛い。

 

…ここでは言い訳もできない。厳しさで包まれている。……本当に毎日命懸けだ、もうヤダ。

 

 

 

____________________________________________________

 

 

 

「おつかれ、ハジメ」

 

訓練の疲れで真っ白に燃え尽きていると、後ろから話しかけられた。

 

「ああ……白州さんか……おつかれ……」

 

「ずいぶんと疲れてるな。ちゃんと休むんだぞ。ただでさえハジメはヘイローがないんだから。ほら水」

 

「あー、ありがと〜」

 

白州さん。よく心配しに来てくれる。この前暇つぶしで作った某万博イメージキャラのぬいぐるみを渡したらすごく懐かれた。

 

俺にとって未知の存在であるJKだけど…妹みたいだからあんま緊張しないんだよな。おかげで俺の友達の一人になっている。初対面のときはあんなに警戒されてたのに……うれしいわあ。

 

「それで…今日は何の話をしてくれるんだ?」

 

目の前にご飯が置かれた犬みたいに、白洲さんの目は美しく輝いていた。その瞳は、色もあいまってアメジストを想起させた。

 

白洲さんは外の世界の話をするとすごい喜ぶ。たぶんアリウスの外というのに憧れているんだと思う。

 

「そうだなあ……じゃあ今日はカフェってことについて話そうかな」

 

「かふぇ!!気になるぞ!!」

 

話をするたびに驚く、カフェもレストランも、ジムや温泉とか、全部アリウスにはないらしい。そりゃあここの生徒はみんなあんな目にもなるわな。

 

俺は全身全霊を込めて説明することにした。自分の話で喜ばれるのも悪くはない。息をたくさん吸って、故郷を思い出して…。さあ、行くぞ!

 

 

〜少年お話中〜

 

 

「よしっ。これで今日の話は終わりだ」

 

「ふむふむ……カフェ……いつかはみんなで行きたいな」

 

話が終わった。ふう…疲れたけど、楽しかったな。

 

「そうだな…5人で行っておいで。きっと楽しいよ」

 

想像してみる。きっと槌永さんが沢山食べて、秤さんも悪ノリして…錠前さんが騙されてケーキをストローで吸ったりするんだろうな…意外と天然なんだよな…あの人。

 

いろいろなことに目をキラキラさせる白州さん。ラテアートを飲めないでいる戒野さん……あの人俺の作ったぬいぐるみすごいガン見してたからな。あげようとしたら断られたけど。

 

「???何言ってるんだ?ハジメもいくんだぞ?」

 

何言ってるんだこいつみたいな目で白州さんが見てくる。…やめて、そんな目で俺をみないで。

 

「いや…こういうのは俺行っちゃダメだろ。女の子だけで楽しんでおいで」

 

「?男はカフェに行っちゃダメなのか?」

 

「いやそういうわけじゃないけど…まあ、男の人を連れて行くなら本当に好きな人にしな。もしかしたら勘違いされちゃうかも」

 

そうかあ…白州さんもいつかは彼氏とかつくるのかなぁ……ここに男の子はいないらしいから…ロボットとかなのかな?

 

別に親じゃないのに、少し悲しくなる…。認めんぞ!お父さんは!

 

「???もっと分からない?じゃあハジメは行ってもいいじゃないか?」

 

「ん゛っっっっ!??!?」

 

突如放たれた、衝撃の一言。女子耐性がないハジメには効果はバツグンだ!!

 

「………白州さん……そういうのは勘違いされたゃうから……あんま言わないようにね………」

 

あかん。これ俺の世界いたら勘違い男子大量生産しちゃうやつや。

 

「別にそれでもいいのでは……?」

 

「…?どういうこと?」

 

「いや……なんでもない。早く帰ろう」

 

俺たちは帰路についた。その帰り道は、いつもより透き通っている気がした。

 

夕暮れが、曇り空に包まれて、幽玄と煌めいていた。俺は、それへの渇望で、ただただ溢れた。

 

To be continued




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