新エリー都を翔ぶ黒き鳥   作:独立傭兵ピヨピヨ

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エーテリアス殲滅

レイヴンはインターノットに載せられていた依頼を受ける事を決め、ACに乗り込むとブリーフィング画面を開いた。

 

《レイヴン、仕事だ。今回はインターノットにある掲示板に張られている依頼だ。フリージア》

 

《はい。依頼主からのメッセージは無いので私がお答えしますね。今回の作戦内容はホロウに屯するエーテリアスの排除です。依頼主の説明内容では『ホロウ内に蔓延るエーテリアスを排除して欲しい。俺はホロウ探査を請け負うプロキシだけど最近、エーテリアスが増えて対応しきれない。報酬は払うからエーテリアスの数を出来る限り減らしてくれ。因みにこれは特定の誰かに依頼しているものではないから報酬が欲しいなら早めに動いてくれ』だそうです》

 

フリージアはそう言って画面にエーテリアスの写真や映像を写したしだ。

 

《エーテリアスによっては強敵は十分にいます。更にこの依頼を聞き付けて他のホロウレイダーも現れる可能性もあり、不足の事態も予想されると思います。入念な準備を整えて依頼を遂行しましょう》

 

フリージアからのブリーフィングが終るとレイヴンはACの状態や弾薬を念入りに確認し、不足が無いか確認していく。

 

《新エリー都でもありふれたバラ巻き依頼だ。珍しくはないがホロウの環境に慣らしていくのに丁度良い。レイヴン。一度、経験したと思うがホロウの中は過酷だ。油断はするな》

 

カルラのその言葉を聞き終えたレイヴンは準備を済ませるとACを起動し、出撃した。

________

______

___

 

レイヴンはブースターで飛行しながら任務で指定されているホロウの中へと侵入、そのまま地面に着地した。

 

《現地に着いたな。仕事を始めよう。レイヴン》

 

カルラのその言葉を聞いたレイヴンはACの戦闘モードを起動させた。

 

《メインシステム。戦闘モード起動》

 

起動音声が言い終わると同時にレイヴンはACのブースターを使って地上を高速で移動する。

 

《エーテリアス以外の存在にも注視しろ。特にホロウレイダーは常に友好的な存在だとは限らない。場合によっては排除しろ》

 

カルラからの指示を聞きつつ、レイヴンは移動していると複数体のエーテリアスを見つけた。

 

レイヴンはブースターで一気に距離を詰めるとRF-025 SCUDDERで攻撃し、エーテリアスを蹴散らす。

 

レイヴンの存在に気付いたエーテリアスがレイヴンに群がり、攻撃を行うがレイヴンはそれを容易くブースターを使って避けつつ確実にエーテリアスを排除する。

 

《クロスケの誘導は良好か?ホロウは空間の入り乱れた迷路だ。誘導を決して見逃すな。見逃せばホロウから出るのに途方もない苦労をする羽目になる》

 

カルラのその言葉にフリージアが反応する。

 

《場合によってはそのまま死んでしまう事もありますからね。でも、大丈夫です!クロスケは私達の優秀なボンプですから不測の事態もきっと対応してくれますよ》

 

「ンナ!」

 

フリージアの言葉にクロスケが胸を張って任せろとばかりに返事をする。

 

レイヴンはそんなクロスケの頭をポンポンと撫でた後、ブースターの高速移動でホロウを探索しているとレイヴンの進んでいる先で爆発音が響いた。

 

《爆発?依頼に釣られたホロウレイダーか?》

 

《確認した所……三人とボンプ一体ですね……詳しい詳細は現地に行かないと分かりませんが……》

 

フリージアは困った様な声で言うとレイヴンは他に道は無かった為、そのまま進む事を選ぶ。

 

エーテリアスが出てくればそれを蹴散らして爆発音の発信源の近くまでレイヴンが来るとそこでは三人の人物が黒い結晶が生えた四本足の機械らしきものと戦っていた。

 

《あれは何だ?あんな物は見た事がない……新型の無人機か?》

 

カルラは見た事がない機械に唸るがレイヴンには覚えがあった。

 

「……MT」

 

《MT?》

 

「私がいた場所……その戦場にいた……兵器……小さくなって……るけど……まともにやる……のは……骨が……折れる……」

 

レイヴンはそう言ってブースターを加速させ、戦闘を行っている場へと急行する。

 

一方、四脚型重MT、MT-J-048と戦闘を繰り広げているるのは邪兎屋の三人だった。

 

「クソ!こいつカッテェぜ親分!弾が弾き返されっちまう!」

 

邪兎屋所属の機械人、ビリーはそう言って両手に持つ銃で四脚型重MTに撃つも四脚型重MTの持つ装甲に阻まれて何度も弾を弾き返されていた。

 

「弱音を吐いてる暇があったら休まずに動き続けなさい!またミサイルが来るわよ!」

 

「ニコ。もう来る」

 

ニコに対して警告したのはビリーと同じく邪兎屋に所属するアンビーで優れた感覚で四脚型重MTがミサイルを撃ってくるのに気付き、回避行動を取ってミサイルを避けた。

 

何発かのミサイルが飛んで地面や壁に当たっては爆発し、警告を受けて回避したニコは土煙で噎せながら怒り心頭で叫ぶ。

 

「もう!たかがエーテリアスを倒すだけの仕事なのにどうしてこんな化物みたいな奴と戦わないといけないのよ!」

 

ニコは文句を言いながらアタッシュケースの形をした武器で応戦するも四脚型重MTの装甲は簡単には崩れず逆に激しい反撃を貰ってしまう。

 

ニコはダッシュで攻撃を避けるとビリーとアンビーが側に来て身構える。

 

「そんじょそこらの兵器とは違うようだぜ親分!逃げるか?」

 

「撤退推奨。私達にあの機械の装甲を破るのは難しい」

 

「うぅ……でも、報酬が……!」

 

ニコは悔しげに四脚型重MTを睨みながらもどうしようもないと考えて撤退を決めようとした時、空から舞い降りる黒い影が現れ、地面に降り立つ。

 

その黒い影はレイヴンであり、ニコ達は驚き、レイヴンに視線を向けた。

 

「な、何あれ!?」

 

ニコは急に現れたレイヴンに驚いて声を挙げるとビリーが思い出した様に言う。

 

「彼奴って確か前に赤牙組を襲撃した奴だ!マジか!?彼奴だけでも手に余るって言うのによ!?」

 

頭を抱えたビリーの叫びにニコとアンビーは身構えてレイヴンを警戒するもレイヴンの中では三人は眼中には無かった。

 

《どうやらあのMTとやらは侵食を受けてエーテリアスと化している様だ。中に人でもいたのか?侵食を受けてエーテリアスに堕ちれば助かる事は無い。楽にしてやれ》

 

カルラのその言葉にレイヴンは一気に四脚型重MTに迫った。

 

四脚型重MTはレイヴンの存在に気付くと手にする銃とミサイルで迎撃を試み、レイヴンはそれを避けていく。

 

多くの攻撃を躱したレイヴンはそのまま蹴り挙げ、四脚型重MTを怯ませるとBML-G2/P03MLT-06の全弾を至近距離で浴びせる。

 

四脚型重MTは攻撃を受けるも蹴り以上の怯みはなく、レイヴンへの攻撃を続行、レイヴンは四脚型重MTの攻撃を避けつつRF-025 SCUDDERを撃ちつつBML-G2/P03MLT-06のミサイルの装填が出来次第に発射、そこからブースターで再び急激に接近してもう一度、蹴りを入れ、怯んだ所をPB-033M ASHMEADで衝く。

 

多大な攻撃を受けた四脚型重MTはボロボロになりながらも尚、攻撃をする為に装備されているレーザーブレードでレイヴンに斬り掛かるもレイヴンはそれを避け、懐に入り込むとPB-033M ASHMEADのフルチャージの衝突を喰らわせた。

 

一撃必殺の攻撃を受けた四脚型重MTは吹き飛ばされ、地面を擦れながら倒れるとそのまま爆発、完全に破壊された事が確認された。

 

《呼称、重MTを破壊。周辺のエーテリアスはこれで最後だ。さて……そこにいるホロウレイダーをどうするべきか……》

 

カルラのその言葉にレイヴンはニコ達に視線を向けるとニコ達は武器を手に警戒する素振りを見せる。

 

《ハンドラー。その……仕事は終わりましたし、これ以上の戦闘は彼女の負荷になるかと思います。見られても困る状況でも相手でもありません。そのまま見逃すべきかと》

 

フリージアが間に入る様に言うとカルラは暫く考えた末に結論を言う。

 

《帰還しろレイヴン。仕事は終わりだ》

 

カルラのその言葉にレイヴンはブースターを起動するとそのまま飛び立ち、その場から離れた。

 

一方、ニコはそれを見届けるとその場にへたり込む。

 

「し、死ぬかと思った……」

 

ニコは明らかにやられかねなかったとばかりに思いながら見逃された事への安堵感で一杯になった。

 

「彼奴……全く隙が無かったぜ……随分と図体がデカい癖に素早いしよ……雰囲気も全く動揺も何もねぇって感じだぜ……」

 

「あれは人を殺す事に何の躊躇もない……それだけは分かる……戦う事がなくて良かった……」

 

ビリーとアンビーもレイヴンに見逃された事に安堵していた時、そこへ01と書かれたオレンジのバンダナを結んだボンプが寄ってきた。

 

『皆、大丈夫!?あれって噂になってた奴だよね?』

 

「そうみたいねプロキシ……私達に興味すらなかったみたいね……」

 

「彼奴もエーテリアスの排除の依頼を受けてきたのか?」

 

「此処にいたと言う事はそうだと思う。私達が此処に来てからエーテリアスは殆どいなかった。恐らくあの機械人が狩り尽くしていたと推測する」

 

アンビーの仮説にプロキシと呼ばれるボンプは考える。

 

「あれだけ実力があるならもっと大口の依頼を受けると思うけど……もしかして無名だから名を上げようと依頼してるとか?」

 

「だとしたら十分じゃない?だって考えてみなさいよ……私達がせっかく来たのにエーテリアスがいたのはほんの数枚よ?彼奴が来る前はもっといたって調べはついてたのにそれを単独で狩り尽くしたのよ。間違いなく噂を聞き付けてくる連中が出てくるわよアレ」

 

ニコはへたり込むの止めて立ち上がった時、思い出した様に顔を青く染めていく。

 

「と、所でプロキシ!その……今回の依頼料なんだけど……つ、ツケてくれるかしら?いや、だって!あんなの予想外だし!満足に依頼を果たせなかったし!きっと殆どの依頼料も彼奴がかっさらうに決まってるし!ねぇ、お願いよぉ!」

 

ニコの懇願にプロキシは呆れる。

 

結局、こうなるのかと。

 

そんな状況の中、別の場所、古いテレビが縦横にと並ぶ部屋では二人の兄妹がいた。

 

「どう思うお兄ちゃん?」

 

「そうだな……アレが何者なのか知らないが実力があるのは確かだ。敵意を持っていないのなら下手に関わらない方が懸命だろうね」

 

「やっぱりそう思う?それにしてもどうやってあんなに正確にホロウを移動してるのかな?ボンプを連れてなさそうだったのに」

 

「何れにしても見失った以上、追及は出来ないさ。早くニコ達をホロウの外に出そうか。……ツケの話しもあるからね」

 

そう言って優しい笑みを浮かべるも何処かお怒りである男性、アキラと一台の画面の前に座りながら苦笑する女性、リンの兄妹はニコ達をホロウから抜けさせる行動に移る。

 

此が初めての伝説のプロキシ、パエトーンと独立傭兵、レイヴンとの邂逅だった。

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