もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら   作:一ノ瀬 崇

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三十話目

 鳴り響いた銃声にその場の全員が動き出す。

 各々銃を構えて相手に向けようとした所へスズミさんから貰った閃光弾を投げ入れる。

 同時に左手のリボルバーを内側に傾けて引き金を絞る。

 反動で跳ね上がる銃口を勢いのままに流して次の相手への照準とする。

 見た目が格好良いんだよね、これ。

 

 

「うわっ!?」

「スタングレネードだ! 怯まず撃ち返せ……銃が!?」

 “ゲームで見た事ある撃ち方だ……!”

 

 

 排莢口を破損した銃はもう使えない。

 前後を挟まれているアリウス生徒の出鼻を挫けば、全体に密かな焦燥感を伝播させる事が出来る。

 幾ら練度が高くても、閉所で真っ向から相対する以上は余程の実力者で無い限り私達の方が強い。

 こっちには頼りになる先生が居るからね。

 勘を使う私はバフの効果量は抑えめかもしれないけど、補習授業部のみんなに与えられる恩恵は計り知れない。

 

 

「アズサちゃん、援護します!」

「ヒフミ、任せた!」

 

 

 特にあの二人は相性というか呼吸のテンポが凄まじい噛み合いを見せている。

 アズサちゃんが銃撃を加えて戦列に穴を開け、そこへヒフミンがペロロバルーンをデコイのように投げ入れつつ牽制射撃、すかさずアズサちゃんが渡したシールドの陰から前衛を削っていく。

 咄嗟の判断と状況把握を擦り合わせるには天性の勘所と多くの経験が必要になる。

 だけど、今は先生がそれを補ってくれる。

 鴨撃ちとまでは言わないけど、練度の高いアリウス生徒達が次々に倒れていくのは壮観だ。

 

 

「せえぃっ!」

「助かります、フミちゃん!」

 

 

 設置したシールドを投げてハナコちゃんの前に展開させ射線を遮りつつ、自分もそっちへ合流する。

 後衛を狙ってくるスナイパーは早めに排除しておこう。

 と言ってもこの広さの戦場では威力以外に脅威となる要素は無い。

 むしろアサルトライフル持ちの方が厄介だ。

 取り回し、連射性能、威力と三拍子揃っているからね。

 

 

「牽制は任せて!」

 “コハル、右の部隊に投擲して!”

 

 

 先生の指示に合わせてコハルちゃんがグレネードを投げ入れる。

 街中とは違い遮蔽物はほぼ無い。

 私達はシールドを設置して即席の遮蔽物にしているけど、攻め入ってきたアリウス生徒達はタンク役の生徒の持つシールドくらいしか頼れる物が無い。

 一気に制圧しようとしたのが裏目に出た状態だ。

 当然グレネードの爆風を浴びた生徒は倒れ、身を投げ出して回避した生徒にはハナコちゃんの援護射撃が刺さる。

 正直、アリウス生徒達だけなら問題は無い。

 にも関わらずこの戦闘が早々に終わらない理由は一つ。

 

 

「ハナコちゃん、私の後ろに!」

 

 

 取手を掴み腰を落として衝撃に備える。

 シールドの面も床と垂直ではなく斜めに傾けて勢いを逸らすように構えて、それでもなお手首を軋ませるだけの負荷が押し寄せてくる。

 

 

「痛い痛い! 明らかに質量以上の力が入ってる♡」

「大丈夫ですか、フミちゃん!」

「今の所はだいじょーぶ♡ でも流石ティーパーティーと言うべきか、普通におかしくなーい? サブマシンガンの威力じゃないんですけど♡」

「ええと、無理はしないでくださいね?」

 

 

 アリウス生徒達の銃撃を一手に引き受けたとしても掠り傷すら付かない強固なシールドの表面にガリガリと白く削れた跡が付いていく。

 どういうことなの♡

 かなり愛着を持ってカスタムしている事はその外見からも見て取れる。

 けど、いくらなんでもスナイパーライフルの威力を遥かに超えてるのはちょっとおかしい。

 ミレニアムの新素材開発部とエンジニア部にユウカさんに増やしてもらった資金をオラァンと叩き付けてついでにゲーセンでアリスちゃんにクソザコ呼ばわりされてレバガチャしてたネルさんを耐久試験で使いっ走らせて完成させた特注シールドなのに、早くもオーバーホールが決定したくらいにはボコボコにされてる。

 口紅より大きいと話題の50口径弾を撃ち出しているならまだしも、飛来する弾丸はその辺の自販機で買える9mm弾なのだから質が悪い。

 射出機構を弄り回したとしてもこんな威力は出ない。

 考えられるのは私の勘のような、生徒由来の力による強化だろう。

 それこそネルさんやヒナさんみたいなキヴォトスでも上位の武力頭おかしい勢のような。

 

 

「あは。大口叩いた割には余裕無さそうじゃない?」

「旅行に行く間ハムスター預かってくれないかな、って友人に言われて安請け合いしたらハムスターって名前のゴリラが家に届いた気分♡」

「ンフッ」

「いやどういう事?」

 

 

 正直な感想を伝えたのにミカさんは真顔でツッコんできた。

 おかしい、ハナコちゃんにはバカウケなのに。

 

 

「……いやまぁ、色々と腑に落ちないけど。でも想定以上に苦戦してるって事で良いのかな? 私は肩透かしなくらいに手応え無いんだけど」

 

 

 話している合間にリボルバーで牽制するも、さして効果は見られない。

 他の子にはバシバシ決まる銃口ずらし、排莢口破壊、死角からの跳弾が全く効いていない。

 ミカさんのサブマシンガンに幾ら弾を当てようとも、それこそ他の子の銃撃を私がシールドで楽々防ぐのと同じように何一つ効果を与えられない。

 それこそ眉間やこめかみにクリーンヒットさせても、ミカさんは顔色一つ変えない。

 痩せ我慢じゃなく、本当に痛くも痒くも無いんだろう。

 これは非常にマズイ。

 私じゃ火力が足りない。

 出来る事と言えば飛来する弾幕を必死に受け止め、どうにかこうにか被弾しないように踏ん張る事だけ。

 更にマズイのは、打開策が無い事がミカさんにも筒抜けであるって事。

 

 

「幾ら撃っても私には有効打にならない。でも私の攻撃はいつまでも防げるようなものじゃない。……ふふっ、ジリ貧だね? 諦めちゃっても良いんじゃない?」

「わぁ強者の余裕♡ 私がジリ貧なのは否定出来ないけど♡」

「他のみんなも、ケガしない内に投降しちゃっていいと思うんだけどなぁ。そこまで身体張ってもしょうがなくない?」

「……ミカ様からすれば、そうなんでしょうね」

 

 

 答えたのは意外にもコハルちゃんだった。

 グレネードで回り込もうとしていた一団を吹き飛ばしながら、出会った頃からは想像も付かないくらいすっかり落ち着いた瞳でミカさんを見据えている。

 

 

「⋯⋯確かに、私では逆立ちしたってミカ様に傷一つ付けられません。何をどう頑張っても、絶対に敵いっこない。でもそれは私がミカ様を止める事に何一つ関係が無い。彼我の戦力差、対峙する状況、味方の損耗度、達成不可能な勝利条件⋯⋯それらは等しく無価値です。何故なら、私の執行を妨げるものではないから」

「コハルちゃん……?」

 

 

 普段よりも低く冷たささえ感じる声色に、思わずと言った様子でハナコちゃんが名前を呼ぶ。

 キレてるって訳でも無い。

 淡々と、事実を確認するように言葉を紡いでいく。

 

 

「押収品管理係⋯⋯任務の性質上、その者には組織への忠誠以外にも求められる資質がある。如何なる誘惑にも信念を曲げず、己の正義を貫き続ける不撓不屈の精神を持つ事。故にその任に選ばれるのは学年に関係なく最も気高き心を有する、ただ一人」

 

 

 その愛らしく小柄な体躯には不釣り合いな程に無骨な印象与えるスナイパーライフルを《片手で》構え、ろくに狙いも付けずにアリウス生徒達の脳天を撃ち抜いていく。

 いやいや、いつの間にアルさんみたいな射撃技能を身に着けたの?

 格好良いんですケド♡

 

 

「改めて名乗りましょう。正義実現委員会、押収品管理係──下江コハル。私の殉じる正義の名の下に、ティーパーティーが一人パテル分派首長聖園ミカ様。貴女を拘束します」

「ヒューッ!!」

 “ヒューッ!!”

「フミと先生は後でお説教ね」

 “そんな!?”

「だって格好良すぎて!」

「ヒフミ、私もコハルみたいな格好良い決め台詞がほしいから後で一緒に考えてくれないか」

「アズサもお説教よっ」

「あはは……締まりませんねぇ」

「雰囲気もアソコも緩くなっちゃいますねぇ♡」

「ハナコは石抱きに処すわよ?」

「シンプルな処罰はちょっと……」

 

 

 余りにも良すぎて思わず歓声を上げてしまった。

 ごめんてコハルちゃん、そんな顔赤くしないで♡

 ハナコちゃんは別の意味で顔赤らめないで♡

 濡れるッ、じゃないのよ♡

 コハルちゃんがお怒りですわよ♡

 

 

「いやー、折角決めてもらったコハルちゃんには悪いんだけど、つまりそう言う事♡ 私達は諦めもしないし絶望もしちゃいないの♡」

「カラ元気ってやつ?」

「残念ながら勝算はあるんですよねー、せんせ?」

 “私達だけで戦力が足りないなら、他所から持ってくれば良い。ミカ、君は色々な事をこなせる凄い子だ。だけど、全部を自分一人で抱え込もうとするのは……これから直していこうね”

 

 

 先生に水を向けると、少し困ったような微笑みを浮かべている。

 まるでやんちゃな子供達を見守る保父さんだ。

 ……いや、先生にしてみればキヴォトスの生徒はみんな身体が大きくなっただけの子供でしかないかも。

 

 

「と言う訳で時間切れでーす♡」

「は、今更何を⋯⋯」

「お待たせしました!!!!! 外は完全に制圧しましたよ!!!!!」

「ウルッサ!?」

 

 

 突如響き渡る轟音。

 思わず悲鳴を上げて耳を押さえるミカさんと、びっくりして動きが止まっちゃうシスターフッドの皆さんとアリウス生徒達。

 我らが自警団の元気印宇沢レイサちゃんのエントリーだ。

 まぁ声量以外は各学校トップクラスって訳では無い。

 ただ、外でアリウス生徒達と戦っていた筈の彼女が顔を出したと言う事は。

 

 

「アリウス生徒、全員捕縛完了しました」

「周囲に増援無し。捕縛した生徒は移送中です」

「フミちゃーん、こっち終わったよー♪」

「鎮圧、終了しました」

 

 

 スズミさん、ハスミさん、チハヤちゃん、激エロボイスのシスターさんがそれぞれ報告を上げてくれる。

 その言葉に残った十数人のアリウス生徒達に動揺が走った。

 体育館に詰めている自分達以外は全員やられてしまった、もう増援は来ない。

 それに対して相手側──私達の方は続々と戦力が集まって来ている。

 

 

「アリウス生徒による襲撃は失敗、ナギサ様はこちらで確保済み。ミカ様に傷一つ付いていなくても最早関係有りません。戦いで下せないのなら、戦う理由を失わせれば良いだけです。改めて聖園ミカ様」

 

 

 真っ直ぐにミカさんへと目を向けるコハルちゃん。

 小さな身体がものすごく大きく見えるね。

 

 

「終わりにしましょう。手段は褒められたものでは有りませんが、かつて同胞だった生徒達に手を差し伸べたその優しさは尊ぶべきものです」

「ヒューッ!!」

 “ヒューッ!!”

「二人とも装甲車の後ろに紐で結んで引き摺り回すわよ?」

 “ゆるして!”

「出来心なんです!」

「……はぁ、あれもこれも想定外な事ばっかり。いやー……ダメだな、私」

 

 

 サブマシンガンを下ろし、疲れたように息を吐くミカさん。

 倒れずに残っていた子達も流石に打開策は無いらしく、武装を解除して正義実現委員会に連れて行かれた。

 あっさりと終えられて一安心。

 むしろ、手を回さなかったら朝日が昇るくらいには長丁場になっていたであろうアリウス側の戦力に軽く冷や汗が流れる。

 なんだかんだで凄い数動員されてたな……収容するスペースあるの?

 あ、充分にあるんだ。

 流石はトリニティ、お金と歴史が違う。

 

 

「ミカさん、セイアちゃんは……」

「……本当に、殺すつもりじゃなかったの。今の私が何を言っても言い訳になるけど……多分、事故だった。セイアちゃん、元々体が弱かったし……それに……」

「……セイアちゃんは無事です」

「……!?」

 

 

 ハナコちゃんの言葉にびくりと身体を跳ねさせるミカさん。

 うん、自分のせいで死なせてしまったと深く後悔してる所に生存報告なんか入ってきたらそうなるよね。

 

 

「ずっと偽装していたんです。襲撃の犯人が見付からなかったので、安全の為というのもあって……トリニティの外で身を隠しています」

「セイアちゃんが……無事……?」

「はい。傷が治らなくて、まだ目が覚めていないのですが……救護騎士団の団長が、今もすぐ傍で守ってくれています」

「ミネ団長が……?」

「はい。そしてあの時、セイアちゃんを助けてくれたのは……いえ、これは直接ご本人の口からが良いでしょう」

「そっか……生きてたんだ……」

 

 

 見開いた目を伏せて、ゆっくりと閉じる。

 ミカさんはそのまま小さく震え、やがてぽつりと零す。

 

 

「……良かったぁ」

 

 

 その言葉に込められていた想いは、とても透き通っていて。

 私は思わず先生の方へと振り向く。

 きっと、今の私は先生と同じ顔をしているのだろう。

 状況への疑問を呈するよりも先に、生きていてくれた事への喜びを口にした少女。

 ただ不器用で言葉の足りない彼女達の物語は、一先ずの安堵を得た。

 確かに色々と問題は山積みで。

 これからも大変な事後処理や贖罪が控えてはいるけど。

 青春の記録の1ページとして収める事が出来る範囲でどうにか結ぶ事が出来た。

 なら、私達シャーレは生徒達のお手伝いをするまで。

 もちろん好き放題教唆してくれた見知らぬ黒幕には後々鉄槌を下すとして、今は問題が一つ片付いた事を喜ぼう。

 

 

 

 

 その後、ミカさんは正義実現委員会に連れられて行った。

 投降したアリウス生徒達も連行され、自警団や正義実現委員会のみんなにもお礼を言ってお見送り。

 シスターフッドの人達とも今後の話し合いやお礼についてネットワークを構築した。

 どすけべシスター服さんがヒナタさんで、どすけべシスターさんがマリーちゃん。

 

 

「あの、出来れば普通に覚えて頂けると……!」

「色っぽくて大人な雰囲気でせんせーに刺さりそうなんだけどなー♡」

「……い、いえいえ、シスター足る者敬虔でなければいけないので……!」

「お、一瞬迷った辺り脈ありですかにゃー?」

 

 

 小声でこそこそしつつ探り探り。

 そこはかとなくえっちな小動物感は割と先生特効だったりする気が……たまにマリーちゃん見て先生指わきわきさせてたりしない?

 

 

「時折有ったような気がします……」

「なるへそ♡ シスターさんだから難しいかもしれないけど、せんせーラヴァーズとしてハーレム入りしない?」

「ええっ!? そ、そんな先生が複数の女生と付き合うだなんて……!」

「んー、ほら、アレだよ♡ せんせー独り占めにしちゃったら絶対暴動が起きるから、希望者でみんな仲良くお嫁さんになりましょうって言う」

「暴動ですか?」

「絶対起こるよ。だって独り占めされたら、その子だけがせんせーと仲良くご飯食べたりお散歩したりお昼寝したり出来る訳じゃん♡ ずるいー、私もせんせーとお話したり手を繋いだりしたいー、って思う子は当然居るよね。そしたら頭キヴォトスな子──まぁ私も含めてだけど、その子からせんせーを奪おうと襲撃に行くのはもう既定路線」

「き、既定路線でしたか……」

「んで、そんな風にギスギス争うくらいならみんな仲良くせんせーのお嫁さんになって日頃お仕事で忙しい旦那様の支えになりつつ寵愛も受けようじゃないかー、って感じで立ち上げたのがせんせーハーレム後宮大作戦ってわけ♡ マリーちゃんも一緒にせんせーのお手付きになろーよ♡」

 “お手付きしてないけどね。それだけはハッキリと言っておくけど!”

 

 

 マリーちゃんを誘惑してると先生から補足が入る。

 時間の問題だと思うんですけど♡

 ともあれなんだかんだ乗り気な様子なので、マリーちゃんもそのうちハーレム入りしそう。

 ヒナタさんやサクラコさんは異性に対してまだまだ初心と言うか純真なので、こういった声掛けはまだ様子見。

 一年なのに一番おませさんだねぇマリーちゃん。

 やはり淫靡シスターさん。

 

 

「うぅ……慎ましく生きているつもりなのですが」

「個人差ってやつだからせふせふ♡」

 

 

 そんな感じにマリーちゃんと仲良くなった所でティーパーティーの人が答案用紙を持ってきてくれた。

 言わずもがな、補習授業部の進退が掛かった第三次試験である。

 戦闘を終えて分館に入ったのが午前四時過ぎ。

 仮眠を取って昂った神経をリセットし、改めて試験を受けていたのがつい先程の事。

 流石に疲れが押し寄せてきたのかみんなは試験が終わってすぐに各々の部屋に帰っていった。

 私と先生は結果を待ちつつ各所への報告と今後の展開についての相談。

 いやぁ事後処理って大事なんですよ。

 まぁ、書類関係はお仕置きも兼ねてナギサさんにぶん投げたけど。

 どっちみちティーパーティーとして処理したり認可したりで一度は全部上がってくるらしいから、いっそ纏めてやってもらおうかと。

 

 

「さ、ドキワク結果発表ー♡」

 “いえーい!”

「全員寝てるんだけどね♡」

 “みんな大変だったからね”

「せんせーもお疲れ様♡ シャーレ戻ったら一緒にお昼寝しよっか♡」

 “そうだね。それじゃ、結果を教えてもらえるかな”

「はーい♡」

 

 

 注目の結果だけど、私も先生も心配はしてない。

 みんなの頑張りを傍で見てたし。

 もちろん結果はと言うと。

 

 

 第一回補習授業部本試験 採点結果

 

 

 ──阿慈谷ヒフミ:98点 合格

 ──白州アズサ :95点 合格

 ──下江コハル :96点 合格

 ──浦和ハナコ :100点 合格

 

 

 うん、知ってた♡

 今日は晩ご飯に焼肉パーティーだね。

 

 

 “良かった、信じてたけどそれでもほっとしちゃうね”

「これで補習授業部もお役御免かー。ちょっと寂しい気がしちゃうね?」

 “大丈夫だよ。所属先が変わっても、四人はきっといつも集まって楽しく過ごすんじゃないかな”

「……ふふ、確かにー♡ それじゃ、今回の出張はこれにておしまい、ですかね」

 “だね。アリウスの子達の事も有るからちょくちょく来る事にはなりそうだけど”

「ですねー♡ ともあれ明日シャーレに帰りましょうか、せんせ♡」

 

 

 ──こうして、トリニティを取り巻く一つの難題は解決出来た。

 充足感と晩ご飯への期待に満足しつつ、私と先生は仲良く来客用のソファーに寝転がるのだった。

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