もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら   作:一ノ瀬 崇

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フミちゃん、アビドスへ往く

 ぷみーん。

 枕元にあったウェーブキャットの抱き枕兼音の出るオモチャが私の頭に潰されて気の抜けた音を立てた。

 寝返りを打った時に巻き込んだらしい。

 ぐぐっと身体を伸ばして寝てる間の凝りをほぐす。

 今日は土曜日。

 シャーレでのお仕事はお休みだ。

 先生も昨日は自宅に帰ったし、何の気兼ねも無く休日を楽しむ事が出来る。

 今日は何をしようか⋯⋯と、ベッドの上でもちもちしていると、スマホがピコピコ光っている。

 何かと思えばモモトークの通知だ。

 セリカちゃんから、今日は柴関で特別トッピングがあるとの事。

 柴関は先日屋台として再出発したらしく、任務のついでに行ってきたとアルさんが話していた。

 

 

「よし、柴関ラーメンの特別トッピング付き全マシを頼もう」

 

 

 そうと決まればお腹も決まる。

 朝は手軽に摘んで、お昼に全力投球。

 夜は帰りの気分に任せて久しぶりの食道楽としよう。

 すっかり自室と化した仮眠室の一角で着替えを済ませた所で、またスマホがピコピコ光っているのに気付く。

 アリスちゃんからのモモトークだった。

 

 

『フミ、おはようございます! アリスは今日も元気です! 土曜日なので外に冒険に行こうと思ったのですが、モモイは徹夜明けで就寝中、ミドリはお出掛けの用事があり、ユズはロッカーから出て来ません。 このままではアリス一人で寂しいです! そこでフミ、良ければ一緒に冒険に行きませんか? フミと一緒なら、どんなクエストでも達成出来そうです。 お返事、待ってます!』

 

 

 アリスちゃんらしい文面に思わず笑みが溢れる。

 冒険、つまりお出掛けのお誘いだ。

 旅は道連れ世は情。

 せっかくだしアリスちゃんも連れて、今日明日はアビドス大冒険と洒落込もう。

 モモトークで一泊二日の旅行に行かないかと誘ってみると、大はしゃぎなのが分かる返事が来た。

 一応他の三人にも声を掛けてみてね、と送っておく。

 あ、突撃旅行に行きますってアヤネちゃんにもモモトーク送っておかないと。

 それじゃ、一先ず迎えにミレニアムまで行きますか♡

 

 

 

 

「それじゃ、アビドスまでのんびり電車の旅ー♡」

「出発です!」

 

 

 ミレニアムでアリスちゃんを拾い、駅でアビドスを通る電車に乗り込みいざ出発。

 自由席だけどそんなに混んでなくて無事隣同士で座れた。

 アリスちゃんはスカーフを私に差し出してわくわくしていたので、前と同じように髪を結ってあげた。

 お揃いです、と嬉しそうに笑うのがもう可愛い♡

 おらーほっぺたすりすりの刑だー♡

 ひとしきりアリスちゃんと触れ合った所で持ってきたリュックからランチボックスを取り出してみせると、アリスちゃんが目を輝かせる。

 

 

「朝ご飯にサンドイッチ作ってきたよ♡」

「わぁ♪ フミの作ってくれるご飯はどれも美味しいので楽しみです!」

「またそんな可愛い事言って♡ はい、お手拭き♡」

「ありがとうございます!」

 

 

 二人でおててふきふき、きれいきれいにしてからランチボックスの蓋を開ける。

 中には一口サイズにカットされたサンドイッチが十二個。

 具材は三種類。

 それぞれハムとレタスとトマト、ツナマヨとタマネギ、そしてフミちゃんイチオシの焼き玉子とチーズとハム。

 アリスちゃんはどれから食べようか迷いながら目をキラキラさせていた。

 反応が可愛くて困る♡

 

 

「どれも美味しそうです! 何から食べましょう⋯⋯?」

「じゃあオススメのこれかな♡」

「フミのオススメは外れが無いので安心です! モモイがオススメしてきた《板ガムぼだっこストロング》はしょっぱすぎてダメでした!」

「なにそれこわい♡」

 

 

 笑顔で玉子ハムチーズのサンドイッチを頬張るアリスちゃんを見ながら戦慄した。

 ただでさえしょっぱいぼだっこのストロング、さらにそれを逃げ場の無い板ガムに⋯⋯?

 企画会議と製品試作それぞれで責任者は寝ていたのだろうか。

 一発で血圧上がって血管破れそう。

 というかどこから調達したのモモイちゃん♡

 恐怖を洗い流すべく、私もサンドイッチを摘む。

 うん、いつも通り美味しい。

 

 

「美味しいです! フミ、お嫁さんに来てください!」

「あら嬉しい♡ でも私先生のお嫁さんになるから、良ければアリスちゃんも先生のお嫁さんになってハーレム作らない?」

「ハーレムですか? こないだやったゲームで覚えました! みんな主人公が大好きで、幸せそうでした♪」

「それそれ♡ みんなで仲良く、先生とイチャイチャラブラブするの♡」

「アリスは先生も好きです! ハーレム作りましょう、フミ!」

「うんうん、作ろー♡」

 

 

 その後も楽しく会話しながらサンドイッチを食べ進め、あっと言う間に食べ尽くした。

 お茶を飲んでのんびり電車に揺られ、アビドス到着。

 前にもお世話になったタクシーに乗り込み、まずはアビドス校舎へ。

 校門前でタクシーを降りてお礼を言い、フェンス横のインターホンへ。

 

 

「インターホン! アリス、押してみたいです!」

「良いよー♡」

「わぁい♪ もしもしぽちー♪」

 

 

 ぴーんぽーん、とお馴染みの呼び鈴が鳴り、数拍置いて涼やかな声が返ってきた。

 

 

『はい、アビドス高校です。どちらさまですか?』

「初めまして! アリスはアリスです!」

『ええっと⋯⋯?』

「ふふ、おはようアヤネちゃん♡ 到着したよー♡」

『あ、フミさん! お待ちしてました、そのまま中へ入り三階左手の教室へどうぞ!』

「はーい♡ よし、行こっかアリスちゃん♡」

「はい、お邪魔します!」

 

 

 二人手を繋いで校舎の中へ。

 最初は普通に繋いでいたけどアリスちゃんのご要望にお応えして恋人繋ぎだ。

 入口の下駄箱で持ってきた上靴に履き替え、階段を登っていく。

 私にとっては何の変哲もない校内の風景だけど、アリスちゃんにとってはゲームの背景そのままの景色という事で、非常にテンションが上がっていた。

 

 

「見てくださいフミ! ここの手すりで主人公がショートカットしてました!」

「大した距離でもないけどやっちゃう人も多いよねぇ♡」

「すごいですフミ! こっちに屋上への扉があります!」

「立ち入り禁止にはなってないみたいだし、後でお願いして屋上行ってみようか♡」

「はい♪ わくわくします♪」

 

 

 繋いだ手をにぎにぎしながら目的の教室へ。

 扉を開けるとアヤネちゃんとノノミさんが待っていた。

 

 

「お二人ともお久しぶりですー♡」

「ようこそ、フミちゃん★」

「お久しぶりです、フミさん! そちらの方がモモトークで言っていた⋯⋯?」

「はい! アリスは天童アリスです! ミレニアムのゲーム開発部に所属しています! 一年生です!」

「わぁ、とっても元気な子ですねー♪ よろしくお願いします♧」

 

 

 アリスちゃんの朗らかさにノノミさんが加わりほわほわ空間が結成された。

 つよい♡

 お互いに自己紹介を済ませて本日のお宿となる宿直室へと案内してもらう事に。

 最初は空き教室でも貸してもらおうかと思っていたけど、せっかくだし一緒にお泊まり会をしようとノノミさんが発案し、ホシノさん以外が宿直室で一緒に寝る事になった。

 ホシノさんは夜間のパトロールがあるので今度膝枕をして欲しい、との事だった。

 先生をも虜にした膝枕の出番だね。

 宿直室に着いて荷物を置いていると、ちょうどシロコさんがサイクリングから戻ってきた。

 

 

「ん、フミ久しぶり」

「シロコさんおひさしー♡」

「こんにちは! 初めまして!」

「初めまして。⋯⋯隠し子?」

「待って♡」

「アリスは天童アリスです! フミとは先生のお嫁さんになってハーレムを作る間柄です!」

「あっ♡」

「ん、詳しく」

「ヤバ♡」

 

 

 はい。

 シロコさんとの顔合わせついでにハーレム計画についても色々尋問されました。

 でも三人とも、顔は赤くなってたけど満更でもなさそうなのはどうして♡

 先生ったら女誑しなんだから♡

 気を取り直して五人揃って柴関ラーメンへ向かう。

 前回は目の前で吹き飛ばされたからね。

 もし万が一今回吹き飛ばされたら下手人を両手両足縛った状態で小さな穴の空いたドラム缶に詰めて海に落とす♡

 身動き出来ぬまま少しずつ暗闇に沈んでいく恐怖に震えて逝くが良い♡

 もし下手人が知り合いだった場合は致し方ない、両手両足を拘束して身動きが取れない状態で過酷なオモチャを取り付けるから、次の日の朝まで幸せになってもらおう。

 私は相手がノンケでも一向に構わないぞー!

 ちゅーもするからな♡

 覚悟いたせ♡

 

 

「フミちゃん、気合い入ってますねぇ♪」

「この為に体調もバッチリです♡」

「アリスも楽しみです♪ フミは籠絡の達人ですが料理もすごい上手なので、そのフミが気になってるラーメンはきっとすごい美味しいに違いありません!」

「ん、多分その想像を超える美味しさ」

「確かに柴関のラーメンより美味しいラーメンにはまだ出会っていませんね」

「わくわくしてきたねー♡」

「はい、わくわくです♪」

「そう言えば髪型お揃いなんですねー★」

「はい、朝フミが結ってくれました!」

「そのせいで隠し子かと思った」

「出来ればサイズ感も勘案してください♡」

「いくら早熟でもフミさんの身長を越えるのは⋯⋯」

「ん、実は生徒と言うのは仮の姿。本当は先生を支える為にキヴォトスの外から帰ってきた卒業生で先生の奥さん、それか愛人なのかも」

「先生が手を出してないのでフミはまだ妊娠していません! 先生はヘタレです!」

「広まる風評被害♡」

「でもフミはえっちさのパラメーターもカンストしてるので時間の問題だと思います!」

「それは⋯⋯確かに?」

「納得しないでアヤネちゃん♡」

 

 

 そんな風にわいわい話しながら歩いていくと、見覚えのあるネコ耳が屋台の前でぴくぴくしていた。

 紺のポロシャツとズボンに黒い前掛け、頭には白の三角巾を付けたバイト戦士セリカちゃんだ。

 傍には屋台のカウンターに突っ伏してほにゃほにゃしているホシノさんの姿もある。

 

 

「お、来たわねフミ! みんなもいらっしゃい!」

「おー、みんないらっしゃーい」

「セリカちゃーん♡ 来たよー♡ ホシノさんもお久しぶりです♡」

「おぉ、あの時のお嬢ちゃんか! あの時は世話になったな、ありがとうよ!」

「大将さんもお元気そうでなによりです♡ 今日は前回食べられなかった分のリベンジに来ました!」

「おう、腹いっぱい食べて行ってくれよ!」

「それじゃ注文取るわよー♪」

 

 ノノミさんがチャーシュー麺、シロコさんが塩ラーメン、アヤネちゃんが味噌ラーメン、ホシノさんは特製味噌にチャーシュートッピング、アリスちゃんは柴関ラーメン。

 そして私は柴関ラーメン全マシに特別トッピングも追加。

 いやぁ腹が鳴るわね♡

 

 

「あ、そうだ。アリスちゃん、髪の毛が丼に入らないようにフォームチェンジしよっか♡」

「フォームチェンジですか!?」

 

 

 試しに自分の髪の毛を解いて肩甲骨の間くらいで束ねてそのまま下げる。

 こうすると麺や丼に髪の毛が掛かりにくくて食べやすい。

 アリスちゃんも同じように束ねて下げると、これはこれでだいぶ印象が変わった。

 手鏡で見せると嬉しそうに笑う。

 

 

「えへへ、フォームチェンジしてもフミとお揃いです♪」

「わぁ、さっきとは違った可愛さです♧」

「髪型一つで結構変わるんですね」

「⋯⋯ん? ホシノ先輩、具合でも悪い?」

 

 

 髪型を変えてきゃっきゃしていると、ホシノさんの様子がおかしい事に気付いた。

 少し顔色が白くなって、冷や汗が出ている。

 

 

「い、いやー大丈夫だよ。おじさん水もしっかり飲んでるし、元気元気。⋯⋯所で、フミちゃん?」

「どうかしました?」

「その⋯⋯そのスカーフの柄、珍しいな、って」

 

 

 ⋯⋯厄ネタの気配がしてきたぞぉ♡

 取り敢えず地雷を踏まないように事実を伝えないと。

 

 

「えぇと、十年前になるんですけど私キヴォトス旅行に連れ出されてたんですよね。その折アビドスにも寄る機会が有りまして、近場の雑貨屋で目に付いた商品を買ったんです。このスカーフとはその時からの付き合いですね」

「他にも同じ柄のハンカチも持ってて、そっちはゲーム開発部の仲間のユズが持ってます!」

「⋯⋯そっか。いやーなかなか味のあるキャラクターだからおじさんちょっと気になっちゃってさぁ♪」

「可愛いですよね、バナナとり!」

 

 

 ⋯⋯⋯⋯ヨシ!

 何とか嘘も付かず地雷も踏まずに乗り切ったらしい。

 話している間ずっと微笑んでるのに一切笑ってない目で射貫かれてたのは神経すり減った。

 勘が無くてもこの話題に何か埋まってるのが分かるって相当だよ。

 いやぁ久し振りに底冷えしちゃったね。

 これは美味しいラーメンで心の栄養を補給しないと!

 

 

「はいお待たせ! 配っていくわよ」

 

 

 ちょうど両手にお盆を乗せたセリカちゃんがやってくる。

 次々と配膳されていくが、私の分はまだこない。

 おや、とセリカちゃんを見るとドヤ顔と一緒にもう一つお盆を持ってきた。

 

 

「よいしょっと! ご注文の柴関ラーメン全マシ特別トッピング、お待たせしました! こっち野菜を避難させる器ね、それと特別トッピングの器」

「お、おぉ⋯⋯ブラボー!」

 

 

 思わず拍手してしまった。

 隣にあるアリスちゃんの柴関ラーメンから全てが増えている。

 丼の二倍の高さはありそうなほどに山と盛られたキャベツともやし、山の周囲を隙間無く覆う厚切りチャーシュー、さらに外側を彩る煮卵の群れ、そして特別トッピングである刻み背脂と小口ネギと刻み生姜と粗みじん切りにしたニンニクをタレに漬け込んだもの。

 まさかこれは。

 希望を乗せて目をセリカちゃんへ向けると、ニンマリとした笑みが返ってくる。

 

 

「今日は限定サービスでライスの注文が可能よ」

「二杯分丼でください」

 

 

 即座に注文した。

 

 

 

 

 

 

「いやー満足満足♡」

「とても美味しかったです!」

「改めてすごい量でしたけど⋯⋯完食してましたね」

「ん、この身体にあのラーメン全部入ってるのすごい」

「どれどれ⋯⋯わ、動きました♧ おめでたです★」

「消化中なだけです♡ てぃてぃ♡」

「きゃあー♪」

 

 

 お腹に耳を当ててボケるノノミさんのほっぺたをつんつんして撃退。

 久し振りにいっぱい食べて満足でおじゃる♡

 食べ終わり大将さんにお礼を言って屋台を後にした私達は、道中まだ営業してるお店を回って夜ご飯の食材を買ったり腹ごなしにたこ焼きを食べたりと、アビドスの街を満喫しながら校舎に戻ってのんびり休憩をしていた。

 今は汗ばむくらいの陽気なのに、夜になると氷点下近くなるって不思議だよね。

 アリスちゃんを膝に乗せて髪型をいじいじ。

 いつもの私とお揃いに纏めていると、ふと思い出したようにノノミさんがぶっ込んできた。

 

 

「フミちゃんは先生のどんな所に惹かれたんですか★」

「初速マッハ超える話題の出し方♡」

「アリスも聞いてみたいです!」

 

 

 アリスちゃんが身体をくるっと回してお姫様抱っこの体勢で手を私に回す。

 可愛いお顔が視界いっぱい♡

 見ればシロコさんは興味津々に耳をぴくぴく、アヤネちゃんは椅子を寄せて拝聴姿勢。

 んー、これは話すまで解放されないやつ♡

 

 

「⋯⋯最初は先生を守らなきゃって気持ちでしたね。ご存じの通り、先生は私達と違って銃弾一発が生死に関わりますから」

「先生はクソザコです! 魅力値がカンストしてる以外は全部能力値が一のマスコット枠です!」

「うーん、辛辣♡」

「ん、後方支援だからいつもアヤネと二人っきり。ちょっと羨ましい」

「えぇぇ!? 飛び火してきました!? ま、まずはフミさんのお話を聞きましょう⋯⋯?」

「ん、後で聞く」

「といっても、特にこれと言ったキッカケは無かった気がしますね。いつも通りの日常に先生との時間が加わって、いつの間にか先生が居ない時間の方が少なくなって。ノリも良いから打てば響く、って感じのやり取りが心地よくて話も盛り上がるし。日頃のちょっとした事でも、生徒の為に全力で取り組む姿を隣で見ていて、気付いた時にはもう先生大好きになってました♡」

「ん、分かる。普段はへにゃってしてるのに、戦闘指揮を執ってる時とか何かを手伝ってる時はズルいくらいカッコよくなる」

「ですね~★ いつもの先生は甘やかしたくなって、カッコいい時の先生には甘えたくなっちゃいます♪」

 

 

 先生のカッコいい瞬間についてきゃっきゃ話している内に日が暮れ、セリカちゃんも合流してさらに盛り上がる。

 案の定、妹適性の高いアリスちゃんにセリカちゃんはめろめろになっていた。

 ハーレムの話を振られたセリカちゃんは顔を真っ赤にしていたけど、アリスちゃんのみんな好き好きコールには耐えられずに仲間入りを宣言させられていた。

 

 

「うぅっ、勢いに乗ってとんでもない事を宣言した気がする⋯⋯」

「私はウェルカムですけど♡」

「アリスもです♪」

「ん、セリカは押しに弱い」

「そんな事ないわよ!」

「フミ、アリス」

「セリカちゃーん♡ ぎゅー♡」

「セリカ、ハグしましょう♪」

 

 

 シロコさんの号令でセリカちゃんを左右からむぎゅむぎゅと捕まえる。

 追撃でアリスちゃんと一緒にほっぺたすりすりもしちゃうのだ、すりすりー♡

 

 

「ひゃわわわ⋯⋯!?」

「セリカちゃん好きー♡」

「アリスも、セリカ好きです!」

「⋯⋯そうね、私も二人の事好きよ!」

「ん、堕ちた」

「こ、これがフミさんの籠絡テクニック⋯⋯!」

「仲良しさんですね★」

 

 

 吹っ切れたのか私達を抱き締めてくれたセリカちゃん。

 ハーレムの層が厚くなるね!

 ほっぺちゅーしちゃお♡

 

 

「セリカおねーちゃんちゅー♡」

「ひゃぁあ!?」

「! アリスもセリカにほっぺちゅーします!」

「わぁ、モテモテですねセリカちゃん♪」

「アヤネはちゅーしに行かないの?」

「わ、私ですかっ!? ええと、その⋯⋯!」

「にしし♡ アヤネちゃんも一緒にセリカちゃん好き好きしよ♡ そしてせんせーのハーレムに入って、せんせーの好きな時にいっぱい幸せにされちゃお♡」

「⋯⋯⋯⋯ごくり」

「えっ、ちょ、アヤネちゃん!?」

 

 

 はい、ハーレムお一人様追加でーす♡

 

 

「フミはやっぱり籠絡の達人です!」

「あの二つ名は伊達じゃないですね♧」

「待って♡」

「フミのクラスは淫婦だそうです! ミレニアムでも噂になってました!」

「ぐふっ♡」

 

 

 アリスちゃんの無邪気な一言に崩れ落ちる。

 まさかここまで噂が広まっているとは。

 

 

「前にヒフミが教えてくれた。フミは昔から人誑しですぐに人の心に入ってくるどすけべだって」

「にゃろう絶対許さん♡」

「ヒフミさんとは長い付き合いなんですか?」

「シャーレに入ってからはまだ会えてませんけど、普通にお出掛けしたりスイーツ食べに行ったりする親友ですよ。お互い気を遣わなくて良い間柄なので口でプロレスしたり抱き締めてグルングルン回したりしますけど」

「フミの親友ですか! 会ってみたいです♪」

「当番に来いってそのうち呼び出してみるか⋯⋯その時はアリスちゃんにモモトーク送るね♡」

「わぁい、楽しみです♪」

「でもフミ、噂については否定しないのね⋯⋯?」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯まぁ、思い当たる節は有りますので」

「す、すごい苦悶の表情ですね⋯⋯」

「ん、淫婦ミ」

「その呼び方は許して♡」

 

 

 マッサージの時に撮らせてもらった先生の背筋の写真で手を打ってもらった。

 何気にシロコさんもこっち側の素質は有るのでは?

 

 

「ん⋯⋯みんなと話すのは大丈夫だけど、先生の前では⋯⋯恥ずかしい」

「乙女シロコさん⋯⋯!」

 

 

 わいわいきゃっきゃと楽しく過ごし、夜は買ってきた食材で鶏鍋を囲む。

 聞いていた通り夜は一気に涼しく⋯⋯いや寒いくらい。

 鍋はまだ暑いかなーなんて思ったけど、むしろベストチョイスと言っても良いくらいだった。

 みんなでスープまで飲み干して温まり、一休みした後で屋上に入れないか聞いてみる。

 普通におっけーとの事だったのでみんなで屋上へ向かう。

 扉を開けると満天の星空が広がっていた。

 目映い星々が照らす空の海に、アリスちゃんは大はしゃぎだった。

 さて、あんまり居ると身体が冷えちゃうからね。

 くるくると踊るように回っていたアリスちゃんを抱き締めて、名残惜しいけど屋上を後にする。

 その後は昼間に付いた砂をシャワーで洗い流してパジャマへ着替えて宿直室へ。

 

 

「きゃー♪ なんですかフミちゃんその可愛い着ぐるみパジャマは★」

「ふっふっふ、ウェーブキャットの着ぐるみパジャマを持ってきちゃいました♡ 普段は縮尺がアレですけど、こうしてパジャマにすると普通に可愛いキャラグッズに大変身するんです!」

「確かに、このサイズ感なら普通に可愛いですね♪」

「ん、アリスもなかなか」

「アリスのパジャマはフミが用意してくれました! 虎さんパジャマです! がおー♪」

「やーん、アリス可愛いじゃない♪」

 

 

 早速モモフレンズ好きなノノミさんが食い付き、アリスちゃんはセリカちゃんに撫で回されてる。

 私が持っているのは先生特攻のえっちなものばかりでは無いのだよ♡

 という訳でパジャマパーティーの始まりである。

 恋バナは昼間にやったので、平和にトランプで遊んでいく。

 最初は普通にやってたけど途中でノノミさんの発案で罰ゲーム有りになった。

 最下位の人はトップの人にむぎゅむぎゅされる、という可愛らしいものだったけど、これが案外盛り上がった。

 ノノミさん勝者アリスちゃん敗者のむぎゅむぎゅはなんかマイナスイオン振り撒かれてそうな癒し空間だったし、セリカちゃん勝者シロコさん敗者のむぎゅむぎゅはなんだか普段の様子とは違った雰囲気でみんなドキドキ。

 アヤネちゃん勝者セリカちゃん敗者のむぎゅむぎゅはアヤネちゃんがなかなか解放してくれず、なるほどこれがてぇてぇというやつか、とみんなで頷いた。

 私も負けてノノミさんにハグしたけど甘えたくなる感じがすごい。

 今のところハーレム計画で一番おちちが大きいので、ぜひ先生の籠絡に一役買ってほしい。

 そんな風に楽しく騒いで、セリカちゃんが大きくあくびをした所で終了とした。

 後は仲良く就寝。

 途中アリスちゃんが布団に潜り込んできたのでおでこにちゅーしておいた。

 朝まで抱き枕の刑じゃい♡

 寝てる間にトイレに起きたアヤネちゃんが布団を間違えてセリカちゃんの布団に入っていったハプニングもあり、起きた時にあら~となった。

 仲良しは良いぞぉ♡

 みんなで布団を片付けて朝食にサンドイッチを作り、荷物を纏めて準備完了。

 いつの間にか来ていたホシノさんをアリスちゃんとむぎゅむぎゅしたら、なんかうへうへ言っていた。

 こんなに可愛いおじさんが居る訳ないでしょ♡

 帰りはみんなからいっぱいお土産をもらって、ミレニアムまでアリスちゃんを送って、今回の一泊二日アビドス旅行は幕を閉じた。

 いやぁ楽しかったね。

 アビドス良いとこ柴関食べよう。

 シャーレへの帰り道、ご機嫌だった私はふと気付く。

 前回アビドスに行った時のお土産、先生からもらってないな、と。

 おっとぉ?

 これはほっぺちゅーですかなぁ?

 月曜日の楽しみが一個増え、足取りも軽くシャーレビルへと戻る私であった。

 あ、ソラちゃん今日もお疲れ様♡

 はいこれアビドスのお土産♡

 

 

 

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