もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら   作:一ノ瀬 崇

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ASMR現状報告シャーレ編

「ぷみぷみ♡」

「つんつん♪ ふふっ、もちもちです!」

「うにゅあー♡」

「黙っていたら普通の可愛い子ですわね。口を開くと、多少やんちゃですけど」

「ふにゅおー♡」

 “フミの鳴き声って結構バリエーションあるよね”

「見てないでたちけてー♡ あぶぶぶ♡」

 

 

 ソファーに寝転がっていたらワカモさんが膝枕をしてくれたのでごろごろタイム突入。

 そしたらイズナちゃんとワカモさんにほっぺたをむにむにもちもち弄ばれてしまったのでした。

 しまった罠だ!

 でも膝枕が気持ちよくて抜け出せないー♡

 先生はそれを見ながら微笑んでいる。

 ちょっと眠そうな感じだけどこっそり徹夜でもしたのかな?

 仕事では無いから、なんかやってるうちに朝になってたパターンかもしれない。

 

 

「おきつねパラダイス♡」

 “後で私もやってもらおうかな”

「あなた様がお望みでしたら、いつでもお応えいたします……♡」

「えへへ、主殿の望みを果たすのが忍の務めですので!」

 “こんなに素敵な女の子たちに囲まれたら先生ふにゃふにゃになっちゃうなぁ……”

「ガチガチの間違いでは♡」

 “そこは精神力で抑えてるから”

「そんなあなた様も素敵です……♡」

「主殿、カッコいいですっ♪」

 “精神力尽きちゃう!”

 

 

 シャーレの業務を最速で終わらせて、まだ朝十時なのにフリータイム突入だ。

 当番のアツコちゃんとはーちゃんは菜園のお世話に行った。

 お花や謎の草や野菜畑と、区画ごとに分かれてしっかり管理されている。

 二人とも植物のお世話は得意だからすっかりお任せしちゃってる。

 今度採れた野菜で何か作ってあげよっと♡

 

 

「そうだ、イズナちゃんとワカモさんはせんせーのASMR聴きました?」

「ええ、堪能しましたわ」

「毎日聴いてます! つんつん♪」

「ぷにょー♡ どれが好みとかあります?」

「イズナは年上お兄さんのが好きです! えへへ、主殿〜♪ あんな風にイチャイチャしてみたいです〜♪」

 “先生としての理性が砕けない範囲でなら”

「やりましたっ♪」

「私は全て素晴らしいと思いますが……そうですわね、アフタートークでの飾らない様子がとても好みでしたわ」

 “意外とアフタートークの需要もあるんだよね。……今度不定期でシャーレラジオでも開催してみる?”

「素晴らしいですわあなた様!」

「ぜひとも聴きたいですっ!」

 “わぁすごい食い付き”

「せんせー好き好き勢の中のトップランカー相手にそんな事言ったらそうなる♡」

 

 

 振り向いたイズナちゃんの尻尾が目の前でゆらゆら。

 これは誘ってるでしょ。

 という訳で優しくむにーっと♡

 尻尾を掴んだ瞬間イズナちゃんの身体がびくんと跳ねる。

 

 

「ひゃあっ!?」

「お、良い反応♡」

「フフフ、フミ殿っ!? 尻尾はダメですよぉっ!?」

「よいではないかよいではないか♡ さわさわ♡」

「あっ、うっ……♡ きゅぅん……♡」

「なんか予想以上にえっちな反応♡」

 “イズナは尻尾が弱いんだね。ハッ、閃いた!”

「フミちゃん、めっ。あなた様もダメですわよ?」

「ふにょー♡」

 

 

 両手でほっぺたをむにゅっと押し込まれた。

 フミちゃんがフミちゃんになっちゃう!

 へなへなと崩れ落ちたイズナちゃんがほっぺたを膨らまして私をジト目で見る。

 

 

「もう、ダメって言ったのにぃ……フミ殿はイジワルさんです……」

「出来心で♡ ゆるちてつんつん♡」

「ぷちぅ」

 

 

 指先でイズナちゃんのほっぺたを押すと空気が抜ける。

 きゃーやわっこい♡

 そのまま柔らかな感触をふにふにと堪能する。

 きゃーぱくって食べられた♡

 

 

 “みんなが可愛すぎて先生溶けちゃいそうだよ”

「にしし♡ 溶けたら瓶に入れて固めないと♡」

 “昔のアニメで見たやつ!”

「予習済みでえらい♡」

 “わぁい褒められた”

「今日は主殿の雰囲気がゆるゆるです!」

「あなた様さては徹夜致しましたね?」

 “ぎくっ。なんのことかなー?”

「主殿、ぎくって言ってます!」

 “寝る前にカメラフォルダ整理してたら朝になってて……”

「カメラフォルダ、ですの?」

 “うん。みんなを撮ったやつ。どの写真もみんなが楽しそうに写ってて、見返しているだけでなんだか幸せな気持ちになってね。ついつい色んな写真を眺めていたよ”

「……むぅ、主殿ズルいです。そんな幸せそうな顔をされては、イズナお諌めできません……」

「大変嬉しく思いますが、ちゃんと寝てくださいまし。あなた様の健康が第一ですから」

「なんなら私の代わりにワカモさんを抱き枕にしつつイズナちゃんを掛け布団にしながらお昼寝しちゃっても良いんですよ♡」

 

 

 その時、二人のおきつねに電流走る。

 先生と一緒にお昼寝、しかも密着しながら。

 期待するようにじっと先生を見つめるお二人。

 ラブが溢れてて良いですにゃー♡

 一方の先生は呑気にそれも良いかなーとか考えてそうなぽやぽや顔をしている。

 普段なら即座にツッコミを入れて誤魔化しているけど、寝不足で頭が回ってないねコレ。

 戦場では一瞬の迷いが命取り、って言うけど恋の戦場でもそれは同じ事。

 そっと私が膝上から離れるとワカモさんとイズナちゃんはすすすっと先生に近付いて両脇をがっしりと固めた。

 そこでようやく先生が気付く。

 もう遅いんだよナー♡

 

 

 “おや?”

「あなた様……♡」

「あるじどのぉ……♡」

 “うんうん、二人とも可愛いよ。それはそうと手を離してもらえると嬉しいんだけど”

「せっかくですから、このまま参りましょう♡」

「主殿をお布団までお連れします!」

 “わ、私には仕事が……ハッ、もう無い!?”

「最速で終わってますよ♡」

 “まさかこれを狙って……!? フミ、恐ろしい子!”

「にしし♡ それではごゆっくりー♡」

 “ウワー!? お神輿みたいに担がれてる! なんか新感覚!”

「実は結構楽しんでそう♡」

 

 

 二人に担がれて先生は居住区の自室へと連行された。

 ワカモさんが居るし理性崩壊してホワイトアーカイブになってもヨシ!

 そうなったら後で抱いてもらおっと♡

 という訳でフリーになったフミちゃんです。

 今日は何をしようかな?

 そう言えばシャーレを拠点にしてるみんなにはまだ聴き込みしてなかったな。

 手近な所だと、まずは便利屋のオフィスだね。

 ぽてぽて移動開始♡

 

 

 

 

 

 

「お邪魔しまーす♡」

「邪魔するならダメー♪」

「そんなー♡」

「ウソウソ♪ いらっしゃいフミっちー♪」

「ムツキさんだー♡ イタズラさんめー♡」

 

 

 ハイタッチして笑い合う。

 今日もイタズラな笑顔がステキ♡

 

 

「いらっしゃい、フミ」

「よく来たわね! ハルカは一緒じゃないの?」

「どももー♡ はーちゃんは菜園に行ってます♡」

「そっか、新しい植木鉢用意してたもんね」

「それはそうとカヨコさん♡」

「ん、なに?」

「ステキ過ぎるのでお嫁さんになってください♡」

 

 

 カヨコさんはキッチンで何か作っていたらしく、三角巾とエプロンをしていた。

 若妻感がしゅごい。

 先生もこのカヨコさんを見たら残業しないで直帰しちゃうと思うなぁ。

 溢れ出る生活感と色気のバランスが黄金比だよ。

 ぜひ参考にさせてもらおう。

 

 

「またそんな事言って。フミは心が多いんだから」

「にしし♡ でもカヨコさんが大好きで、今また惚れ直したのも事実ですよー♡」

「そう。なら惚れた弱みって事でテーブル片付けておいてね」

「はーいママー♡」

「ふふっ、大きな娘が出来ちゃったね」

 

 

 たおやかに微笑むカヨコさん。

 はぁ〜もう全部好き♡

 そんな私たちのやり取りを見ていたアルさんはぽつりと呟く。

 

 

「お嫁さん志望から娘に変わってるけど良いの?」

「ハッ♡ しまった♡」

「ダメだよアル、娘って事でこき使う予定だったんだから」

「えっ!? そうだったの!?」

「いやーん♡ カヨコさんってば魔性の女♡」

「くふふ、カヨコっちフミちゃんお気に入りだもんね♪」

「おっと、手が滑ってムツキの分が小さくなりそう」

「いやーん!?」

 

 

 仕事をしてない時の便利屋の力関係が良く分かるね。

 ムツキさんはたったか走ってカヨコさんの機嫌を取るべく食器を出すお手伝いを始めた。

 それを見てアルさんがくすりと微笑む。

 とても暖かい空間。

 やっぱり便利屋は仕事仲間って言うより家族だよね。

 と、そこへ末っ子が帰宅してきた。

 

 

「ただいま戻りました……」

「はーちゃんおかえりー♡」

「あ、フミちゃん。えへへ……ただいま、です」

「おかえりなさいハルカ。今カヨコがアップルパイ焼いてくれてるわよ!」

「わ、そうなんですね……!」

「手は……おっ、爪の間までピカピカ♡ しっかり洗っててえらい♡」

 

 

 はーちゃんの手を取り見てみると、爪の間や手の甲も綺麗に洗われているのが分かる。

 土いじりをした後は念入りに洗わないとバイ菌が入ったりお腹壊したりしちゃうからね。

 私に手を見られているはーちゃんは少し照れたようにニチャッと笑う。

 

 

「いつ、フミちゃんに触れられても良いように、って……えへへ……♡」

「……はーちゃん、今のはダメだよ」

「え、えっ……?」

「私が男の子だったら今の言葉で寝室に連れ込んで一日中はーちゃんの事を孕ませようとえっちしてたよ」

「あ……♡ その、フミちゃんになら、いつでも……♡」

 

 

 指を絡めてにぎにぎと優しく力を込めるはーちゃん。

 エンジニア部に依頼して双頭の先生棒を作製してもらう他ない。

 ごめんね先生、はーちゃんの純潔は先に私がいただきます。

 

 

「はーちゃん……♡」

「フミちゃん……♡」

「っていきなり二人の世界に入るんじゃないわよ!?」

「ひゃんっ♡」

「あわわ……! も、申し訳ありませんアル様……!」

「ほら、二人ともイチャイチャしてないで、アップルパイ焼けたよ」

「控えい控え〜い♪ カヨコっちのアップルパイが目に入らぬかぁ〜♪」

「ははーっ♡ ってそれ私の持ちネタ♡」

「わぁ……! 美味しそうです……♪」

 

 

 さっさかテーブルの上の書類や飲み終わったティーセットを片付けてスペースを確保すると、カヨコさんが大皿に載せたアップルパイを運んできた。

 パイ生地の焼けた良い香りが漂う。

 断面から覗くとろとろのリンゴはまるで宝石みたい。

 おっとと、思わずよだれが。

 みんなで席に着いて、両手を合わせていただきまーす♡

 

 

「んふーっ♡ お口が幸せ♡」

「相変わらずカヨコの作るアップルパイは絶品ね!」

「リンゴもしゃくしゃくで美味し〜っ♪」

「とっても美味しいです……♪」

「ふふっ、良かった。前は余裕のある時にしか作ってあげられなかったからね」

「うぐっ……ま、まぁ今後は好きな時に作れるって事よね!」

「くふふっ♪ 経営頑張ってね、アルちゃん♪」

「わ、私も微力を尽くします……!」

「ありがとう、二人とも。でも大丈夫よ、便利屋68の躍進はまだまだ続くわ!」

「また依頼ムービー作りますね♡」

「フミ、だんだんああいう映像作るの楽しくなってない?」

「にしし♡ アルさんの目がキラキラするのが可愛くてついつい♡」

「だってカッコいいじゃない!」

 

 

 美味しいアップルパイに舌鼓をぽんぽこ打って大満足。

 まったりとした空気が流れる中、みんなにもASMRの感想を聴いてみる事にした。

 

 

「私は幼馴染先生がドキドキしたかなー♪ 普段は大人しい先生に押し倒されたらキュンキュンしちゃって抵抗出来なくなっちゃうよぉ♪」

「そうね……私もムツキと一緒かしら。欲しいと思ったら全力で手に入れる、そんな先生もアウトローで素敵よね……!」

「なるへそ♡ カヨコさんは?」

「悩ましいね……弟系相棒かな。いつもはしっかりとした大人な先生の、子供っぽい所が詰まってて新鮮だったし。なんて言うか、色々お世話したくなったかな」

「わかるー♡ はーちゃんはどうだった?」

「わ、私は年上お兄さんの先生が……。安心感があって、全部委ねても受け止めてくれそうな所が、ぽかぽかしました……♪」

「良いよねー♡」

「そう言うフミはどうなのよ? シナリオ原案だし全部好みではあるんだろうけど」

「私は全部好みですよ♡ なんなら将来のなりきりプレイの原案でもありますし♡」

「なりきりプレイ……?」

「あっ♡ アルさんが宇宙背負っちゃった♡ ほら、せんせーと将来えっちする時に色んなシチュでプレイしたら盛り上がりそうじゃないですか♡ 水泳部のコーチ役のせんせーに特別指導だ、って言われてシャワー室で後ろから何度もとんとんされたりとか♡♡ 旅の途中で泊まった安宿の主人役のせんせーに、寝てる所を襲われて知らない間にいっぱい幸せを注ぎ込まれちゃうとか♡♡」

「「「「……ごくり」」」」

「そんな感じの台本を用意しておくんです♡ せんせーに楽しんでもらえるように♡」

「……改めてフミが淫婦って呼ばれてる理由が分かったわ」

「待って♡」

「いやぁ……これはフミっちサキュバスだよ」

「これで15歳なの何かの詐欺じゃない?」

「フミちゃん、とってもえっちです……♡」

「はーちゃんにまで言われてしまった♡」

「あわわ……ご、ごめんなさい……!」

「大丈夫♡ はーちゃんの事は全部許しちゃうし全部受け入れるから♡♡♡」

「あ……えへへ……♡」

「ホントどの角度からでもイチャつくわね……」

「アルさんもかもーん♡」

「……えいっ!」

 

 

 両手を広げてハグ待ちしてみたら、なんとアルさんが飛び込んできた。

 きゃーむちむちボディがいっぱい♡

 幸せな重みに押されてソファーに倒れ込んじゃう。

 

 

「きゃー♡ アルさん来てくれた♡ 嬉しい♡♡」

「ふっふっふ、いつもからかわれてばかりじゃないわよ! 私だってフミの事は好きなんだからね♪」

「やったー♡ アルさん好き好き♡ ちゅー♡」

「へっ?」

 

 

 舐めるようにアルさんの唇へ触れる。

 ぷるぷるの感触が気持ち良い。

 何度も啄むようにちゅっちゅっ♡

 

 

「わー、大胆♪」

「アルが固まっちゃった」

「あわわ……フミちゃんとアル様が……尊すぎます……♡」

「よし、はーちゃん! 私とアルさんの間に来るのだ!」

「え、えぇぇっ!? そ、そんな畏れ多いです……!?」

「だいじょぶだいじょぶ♡ おいでー♡」

「……で、では失礼します……?」

 

 

 アルさんの身体を持ち上げて空いた所にはーちゃんが滑り込むように入ってくる。

 下から私、上からアルさんでサンドイッチ。

 むぎゅむぎゅー♡

 最初は戸惑うように目をぐるぐるさせていたはーちゃんだったけど、次第に目がとろんとえっちに蕩けてきた。

 堕ちたな♡

 

 

「うへ、うへへ……へへぇ……♡♡♡」

「お〜……ハルカちゃんが溶けてる」

「ちょっと猫っぽいかも……」

「くふふっ、カヨコっち〜? 指先が動いちゃってるよぉ〜♪」

「良かったら撫でてあげてください♡」

「……どれどれ」

「ふひゃぁ……♡ えへへぇ……♡♡ えぅえぅ……♡」

「ちょっとコレ破壊力すごいかも。よしよ〜し♪」

「カヨコっちのスイッチ入った!?」

「えへへへぇ……♡♡♡」

「もうとろとろだねはーちゃん♡」

 

 

 そのまま私とカヨコさんではーちゃんをでろでろに甘やかした。

 ムツキさんは面白がって動画を撮って、アルさんが再起動するまでたっぷりみんなで堪能した。

 いつの間にかはーちゃんが挟まってた事に驚いてたけど、幸せそうにえへえへ笑ってるのを見て頭を優しく撫でてた。

 アルさんから母性を感じる!

 はーちゃんごとむぎゅむぎゅしちゃおー♡

 

 

「えいえい♡ むぎゅむぎゅ♡」

「ひゃわわわわ……♡」

「ハルカ潰れてない? 苦しかったら言うのよ?」

「えへへ……幸せですぅ……♡♡」

「なら良いわ! もっと抱き締めてあげる♪」

「ひゃわわわわぁ……♡♡」

「フミっちと会ってからハルカちゃんの幸せアレルギーも無くなって元気いっぱいだね♪」

「前より不安そうな顔をする事も減ったし、控えめなのはそのままだけど自分を卑下する事は少なくなったかな」

「フミちゃん式飴と鞭が効いてますね♡」

「飴と鞭?」

「卑下するような事を言ったら訂正するまで口の端にちゅーです♡ ちゃんと訂正できたらべろちゅー♡♡」

「……ハルカには効果的そうなのが何とも」

「やっぱりフミっちサキュバスじゃない?」

「ゲヘナ生徒よりも悪魔よねフミって」

「いやーん♡ そんな事無いよねはーちゃん♡」

「えへ、えへ♡ えぅえぅ♡」

「しまった前後不覚♡」

「じゃあ全会一致でフミはサキュバスって事で」

「さんせ〜い♪」

「良かったわねフミ、これで堂々と淫魔を名乗れるわよ!」

「よくなぁい♡♡ こうなったらアルさんのお尻を撫で回しちゃうぞー♡」

「ひゃあっ!? ちょっ、フミっ!?」

「と見せ掛けて、そぉい♡」

「きゃっ!? え? あ!? ちょっと!? いつの間に片手でブラホック外すような特技身に着けたのよ!?」

「にしし♡ こんな事もあろうかと♡ ほらはーちゃん、アルさんのなまちちだよー♡」

「はぅ……すぅ〜〜〜〜っ♡♡♡」

「なまちち、っていやらしい言い方しないのっ。あっ、ハルカも深呼吸しな……いや、ハルカ? ちゃんと息吐いてる?」

「すぅぅぅ〜〜……っ♡♡♡」

「めっちゃ堪能しておられる♡ はーちゃん、けぷけぷしましょうねー♡ 背中ぽんぽん♡」

「あふ……っ♡」

「よくできました♡ はーちゃん可愛い♡」

「……将来、誰が先生の子を妊娠しても安心だね」

「くふふっ、賑やかになりそー♪」

 

 

 

 

 

 

 いっぱい堪能して艶々フミちゃんです。

 やはり便利屋は心が豊かになるね!

 今日はワカモさんとイズナちゃんがお昼を作ってくれたのでのんびりごはんタイム。

 いなり寿司とかしわそばのセットだ。

 何気にそばにも油揚げが刻んで入ってるのがおきつねポイント。

 出汁を吸ってて大変ウマーですわよ。

 美味しくいただいたけど、育ち盛りのフミちゃんには少々物足りないのです。

 なのでここからはオリチャー発動!

 調理室で追加のおつまみを作っちゃいます!

 という訳で冷蔵庫を覗いてメニューを考えていたんだけども。

 

 

「わくわく……♪」

「スタンバイが早い♡ どこから嗅ぎ付けてきたの♡」

「そんな気配がしまして! えへへ、楽しみですねぇ、お腹空きましたねぇ……♪」

 

 

 じゅるりとよだれを啜るヒヨリちゃんが椅子に座って待っている。

 いやホントどのタイミングで察知したのか。

 感心していると居なくなったヒヨリちゃんを追ってミサキちゃんとアツコちゃんもやって来た。

 

 

「見付けた、何して……あぁ、そういう事」

「ヒヨリ居た? あ、フミ。何か作るの?」

「やほやほ♡ おつまみ的なものをいくつかおやつ代わりに作ろうかと思って♡ そしたらいつの間にかヒヨリちゃんが湧いてた♡」

「相変わらずヒヨリのごはんレーダーは優秀だね。でもふらっと居なくなったらダメでしょ?」

「あぅ、ごめんなさい姫ちゃん。でも沸き上がる食欲には勝てませんでした……」

「まぁ、ヒヨリが食欲に勝ったら発熱を疑うけどね」

「そんなにですか!?」

「ふふっ、半分くらいは冗談だよ」

「もう半分くらいは本心なんですね……」

「ここに来てる時点でショック受けるの烏滸がましくない?」

「うわぁん!? ミサキさんがセメントですぅ!!」

「仲良しさんで良き♡」

 

 

 アリウスコントを眺めつつ、適当に色々作っていく。

 木綿豆腐に揚げ玉とネギを乗せて天つゆを掛けた冷奴、ボイルしたウインナーにたっぷり粒マスタードをかけたやつ、短冊切りにした山芋に刻み海苔を乗せて酢醤油を回しかけたやつ、一口サイズのコロッケにタルタルソースを乗せたやつ、湯通しした鶏皮にネギとポン酢をかけたやつ、ラーメン用の麺を茹でた後水で締めてレタスやトマトと一緒に胡麻ドレッシングで和えたサラダ。

 特に難しいものでもない、まさにおつまみなラインナップ。

 前に先生に出した時は“みんなにはナイショだよ”なんて言って秘蔵の日本酒を開けてた。

 生徒にお酌させる訳にはいかない、って固辞されたから代わりに膝の上に乗って甘え倒したのは良い思い出だ。

 

 

「フミさん……!」

「手は洗った?」

「バッチリですぅ!」

「なら、召し上がれ♡」

「わぁい♪ いただきますぅ♪」

 

 

 キラキラした目を向けていたヒヨリちゃんにお箸を渡すと満面の笑みで食べ始めた。

 ミサキちゃんとアツコちゃんの分もちょっとずつ小鉢で用意する。

 お腹いっぱいになってもヒヨリちゃんが全部食べると思うしだいじょぶでしょ♡

 

 

「って違う♡ 私が食べるの♡」

「あ、フミが食べる為に来てたんだ。てっきりヒヨリに餌付けしてるんだと思ってた」

「餌付けされてますぅ♪ 美味しいですぅ♪」

「ふふっ、ヒヨリは文句無いみたいだよ?」

「……まぁ、先生と違って釣った魚にも餌を与えてるみたいだから良いけど」

「と、釣られたミサキが言っております」

「アツコ!?」

「にしし♡ せんせーは言わないと分かってくれないにぶちんさんだから、積極的に行かないとダメだよ♡」

「……釣られてないし」

「そうなの?」

「……釣られたけども」

「ミサキちゃん可愛い♡」

「うっさい」

「にしし♡」

 

 

 鍋に餃子とタマネギを入れて鶏ガラとにんにく、生姜、醤油とラードと調理酒で煮込んでいく。

 仕上げに黒コショウを振ればシンプルな餃子スープの完成だ。

 ここにお好みで一味を振りかけて辛くしても良い。

 あったかスープでほっと一息、そんな一品だ。

 うむ、とおたまで餃子を掬ったら既にヒヨリちゃんがお椀を両手で差し出していた。

 もう可愛いんだから♡

 

 

「はい♡ 熱いから気を付けてね♡」

「はいっ、ありがとうございます♪ ふーっ、ふーっ……あちゅいっ!?」

「なんの『はい』だったの♡」

「鳴き声だと思った方が良いよ」

「ヒヨリ種は『はい』と鳴くけど決して返事をしている訳ではなく、ただの呼吸に伴う音漏れである……。なんだか図鑑の説明みたいだね?」

「メモらないであげて♡」

「あちゅいけど美味しいですぅ……♪」

「一息で食べずに、半分に割って断面をふーふーして食べると良いよ♡」

「なるほど! ふーふー……美味しいですぅ♪」

「良かった♡ って違う♡ 私も食べるの♡」

「なんだかヒヨリの飼育員さんみたい」

「手間と食費ばかりかかってメリットなさそう」

「ひどいですぅ!?」

「じゃあヒヨリのメリットって何があるの?」

「えっと……えへへ♪ フミさんにとっては、可愛いみたいですよ?」

「それは間違いない♡」

「愛玩動物じゃん」

「ミサキのお気に入りのASMRみたいだね?」

「アツコ!?」

「忘れた頃にバックスタブ入れてくるの強い♡」

 

 

 ミサキちゃんは強い言葉を使って甘えるツンデレさん、アツコちゃんは物腰柔らかに見えて気を抜いたらグサっと刺してくるアサシンタイプ。

 そしてヒヨリちゃんは可愛い。

 ここに天然サオリちゃんが加わってアリウススクワッドが完成するのだ。

 他に劣らず濃い♡

 ついでにASMRの話が出たし新作の評価を聴いてみよう。

 

 

「って事でみんなの評価を聴きたいですにゃー♡」

「私は年上お兄さん先生が良いかな。いつもの先生みたいで安心するし、安心した所を襲ってほしい」

「普通に見せ掛けた業の深いコメント♡ ミサキちゃんは?」

「……幼馴染先生かな。まぁ想像上の事だし先生に力負けするなんてあり得ないけど、その分もしもを楽しめて良いかもね。両手首を抑え付けて好き放題するとか、抵抗できない私を弄んで喜んでるよね。そんな乱暴な先生に付き合ってあげられる生徒なんてほとんど居ないんだろうけど。まぁ、私は捕まっちゃってる訳だから好きにされちゃっても抵抗できないし、先生の気の済むまで弄ばれても仕方ないんだけど」

「んんんめっちゃ早口♡」

「難儀な性癖してるよね」

「ミサキさんは変態ですねぇ」

「…………」

「いたっ!? いたいっ!? うわぁん! 机の下で蹴らないでくださいぃ!」

「ミサキ、ダメだよ?」

「……ふんっ」

「うぅっ……もぐもぐ。痛いですねぇ、美味しいですねぇ……」

「そんなヒヨリちゃんはどれが良かった?」

「わ、私ですか? え、えっと……え、えへへ……小さい先生がお気に入りです」

「お、ショタ先生派だった♡ 理由も教えて♡」

「なんて言うか……強がりながらも甘えてくる所とか、一度デレたらすごい懐いてくる感じが、すっごく可愛いな、って……♪」

「なるへそー♡」

 

 

 うむうむ、と頷きながらメモを取る。

 と、何やら首を傾げたアツコちゃんがとんでもない爆弾を投下した。

 

 

「それってほぼミサキじゃない?」

「えっ」

「はっ?」

「おっと♡」

 

 

 ミサキちゃんの眉間のシワレベルが一気に上がった。

 ヒヨリちゃんはぽかんとした顔でアツコちゃんを見ながら鶏皮ポン酢を食べている。

 箸が止まってないの好き♡

 そんな二人に、アツコちゃんは自信を持って話し始める。

 

 

「ミサキって結構強がりな所もあるけど、それって知らない人に向けるのと私たち身内に向けるので違うんだよね。なんて言うか……そう、ツッコミ待ち。わざと強がってみせて、指摘されるのを待ってるの。相手に『私はミサキが本当はこうなんだって知ってる』って言ってほしくてやってるの。甘え下手で可愛いよね」

「なっ、なっ……!?」

「それに一度気を許したらすっごく距離が近くなるの。物理的じゃなく、心がね。相手に何か頼まれたら嫌々やってるポーズを取りながら、言い訳しつつしっかり最後までやり遂げる。相手に何か頼む時は、相手がやらなくても良い理由を先に見付けて提示して、断られても相手が申し訳ない気持ちにならないようにしてる。相手の為に色々考えて動ける、私たちスクワッドの中で一番心が優しい子なんだよ」

「…………っ!!」

「いたっ!? いたいっ!? うわぁん!! なんでですかぁ!」

「蹴らないであげて♡」

「うわぁん、フミさぁん!」

「おーよしよし♡ ちょうど焼き上がったスイートポテト食べる?」

「食べますぅ!」

「可愛いなぁヒヨリちゃん♡♡」

 

 

 心の内を丸裸にされてめっちゃ睨んでくるミサキちゃん。

 照れ隠しで八つ当たりされたヒヨリちゃんを膝に乗せてスイートポテトをあーんしてあげつつ、ミサキちゃんにメッてしておく。

 耳を真っ赤にしたミサキちゃんはそっぽを向きつつ、ごめんごめんと謝るアツコちゃんに撫でられている。

 そんな空間にやって来たのは我らがスクワッドのリーダー、サオリちゃんだ。

 

 

「すまない、ここにアツコたちが来ていると聞いて……なんだ? どうした?」

「サオリちゃんいらっしゃい♡ 私がおつまみ作ってる所をヒヨリちゃんに襲撃されたの♡」

「なるほど、いつものか。……いや、それにしては何か違和感が……?」

「サオリ姉さん、何の用?」

「おっと、そうだった。見てくれ」

 

 

 上機嫌な様子でサオリちゃんは懐から小さな袋を四つ取り出した。

 中からは小さな色とりどりの玉が数珠つなぎになっているアクセサリーが出て来た。

 あっ。(察し)

 

 

「これはウルトラスターパワーゲルマニウムブレスレットと言ってな。腕に付ける事で運気を呼び込み装着者に幸運を齎すそうだ。本来はこの付けられているパワージェムとやらは一つだけなのだが、今回はたまたま交通安全や健康促進などの効果のあるパワージェムも一緒になった特別版だそうだ。一月分の給料が飛んだが、お前たちに幸運が齎されるのなら安いものだからな。ぜひ身に着けてほしい……どうした?」

 

 

 真顔になるアツコちゃん、顔をしかめるミサキちゃん、箸を置くヒヨリちゃん。

 全員ブチギレているのが静かに伝わってくる。

 何処の誰かは知らないけどやってしまいましたなぁ。

 よりにもよってサオリちゃんに売り付けるとは。

 すっと立ち上がったアツコちゃんに続いて二人も立ち上がる。

 

 

「サオリちゃんの好きなアーモンドの乗ったチョコケーキ作っておくね♡」

「ん? あぁ、ありがとうフミ。だがお前たち、いったいどうし……お、おい! どこに行くんだ? 待て、何があったと言うんだ!?」

「行ってらっしゃーい♡」

 

 

 アツコちゃんを先頭に、ミサキちゃんとヒヨリちゃんがサオリちゃんの両腕を掴んで引っ張っていく。

 一番年上なのに誰よりも純真なの、サオリちゃんの美点だよねぇ。

 アウトローの先輩である便利屋のみんなからの薫陶《舐められたら潰す》はしっかり心に息吹いているみたいだ。

 ともあれ、チョコケーキをささっと作っちゃいますか♡

 

 

 

 

 

 

 アーモンド乗せチョコケーキを冷蔵庫にシュートインして再びぽてぽて放浪の旅に出たフミちゃん。

 何も考えずふらふらと歩き続けて辿り着いたのは地下一階に設けられた演習場。

 ここでは日々己の技術を磨く先鋭たちが訓練に勤しんでいる。

 今日はRABBIT小隊が実戦さながらの訓練をしているみたいだった。

 

 

「RABBIT2、エンゲージ!」

「RABBIT4、十時の方向に伏兵!」

『RABBIT4、ターゲット排除……!』

『キャンプRABBITより各員、六秒後に二時の建物を爆撃』

「了解、各員衝撃に備え!」

 

 

 ターゲットのダミーを次々と撃ち倒していく四人。

 ビーッと言うブザー音が鳴り響いて状況終了。

 スコアボードに表示された攻略タイムは現在三位。

 結構良い動きしてたと思うけど、上には上がいるもんだねぇ……って、二位はスクワッドで一位は便利屋だった。

 なるほど熟練度の差。

 訓練を終えた四人がプレイエリアから出てくる。

 

 

「くそー、後二秒か!」

「ですがタイムは着実に縮んでいます。焦らずさらに経験を積んで行きましょう」

「……あっ、フミちゃん?」

「ホントだ、おーいフミやっほー♪」

「やほやほー♡ みんなお疲れ様♡」

 

 

 備品のタオルとサーバーで淹れたスポーツドリンクをみんなに渡していく。

 随分と熱が入っていたらしくみんな汗だくだ。

 この後は大浴場でのんびりかな?

 

 

「ありがと。フミはどうしてここに来たんだ?」

「気の向くままにお散歩してたら着いた♡」

「フミはいつも通りだね〜」

「そうだ、ついでだし聴きたい事があって♡」

「なんでしょう?」

「こないだ発売された新作ASMR、みんな聴いてたら評価を教えてほしくて♡」

「……そう言えばアレ、フミが原案だったな」

「レビューの集まりが鈍いから知り合いみんなに直接聴いて回ってるの♡」

「くひひっ、それならミヤコが一番詳しいんじゃない?」

「モエ、無線を調整してる風を装って聴いてるの知ってますからね」

「おっと、藪蛇だった♪」

「じゃあモエちゃんから♡」

「私は幼馴染先生かなぁ♪ あの強引な迫り方、後の事なんて考えてない破滅的な一夜……! くひひっ♪ その後旅そっちのけでやってそうなのも良いよねぇ♪」

「相変わらずの退廃好きだった♡ ミヤコちゃんは?」

「私は年上お兄さん先生ですね。いつもの先生からあんな風に変貌するのは非常に興味があります」

「なるへそ♡ サキちゃんは?」

「私は弟系先生だな! 普段あんな感じの先生が、小さくなるとすっごく可愛く思えるな。なんかこう、無限に甘やかしたくなる!」

「わかるー♡ ミユちゃんはどう?」

「わ、私は……アフタートークの、先生の語りが好きかな。あれを聞いてると、安心して眠れるから……♪」

「ほほう♡ 貴重なご意見ありがとー♡」

「次回作が楽しみだな!」

「それはそうと、せっかくですしフミさんも訓練して行きませんか?」

「フミちゃんの動きを見て、何か参考に出来たら良いな、って……」

「んー♡ 私がやれそうなのあるかな♡」

 

 

 設定機器の所に移動してコンソールをぽちぽち。

 一人で出来るもんレベルは……意外と揃ってる。

 細かく状況も設定出来るんだね、まるでゲームみたい。

 なら敵の数は……百二十体で良いかな。

 出現は全周囲、間隔はランダム、相手からの攻撃有り、遮蔽物は自分だけ無し、スモークは見学しにくいから無し、移動可能範囲は半径1メートル、っと。

 プレイエリアは……階段降りた先のDエリアだね。

 点灯した文字盤の所へ向かう。

 

 

「ほいじゃ、いてくゆー♡」

「頑張ってください」

「行ってらっしゃい……!」

「私たちはそこの窓から見下ろせるようになってるね」

「フミはどんな設定でやるんだ? どれどれ……は?」

 

 

 そんな声を背中で聴きながら扉を抜けてエリア中央の緑色に光る床へ。

 この光ってる部分が移動可能範囲だね。

 マグ確認よーし、弾倉確認よーし。

 テンション……よーし♡

 

 

『これより対人訓練、包囲戦を始めます。スタンバイしてください』

「れっつぱーりぃ♡」

『状況、開始します』

 

 

 機械音声と共に早速一体目が背後に出る。

 同時に左手のリボルバーでダミーの眉間を撃ち抜く。

 即座に右手のリボルバーを回して左上へ跳弾を放つ。

 ディレイをかけて十一時の方向に撃つと同時に二体のダミーが現れ、同時に弾丸を受けて倒れる。

 次は左右と背後の三体。

 出現前に右手で一発、出現と同時に両手で一発ずつ。

 十二時に二発弾を送り込んで薬莢を捨てる。

 時間差で出て来た二体が倒れる瞬間に左手でもう一発。

 ダミーが倒れ込んだのに合わせて起き上がったダミーも、その弾丸で沈む。

 空になったリボルバーを上に投げ、空いた右手でマグを掴む。

 落ちてきたリボルバーのスロットにマグチェンジャーを差し込みつつ左手のリボルバーを傾けて発射時の反動を使い三連射。

 すぐさま薬莢を捨てて背中側から上へ銃身を放り投げる。

 右手のリボルバーをカチリと嵌めて前後へ二連射。

 左手で構えたマグチェンジャーを落ちてきたリボルバーに差し込んでリロード完了。

 流れは掴んだから、後は繰り返すだけ。

 撃ち切ってリロード、撃ち切ってリロード。

 最後の薬莢が地面に落ちて転がるのと同時にブザー音が鳴り響く。

 

 

『お疲れ様でした。階段を登る際は足元にお気を付けください』

 

 

 使い切った弾倉に弾を入れ直して状況終了。

 これ以上は銃身の熱で指アチチになっちゃうね。

 てくてく階段を登れば、青い顔をしたRABBIT小隊が待っていた。

 

 

「いやどんな感情♡」

「……すごすぎました。私たち、SRTだからって調子に乗ってたのかも……」

「ハッキリ言って驚嘆の一言です。今までの非礼をお詫びします」

「待って♡ どゆこと♡」

「正直に言うと、私は……私たちはフミを舐めてた。勘とやらで危険察知は出来ても肝心の体捌きは一般生徒と変わらないだろう、と」

「そしたらあんな大立ち回り見せられちゃってさぁ。先生の誘拐の時は別行動してたから分からなかったけど、アレはもう次元が違うよね」

 

 

 何やら大層な評価を頂いた模様。

 私が見せたかったのはそこじゃないんだけどね。

 ともあれ今の動画データをミヤコちゃんに送っておく。

 

 

「私の勘で分かるのは私に向けられた攻撃の起点。それに対してどう動いて対象するかは、全部私が自分で考えて決めてるの。残弾管理、リロードのタイミング、同時に出現した相手の脅威度判定、狙う場所ごとへの射撃姿勢の調整。それらの情報、生きたデータをどう使うかはみんな次第だよ♡」

「……良いのですか?」

「もちろん♡ キヴォトスの平和を守る仲間だし、頑張ってる友達の為だもの♡」

「そう、ですか。……ありがとうございます、フミさん」

「うん♡ いつもの可愛いミヤコちゃんに戻った♡」

「……ふふ♪」

「どうする? 早速映像を見て研究会か?」

「いや、まずお風呂で汗を流そうよ。風引いちゃうかもよ?」

「……へくちっ」

「あら可愛いくしゃみ♡ はいミユちゃんティッシュ♡」

「ありがとうございます……ちーん」

「じゃあ先にお風呂だな! よし、行くぞ!」

「フミさん、改めてありがとうございました!」

「うむうむ♡ 頑張れ若人よ♡」

「フミも同い年でしょーよ」

「にしし♡」

 

 

 RABBIT小隊を見送って、私もエレベーターで地上へ。

 だいたいの人には聴けたし、データも集まったと思う。

 後はコレをユズちゃんに向けてぽちっと。

 さ、私もお風呂入ってこよーっと♡

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