レイヴンの開幕の一撃を受け、反乱軍は戦闘態勢に入り、続々と反乱軍の兵士や自律ユニットと思われる機械が現れた。
砲台もレイヴン達に向いており、今にも砲火を交えんとしていた。
《面倒な仕事だが野良犬ばかりに獲物を取られるのは癪だぜ!》
イグアスはそう言ってMG-014 LUDLOWで歩兵を掃討しつつ、LR-036 CURTISで自律ユニットを破壊していく。
《素人がACの前に出るとどうなるのか教えてやる!》
ヴォルタはSG-027 ZIMMERMANで敵を吹き飛ばし、BML-G2/P19SPL-12のミサイルを撃ちながら一体の自律ユニットを体当たりで粉々にして突き進む。
レイヴンはRF-025 SCUDDERやBML-G2/P03MLT-06を撃ちつつ、反乱軍の攻撃を避けながら目標となる砲台を目に付けば次々に破壊していく。
3機のレッドガンのACが見せる破壊的な戦闘に反乱軍は怯み始めた。
《被害拡大!砲台が次々に破壊されています!》
《えぇーい!こうなればMTとやらを出せ!》
《しかしアレは戦闘を滞らせて輸送する手筈では!?それに実戦運用するにしても速すぎます!》
《アレを止めなければ次はその輸送対象だぞ!起動させて少しでも持ちこたえられれば良い!急げ!》
傍受される通信から聞こえる声が響き終わると同時にACのカメラが無数の機体反応を捉えた。
《敵MT部隊が出撃しました!》
フリージアのその言葉が終わると同時に反乱軍のMT部隊が現れた。
人型MT-E-104や最低限の装備と二脚しかないMT-T-026を中心にレイヴン達に向かってくる。
《MTを繰り出して来やがったか。俺は露払いをする。イグアスはレイヴンと砲台をぶっ潰してこい》
《馬鹿かテメェ!俺が野良犬なんかと一緒に面倒な事なんてしねぇよ!第一、テメェを一人にしたらどんな無茶するかわかったもんじゃねぇ!》
ヴォルタの言葉にイグアスが反発して反対するとMT部隊が急速に破壊されていく光景をヴォルタとイグアスは目撃した。
『奴らはACよりも遅いぞ!囲まれさえしなければ恐れる事はない!オルペウス!』
「は、はい!いきますよ鬼火隊長!」
オルペウスはそう言って鬼火の銃口を向けると鬼火の銃口からレーザーが放射され、横凪に反乱軍MT部隊を一気に破壊した。
陣形が崩れた反乱軍MT部隊に11号が斬り込み、次々に切り裂き、トリガーが援護射撃で後方から攻撃してこようとする反乱軍MTを破壊した。
オボルス小隊の戦闘はMTと言うアドバンテージを持つ反乱軍を圧倒し、生身で相手取る姿にヴォルタとイグアスは唖然とした。
《スゲェな……ミシガンの言う通り年齢なんて関係ねぇみたいだな》
《ちッ、あのMT共は雑魚だ。重MTが出てりゃ逃げ回ってるだろうよ》
イグアスが悪態をつきながらそう言った時、通信から二人が今は聞きたくない声が響いた。
《G5!貴様はどうやらまだ奴等の事を見くびっているようだな?……そんな事を言っている暇があるなら貴様もさっさと加われ!G4もだ!G13!貴様はこの後、火を吹く予定の砲台を自慢のそれで潰してこい!》
ミシガンのその命令にヴォルタとイグアスも反乱軍MT部隊掃討に加わるとイゾルデも通信に加わる。
《単騎で向かわせるだと?無謀じゃないのか?》
《甘いぞイゾルデ!G13は俺を含めたベイラムMT部隊を相手に単騎で勝った奴だ!それに貴様は知らないだろうがこいつは常に高い戦績と達成率を誇る!今さらMTやACの素人が混ざった所でこいつを止める事はできん!》
ミシガンの確信めいたその言葉にイゾルデはそれ以上は何も言うまいと沈黙するとレイヴンはブースターを使って加速、反乱軍を無視して砲台に突っ込んだ。
《砲台に向かったぞ!》
《単騎か!舐められたものだ!砲身を奴に狙いに定めろ!……撃てぇ!》
反乱軍の砲台はレイヴンに向けて砲撃を行う。
次々に放たれる砲弾をレイヴンは軽々と回避して見せると一瞬で懐に入り込んだ。
《砲弾を全部躱した!?》
《ば、化物……!》
反乱軍は信じられないとばかりにレイヴンを化物の様に見たり、言う中、レイヴンは砲台を破壊していく。
《砲台を守れ!早くしろ!》
反乱軍部隊が続々と現れ、レイヴンに攻撃するがレイヴンはそれらを避けて反乱軍兵士を撃破する。
《ば、化物……!この……化物がぁ!!》
反乱軍の兵士の一人が銃の狙いも定めないでレイヴンに撃つが当然当たらず、レイヴンはRF-025 SCUDDERでその兵士を撃ち抜く。
一方的な戦闘が行われる中、オボルス小隊の面々はレイヴンの戦いぶりに冷や汗をかいていた。
「い、一方的であります……鬼火隊長……」
『あれがレイヴン……独立傭兵か……』
「独立傭兵とは?」
トリガーのその質問に鬼火は答えた。
『イゾルデが言っていた。奴がいた戦場では何処の勢力にも報酬次第で加担するACを扱う傭兵達の総称だそうだ。恐らくはあのミシガンと言う男から聞いたのだろう。さしずめ、独立傭兵レイヴンと言った所か』
鬼火はそう言った後、再び戦闘に戻ろうとしたその時、何かが大きな音を立てて着地する音を聞き、視線を向けると。
《レッドガンのACか……まさかとは思ったがな……》
《ルビコンでは名を売る前にあの火で燃えちまったからな。だが、此処で奴等を仕留めれば俺達の名が轟くってもんだ》
現れたのは二騎のACで明らかに敵対的な意思を見せていた。
《おい、イグアス。俺の耳が悪かったのか?あいつらレッドガンって言いやがったぞ?》
《奇遇だな俺の耳の調子が悪いのかって思ったぜ。……彼奴ら独立傭兵だぜ。名前すら売れてない奴のな》
ヴォルタとイグアスは予想外の事態に驚きつつも歴戦のレッドガンの二人はすぐに気持ちを切り替え、目の前の敵対ACと対峙する。
《お嬢さん方。あの二騎は俺らが頂く。他はテメェらにやるよ》
『貴様!何を言っている!』
ヴォルタのその言葉に鬼火が反発するとイグアスが鬱陶しそうに言う。
《邪魔だって言ってんだよ。野良犬と少しはやりやったからって調子に乗るなよ?野良犬が見逃さなかったら死んでた命を名無しに取られてぇのか?……あれは素人じゃねえ。それなりに場数を踏んでやがる。それに……レッドガンの俺達を御指名らしいからなぁ!》
イグアスはそう言って目の前の二騎を相手にヴォルタと共に向かっていく。
その頃、レイヴンは砲台を粗方片付けた後、開けた場所で一機のACと対峙していた。
頭はEL-TH-10 FIRMEZA。
コアパーツはLAMMERGEIER/40F。
腕部はVE-46A。
脚部はLG-033M VERRILL。
ブースターはBUERZEL/21D。
と、言った組み合わせられ、武装には44-142 KRSVとVvc-70VPMを各々、二つ装備した白や黒、オレンジと彩られた重量型のACだ。
《目標。独立傭兵レイヴンを確認。状況を開始せよ》
《了解。ターニッシュ。状況を開始する》
通信越しで話す何処か冷たいその言葉を口にする敵ACのパイロットにレイヴンは無言で返すとレイヴンと敵ACは同時に駆けた。