もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら   作:一ノ瀬 崇

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十三話目

 モモイちゃんを襲った悲劇を乗り越えて無事G.Bibleを手に入れゲーム開発部部室へ帰還したあと。

 日も暮れていたので今日の所は一先ず解散として、一度シャーレに戻る事にした。

 ちゃんとケーキ買ってくるから、と指切りげんまんした頃にはモモイちゃんもなんとか立ち直って、手を振ってバイバイしてくれた。

 多分この後慰めゲームバトルでも始まるのだろう。

 徹夜しないで早く寝るようには言っておいたけど、果たしてちゃんと寝てくれるかどうか。

 ともあれ四人と別れた私と先生はモノレールと電車を乗り継ぎシャーレへと帰ってきた。

 途中、どこか落ち着かない様子でそわそわしていた先生。

 

 

「にしし、期待しちゃってる?」

 “⋯⋯な、なんの事かなー”

「今日はカッコイイ先生がいっぱい見れたから、私もいっぱいサービスするからね♡」

 

 

 人も少ないがらがらの電車で、隣同士くっついて座り、先生の肩に頭を預けて手を恋人繋ぎにしてにぎにぎ♡

 強固で分厚い先生の理性、その壁超えを果たした一番乗りの名誉は私がもらっちゃうかも♡

 電車を降りて、すっかり暗くなった街並みを二人並んで歩いていく。

 駅を降りてすぐにあった、ネオンの眩しいお城に心惹かれるけど、それは卒業まで我慢♡

 見慣れたシャーレビルに到着してエレベーターで登っていく間も、手は繋いだまま。

 エンジェル24のソラちゃんがめっちゃ見てるよ先生。

 これまではシャーレに近付くとそれとなく先生から手を離していたけど、もう気にならなくなってきたみたい。

 うんうん、先生の心にお邪魔してます♡

 満足げに小鼻をぴすぴす鳴らしていると、執務室にモモゾンの段ボールが置かれてあった。

 宛て先は私。

 

 

 “何か注文してたの?”

「後で見せてあげるね♡」

 

 

 段ボールを持ち上げて執務室へ。

 書類は今朝の内に終わらせていたので、もうやるべき仕事は残ってない。

 じゃあ何故来たかと言えば。

 

 

「今日は簡単にてりたま丼とサラダとお味噌汁にしよっか♡」

 “わぁい、お腹ペコペコ”

 

 

 はい、晩ご飯でした。

 鶏もも肉を炒めててりやきソースを絡めて丼に移し目玉焼きを乗せて完成。

 サラダは大根とタマネギと紫キャベツで、かつお節を振って青じそ風味のドレッシングをかける。

 お味噌汁は豆腐とネギとワカメのスタンダードなやつ。

 

 

「フミちゃん特製てりたま丼セットでーす♡」

 “うわ、よだれ出てきた。早速いただきます!”

「ふふ、めしあがーれ♡」

 

 

 一緒にご飯を食べながら今日の事を振り返って、あーだこーだと他愛ない話で盛り上がる。

 一番印象深かったのはやっぱりセーブデータを消されたモモイちゃんの話だった。

 あれは辛いよねぇ。

 オンラインならそうでもないけど、オフラインの携帯ゲームで七百時間は相当なやり込みだよね。

 最近のゲームってよっぽどエンドコンテンツが充実してるとかじゃなければ七十二時間あればだいたいはコンプリート出来るもんね。

 いや、ユズちゃんの無を取得してゴールを口寄せするのはアレもう違う種目だから♡

 食べ終わって話も一段落して、食器も片付いて一休み。

 なんとなくまたそわそわし始めた先生を連れて仮眠室へと向かう。

 広いベッドがあるから、しっかりマッサージするのにちょうど良いのだ。

 

 

「じゃあせんせ、ちょっと待ってて♡」

 

 

 モモゾンの箱を手に、隣の部屋でちょっとお着替え。

 うん、サイズもバッチリ♡

 大きい鏡で全身を確認してから、扉を開けてお披露目タイム。

 

 

「おまたせ、せんせ♡」

 “⋯⋯っ!? フ、フミ? その格好は?”

「にしし、今日は特別衣装でご奉仕するよー♡」

 

 

 先生がガン見してくるのを心地よく感じながら、くるっと一回転してみる。

 上はおへそが見える丈の黒のノースリーブインナー、下は鼠径部がバッチリ見えてる黒のローライズスパッツ。

 もちろん下着は付けてない♡

 体のラインがしっかり出るように、伸縮性があってぴっちり肌に張り付くお高いやつを選んだ。

 なだらかな胸の膨らみも、お尻の形も全部先生に分かっちゃう♡

 さらに脇の下が少し広くなってて、何とは言わないけど横から手を入れて直に何かをする事も出来る。

 とても覚悟の要るデザインだ。

 残念ながら今回網タイツは間に合わなかった。

 私のサイズに合わせて最適な食い込みをするようにオーダーメイドで注文したから致し方なし。

 

 

「それじゃせんせ♡ マッサージしていくから隣の部屋でマッサージウェアに着替えてきてね♡ サイドテーブルの上に用意してあるから♡」

 “う、うんっ。ちょっと待ってて”

 

 

 逸る気持ちを抑えるように隣の部屋へと駆け込む先生。

 さほど間を置かず驚いたような声が小さく上がる。

 にしし、見つけちゃったみたいだねぇ。

 私が脱いだ服一式♡

 わざと部位ごとに分かりやすく並べて置いた。

 先生はどれに目が行っちゃうかなー?

 やっぱ紐パンかな?

 それともスポブラ?

 大穴で靴下かも♡

 先生が出てくる前にアロマを焚いて、身体が冷えないようにエアコンの温度も上げておく。

 汗で肌が煌めいてるの、先生好きだもんね♡

 普通に着替えるには少し時間を掛けて、先生が戻ってきた。

 薄い茶色の半袖ウェアと短パン。

 おじさんが着てそうな色合いのそれも、先生が着ると途端にカッコよく見えるから不思議だ。

 

 

「おかえり、せんせ♡」

 “ええと、フミ、その”

「ほらほら、早くベッドでうつ伏せになって♡」

 “う、うん、お願いね”

 

 

 いそいそとベッドへ向かう先生。

 その姿勢が若干前屈みになってる事に、喜悦を感じずにはいられない。

 ふふ、隠さなくても良いのに♡

 

 

「それじゃ、いつも通りまずは背中からやっていくね♡ はい、右腕持ち上げるよー♡」

 “んぐっ”

「今日はじっくりゆっくりやっていくから、普段よりも色んな所動かしていくね♡」

 “お手柔らかに⋯⋯あだっ!?”

 

 

 という訳で最初は緊張をほぐしつつ普通のマッサージから進めていく。

 肩甲骨、肩口、二の腕、手首、指一本ずつを優しくぐりぐりと。

 普段のは応急処置というかあくまで楽になるだけのマッサージだったけど、今日は捻じれや歪みの矯正を施しながらやっていく。

 特に普段デスクワークが多い分背骨と首の歪みが酷かったので、骨の節を丁寧に一箇所ずつ補正していく。

 

 

「はい、両手で右膝抱えてー♡ 押すよー♡」

 “うっ”

「はい、今度は左側ー♡ んっ♡ 良い感じ♡」

 

 

 もちろん、ただ施術する訳がない。

 歪みを直すついでに、先生の腕や背中に胸を押し付けたり擦り付けたりのサービスもする。

 その度にぴくっと肩が跳ねるからすごく分かりやすくて可愛い♡

 もっとイタズラしたくなっちゃう♡

 

 

「次は首いくね♡ ちょっと失礼して♡ あんっ♡」

 “んむっ”

「ふふ♡ 少しこの体勢で我慢しててね♡ んっ♡」

 

 

 今度は首の施術。

 首を持ち上げてズレている骨の節を元の場所へと戻していくんだけど、抱きかかえるように胸を顔に押し付ける。

 私のドキドキが聴こえちゃうかな?

 先生の鼻息が敏感な所に触れて、軽く腰が浮いちゃう。

 

 

「次は太ももとふくらはぎをやっていくね♡」

 “⋯⋯う、うん”

 

 

 胸を顔から離すと、先生は少し残念そうな顔をしていた。

 もう、そんな可愛い顔しないで♡

 ちゅーしたくなっちゃうでしょ♡

 

 

「まずは股関節からー♡ 男の人は特に固まりやすいから多分最初は激痛だけど♡」

 “え、ちょ、あだだだだだっ!?”

「やだぁん♡ せんせーカチカチ♡ こんなに固くなってる♡」

 “もっと別のシーンで聴きたかった⋯⋯! いだだだ!?”

「ほらぁ♡ まだイケるでしょお♡ 頑張って♡」

 “それ以上は曲がら⋯⋯いだだ! 思いの外曲がる! 痛いけど関節柔らかくなった!”

「それじゃ次はリンパ節をマッサージするね♡ 老廃物を押し流して、身体をキレイにしてくれるの♡」

 “うっ、これもじんわり痛い⋯⋯”

「痛いって事は老廃物が溜まってダマになっちゃってるの♡ 揉みほぐして小さくして、しっかり処理しましょ♡」

 “さっきと痛みの種類が違う⋯⋯!”

「すっごい溜まってる♡ いいよ♡ いっぱい出してせんせ♡ 出してスッキリしよ♡」

 “そ、それも別のシーンで聴きたかった⋯⋯! あぐっ!”

「んっ♡ 流れて行ったから痛みが無くなったでしょ♡」

 “ホントだ、さっきまで痛かったのに⋯⋯”

「よしよし♡ いっぱい出せたね♡ ほら、次はこっちに♡」

 “あーっ! 今度は左の太もも!”

「こっちもすごい溜まってる♡ 老廃物流そ♡ いっぱい出しちゃえ♡」

 “いだだだっ、も、もう少し手加減を!?”

「うふふっ♡ だぁめ♡ ほら、こうして⋯⋯♡ あんっ♡ いっぱい出たぁ♡」

 “わぁスッキリ。え、どれだけ私の身体ボロボロだったの?”

「割と考えたくないレベル♡ 日頃の生活が積もり積もった結果だからね♡」

 “はい、気を付けます⋯⋯”

 

 

 という訳で本格的マッサージはおしまい♡

 でもこれで終わりは先生が可哀想だから、特別サービスもしてあげちゃう♡

 

 

「それじゃせんせ、最後にお腹周りのリンパもマッサージするから仰向けになって♡」

 “うん⋯⋯うん!?”

「リラックスリラックス♡」

 

 

 仰向けになった先生が目をギンギンにして私の胸元を見ている。

 施術で汗を掻いたから、薄い生地がわずかに透けて、胸の形をはっきりと浮かび上がらせていた。

 もちろん、魅惑のぽっちも♡

 大胆に見せ付けながら先生のおへそのちょっと下の所に跨り、両手で脇腹からお腹、胸元をなぞって押していく。

 

 

「ほらせんせ♡ 力抜いて♡」

 

 

 先生は答えるのも忘れて、私の動きに合わせて動く胸をじっと見ていた。

 あまり大きくは無いけど、下を向けば十分にぷるぷると揺れるくらいにはある。

 それがインナーで押さえつけられて、腕が内側に寄るとむにゅりとわずかな谷間を作る。

 その度にインナーが小さく擦れ、胸のぽっちが少しずつ大きくなっていく。

 

 

「んっ♡ んっ♡ どう、せんせ♡ 良い感じ?」

 “⋯⋯⋯⋯あ、あぁ、最高だよ、フミ”

「ふふっ♡ 嬉しい♡ せんせ♡ せんせっ♡ 好き♡ せんせっ♡ せんせっ♡ んっ♡」

 

 

 声を出さないようにぐっと口を噛み締め、見て分かるほどに大きく一度仰け反った。

 はふぅと一息吐いて、先生に微笑みかける。

 

 

「お疲れ様、せんせ♡ マッサージは終わりだよ♡ 汗と一緒にさっき流した老廃物も出てくると思うから、寝る前にしっかりシャワー浴びてね♡」

 “⋯⋯え!? あ、うん、わかったよ”

 

 

 ぼぅっとしていた先生から降りて、着替えを回収する。

 紐パンが無くなっているのを見て思わずニンマリ。

 ふふ、自由に使って良いからね先生♡

 

 

「それじゃ、私は別の部屋で寝るから♡ 夜這いはいつでも歓迎だよー♡ おやすみ、せんせ♡」

 

 

 まだどこか意識が戻ってきてない先生を置いて、さっさか自分用に改装した部屋へと入る。

 パタン、と背後で扉の閉まる音が聴こえたのと同時、緊張の糸が切れてベッドに倒れ込んだ。

 

 

「⋯⋯⋯⋯あはっ、流石にちょっと大胆過ぎたかな」

 

 

 勢いで色々やったけど、今になって恥ずかしさが襲い掛かってきた。

 いくら先生の言葉が嬉しかったからといって、みんなのまえで秘密さわさわごっこだなんて、もう痴女じゃん。

 でも先生もいっぱい楽しんでくれたし、気持ちよかったなぁ⋯⋯クセになりそう。

 マッサージも日頃のお礼も兼ねて発散も出来たし、また機を見てやりたい。

 というか最後はもう私の女の子の形が分かるくらいにはだくだくになってた。

 お尻の辺りにも固いの当たってたし。

 

 

「うぅ〜⋯⋯アレを後二年も我慢しなきゃかぁ⋯⋯。こんなにも早く大人になりたいと思ったのは初めてかも」

 

 

 私がこんなになってるのに、それ以上に我慢出来ている先生の精神力はどれほど凄まじいのだろう。

 先生が言っていた通り、もし同学年で学生として出逢っていたら妊娠からの結婚出産コースになるのは間違いないだろう。

 多分我慢出来なくて一週間くらい繋がっちゃう。

 

 

「⋯⋯取り敢えずシャワー浴びよ」

 

 

 ぬるぬるだくだくになってて冷たい。

 こんな事もあろうかとインナーとスパッツを三セット注文しておいて良かった。

 明日からはアレにブラウスとスカートを着てその上にコートを羽織るスタイルで行こう。

 もしかしたら誰も居ない時に先生が触ってくれるかもしれないし。

 いけない、またムラムラしてきた。

 シャワーを浴びて冷静になったら先程のマッサージ中の音声を編集して、先生のサポートに使えるようにしないと。

 直接出来ない分、想像でいっぱい私をぐちゃぐちゃにしてほしい。

 さ、今日は何時に寝られるかなー♡

 

 

 

 

「おっはよー! あれ? 先生もフミもなんか元気無さげ?」

 

 

 翌日、G.Bibleのパスワードを解く為に再びゲーム開発部へ集まった私と先生だったが、案の定寝不足になった。

 あの後編集作業を終えて音声データをモモトークで先生に送り『いっぱい使って♡』とメッセージを残した。

 いやぁ自分の嬌声をじっくり聴いたのは初めてだった。

 投稿してしばらくニヤニヤしてたけど、既読が付いてから先生の返事が無いまま数分経って、先生は今私の事を考えてくれてるのかな、なんで思ったのが失敗だった。

 すっかり火が付いてソロプレイに勤しんだ結果、気付けば朝を迎えていた。

 シャワーを浴びなおして着替えて外に出たら、ちょうど出てきた先生とばったり。

 疲れと寝不足と満足感でなんだかおかしくなり、先生と二人で大笑いした。

 そのおかげか変にぎくしゃくする事も無く、途中約束した果物いっぱいのケーキも買って無事ミレニアムへと到着したのだった。

 

 

「いやー、疲れはあったんだけど目が冴えちゃって。はい、これお土産のケーキ♡」

「わ、昨日言ってたやつ!? わーい、ありがとフミ! みんなー! フミがケーキくれたー!」

 

 

 戦利品を掲げる山賊みたいな動きでケーキの入った箱を頭の上に掲げて持っていくモモイちゃん。

 あんな感じで財宝持って逃げる盗賊をしばき倒すミニゲームあったよね。

 箱を覗き込んだみんなの歓声が上がる。

 うんうん、スイーツは女の子の原動力だからね。

 でも歯磨きはちゃんとするよーに♡

 持ってきたポットから紅茶を注いでみんなに渡す。

 容れ物は紙コップだけどね。

 

 

「わ、良い香り⋯⋯!」

「シャーレ当番にくるトリニティの人からオススメを教えてもらったんだー♡」

「紅茶もケーキも美味しいです!」

「でも二日続けてケーキはちょっとカロリーが心配かも」

「昨日廃墟まで行ったし、大丈夫じゃないかな⋯⋯?」

 “若い内は自然と代謝だけで消費されるから心配無いと思うよ。むしろ先生の方が運動しないとね⋯⋯”

「いつでも()()()()()()()するので言ってくださいね、せーんせ♡」

 “う、うん。その時はよろしくね、フミ”

「? なんだか先生とフミが昨日より仲良しに見えます」

「ちょうど好感度ゲージが溜まって、絆レベルがアップしたんだよー♡」

「なるほどです! アリスも先生やみんなとどんどん絆レベルを上げて仲良しになりたいです!」

「うんうん♡ アリスちゃんは可愛いなぁ♡」

「あ! 今日もフミと髪の毛お揃いです!」

「わ、私も⋯⋯!」

「アリスちゃんもユズちゃんも似合っててステキ♡ 思わずぎゅーってしたくなっちゃう♡」

「じゃあフミの膝上はアリスが占領します!」

「ひ、独り占めはダメだよアリスちゃん⋯⋯!」

「じゃあ片膝ずつ乗ろっか♡ 纏めてぎゅーだ♡」

「それじゃ、私は先生のお膝をお借りしますね♪」

 “まさかの第三勢力!”

「じゃあ私はソファーでごろごろでも⋯⋯って違ぁう! 今日はG.Bibleのパスワードを解くのにヴェリタスまで行くの!」

 

 

 まったりとした時間を過ごそうとした所でモモイちゃんが本題を思い出した。

 それにハッとなる三人。

 まだ廃部の危機は去ってないんだゾ♡

 

 

「ちなみにG.Bibleで名作ゲームを作る秘訣を知っても、まだ実際にゲームを作る工程は残ってるからね♡」

「ぐわーっ!? 迫り来る納期!?」

「取り敢えずどんな方向性のゲームを作るかは先に決めて置いても良いんじゃない?」

「スケジュール的にも間に合いそうなのは、ノウハウの有る2DドットのRPGだけど⋯⋯」

「バグが起きても修正しやすいように、簡素なコードを書きましょう!」

「フラグ管理のスイッチに番号とタイトル付けて別のメモに書いておくのも忘れないでね、後々絶対必要になるから♡」

「⋯⋯フミちゃん、結構詳しい⋯⋯?」

「昔RPGヤローゼでゲーム弄ってたから♡」

「即戦力だ! 確保!」

「フミ、手伝ってください!」

 

 

 モモイちゃんの号令でアリスちゃんが抱き着いてくる。

 きゃー捕まったー♡

 お返しむぎゅむぎゅ♡

 

 

「フミを捕まえました!」

「あぁん♡ 助けてぇ♡ せんせー♡」

 “フミ王女、今参りますぞ!”

「あ、じゃあ先生はテストプレイとデバッグをお願いしますね」

 “うわー!? 姫、捕まりました!”

「うーん、国が滅ぶ♡」

 

 

 という訳で私達もバックアップする事に。

 まぁ最初から根幹には関わらない範囲で手伝うつもりだったからヨシ!

 最低限やる事も決めた所で、後片付けをしていざヴェリタスへ。

 部室棟を出て本館へ向かいエレベーターを乗り継いで上階の部屋へと辿り着く。

 名目上は非公認の組織でセミナーがやりたい放題やってないか監視するカウンター組織、って事になっている。

 ワンフロアを丸々使うほどに巨大な組織なのかと思ったけど、実質四人で回しているらしい。

 大半のスペースを埋めているのはサーバーらしい。

 電気代ヤバそう♡

 エナジードリンク片手に出迎えてくれたエナドリ中毒の小鈎ハレさん、モモイちゃんと一緒に色々やっちゃう破天荒なグラフィティフリークの小塗マキちゃん、隙あらば盗聴器を仕込み先生の音をサンプリングしようとする音フェチ音瀬コタマさんの三人が普段常駐しているらしい。

 待って♡

 なんでそんなメンバーが濃いの♡

 あっ、こら♡

 先生のズボンのポケットに盗聴器仕込まない♡

 

 

「くっ、ガードが固いです」

「合法な手段なら文句言わないからちゃんと遵法精神携えて♡」

「言うて私達アングラな所がウリだから⋯⋯」

「だからって四六時中無法者になってて良い訳じゃないでしょ♡ こらっ♡ エナドリ飲んだらちゃんとゴミ箱に捨てて、定期的にゴミ捨て場に持って行って♡」

「なんだかユウカとは違ったおかあさんな人だね?」

「フミはケーキくれる良い人だよ!」

「フミは籠絡の達人です!」

「フミさんは⋯⋯なんだろ、なんかすごい人」

「フミちゃんは尊敬出来るゲーマーだよ⋯⋯!」

「「「「あとなんかえっち」」」」

「キミたち♡」

 

 

 満場一致の意見に遺憾の意を表する。

 取り敢えず一番近くにいたアリスちゃんを捕まえてむぎゅむぎゅして上下にぶんぶんした。

 こら、一応お仕置きなんだから「うひゃー♪」とか喜ばないの♡

 

 

「噂通りに仲良しなんだね⋯⋯」

「えっ、もう噂が出てるの?」

「うん、シャーレから来た妙に色っぽい子が先生と一緒にゲーム開発部へ出入りしてるって」

 “フミの魅力が伝わってるね?”

「まことに遺憾です♡」

「それはそうと、依頼されてたデータについて結果が出たよ」

「おぉーっ! ドキドキ⋯⋯!」

「いよいよ⋯⋯!」

「緊張してきました!」

「う、うぅ⋯⋯」

「⋯⋯知っての通り、私達ヴェリタスはキヴォトス最高のハッカー集団と自負している。システムやデータの復旧は、それこそ数えきれないほど解決してきた。その上で、単刀直入に言うね」

 

 

 ごくり、と誰かが唾を飲んだ音が響く。

 四人は祈るような視線をハレさんに向けていた。

 一呼吸置いて、ハレさんが結果を告げる。

 ──残酷な、事実を。

 

 

「モモイ、貴方のゲームのセーブデータを復活させるのは無理」

「うわぁぁぁん! もう駄目だぁぁぁぁ!」

「待って♡」

 

 

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