新エリー都を翔ぶ黒き鳥   作:独立傭兵ピヨピヨ

6 / 6
インターノット

赤牙組掃討から一夜が明け、治安局の人間が赤牙組が襲撃された場所の現場検証を行っていた。

 

拠点は破壊され、内部は粉々か内部そのものすら無くなり、そして赤牙組の人間と思われる遺体が大多数確認された。

 

遺体を見た治安官の一部はあまりの惨状に吐き気を覚えて駆け出す者が続出し、捜査がなかなか進まなかった。

 

「酷い……」

 

「たった一体……いや、一人の機械人がやったとは思えんな……」

 

襲撃された現場には治安局・特務捜査班の班長、朱鳶と青衣の姿があった。

 

目の前の惨状に朱鳶は眉間に皺を寄せ、怒りを露にする。

 

赤牙組は確かに目に余るギャングではあったが此処までの惨状を起こす事は一人の治安官として許しがたいものだった。

 

この戦闘で赤牙組に多くの死傷者が発生し、そして戦闘によって周辺の建物が破壊され、一般市民の中には幸いな事に死人こそ出なかったが怪我人が出る大きな被害を被った。

 

「……機械人の方のリストの中に適合する方はいましたか?」

 

「我が調べた限りでは……リストにはいない。恐らくは市民として登録されていないのだろう。或いは……あれが本当に機械人なのかどうかだが……」

 

青衣はそう言ってタブレットに写し出されている赤牙組襲撃犯の重要参考人である者の姿を捉えた写真を見る。

 

そこには空から攻撃を加えるレイヴンのナイトフォールの姿が写っており、青衣は機械人なのかと疑っていた。

 

「だとしたら禁断の果実テストを受ける程の知性が無い機械ですか?」

 

「うーむ……それを聞いてもどうもしっくりこぬ……そう……まるでこやつが意思など無く第三者に操られているかの様な……」

 

青衣は自身の抱く疑問に首を傾げながらナイトフォールの姿を見つめる。

________

______

___

 

八咫烏工造の依頼を完了させたレイヴンはカルラからある物を手渡されていた。

 

「これがスマホだ。色々と伝を辿って足の付かない物を持ってきた。私達の連絡先を入れてあるからこれで連絡を取れる。何かあったら使え」

 

「スマホ……」

 

レイヴンは初めて触るスマホに興味深げに見ているとフリージアが笑いながら言う。

 

「スマホは連絡以外にも使える便利な道具ですよ。今から教えてあげますからスマホを開いてください」

 

フリージアに言われてレイヴンはスマホの電源を入れるとフリージアからスマホの扱い方を学んでいく。

 

その途中、インターノットと呼ばれるサイトの掲示板にレイヴンの情報が載せられていた。

 

【謎の機械人現る!】

 

昨夜、夜の闇に乗じて謎の機械人が赤牙組を襲撃!

 

空を飛びながら縦横無尽に攻撃し、赤牙組の拠点と化していた建物を粉々に破壊した。

 

治安局は襲撃を聞き付け出動し、追跡するも規格外の速さで飛び去り行方を眩ませた模様。

 

機械人の武装から軍用の装備が流失したのではないかと言う声が広がるも防衛軍側は否定。

 

現在も治安局が対策本部を設置し、全力で捜査を行っている模様。

 

NaN:ロボットマニア

写真見たけどカッコいいよね。

相手はあの赤牙組だし、放っといて良いんじゃない?

 

 

NaN:ミリタリクリオネ

でも、被害者の中には赤牙組とは関係ない一般人も含まれてるって公表されたよね? 

本当にそうだったら放置はマズくない?

 

 

NaN:痴安官見参

被疑者が何の目的で赤牙組を襲撃したのかで状況は変わるね。

他のギャングに属しているのか雇われなのかで今後もエリー都の空を飛び回るかもね。

 

 

NaN:戦車猫犬

武装は明らかに民間に出回る様な奴じゃないよね?

軍が横流ししたとか?

 

 

NaN:世間一般通りすがり

何はともあれ、これ以上の騒ぎはごめんだ。

 

反応は様々でレイヴンはそれを静かに見つめているとフリージアが横から操作する。

 

「昨夜の仕事の話題で一杯ですね。気になるのは分かりますがその前に此処から仕事を見つけましょう」

 

「仕事……探す……?」

 

「インターノットの掲示板は普通の掲示板じゃない。プロキシやホロウレイダーに仲介人無しの不特定の依頼を出す場でもある」

 

カルラのその言葉が終ると同時にフリージアが一つの掲示板を見つけた。

 

【ホロウ内のエーテリアスの排除】

 

そうタイトルに書かれた依頼だった。

 

「ホロウ内の活動の慣らしに丁度良い依頼だと思いますよ。どうですか?」

 

「インターノットのバラ撒き依頼か。名を売るのにも良い。インターノットで依頼をこなしていけば自ずと注目を集めれる筈だ」

 

二人のその言葉にレイヴンは依頼を見つめた後、頷いた。

 

その頃、六分街のビデオ屋、Random_Playでは三人の人物が話していた。

 

「お願いよプロキシ!成功報酬からツケを支払うから!」

 

「うーん……どうするお兄ちゃん?」

 

「まぁ、ツケを支払ってくれるなら構わないけど依頼料は別でツケさせて貰うけど良いかい?」

 

「本当!?あんた達が引き受けてくれるならこの依頼は邪兎屋が制したも同然よ!エーテリアスを倒すだけで高額の報酬をくれるものやらないと損よ損!」

 

そう言って派手で露出の多い服を着たピンクのツインテールの女は自身のスマホに写されている【ホロウ内のエーテリアスの排除】の依頼を愛おしげに見つつ高笑いするのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。