もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら   作:一ノ瀬 崇

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ASMR現状報告ミレニアム編

「と言う訳で色々回ってまして♡ 今日はミレニアムで聞き込みです♡」

「そう」

「リオさんはASMR聴きました?」

「ええ、一通り。……でも、よく分からなかったわ」

「そっかー♡ それもまた貴重なご意見♡」

 

 

 某所の隠れ家でリオさんのごはんを作りつつ雑談を楽しむ。

 最初はゴミ捨てと掃除と洗濯から始まったので、早朝にお邪魔したのにそろそろ朝八時だ。

 私生活はダメダメなのギャップ萌えだね♡

 

 

「はーい♡ リオさんリクエストの唐揚げタルタルソースとマッシュポテトサラダでーす♡ 控えい控えい♡」

「ええと……頭が高い、だったかしら」

「ノッてくれるリオさん好き♡ デザートはチョコプリンですよー♡」

「プリン……!」

 

 

 目をキラキラさせてスタンバイしてるリオさん可愛い♡

 普段はキリッとしててカッコいい大人な女性、って感じなのにふとした瞬間にアリスちゃんみたいになるのはもう反則じゃないかと思う。

 トキちゃんもこれを楽しんでいたのかもしれない。

 蕾が開くように小さく浮かんだ笑みが、唐揚げを口にした途端満開の笑顔に変わる。

 所作は丁寧で上品だけど箸は止まらない。

 あっという間に無くなったお椀におかわりを盛って、大根のお味噌汁も追加。

 わんぱく食べ盛りなのにこのスタイルはズルい♡

 夢中で食べ進めてチョコプリンもご機嫌で食べ終え、満足そうに一息。

 

 

「ごちそうさま」

「お粗末様でした♡」

「すごく美味しかったわ。ありがとう」

「にしし♡ 喜んでもらえて何より♡」

 

 

 食器を片付けて食洗機へ。

 ミレニアム最新式のやつだからお手軽で高性能だ。

 ぽちっとスイッチを押して、リオさんの隣に腰掛ける。

 身体を寄せてすりすりー♡

 

 

「フミ、その……近いわ」

「にしし♡ くっついてるんです♡」

「どうしてかしら」

「私の好意の表現方法の一つです♡」

「……そう」

「なのでリオさんにくっつきます♡ すりすりー♡ おててもにぎにぎ♡」

 

 

 指を絡めてふにふに堪能する。

 長くて綺麗な指だ。

 爪もしゅっとしててカッコいい。

 リオさんはと言うと所在なさげに視線を逸らしている。

 まだまだ人と触れ合う事に慣れていない様子だ。

 ゆくゆくは自分からハグに行けるくらいにはスキンシップを取れるようになってほしい所さん。

 

 

「そうそう、もらったキーホルダーせっかくなのでコートに着けてみました♡」

 

 

 コートを捲ると左胸内側で揺れるアバンギャルドくんが。

 本来はボールペンを挟む所にチェーンを巻いて取り付けてみた。

 これでお出かけの時はいつでも一緒だ。

 

 

「そうね、身に着けてくれると嬉しいわ」

「リオさんとの友情の証ですから♡」

「……そこまで言われると、少し恥ずかしいわ」

「照れてるリオさん可愛い♡」

「可愛くなんてないわ。私よりもフミの方がとても可愛らしいもの」

「にしし♡ ありがとごじゃまー♡」

 

 

 ころん、とリオさんの膝に寝転ぶ。

 見上げれば照れたリオさんの顔が……見えない!

 おっぱいがいっぱい!!

 視界いっぱいに広がってるの全部おっぱいとかボーナスステージか?

 

 

「これが格差か……♡」

 

 

 打ちひしがれていると、頭に柔らかな感触が。

 なんとリオさんが頭を撫でてくれている。

 やーん、ぽわぽわしちゃう♡

 

 

「にしし、リオさーん♡」

「なにかしら」

「好き♡ 好き♡ 大好き♡」

「……そう」

「リオさんは?」

「そうね……恐らく、好ましい存在だと思っているわ」

「じゃあ断言出来るようになるまで、もっともっと仲良くなりましょー♡」

「……物好きね、フミは」

「好きなものは好きだからしょーがないんです♡ リオさん好き好きー♡」

 

 

 顔をお腹側に向けて両手を伸ばして抱き着き……ほっそ!

 ウエストほっそ!!

 逆に心配になっちゃうよ。

 あ、でもなんか良い匂いする♡

 

 

「んっ……くすぐったいわ、フミ」

「くんかくんか♡」

「吸わないでちょうだい」

「ふぅーっ♡」

「ひゃっ……!? 息を吹き込むのもダメよ」

「そんなー♡ じゃあ服を捲ってお腹ちゅー♡」

「ちょっ、んっ、もっとダメよ」

 

 

 あれもこれもと色々試して、最終的には普通に隣に座る体勢に戻った。

 いっぱいちゅー出来たからヨシ!

 リオさんはほんのり上気した様子で照れている。

 やだもうすっごく可愛い♡

 

 

「にしし♡ リオさんにいっぱいちゅーしちゃいました♡ 私の好き、伝わってると良いですにゃー♡」

「……そうね、存分に伝わったわ」

「でもまだ足りないので今後もちゅーしていきます♡」

「その……お手柔らかにね」

「はぁーい♡」

 

 

 リオさんと心ゆくまでちゅっちゅ出来たので早速ミレニアム校内へ行く事に。

 お土産のクッキーも渡しつつしっかり釘刺し。

 

 

「一度に食べて晩ごはんの代わりにしたらダメですからね♡」

「……善処するわ」

「何故か視線が合わないゾー♡ うりうり♡」

「気のせいよ」

 

 

 もう、可愛いんだから♡

 

 

 

 

 

 

 隠れ家を後にして舗装された道をてくてく歩く。

 大通りを進んでミレニアム校舎へ。

 まずはどこからお邪魔しようかなー、と考えながらふらふら歩いていると脇の下に手を入れられ、突然身体が浮き上がった。

 

 

「おお?」

「フミちゃん捕まえた〜♪」

 

 

 そのまま背中に覆い被さるように抱き締められ、顔の両側がおっぱいで埋まる。

 この乳圧は!?

 

 

「アスナさん?」

「正解! おはよ〜フミちゃんっ♪」

「おはようございます♡」

「アスナ先輩、急に走り出さないでくれ……ん、誰か抱えてるのか?」

「カリンさんたちけてー♡」

「その声はフミ?」

 

 

 前に回ったカリンさんがおっぱいに埋もれる私を見て目を丸くする。

 左右からおちちで圧されて面白い顔になっちゃうよ!

 先生は喜びそうだけど♡

 下から支えるタイプのブラだから谷間にしっかり埋もれちゃう。

 顔を挟まれてるだけで気持ちよくて興奮しちゃうんだから、ここに先生の副担任を挟んだらもう即ぴゅっぴゅしちゃうね。

 流石はC&C、火力が違う。

 と、私を抱えたままアスナさんが歩き出す。

 何処へ行こうと言うのかね!

 

 

「おろちてー♡ ちたぱた♡」

「あははっ、くすぐったーい♪」

「いや、フミを抱えてどこに行くんだ?」

「ん〜? この時間なら空いてるだろうし食堂でお茶でもしよっか!」

「異議なーし♡」

「良いのか……」

 

 

 不思議そうな顔をするカリンさん。

 アスナさんが楽しそうならそれでヨシ!

 気分は宇宙人に拐われる現地人だ。

 おっぱいに埋もれながら運ばれていく私を見て通りかかった子たちが何とも言えない表情で見送ってくれる。

 その視線に私やアスナさんよりも、カリンさんの方が恥ずかしそうにしていた。

 

 

「そう言えば今日はお二人とも学生服なんですね? 前にも見たけどやっぱり新鮮でステキ♡」

「ありがとー♪ 今日はメイド部お休みだからね!」

「任務が無いから勉強会をしようという事になって……」

「なるへそ♡ お二人の学力はどんな感じです?」

「私は上位の方かな♪ ちゃんと予習復習もしてるよ!」

「きゃー♡ 流石アスナさん♡」

「私は、その……弾道計算なら得意なんだが」

「カリンさん頑張って♡ 他の三人はどうです?」

「リーダーは私が勉強見てあげるの! 出席日数もそうだけど、勉強する時間がなかなか取れないからちょっと苦戦してるよー♪ トキちゃんは会長のお付きをしてて全然勉強してなかったみたいだからほぼ新入生だね! アカネは成績良いからカリンとトキちゃんの勉強を見てもらうんだ!」

「なるへそー♡ 任務でいつも忙しそうですもんね♡ お疲れ様ですー♡」

「ありがとー♪」

「所で私を連れて食堂に行くって言ってましたけど勉強会は良いんですか?」

「んー? あ、そっか。カリン、みんなに連絡して食堂に集まるように言っておいて♡」

「また唐突な……」

 

 

 と言う訳で食堂まで連れて行かれた。

 降ろしてもらって食券機をぽちぽち、朝から色んなメニューが食べられるの良いよねー。

 出て来た食券の枚数にカリンさんがギョッとした視線を向けてくる。

 全部食べるんすよ。(どやぁ)

 と、謎に胸を張ってみたり。

 なお胸の戦力差は我が軍が圧倒的に不利であります!

 乳もケツも太もももデケぇなぁ!!

 実に良いと思います♡

 

 

「……何やら不穏な気配を感じるんだが」

「気のせい気のせい♡」

「じゃあ先に行って席取っておくねー♪」

「はいなー♡」

 

 

 トレーを持ってスタッフさんからチーズ照り焼きチキンマヨ丼とカツカレーを受け取ってアスナさんとカリンさんが確保してくれた席へ。

 窓際の大きなテーブル席で、ノートや参考書を広げて勉強も出来る十分な広さがある。

 後でみんな来た時に邪魔にならないようにアスナさんから一つ離れた席にトレーを置いていざ二周目。

 今度は生姜焼き定食と豚汁とサラダボウル特盛をトレーに乗せて戻る。

 次々と並べられていく料理にアスナさんは面白そうに笑い、カリンさんは目を丸くして固まっている。

 ちなみに二人はメロンソーダフロートとフライドポテトを頼んでいたみたいだ。

 ちゃんとお絞りも用意してあって準備万端だね。

 そして三周目、昔風醤油ラーメンと山菜そばと海老天うどんを持って帰ってくる。

 

 

「麺三種類……」

「あははっ、すごいビジュアル! 写真撮っても良い?」

「良いですけど、まだ増えますよ♡」

「まだ増えるのか!?」

 

 

 四周目、あんかけ焼きそばとフライドポテト特盛とチーズナゲット20pと天津飯でフィニッシュ。

 テーブルの半分以上を埋め尽くしてようやくメニューが揃った。

 この量を前に早くもカリンさんがグロッキーになってる。

 アスナさんは笑いながらパシャパシャ撮ってた。

 私も写ってダブルピース♡

 

 

「それじゃいただきまーす♡」

「召し上がれー♪」

「本当に食べるのか……」

 

 

 めっちゃ困惑しておられる。

 本当に全部食べちゃうんですよ。

 早速昔風醤油ラーメンからいただく。

 鶏ガラの澄んだスープと胡椒の香り、シンプルながら癖になる味わいだね。

 具材もほうれん草、チャーシュー、玉子、ネギ、お麩、メンマ、ナルトと品目は多いけど派手さは無い安定した面々。

 中細ストレート麺で軽い口当たりでついついもう一口と箸が伸びていく。

 ちゅるりと食べ尽くして次は山菜そば。

 コゴミやタケノコの食感が楽しく、濃い目のつゆと強い蕎麦の香りがとても美味しい。

 飲み込んだ後の吐く息すら美味しい。

 これは堪りませんな!

 ずずっとやっつけて、次は海老天うどん。

 出汁の利いたつゆを吸ってへにょへにょになった海老天に齧り付けば、海老の旨味とつゆの美味しさが口いっぱいに広がっていく。

 コシのあるうどんをつゆと共に飲み下せば心地よい喉越しが次の一口を催促してくる。

 

 

「ウマー♡」

「ふふっ、幸せそうに食べるね♪」

「最初は圧倒されたけど、フミが食べる所を見ているとちょっとお腹が空いてくるな……」

「……なんだこりゃ?」

「あらあら、すごい量ですね」

「勉強会ではなく宴会でしたか」

 

 

 うどんを攻略してあんかけ焼きそばに挑もうという所でネルさん、アカネさん、トキちゃんがやってきた。

 制服姿の三人を見るのは初めてだけど、それぞれ違った魅力があって実に良いです。

 個人的にはネルさんがなんかえっち♡

 そんな私の驚きとは別に、三人ともこの料理の量に驚いてる。

 既に器三つ空なんですよ♡

 

 

「あ、私は食べてるだけなのでお構いなく♡」

「いや構うわ。気が散るどころの騒ぎじゃねぇだろ」

「見た目もそうですが匂いが……私たちも軽く摘みましょうか」

「フミ、フライドポテトいただいても?」

「いいよー♡ なんなら追加で注文しちゃう?」

「やめろ! まずは食い切ってからにしろ! テーブルが埋まってるんだよ!」

「ではしばしお待ちをー♡ ウマー♡」

 

 

 と言う訳で五人に見守られながら食べ進めていく。

 一皿空く度にカリンさんがびっくりしてるのがなんだか面白かった。

 これだけリアクションが良いんだもん、先生も嬉々として弄りに行くよねぇ。

 おまけに褐色肌で美脚だし♡

 カリンさんの太ももにとろーりチーズを掛けて先生に出したら大喜びでむしゃぶり付きそう。

 

 

「また悪寒が……」

「良い感覚してる♡」

 

 

 ぶるりと身を震わせるカリンさんを眺めつつカツカレーを飲み干してメイン終了。

 後は歓談しながらフライドポテトとナゲットをもぐもぐするだけだ。

 食べ終わった皿を片付けようとしたら、いつの間にかアカネさんが下げてくれていた。

 これがメイドちから……!

 

 

「アカネさんありがとー♡」

「いえいえ、これもメイドの務めですから♪」

「新入りのメイドさんは気にせずポテト貪ってますけど♡」

「もぐもぐ。どうぞお構いなく」

「いやん♡ それ私のセリフ♡」

 

 

 テーブルも広くなったので改めて勉強会が始まった。

 私が居る理由は特に無いんだけど、C&Cのみなさんと一緒ってのもなんだかレアな感じがするし、何よりトキちゃんの様子も見られるからね。

 当初はリオさんに置いていかれてしょんぼりしてたけど、ネルさんを中心にみんなでわちゃわちゃ構ってあげたら元気になった。

 今ではすっかりマイペース無表情系美少女として溶け込んでいる。

 けど、ペンよりもフライドポテトを持ってる時間の方が長いのはちょっとアレかなー?

 

 

「トキちゃん?」

「アッハイ」

「にしし♡ 流石♡」

 

 

 アカネさんの眼鏡がキラリと光る。

 流石は本格派のメイドさん、気の配り方が上手い。

 多少なら見逃しつつも集中が途切れたと見るや素早く釘を差して意識を戻す。

 これが出来るメイドさんかー。

 ほわほわしながら眺めていると、視線に気付いたアカネさんが小さく笑う。

 いやんステキ♡

 そんな風に勉強を進める姿を眺める事一時間。

 そろそろ食堂を利用する人も増え始めてきた頃合いで勉強も一区切り付いたようだ。

 ぐぐっと胸を反らせて欠伸をするネルさんを見ながら、本来の目的を思い出した私は口を開いた。

 

 

「みなさん、先日発売されたASMRって聴きました?」

「うん、面白かったよ♪」

「なかなかレビューが上がって来ないので直接評判を聴いて回ってまして♡ アスナさんはどれが良かったです?」

「先生が子どものやつ! なんか甘えさせてあげたくなっちゃった♪」

「私もそれですね。普段の先生とは違った声色だったのもそうですが、何よりあの甘えてくる感じが……♪」

「ふむふむ♡ アスナさんとアカネさんはショタせんせーがお好み♡ ネルさんはどうでした?」

「んー……アタシはやっぱ年上の相棒のやつだな。一番普段の先生に近いっつーか、違和感なく聴けた」

「私もですね。他の二つは少々先生のイメージには合わなかったと言いますか、上手く刺さりませんでした」

「ネルさんとトキちゃんは年上お兄さん相棒と♡ カリンさんは……幼馴染相棒?」

「……ああ、そうだな。奇行が目立つ先生だが、決して乱暴な事はしてこないから……いざ、そういう風に迫られたらと思うと……その、うん……」

「なるほどなるほど♡ 貴重なご意見ありがとうございます♡」

 

 

 お絞りで手を拭いてからスマホで入力ぽちぽち。

 知り合いのデータはだいたい揃ってきた感がある。

 次はどこにお邪魔しようかなー、なんて考えながら五人を眺めてふと思う。

 全員メイドさんとしてご奉仕してくれるの、もはやえっちゲームじゃない?

 先生は前世で宇宙でも創った?

 宇宙の始まりについて思いを馳せているとほっぺたをむにーっと押される。

 

 

「ぷみゅ?」

「またバカな事考えてるだろ」

「ネルさんの制服姿えっちだなーって♡」

「バカ言ってんじゃねぇ!」

「せんせー喜びそう♡」

「……!」

 

 

 ネルさんはちょっと頬を染めて固まった。

 こないだ先生の好みだと伝えてから反応が可愛いですにゃー♡

 ゆびぱくーっ♡

 ちゅっちゅっ♡

 ぺろぺろ♡

 

 

「って、指しゃぶんな!」

「にしし♡」

「ズルい! リーダーがフミちゃんとラブラブしてるー♪」

「してねぇ!!」

「実はネルさんとはくっついてイチャイチャする仲なのです♡ それとせんせーのハーレム仲間♡ ぶぃぶぃ♡」

「えー、リーダーズルいズルい! 私も先生のハーレム入る!」

「あらあら、でしたら私も先生のメイドとして参加しない訳にはいきませんね♪」

「先生の愛人枠のパーフェクトメイドトキちゃんです」

「は、ハーレム……いや、確かに先生を独占するには問題が大き過ぎるか……? ならハーレムに入って順番とは言え寵愛を受けた方が……?」

「じゃあC&Cみんな纏めてハーレム追加で♡」

「いや、それ先生は良いのかよ」

「事後報告でも大丈夫♡」

「良いのか……」

 

 

 咥えられた指をお絞りで拭うネルさん。

 正直先生のハーレム回りは突っ込んでも徒労に終わる方が多いと思うの♡

 代わりに突っ込まれたら気絶しても愛され続けちゃうから期待してて♡

 

 

 

 

 

 

 ネルさんたちに別れを告げて次なる場所へとお邪魔する。

 目的地はエンジニア部だ。

 こないだは一人でもバーカウンターでの出会いを演出出来る『あちらのお客様からですロボ』を開発してた。

 カウンターの上を滑らせて飲み物入りのグラスを届ける予定だったけど、威力の調整にミスって壁にグラスが叩き付けられる事故が勃発。

 その後なんやかんやあって野球部のピッチングマシンとして生まれ変わったらしい。

 ミレニアム野球部にはぜひとも頑張っていただきたい。

 

 

「お邪魔しまーす♡」

「おや、フミ。よく来てくれたね」

 

 

 扉をくぐるとちょうど休憩中のウタハさんが出迎えてくれた。

 汗で張り付いたシャツがせくちー♡

 スレンダーなイメージがあるけど、実は結構着痩せするタイプで美乳なのはフミちゃんセンサーでお見通しだ。

 

 

「今日は何作ってたんですか♡」

「先生からの依頼で服が透けて見えるレンズの作製をね」

「どういうことなの♡」

「色々調整した結果呑み込まずに撮影出来る胃カメラが出来上がってね。医療機関からの問い合わせがあったよ」

「謎のブレイクスルーしてる♡」

 

 

 さらっと言ってるけど実はとんでもない技術革新なのではなかろうか。

 しかも当初の開発目標からズレて出来上がってるのがなんともエンジニア部らしい。

 

 

「遠くのものも見られるようになったら事故現場とかで崩落した建物の中に救助者が残ってるか確認出来そう♡」

「……ふむ。やはりフミ、君は最高だな! 早速その方向でも活用出来ないか調整してみよう!」

「にしし♡ お役に立てて何より♡」

「フミの発想はいつも私たちに良い刺激をくれるね。どうかな、外部客員としてエンジニア部に、ゆくゆくは私の専属秘書になってくれると嬉しいのだけど」

「きゃー♡ 口説かれちゃってるぅ♡♡」

「またウタハ先輩がフミに粉かけてる」

 

 

 入り口付近できゃっきゃしていると呆れた様子でヒビキちゃんがやってきた。

 今日も網タイツで強調された太ももがせくちー♡

 てててっ、と駆け寄ってヒビキちゃんの後ろに隠れて腰に抱き着きながらウタハさんへぐいっと突き出す。

 

 

「ヒビキちゃんガード♡」

「え、なに?」

「おや、こんなところに可憐な花が一輪咲いていると思えば……ヒビキじゃないか。今日も綺麗だよ」

「えっ、なっ!?」

 

 

 突然の口説き文句に真っ赤になるヒビキちゃん。

 腰元から覗えばウタハさんはパチリとウインクをしてくれた。

 いやん、分かってるぅ♡

 即興のノリにも合わせてくれるとかウタハさんのステキさがどんどん溢れてくる。

 これはメロメロになっちゃいますにゃー♡

 

 

「きゃー♡ ウタハさんステキ♡ 将来シャーレに開発局を作って一緒に研究開発しましょー♡」

「それも悪くないね。私も三年生だし、進路を考えないといけないからね」

「シャーレなら好きな時にミレニアムに来れますし、せんせーも一緒ですよ♡」

「それはなんとも魅力的な誘い文句だ。もちろんフミも居てくれるかい?」

「にしし♡ お呼びとあらば即さんじょー♡」

「……って、二人とも? 私を挟んでイチャイチャしないで」

「怒られちゃった♡」

「怒られちゃったね」

 

 

 我に返ったヒビキちゃんにほっぺたをもちもちされた。

 何かを探るような手付きなのはいったい。

 

 

「新素材開発部と協力してフミのほっぺたを再現出来ないか試してみようかな」

「癖になる柔らかさだから人気はあるだろうね。でも何に使うんだい?」

「料理……は止めておいた方が良さそう」

「何人かは本物のフミのほっぺたにも噛みつくだろうね」

「なにそれこわい♡」

「ぬいぐるみとか人形とか、その辺りが無難かな?」

「もちもちドールか。抱き枕にも使えるかな?」

「よく眠れそう。データ収集の為に今度一緒に寝よっか」

「ここで頷いたら変なルート飛びそう♡」

 

 

 その後コトリちゃんもやって来て、仲良く休憩がてらASMRについて聴いてみる事に。

 持ってきたクッキーをさくさく食べ進めているヒビキちゃんは服飾で手伝ってもらったけど収録には来てなかったからね。

 

 

「私は幼馴染先生かな。普段は結構抑えてるけど視線はチラチラ向けられてるし、あんな風に襲ってくれたら最高なんだけど」

「ヒビキちゃんは強引なのが好み、と♡ やっぱ独占欲丸出しにして求めてくれるのって良いよねー♡」

「どれだけ愛されてるかを教え込んで欲しいよね。その過程でいっぱい躾けてもらえるとすごい良い」

「身も心もせんせーのものにされちゃう♡ コトリちゃんは?」

「私はやはりショタ先生ですね! 何も知らない先生に手取り足取り教えながら、私好みの男の子に育て上げちゃうってなんだかすごくえっちです!」

「分かるよ。私もショタ先生が理由も分からないまま腰を揺する姿を想像しただけで思わず達してしまいそうになったからね」

「お二人はショタせんせー、と♡ ここを擦られると弱いの、って教えたら夢中になって自分の事を気持ちよくしてくれようとするショタせんせーとか可愛いですよね♡」

「良いですよね!! 旅の途中で嫉妬を覚えて懸命に腰を振りながら『僕がお姉ちゃんを一番幸せにできるんだ!』なんて言われたらもう最高です!!」

「コトリ、気持ちは良く分かるが落ち着くんだ。よだれが垂れてるよ」

「おおっと」

「コトリちゃん大興奮♡ そのうちせんせーの肉体を若返らせる装置とか開発しそう♡」

「むむむ……流石に開発するにはデータも資金も足りません……」

「資金はまぁ、言ってくれたら幾らか融通出来るから♡」

「いつもすまないね。何かお返し出来ると良いんだけど」

「じゃあ今度シャーレでお泊り会でもしましょー♡」

「リフレッシュには良いかも。シャーレの設備も気になってたし」

「みなさんでお休みを合わせて行きましょうか!」

「決まりだね。日程はまた後で決めようか」

「楽しみですにゃー♡」

 

 

 その後は完成したとんでもメカを紹介してもらった。

 相変わらず用途が限定すぎたり使い道に悩みそうな高性能発明品がごろごろ出て来た。

 変形してデストロイモードになるブタさんの蚊取り線香入れはちょっと欲しい。

 でも変形時にテーマソングが流れる機能はロマンが過ぎると思うの♡

 しかも変形後は普通にカッコいい人型ロボになるのは良いけど、肝心の蚊取り線香がお腹に付いたままだからフラフープみたいでちょっとアレだ。

 灰もポロポロ落ちちゃうし、そこは要改善だね。

 

 

「いっそ頭の上に受け皿ごと載せてヘイローっぽくしてみます?」

「それだ!」

「灰も落ちないしデザインも良い……!」

「重量バランスは再計算が必要ですがデザインの自由さも増えますね!」

「なら人型じゃなくて変形前の動物にちなんだ四足変形メカにするのも♡ バリエーションでオオカミとかライオンとかも作れて子どもにも人気出るかも♡」

「フミ、名誉部員としてエンジニア部に来てくれないかい? お望みとあらば私の身体を好きにしてもらっても構わないよ」

「んんんまさかの枕営業♡ 普通に好き合ってちゅっちゅしたいので外部アドバイザーあたりで♡」

「でもウタハ先輩、そう言っちゃうくらいにはフミの事お気に入りなんだよね」

「これが淫魔王の実力ですね!」

「待って♡」

 

 

 

 

 

 不名誉な二つ名を口走ったコトリちゃんをお腹ぷにぷにで成敗した後、私はヴェリタスへとお邪魔する事にした。

 相変わらず冷房が効いててコート無しだとちょっと寒いかもしれない。

 

 

「あれ、フミちゃん?」

「コユキちゃん?」

 

 

 珍しい事にコユキちゃんが長椅子に座っていた。

 ちょくちょくアリスちゃんたちが遊びに来るので来客用にと長椅子とテーブルが増設されている。

 普段は疲れ果てたハレさんが寝転がってマキちゃんに背中をぐりぐりされている所に、今日は珍客が訪れているようだった。

 そんなコユキちゃんは私を見るなり不安げだった顔をパッと輝かせて飛び込んでくる。

 

 

「おっと♡」

「フミちゃ〜ん!」

「よしよし♡ どちたの♡」

 

 

 むぎゅっと小柄な身体を抱き締める。

 コユキちゃんも痩身だからお腹いっぱい食べさせたくなるタイプの子だ。

 冷房のせいか冷たくなっていた手を握って温める。

 

 

「きゃーコユキちゃんちべたい♡」

「にはは、フミちゃんは温かいですよー! ぽかぽかするのでもっとむぎゅむぎゅしてください!」

「もちろん♡ ほっぺちゅーもしちゃうぞー♡」

「きゃあん♪ くすぐったいですよー♪」

 

 

 コユキちゃんを抱っこしたまま長椅子に座ってほっぺたや首筋に唇を落とす。

 一頻りイチャイチャして温まった所で先程の不安そうな表情について聞いてみた。

 

 

「実は……ユウカ先輩の事で」

「ユウカさん?」

 

 

 はて、何かあっただろうか。

 ここ最近ユウカさんにあった事と言えば……あ。

 視線を向けて見るとコタマさんは神妙な顔付きで頷いてくれた。

 ちなみにハレさんとマキちゃんはモニターを見ないようにしてちょっと震えていた。

 あちゃー、あのユウカさんを見ちゃったか。

 

 

「お察しの通り、三人はあのユウカさんを見て怯えてしまいまして。最初はコユキさんが何気なくログを見ていたらあのユウカさんの映像が飛び込んできたらしく。それで本物の映像なのか、本物だったらデータから消去出来ないかを相談に来たのです」

「そっか……ちゃんと相談出来てえらい♡ コユキちゃん頑張ったね♡」

「にはは……♪」

「それで映像を確認したハレとマキがあまりの衝撃に正気度チェックを失敗しました」

「ユズちゃんとアリスちゃんも怯えてたもんねぇ♡」

「うぅ……ユウカ怖い……」

「夢に出てきそう……」

「二人ともしっかり♡」

「フミちゃんは怖くなかったんですか?」

「私は一周回って面白くなっちゃったから♡ コユキちゃんも、アレはユウカさんじゃなくてセミナーオオフトモモって生き物だと思った方が良いよ♡」

「「「ぷふっ」」」

 

 

 途端、三人が噴き出した。

 あんまりな学名がツボに入ったらしい。

 

 

「セミナーオオフトモモ……名前は言ってないのに一瞬で誰かが分かる素晴らしい学名ですね」

「結構渾身の名付けだと自負してる♡」

「お、オオフトモモ……!」

「あははっ、似合いすぎ!」

「フミちゃん意外とすごい事言いますね!」

「みんなに笑顔が戻って何より♡ かわいそうだから吹聴はしないであげてね♡」

「フミさんの淫魔王と同じようなものですね」

「どこで聴いた♡」

「コトリさんにコブラツイストを仕掛けてお腹揉んでたのもバッチリ見てましたよ」

「自慢げに言わないで♡ せんせーの衣擦れ音に私やワカモさんとのイチャイチャトーク仕込んじゃうゾ♡」

「グワーッ!? NTRはダメですっ!!」

 

 

 袈裟斬りにされた悪代官のように椅子へ倒れ込むコタマさん。

 毎回やられた時の倒れ方が違うの好き♡

 

 

「まぁ映像はこちらで消去しておきました。流石にアレは流出させられませんからね……」

「あ、復活した♡ ありがとコタマさん♡ コユキちゃんもありがとね♡」

「にはは、心にダメージは負いましたが頑張りましたよー! なので〜、フミちゃんから頑張ったご褒美が欲しいなぁ〜って♪」

「おねだり上手さん♡ じゃあクッキーあげちゃう♡」

「わーい♪」

 

 

 懐から袋詰めクッキーを取り出す。

 リオさんの隠れ家で焼いてきた分はこれで最後だ。

 早速一枚頬張って幸せそうにほっぺたを押さえるコユキちゃんに、ヴェリタス三人娘が寄ってくる。

 

 

「私にも一枚ください」

「独り占めはダメだよ!」

「ただでとは言わない。妖怪MAXを付けよう」

「にはは、じゃあ作戦の成功を祝って打ち上げにしましょう!」

「良いね♡ じゃあハレさん、妖怪MAXくださいな♡」

 

 

 こうしてセミナーオオフトモモの生態は謎に包まれる事となった。

 アレは世に出してはいけない情報である。

 ……返す返すもノアさんに知られる前で良かった。

 忘れられない記憶としてこびり付くのかわいそう過ぎるもんね。

 しかも親友の姿。

 私がカノエ先輩の狂ってる姿を見たら……いや、モチーフが悪いな。

 カノエ先輩ならなりきりの一環でやってもおかしくないし、なってもえっちさが勝る気がする。

 となるとエリちゃん先輩……?

 いや、エリちゃん先輩もえっちだ。

 と言うかエリちゃん先輩は何をしててもえっちな気がする。

 レナちゃんやツムギ先輩は……レナちゃんはなんか初めて自分でしちゃう事を覚えたようなえっちさがあるし、ツムギ先輩は単にデスメタル歌ってる時と変わらなさそう。

 なんてこった、まさか四人いて三人もえっちだなんて。

 風紀が乱れておりましてよ!

 

 

「そう言えばフミちゃんはどうしてここに?」

 

 

 膝の上に乗ったコユキちゃんが首を傾げた。

 ユウカさんショックで忘れてた。

 ASMRの評判を聴きに来たんだった。

 

 

「と言う訳で色々聴いて回ってるんです♡ 改めてどうでした?」

「編集してて何度幸せに至ったか分かりませんが、私は年上お兄さん相棒が良かったですね。あんな風に色々囁いて欲しいです」

「私は幼馴染相棒かな。先生色んな意味で紳士だから、ちょっとくらい強引にされる方が好きかも」

「あたしはショタ先生かなー? なんかちっちゃな先生って可愛いよね!」

「なるへそ♡ コユキちゃんはASMR聴いた?」

「ええ、聴きましたよー。私は幼馴染先生が一番ドキドキしました!」

「そかそか♡ 今度シャーレで再現してもらう?」

「おっと詳しく聞きましょうか」

「いくら払えば良い?」

「次の当番いつだったかな……」

「食い付きが早い♡」

「さ、再現は……ちょっと恥ずかしいかも、です」

「照れてるコユキちゃん可愛い♡ なら今度普通にお泊り会でもしよっか♡」

「良いですねー♪ いっぱい夜更かしして遊びましょう!」

「楽しみだね♡ ごはんも作るから何食べたいか決めておいてね♡」

「わーい、フミちゃんの手作りごはん!」

「フミさんのごはんの味を覚えたらもう離れられませんよ?」

「同じ材料でも味が再現出来ないんだよね」

「見た目も綺麗で美味しそうなのすごいよね!」

「いやん♡ そんなに褒められたら照れちゃう♡」

「あ! フミちゃんが照れてます! にはは、フミちゃんだって可愛いじゃないですかー♪ うりうり♪」

「うにゃーっ♡ 反撃のほっぺちゅーだー♡」

「きゃぁ~♪」

 

 

 たっぷりコユキちゃんとイチャイチャした。

 データも取れたしユウカさんの痴態も隠蔽出来たし、上出来上出来♡

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