もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら 作:一ノ瀬 崇
「ナツちゃーん♡」
「フミー」
お互いに駆け寄ってむぎゅむぎゅと抱き合う。
さながら永き別離を終えた恋人同士のように情熱的に。
傍目にはちっこい女の子が仲良く抱き合ってるようにしか見えないので割と微笑ましい視線を感じる。
まぁナツちゃんが可愛いからヨシ!
「なかなか会いに来れなくてごめんね?」
「いいさ、離れていた時間もフミを想う良い機会だった。でもやっぱり、こうして触れ合って声を交わすのが一番良いけど」
「私もナツちゃんと触れ合うの好き♡ ドキドキするのになんだか安心するの♡」
「にひ♪ お揃いだね」
「うんうん♡ 仲良し♡」
額を合わせて二人笑い合う。
やっぱりナツちゃん、顔立ち可愛いよねぇ。
眠たげな目元がとってもせくちー。
「今日はASMRの評判を聴いて回るんだったかい?」
「うん♡ 今日はトリニティを回ろうと思って、せっかくだからナツちゃんと一緒が良いなって♡」
「フミのお願いなら断れないさ。これも惚れた弱みってやつだね」
「ならもっと好きになってもらえるように頑張る♡」
「おっと、いくら私がフミ相手にはチョロいさんでもそう簡単には行かないよ」
「今日は調理室を借りてプリンを作ります♡」
「フミ、好きだ。愛してる」
「やーん♡ 私もナツちゃん好き好き♡」
と言う訳で本校舎を目指して出発!
恋人繋ぎで指を絡めてにぎにぎすりすり♡
ナツちゃんのおててやわっこくて温かい♡
なんだか甘くて良い匂いもするし、ナツちゃんってお菓子みたいな女の子だ。
「ナツちゃんはASMR聴いた?」
「私はまだ聴いてないけど、カズサとヨシミがドハマリしていてね。からかってみたら関節技を極められたよ」
「なかなかバイオレンス♡ どれが良いとかは言ってた?」
「カズサはワイルド幼馴染、ヨシミは年上お兄さんをリピートしていたね。ヨシミは先生への憧れとか淡い恋心が有るようだし、カズサは普段暴虐だからか自分を屈服させてくれる存在に弱いらしい」
「まさかの人物像を交えての感想♡ 二人に聞かれたら怒られそうだし、私とナツちゃんのナイショにしとこう♡」
「私の身を案じてくれるとは、やはりフミは優しいね。ますます溺れてしまう」
「いっぱい溺れて♡ 愛の水底で睦み合おう♡」
「なんて魅力的なお誘い。フミに囚われてしまうー。愛に溺れるとはよく聞くけれど沈んでしまった人はどうなるのだろうね?」
「底抜けの愛に包まれるんじゃないかな♡」
「水底の底、か。旧きは夢見るままに揺らぎて居たり、波打つはただ白砂の如し、だね」
「おーなんかカッコいい♡」
「それっぽい事を言ってみただけだよ。普段は哲学とロマンに明け暮れる私の脳も、フミを前にしては浮かれ騒ぎの春の草原になってしまうようだ」
「にしし♡ ナツちゃんの小洒落た言い回し、結構好きだよ♡ あ、そうそう♡ 今日はお土産にD.U.で駄菓子屋さん回って色々買ってきたよー♡」
じゃーん、と左手に下げたビニール袋を掲げてみる。
中には様々な種類の駄菓子が所狭しと詰まっている。
いやぁ、棚を指差してここからここまで全部ください、ってやったのは初めてだったよ。
駄菓子のお会計で一万円超えたのも初めてだったけど。
「ナツちゃんの好きな一口揚げドーナツももちろん抑えてある♡」
「おおっ。これは楽しみが増えたね♪」
「先にスイーツ部の部室に置いておこっか♡ 誰か居るかな?」
「それならアイリが居るはずだね。あまりにもご機嫌なカズサに理由を聞いてASMRを貸してもらっていたから、ちょうど聴いている頃かな?」
「ならアイリちゃんに預けておこー♡ 奉納用のチョコミントモナカもあるし♡」
肩を寄せて腕を組んで指を絡めて歩く。
これはもう恋人同士と言っても過言ではないのでは?
冬になったら一緒のマフラーで温まってみたい。
お互いの小指に赤い毛糸を絡め合ったりして。
そうこうしている間に部室へ到着。
扉を開けるとアイリちゃんがテーブルにスマホを置いて、イヤホンで何やら聴いていた。
私に気付くと笑顔を浮かべて迎えてくれる。
「いらっしゃいフミちゃん♪」
「お邪魔しまーす♡ アイリちゃん、これお土産♡」
「わ、すごい量の駄菓子! どうしたの?」
「駄菓子屋さんでここからここまで、をやってみた♡」
「ええっ!? あの伝説の棚の商品全部買っちゃうやつを!?」
「実にロマン溢れる買い物だよね」
「それで今日は色々回ってくるから、その間ここで預かっててもらおうと思って♡ 預かり賃代わりにチョコミントモナカも入ってるよー♡」
「たいちょー! 任されました!」
「ではアイリ隊員、この場は任せた♡」
ぺちっ、と敬礼してくれるアイリちゃん。
ノリも良いし可愛いし、絶対密かに恋心寄せてる子居るよね。
先生が学生だったら一番の強敵になってたのはアイリちゃんだったかもしれない。
そんな事を話すとナツちゃんは納得したように腕を組んでうむうむ頷いていた。
やっぱ可愛いよねぇ。
「何を隠そううちのカズサもアイリにはメロメロでね。そのくせ素直になれない子猫ちゃんだから、端から見てると親戚のお姉さんに好意を抱いた幼児みたいで」
「あらー♡ カズサちゃん可愛らしい♡」
「そ、そんな事ないよぉ?」
「と、アイリちゃんは申してますが♡」
「目がバタフライで世界記録目指せそうだよ」
「泳ぎ過ぎて視点合ってなさそう♡ それはそうとアイリちゃんASMR聴いてた?」
「うん、早速聴いてたよ♪ 先生演技も上手いんだね」
「お気に入りのやつはどれかなー♡」
「んぅー、年上お兄さんのやつかな? ちょっとえっちな先生って感じでキュンキュンしちゃう♪」
「なるへそ♡ 今の所先生と普通にお話するのが好きな子が年上お兄さん相棒を支持してるのかなー♡」
「となるとツンデレや被虐癖を持ってる子は幼馴染相棒の音声にドハマリする傾向が……?」
「ショタ先生好きは母性本能をくすぐられた子やお姉ちゃん願望のある子に刺さってるかな♡」
「わぁ、緻密な分析だ……! フミちゃんもナツちゃんもカッコいいかも♪」
「にしし♡」
「にひ♪」
「照れ方も似てて二人とも仲良しさん♪」
「さて、身軽になったしどこへ行こうか?」
「まずは正義実現委員会に顔通ししておこう♡ シャーレ所属とは言え他校の生徒がうりうり練り歩く訳だし、生贄がてら一人くらい連れて行こう♡」
「ふむ、つまりフミのラヴァーズが増えるのか」
「いやん♡ 正解♡」
「にひ♪ だんだんフミが分かってきたよ」
「きゃー♡ ナツちゃんに隅々まで知られちゃう♡」
「それじゃ駄菓子の死守を頼んだよアイリ。帰りはフミのプリンをもらってくるから」
「えへへ、楽しみ♪ 二人とも行ってらっしゃーい♪」
アイリちゃんに見送られ、道中収録の際に先生がやったNGや台本作成の裏話なんかを話しながら正義実現委員会の本部へ。
大きな扉をノックしてもしもーし♡
押し開けると受付にはピンクの髪の毛を揺らす小柄な子が……居なかった。
残念、コハルちゃんは別の所みたい。
と言うか受付には誰も居ない。
休憩かな?
キョロキョロ見渡していると、頭上の方から声が届く。
「あっ、フミちゃんだ!」
「ハッ、この声はっ♡」
見上げればチハヤちゃんが二階の柵から顔を覗かせて手を振っていた。
ほほう、藍色の縞々ですか。
キャーとスカートを抑えてみせるチハヤちゃん、なんてあざとい!
可愛いからヨシ!
てってこ廊下を回って階段を降りてきたチハヤちゃんを受け止めてむぎゅむぎゅ。
久し振りのチハヤちゃん分を補給だ!
「おひさしー♡」
「おひたしー♪」
「オカズにされちゃう♡」
「おかわり出来ちゃうね♪」
イェーイ、とハイタッチを決める。
仲良い子は多くてもここまで以心伝心ノリビッタなお相手はチハヤちゃんとヒフミンくらいだ。
「と言う訳で正義実現委員会のチハヤちゃん、エデン条約関連でシャーレとして動いてた時にお世話になった子で私の愛人です♡」
「掛藤チハヤでーす♪ ぶぃぶぃ♪」
「放課後スイーツ部の柚鳥ナツだよ。よろしくね」
「よろしくね〜♪ フミちゃんとプリンに魅了された仲間として仲良くしよっ♪」
「おお、話が早い」
二人とも固い握手を交わして上下にぶんぶこ。
無事仲良くなれそうで嬉しいです!
左手でナツちゃん、右手でチハヤちゃんと手を繋いで三人でぐるぐる。
しあわせサークル!
そのまま二人まとめてむぎゅむぎゅ抱き締めてほっぺたすりすり。
やわっこいカーニバルです!
「うひゃーもちもち♡」
「フミのハーレムが拡充していく……存在感を増さねば」
「濃いメンバーが多いからねー♪ 私も埋もれ気味!」
「なら今のうちに二人は私のだって、いっぱいマーキングしておこっと♡ むぎゅむぎゅすりすりー♡」
「ぬわー、フミの匂いでふわふわしちゃう」
「寝る前に匂いでムラムラしちゃうー♪」
「さながら私たちはフミという極上のエサを前に鎖で繋がれた犬という事だね」
「待てが出来ずによだれ垂れちゃうよー♪」
「今日はそこにプリンを追加します♡」
「なんですとー!? おうおう詳しく聞こうじゃないか」
「ヒフミン経由で調理室の使用許可もらったからいっぱいプリン作るよー♡ で、校内を他校の生徒が歩く訳だから余計なトラブルを避ける為にチハヤちゃんを捕まえに来たの♡」
「なるへそー、生贄枠だった!」
「にひ♪ 安心して良い。フミは代わりに出来たてプリンをあーんで食べさせてくれるはずさ」
「いやん♡ ナツちゃん交渉上手♡」
「わーいフミちゃんのプリン♪」
チハヤちゃんが仲間になった!
私を真ん中に三人手を繋いで移動開始だ。
「そう言えば本部空けてきて良いの?」
「ハスミ先輩にモモトーク送ったから大丈夫♪ 代わりにフミちゃんのプリンをねだられたけど」
「バケツプリン作るかぁ♡」
「ウワサには聞くけど、やはりスイーツに関しては健啖なんだね。フミと同じくらい食べるのかな?」
「んー、どうだろ♡ ハスミさんのが食べてるかもしれない」
「ダウトォ!」
「いやぁん♡」
手を離したチハヤちゃんが、場のカードを集めて私に押し付けるジェスチャーをする。
見破られてしまった。
バレないと思ったんだけどナー♡
「ハスミ先輩のはスイーツの一食分だけど、フミちゃんは食べようと思えば三食全部同じだけ食べられるじゃん」
「オゥ、バレテーラ♡」
「待って」
「あっ♡ ナツちゃんに待ってされてしまった♡」
「……本当に?」
「ホントホント、チハヤちゃんウソつかない♪」
「このボディに?」
「魅惑の肢体でーす♡ ぶぃぶぃ♡」
ナツちゃんの背後に宇宙の景色が浮かんできそう。
宇宙ってロマンだよね。
私のお腹に手を当てて何回かぽふぽふと感触を確認したナツちゃんはそのまま手を上にずらした。
あん、そこは優しく♡
やんっ、ふにふに揉まないでぇ♡
「消費量が見合っていない……差分の質量はどこへ?」
「フミちゃん七不思議の一つなんだよねぇ」
「初耳の七不思議出てきた♡」
「羨ましい代謝をしているね、フミ」
「あぁんっ♡ 絞ってもみるく出ないよぉ♡」
「出るようになったらぜひ教えてくれたまえ。飲みに行くから」
「あ、私も飲みたーい♪」
「やぁん♡ 二人に吸われて幸せになっちゃうよぉ♡」
「……いけない、ムラムラしてきた。フミはやはり魔性の女の子だね」
「これはじっくり取り調べる必要があるかも!」
「きゃー♡ 襲われちゃう♡」
揉みつ揉まれつ時々ちゅーを挟んで三人でわちゃわちゃしながら歩いていくと、どこからかホイッスルが響く。
なんだなんだと辺りを見回しているとこちらに向かってずんずん歩いてくるコハルちゃんの姿が見えた。
おっ♡
やべっ♡
「こらー! 道のど真ん中でわいせつ行為禁止よ!」
「コハル裁判長だ!」
「きゃーサイバンチョ見逃してー♡」
「しまった現行犯だ」
「フミにチハヤに……あら、知らない子。正義実現委員会の下江コハルよ。あなたは?」
「放課後スイーツ部の柚鳥ナツだよ。フミのお嫁さん候補だね」
「なるほど、それでか……。ともかく、ある程度なら見逃すけど過激なイチャイチャは取り締まり対象よ! 本部に連行しちゃうんだから!」
「ひぇー、お許しをー」
私の背中に隠れるようにして顔だけ出すチハヤちゃん。
ははぁん、さては普段からコハルちゃんにぺちぺちされてるな?
「補習授業部で一皮剥けたのかバリバリ働けるようになって頼もしいんだけど、その分現場を押さえられる事も多くなっちゃって」
「自業自得よ」
「正論で言い返せないやつ♡」
「正義実現委員会所属なのに、チハヤは結構ロックな生き方をしてるんだね……」
「火力こそ我が青春! だからね♪」
「で? なんで往来でフミと乳繰り合ってたのよ」
「こないだ発売したASMRの評判を聴いて回るついでに調理室でプリン作ろうと思って移動中♡」
「あら、フミのプリン良いわね! 用事も終わったし着いて行くわ♪」
「おっ、それならさっきのは不問に」
「チハヤは帰ったら始末書ね」
「そんなー」
すっかり力関係が出来てしまったご様子。
コハルちゃんの進化が止まらないね!
よっ、流石は未来の正義実現委員会を背負うエリート♡
「フミの影響力は正義実現委員会の中でも大きいのよ。伊達にプリンの人って呼ばれてないわ。それこそ私がクッキーやらカップケーキやらもらって帰ったら争奪戦が始まるもの」
「毎回結構な量渡してなかったっけ♡」
「一人一つは行き渡るわ。問題はおかわり分よ」
「そっちだったか♡ ちなみにどんな方法で決着を?」
「そこは素直にじゃんけんね。……何故か毎回ハスミ先輩が気合で勝ち抜けるけど」
「熱量が違う♡」
「確かに、フミのお菓子ともなれば我先にと殺到するのも頷けるね。市販の品とはまた違った美味しさと中毒性があるから。……入ってる愛情の差かな?」
「愛情は毎回致死量入れてる♡」
「ホント? 補習授業部で食べてたけどまだまだ足りないわね?」
「コハルちゃんコハルちゃん、それもう立派にやられちゃってるやつだよ」
「あら、それなら安心してフミを終身刑に出来るわね♪ アンタの牢屋は私の布団よ♪」
「きゃー♡ コハルちゃんに捕まっちゃう♡」
「横暴だぞー! 罷免投票しなきゃ」
「反逆罪で島流しにするわよ?」
「私は今、権力が腐敗した瞬間を見てしまったのかもしれない」
わーわーきゃーきゃー、と先程よりも賑やかに移動する。
全員一年生なのもあって話題も共通しやすく、話も盛り上がって楽しいひととき。
広場を通って(自警団のパトロールを終えたレイサちゃんが仲間になった)噴水を越えて(スク水のファッション痴女が仲間になった)校舎に入り(普通を自称する覆面テロリストとその右腕が仲間になった)いざ調理室へ。
「いや多い♡」
「どんどん増えていくね。これもフミの振り撒く色香の結果だろうか」
「少なくともレイサちゃんは健全なお友達だから♡」
「パトロール中によくクッキーをいただいてます!」
「うちのカズサもお世話になっているからね。放課後スイーツ部幻の五人目、いわゆる名誉部員のようなものさ」
「えっ、あ、しょっちゅうお邪魔してしまいまして……い、良いんですか……?」
「もちろんだとも。カズサともども、これからもよろしくね」
「はいっ! よろしくお願いしますっ! ……えへへ♪」
「うんうん♡ 仲良き事は美しきかな♡ せっかくだし今日はレイサちゃんお友達記念日として特製プリンも作っちゃおう♡」
「特製プリン! フミ、詳細を聞こう」
「きりきり吐きなさい! 内容によっては接収するわ!」
「うふふ♡ コハルちゃんもアズサちゃんも目の色が変わりましたね♡」
「あはは……フミちゃんのプリンには魔法がかかってますから」
「ふふー、楽しみ♪ レイサちゃん、プリン仲間としてもよろしくね♪」
「はい! よろしくお願いします、チハヤさん!」
「おっし、それじゃ作っていくか♡ まずは卵を割るところからだね、みんなにも手伝ってもらおうかな?」
「よしきた!」
「全力を尽くそう」
「まかされよー♪」
「がんばります!!」
「うむうむ♡ ヒフミンとハナコちゃんはサポートとしてボウル交換や殻のゴミ捨てをお願い出来る?」
「了解ですっ♪」
「お任せください♡」
「それじゃ、れっつクッキングぅ♡」
大鍋で沸騰させないように弱火で牛乳を温めていく。
使うお砂糖もトリニティで流通している品質の高いものを用意してもらった。
他にも色々買ったけど、総計はこないだ先生が天井叩いたピックアップ三種分とどっこいどっこいである。
すり抜けで前回ピックアップの子二回も引いてて草♡
上手いこと慰めの勢いでえっち出来ないか画策中。
おっぱいは揉ませる事に成功した。
すごく良かったです♡
「邪な事を考えてそうですけど、フミちゃん手元の制御は完璧なんですよね」
「グラム単位で誤差が無いのはすごいですね……♡」
「おっと♡ せんせーとのめくるめく触れ合いイベントを思い返してた♡」
「えっち警報出す?」
「反応が早い♡ そう言えば補習授業部のみんなはせんせーのASMR買ったの?」
「ハナコが毎日聴いてるわね」
「コハルちゃんっ!?」
「あはは……程度の差はあっても全員買ってますね」
「お気に入りとかある?」
「私は年上の相棒先生が気に入ってる。普段の先生みたいで安心するんだけど、ドキドキもするんだ」
「そうですね……私も年上お兄さんな先生が好みです♡ あんな風に時々で良いのでアプローチしてくれても良いんですが……♡」
「積極的過ぎるとハナコは腰が引けるものね」
「うっ……。こ、コハルちゃんはどの先生が?」
「私はそうね……幼馴染相棒の先生かしら。やっぱりちょっと強引に迫られると『あ、今私の事求めてくれてるんだ』って身体が反応しちゃうのよね」
「分かります」
「過去一深くヒフミンが頷いてる♡ まぁヒフミンはドMだしな♡」
「もちろん」
「そこは形だけでも否定して♡ チハヤちゃんは?」
「もちろん幼馴染相棒先生♪ 手首抑え付けられて組み伏せられるのすごく良い♪」
「ううんチハヤちゃんも被虐趣味だった♡ いや購入履歴とプレイ履歴見たら納得か♡」
「意識飛んでもとぷとぷされたい♪」
「とてもわかる♡」
「分かります」
「はわぁ……みなさん大人です……!」
「レイサちゃんはまだ買ってない?」
「そうですね、元々何かを聴くって習慣が無くて……あ、スズミさんは買ってました! ショタ先生? ってのが凄まじいって言ってました!」
「ふむふむ♡ やはり一定の需要はある♡」
三人寄れば姦しい、と言われるのに女子高生がお菓子作りしながらちょっぴりの猥談も交えたら、そりゃもう賑やか華やかお祭り騒ぎ。
通りかかったマリーちゃんも捕まえて一緒にわちゃわちゃお楽しみだ。
「ちなみにマリーちゃんはASMR聴いた?」
「ええと、はい……楽しませていただいてます」
「どれが良かった♡」
「その……幼馴染の先生に、無理矢理押し倒されるのが……」
「良いですよね」
「ヒフミンの首が取れそう♡」
「シスターフッドでも結構聴いてる人多そう?」
「上級生の方はそうでもないですけど、私と同学年で先生とお話した事のある方はほとんど買ってますね」
「んー、やはりせんせーとの接点があると購買に繋がるのかな♡」
「むしろ先生目当てで買ってるんじゃない? 少なくとも私たちはそうだし」
「逆に言えば購入層は先生ハーレムかその予備群か♡」
そんな事を話して三時間ほどでプリンも完成。
一般的なぷるぷるプリン、濃厚カスタードプリン、そして濃厚チョコプリンの三つだ。
それぞれ40kgずつ作ったけど、多分全部あっという間に捌けるんだよね。
「ともあれ手伝ってくれたみんなには一足お先に振る舞っちゃいまーす♡ 皆のもの、スプーンを持てぃ♡」
「「おおーっ♪」」
右手にスプーンを持ってバンザイするコハルちゃんとアズサちゃん。
もう本当に可愛くて持って帰りたい♡
という事でみんなに三種類のプリンを振る舞い、ついでにカフェオレも淹れていく。
カフェオレには砂糖を入れてないので大人な味わいを楽しんでもらおう。
「それじゃあ一口目は、はい♡ あーん♡」
「おお、これがフミのプリン……!」
「舌の上でとろけるぅー♪」
「これは……すごく美味しいですっ♪」
「こんなに美味しいプリン、初めてですっ!」
ナツちゃんチハヤちゃんマリーちゃんレイサちゃんは目をキラキラさせて一口ごとに幸せそうなオーラを放っている。
ここまで喜ばれたら作り手冥利に尽きるね。
補習授業部のみんなは久し振りのお手製プリンに舌鼓を打ちながら思い出話に花を咲かせている。
あの時は毎日ごはんとお菓子を作ってたもんねぇ。
「もっかい食べたいごはんとかお菓子ってある?」
「やっぱフミスペシャルかしらね。私の中ではあれを超えるごはんが出て来ないわ」
「私はオペラケーキが♡ あれほどの完成度のものはお店でもなかなか食べられませんし♡」
「私は冷しゃぶが良いな。あのタレが絡んだお肉でまたごはんを食べたい」
「なるへそ♡ ヒフミンは?」
「二回目の試験前に出してくれたカツ丼ですかね♪ フミちゃんの想いと愛情がたっぷり詰まってて美味しかったです♪」
「そっか♡ ……にしし♡」
「照れてるフミちゃんも可愛いですー♪」
「ええい♡ つつくでない♡」
「ほっぺたぷにぷにー♪」
「にゅわー♡」
ヒフミンにつつかれていると、何故かみんなが納得したように頷いていた。
「なるほど熟年夫婦の貫禄があるわね」
「想いを汲み取っての選出……お二人の心の結び付きが分かりますね♡」
「最近覚えた。二人のような関係性をてぇてぇと言うんだな」
「あわわ、なんだか照れちゃいますっ」
「にしし♡」
二人で笑い合って誤魔化す。
私もヒフミンも、なんだかんだでお互いが居ないとダメになっちゃうくらいには魂が絡み合ってるからね。
和やかにプリンを食べたら、今度はこれを配らないといけない。
正義実現委員会に10kg、シスターフッドに5kg、救護騎士団に5kg、自警団に5kg、アリウスの子たちに5kg。
これでプリン一種類につき30kgだ。
残りは1kgずつみんなの知り合いに配る用に取り分けておこう。
「と言う訳でチハヤちゃんとコハルちゃんは正義実現委員会へ、マリーちゃんはシスターフッド、ハナコちゃんは救護騎士団、レイサちゃんは自警団に持って行ってね♡ 台車とクーラーボックスはあるから慌てずゆっくり♡ アリウスにはアズサちゃんとヒフミンお願い♡ ナツちゃんは一足先にスイーツ部へ♡ 私は古書館でウイさんに配ってくる♡」
「おっけー♪」
「改めて見るとすごい量ね……」
「みなさん喜んでくれると思います♪」
「うふふ♡ そうですね♡」
「渡す時が楽しみです!」
「みんな、喜んでくれると良いな」
「アズサちゃん、きっと大丈夫ですっ♪」
「それじゃ早速向かおうか」
「では出発♡」
がらがらと台車を押して四方八方に分かれていく。
古書館にお邪魔するのも久し振りだ。
ノックしてもしもーし♡
扉を開けると独特の香りが出迎えてくれる。
長机の上に色んな道具を置いてルーペ片手に書物を覗き込んでいたウイさんが顔を上げ、私を見ると微笑んで迎え入れてくれた。
「おや、フミさん。珍しいですね」
「こんにちは♡ 今日はウイさんにフミちゃん特製プリンの差し入れでーす♡」
「プリンですか!」
「あ、シミコちゃん♡ 反応が早い♡」
本の整理をしていたらしいシミコちゃんが本棚の陰からひょっこり顔を覗かせる。
二人とも日頃から頭脳労働に勤しんでいるので糖分への渇望が激しい。
手元を片付けてすすすっと寄ってくるくらいだ。
動きが可愛い♡
「スタンダード、濃厚カスタード、濃厚チョコの三種類です♡ クーラーボックスに入れてあるのでしばらくは大丈夫ですけど早めに召し上がってくださいね♡」
「ありがとうございます、フミ」
「ありがとうございますっ♪ わー、美味しそう♡」
「早速いただきますね。フミさんも一緒にお茶にしますか?」
「お誘いは嬉しいですけど先約があるので♡ またシャーレに来た時に色々お話しましょー♡」
「おや、それは残念。ではまた、次の当番で」
「楽しみに待ってますね♡」
二人に手を振って古書館を後にし、台車を戻して放課後スイーツ部へ。
一足先に戻っていたナツちゃんが駄菓子のドーナツを咥えたまま出迎えてくれた。
これは食べて良いというサインですな♡
「ほはえりー、ふひ」
「ただいまー♡ ぱくっ♡」
「ふぅ!?」
ちっちゃなお口からはみ出たドーナツを咥えてもぐもぐ。
そのままやわっこい唇にちぅちぅ♡
軽く触れるキスをして離れると、ナツちゃんの顔が真っ赤になっていた。
初々しくて可愛いですにゃー♡
口の中に広がるドーナツの甘味にナツちゃんの香りが混じってなんだか癖になりそうな味わい。
ぺろり、と唇を舐めて見せるとナツちゃんの身体がぴくっと跳ねた。
イタズラに微笑んで囁く。
「ごちそうさま♡」
「〜〜〜〜!!」
色々と限界を迎えたらしいナツちゃんは真っ赤になった顔を伏せて私にぺちぺち抗議を始めた。
あひんあひん♡
そんなナツちゃんを見てヨシミちゃんは目を丸くし、アイリちゃんは口角が天井に刺さるんじゃないかってくらいご満悦、カズサちゃんは私の行動に驚きつつそれ以上にアイリちゃんの様子にビビっていた。
「はぁ〜……ナツが何も言えなくなるの初めてみたわ。激レアね」
「うふふ♪ ナツちゃん可愛い♪ もっとイチャイチャしても良いんだよ?」
「いや、フミも過激だけど……アイリ? なんでそんなご機嫌なの??」
「仲良しさんな所を見てたらこっちまで温かい気分になってこない?」
「……まぁ、微笑ましくはあるかな?」
その後ナツちゃんが再起動するまでぺちぺちされた。
反応が可愛くて弄りたくなっちゃうにゃー♡
次の当番の時にいっぱいちゅーしちゃお♡