新エリー都を翔ぶ黒き鳥   作:謎多き作家

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オボルス小隊

オボルス小隊と会敵したレイヴン。

 

先に先手を打ったのはオボルス小隊で、オボルス小隊のオルペウスと11号の二人が先人を切る形で戦闘を開始した。

 

11号がレイヴンの懐に飛び込み、武器である鉈を振るい、レイヴンは11からの攻撃を避けた所で横から飛び込んだオルペウスのナイフの刃が牙を向いた。

 

レイヴンはオルペウスの存在に気付き、僅かな動作で僅かに掠めるが攻撃を避けた。

 

『オルペウス!11号!奴に距離を取らせるな!銃弾とミサイルの雨を貰うぞ!あのデカブツの杭はそう何度も使える代物ではないのは一目瞭然だ!それさえ気を付けていれば良い!』

 

「は、はい!」

 

「了解」

 

『トリガーとシードは二人を援護しろ!』

 

「分かりました!」

 

「りょうかーい」

 

鬼火の指示を聞いたオルペウスと11号はレイヴンに距離を取らせまいと接近戦を仕掛け、トリガーは狙撃で、シードはビックシードを操って火力による援護を行う。

 

《レイヴン。やれるか?》

 

カルラのその言葉にレイヴンは軽く頷く動作を見せるとトリガーとシードの攻撃を避けつつ距離を取るのではなく、詰める方向で動いた。

 

「距離を詰めてくるであります!」

 

オルペウスは逆の行動を取ってきたレイヴンに驚いているとブースターで加速したレイヴンの蹴りを防いで後方に大きく吹き飛ぶ。

 

11号はオルペウスを守る為に鉈でレイヴンを攻撃するもレイヴンは上に飛んで避け、そのまま滞空し、上から銃弾とミサイルを撃った。

 

『ちッ!回避しろ!』

 

鬼火のその言葉にオボルス小隊の面々は回避行動をすぐさまとってレイヴンからの攻撃を避ける。

 

辺り一面に小さなクレーターが作られる中、レイヴンは再び地面に降り立ち、ブースターで高速移動や回避をしながらオボルス小隊に牽制射撃を浴びせる。

 

RF-025 SCUDDERの大口径弾とBML-G2/P03MLT-06のミサイルの一斉砲火にオボルス小隊は回避行動を取り、レイヴンはRF-025 SCUDDERの弾を撃ち切るとマガジンを交換する。

 

レイヴンは目に写るオボルス小隊の面々との多対一の戦いを慣れた動きでこなす姿に鬼火は苛立ちを覚える。

 

『(こいつ……相当、戦い慣れているな……何度も多数の敵と戦ってきた様に慣れた動きをする……僅かな焦りすらみせん……今のオボルスでやれるか……?)』

 

鬼火はレイヴンの強さに今のオボルス小隊の実力で制する事ができるのか分からなくなってきた時、レイヴンが仕掛けた。

 

レイヴンはブースターで加速し、前衛のオルペウスと11号……ではなく、後方にいるトリガーに向かって突っ込んだ。

 

「ッ!?」

 

トリガーはレイヴンの接近に気付き、素早く横に飛んで避けるとレイヴンの飛び込み蹴りが壁に当たり、崩れる激しい音と煙で包まれる。

 

静寂が支配する

 

レイヴンは煙から出てこず、オボルス小隊は警戒してその様子を見つめる。

 

「じ、自滅したでありますか……?」

 

オルペウスはナイフを構えつつレイヴンが自滅したのではっと勘ぐる。

 

『油断するな!奴の攻撃に警戒しつつ状況を確認しろ!』

 

「りょーかい」

 

鬼火に指示を聞き、近くにいたシードが確認しようと近付いた時、シードは上から何か来る気配に気付き、上を見た。

 

「……え?」

 

シードが見たものは上空から勢いよくPB-033M ASHMEADを叩き込もうと迫るレイヴンの姿だった。

 

レイヴンは蹴りを入れ、壁に衝突して煙が回りを包み込んだ後、姿が見えない事を良い事に音に紛れてブースターで上空に飛ぶとノコノコとやって来たシードをターゲットにPB-033M ASHMEADを叩き込みに出た。

 

「シード!」

 

トリガーもそれに気付き、自身の武器であるプレゲトーンでレイヴンを攻撃するもレイヴンはそれを避け、一度攻撃を中断しつつ地面に降り立つと同時にシードに向かってPB-033M ASHMEADを振るう。

 

シードは攻撃をされたと気付き、ビックシードを前面に出して防御。

 

ビックシードの装甲にレイヴンのPB-033M ASHMEADが当たった。

 

激しい音が響き、爆発的な威力でビックシードごとシードを吹き飛ばした。

 

「シード!!」

 

オルペウスが叫ぶ、トリガーは唖然とする、11号は冷や汗を流す。

 

そして……鬼火は焦りを覚えつつ、目の前のレイヴンを睨む。

 

オボルス小隊の者達の前に立つレイヴンは残りを片付けようとした時だった。

 

《レイヴン。エレフテリア大隊の陽動作戦が完了した。これ以上の戦闘はお前が此処で孤立すると言う意味に変わる。目的も既に済んだ以上、これ以上の戦闘は無意味だ。離脱しろ》

 

カルラからの戦闘停止の指示だった。

 

レイヴンはそれを聞き、オボルス小隊に一度視線を移すもすぐにブースターを起動して飛び立った。

 

『待て!!』

 

鬼火の叫びなど聞こえやしないとレイヴンは気にせずに離脱した。

 

残されたオボルス小隊はレイヴンの離脱、もとい見逃されたと言う結果に疲れを見せていた。

 

『……くそ!』

 

「お、鬼火隊長、落ち着いて!今はシードを!」

 

『ッ!?そうだったな……シード!無事か!』

 

「生きてるよぉ」

 

鬼火のその言葉にシードがよろよろとしながら鬼火達の元へ来た。

 

「シード!……良かった……怪我は大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だよ。ビックシードが僕を守ってくれたからね。それよりもビックシードが傷ついちゃったんだよ。早く修理しないと」

 

シードはそう言ってビックシードの姿を見せると大きな傷と火花を少し散らしたビックシードの姿があった。

 

「あ、あれだけの威力のある攻撃を受けてよく壊れなかったでありすね……」

 

「幸運が味方したと言った所かしら。当たり所が悪ければビックシードはおろかシードも無事じゃ済まなかったでしょうね」

 

11号はそう言って破壊されたACの残骸に目をやる。

 

レイヴンに破壊されたACは今も激しく燃えており、中にいた者は間違いなく死んだと判断できる程だった。

 

「……彼女はまだ新人でした。家族……母親への仕送りの為に技術者として軍に入ったと彼女から聞いています。前線で戦う様な人ではありませんでした」

 

トリガーはそう言って悲しげに破壊されたACを見つめる。

 

『……奴にはどうやら大きな借りが出来た様だな。飛びっきり胸糞悪い借りだ。この経験を忘れるな。我々は必ずあの機械に借りを返す。絶対にだ』

 

鬼火はそう言ってオボルス小隊の受けた屈辱は必ず晴らすとばかりにレイヴンが飛び去った空を睨んだ。

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