もしもシャーレにヒモを養う適性の有る娘が応募してきたら 作:一ノ瀬 崇
「はい♡」
「はい♪」
“…………まぁ、うん。気の毒な巡り合わせだったね”
あっさりとグワラゴワガキィーンヘルメット団は鎮圧されました。
なむなむ♡
ブチギレ便利屋と全切れの私たちに先生の指揮が加わって遅れを取る訳が無いよね。
殴り込む寸前にアロナちゃんに捕捉されてしまったので当初のプランである『まず貴様から血祭りにあげてやる』作戦は破棄され、ヘルメット団はちゃんと五体満足で鎮圧された。
ヒフミンの紙袋と私のレジ袋を見て全てを察したアロナちゃんの提言か、作戦中はファウストとエイトという名でしっかり身元は隠蔽された。
代わりにますますファウストの名声は高まった気がする。
まぁ結果オーライだな!
ちなみにはーちゃんはどこからともなく駆け付けたセリナさんによって応急処置を施され、左ふくらはぎに絆創膏が貼られていた。
全治三日、傷跡も残らず完治するらしい。
いやー良かった良かった♡
傷跡が一生残るようなら手当たり次第に両手両脚を砕いて回っていたかもしれない。
“本当にハルカが軽傷で良かった……!”
私とヒフミンを見て心の底から安堵する先生。
やだなーそこまでしないってー。
“いいやするね”
「なにゆえ♡」
“フミに消えない傷が残ったら私もそれくらいは怒るからね。流石に生徒相手にはお説教で済ますけど……”
「生徒じゃなかったら?」
“……相手の出方次第かな”
「フミちゃん、愛されてますねぇ♪」
「……うにゅー♡」
「あっ♡ 見てください先生! フミちゃんのガチ照れですよっ」
「みっ、見るなー!?」
めっちゃ顔が熱い。
耳も真っ赤になってると思う。
合流したアルさんたちにも弄られてあぅあぅしながら帰路に着く。
今日はヒフミンも私の部屋にお泊まりなので、みんなでシャーレへ移動だ。
途中で私服を褒められてあぅあぅタイムを延長されつつ、右手ではーちゃん左手でヒフミンと恋人繋ぎでぽてぽて。
もう少し身長差が有ったら親子に間違われそう。
この場合は遺憾ながら私が娘ポジである。
「捕獲された宇宙人感ありますよね」
“ぷふっ”
「あっはっは、それだわ!!」
「んふっ……アル、笑いすぎフッ……!」
「あははっ、フミっち解剖されちゃうー♪」
「遺憾のかまで来たゾ♡」
「あわわ……!? フミちゃん落ち着いてください……!?」
「すごく落ち着いた♡」
「私とハルカちゃんで左右から話し掛ければフミちゃんのテンションの上下でタービンを回せますかね?」
「その前にヒフミンをジャイアントスイングする♡」
取り敢えずまだ笑ってるアルさんをはーちゃんで攻撃させよう。
「ええっ!? そ、そんな、アル様に弓引く訳には……!?」
「だいじょぶだいじょぶ♡ いけっ、はーちゃん♡ アルさんに抱き着いて日頃の感謝だ♡」
「あっ、そ、それでしたら……♪ 失礼しますね、アル様……♪」
右手を離すとてててっとアルさんに駆け寄ってむぎゅっとはーちゃんが抱き着く。
すかさず日頃の感謝とアルさんを讃える言葉がするすると紡がれていく。
やめろとも言えずに今度はアルさんが顔を赤くしている。
それをからかいに行ったムツキさんが今度はターゲットになって、はーちゃんに抱き着かれながら感謝と好意を真っ直ぐに伝えられていた。
もちろんカヨコさんも逃げられずにはーちゃんに抱き着かれていた。
仲良し便利屋は健康に良い。
「やっぱ便利屋のイチャイチャは良い♡」
「あはは、見ててこっちまでぽかぽかしますよね♪」
“家族感が有って良いよね。大黒柱のアルに、クールで優しいカヨコ、ムードメーカーのムツキに、愛され末っ子のハルカ、って感じで”
「よし、こっちも対抗して家族っぽい事しよう♡」
「なにするんですか?」
「せんせーの腕にぶら下がって持ち上げてもらう♡」
“長くは保たないけど良い?”
「おっけー♡ あ、でもヒフミンは重いかも?」
「重い女の子なので先生から離れませんっ♪」
「あっ、逆手に取りよったなコイツ♡」
手を離してそれぞれ先生の腕に掴まり、肩の高さまで持ち上げてもらう。
ふわっと身体が浮いて視点がちょっと高くなった。
“よっと”
「わー♡ すごーい♡」
「きゃーっ♪ 浮き上がってますー♪」
“ふふ、どうかなお姫様方?”
「おとーさんカッコいいー♡」
「パパ、ステキですっ♪」
“その呼び方は人聞きが悪いかな!”
お気に召さなかったのかすぐ下ろされてしまった。
ざんね……おや?
ふむふむ♡
先生のちょっとした変化に気付いてニヤリと笑う。
ヒフミンも気付いたようだ。
二人で袖を引いて先生に屈んでもらい、左右からそっと囁く。
「今度、誰も居ない時にいっぱい遊んでね、おとーさん♡」
「パパのカッコいい所、いっぱい教えてくださいね♡」
“煩悩退散!”
逃げるようにてってこ駆け出していく先生。
二人で笑い合いながら、その背中を追いかける。
「お布団だーいぶ♪」
ぷみーん、とウェーブキャット抱き枕が悲鳴を上げる。
あわれヒフミンに潰されて染み付いた匂いを思いっ切り吸われていた。
あの後シャーレに戻り、晩ごはんはみんなに親子丼を振る舞った。
先生が何か言いたげだったけどメニューに深い意味は無いですにゃん♡
今日はヒフミンと過ごすので先生を便利屋に送り出し、二人で私の部屋に戻ってきた。
「ほら、せっかくの可愛い私服なんだし皺になる前にクローゼットにしまっちゃいなさい♡」
「はーい♪」
「下着は先に洗濯機回しちゃうか♡」
という訳でお互いすっぽんぽんになって服を片付け下着を洗濯機へ。
ついでに制服も一緒に回しておくか。
働き始めた洗濯機に別れを告げて、ベッドに寝転がるヒフミンに覆い被さる。
「おらー♡」
「きゃぁん♪」
ヒフミンにのしかかって両手を伸ばす。
いつの間にか私好みのサイズにまで大きく育ちよって♡
おらーもみもみ♡
「あんっ、フミちゃんのえっちぃ♡」
「今朝からどれだけムラムラしてたと思ってんの♡ 可愛い私服で誘ってきて♡」
「やんっ♡ だってフミちゃんが喜ぶと思って♡」
「なら良いじゃない♡ ほら、こっち向きなさい♡」
身体を仰向けにさせて唇を重ねる。
舌が触れ合いぴりぴりと快感が背中を走っていく。
柔らかな胸が私の指に合わせて形を変え、いやらしく揺れながらぽっちを勃たせていく。
そこへ私の胸を押し付けた。
ヒフミンの胸が柔らかく押し潰され、互いのぽっちが触れ合う。
「あんっ♡」
「やんっ♡」
嬌声が重なり合う。
弱い所も気持ちいい所も互いに全部分かってるので、数秒と経たずに二人で幸せに至る。
舌を絡め合いながら今度はヒフミンが上になって両手でぽっちを責め立ててくる。
既に二人ともとろとろだ。
部屋の中に水気を伴った衝突音が情けなく鳴り響く。
「んぁっ♡ あっ♡ ちょっ♡ 飛ばしすぎっ♡」
「あはっ♡ んっ♡ 我慢できる訳ないじゃないですかっ♡ あんなにえっちな格好してっ♡ フミちゃんは悪い子ですっ♡ 私が成敗しちゃいますからっ♡ えいっ♡ えいっ♡」
「やぁっ♡ あぁん♡ やだぁっ♡ ヒフミンに成敗されちゃう♡ 負けないもんっ♡ 逆に私の愛人形にしてやるんだからっ♡ あっ♡ あぁん♡」
「無駄な抵抗はやめてっ♡ 大人しくあんあん喘いでいたらいいんですっ♡ そしたらっ♡ 毎日可愛がってあげますからっ♡♡」
「そんなのっ♡ ダメっ♡ ダメなのっ♡ 私がヒフミンを気持ちよくしてやるっ♡ えいっ♡ あんっ♡ お豆ぺちぺち当たってるぅ♡♡♡」
「ひゃあぁぁん♡♡ ダメですっ♡ 正義の味方が感じちゃダメなのにぃっ♡♡ 悪い子のフミちゃんを解らせるんですからっ♡♡♡ あっ♡ あはぁっ♡♡♡」
「そんなにっ♡ 強がってぇ♡ もう何度も幸せきちゃってるくせにぃ♡♡ ヒフミンは私のなんだからっ♡ 黙って幸せにされてなさいっ♡♡♡ あっあっ♡ やっ♡ きちゃうっ♡ それ、つよいぃっ♡♡♡♡」
「今日こそはっ♡ 私がフミちゃんをお嫁さんにするんですっ♡♡ 可愛い声も♡ 可愛い顔も♡ 可愛い身体も♡ 全部私のですからねっ♡♡♡♡」
上下を入れ替え、攻守を入れ替え、互いに好きを重ねていく。
「あっあっ♡ フミちゃんっ♡ 好き♡ 好きです♡ 愛してます♡ あっ♡ はぁん♡ あんっ♡ 好きっ♡ 大好きですっ♡ フミちゃぁんっ♡♡」
「私もっ♡ 私も好きっ♡ 愛してるっ♡ ずっと一緒っ♡ ずっと一緒がいいっ♡ 好き好きっ♡ ヒフミっ♡ ヒフミっ♡ んぁぁっ♡♡♡」
「嬉しい♡ 嬉しいですっ♡ ずっとフミちゃんの側に居ますっ♡ 離してって言っても離れませんからっ♡ んっ♡ あっ♡ いいっ♡ 気持ちいいですフミちゃんっ♡ もっとくっつけっこしたいです♡ 腰が勝手にへこへこしちゃう♡」
「あぁっ♡ 私もっ♡ 私もヒフミと気持ちよくなりたくてへこへこしちゃうぅ♡♡ もう何回も幸せになってるのにぃ♡ もっとヒフミと一緒に幸せしたいのぉ♡♡♡」
「いっぱいなりましょうっ♡ あっあっ♡ 私もまたきちゃう♡ フミちゃんっ♡ 一緒っ♡ 一緒にっ♡♡」
「うんっ♡ 一緒に♡ あ♡ あぁ……♡♡ あっあっあっあっ♡♡♡♡ あぁぁぁああぁぁっ♡♡♡♡♡♡」
幸せを重ねて一つに溶け合うように、身体を強く抱き締め合う。
「んーっ♡ んっ♡ んっんっんっ……んぅーっ♡♡ ぷはっ♡ はっ♡ あっ♡ あぁぁ……っ♡♡♡ とけるぅっ♡ 頭とけちゃうぅ♡♡ きもちぃ♡ きもちぃよぉ♡♡♡」
「あははっ♡ フミちゃんとろとろ♡ 可愛いですっ♡ もっと♡ もっと溶けましょう♡ 私とフミちゃんが一つになれるくらい♡ あっ♡ 私もまたっ♡ 幸せきちゃいます♡ あっあっ♡ んぁああぁぁっ♡♡♡♡」
「あぁぁぁぁんっ♡♡♡♡ またいっしょに幸せになれたぁ♡♡ ヒフミ好きぃ♡ 大好きぃ♡ くっつけたまま腰すりすりきもちいいよぉ♡♡♡ お豆さんこすれてっ♡ しびれちゃうのぉ♡♡」
「んっ♡ 私も気持ちいいですよぉ♡ 私のお豆さんとフミちゃんのお豆さん♡♡ ぴんぴんに充血しちゃってますね♡ 敏感になってるのを♡ すりすり♡ こしこし♡ あぁんっ♡♡ これすごいですっ♡♡♡ またすぐに幸せきちゃうっ♡♡♡♡」
幸せに浸かって何も解らなくなっても、気持ちいいという事だけを求めて。
「あー♡ あー♡ フミちゃん♡ フミちゃん♡ すき♡ すきですぅ♡ あっ♡ あーっ♡♡♡♡ はぁ、はぁ……っ♡ あ♡ あぁぁ……♡ あっ♡ あー♡ あー♡」
「ヒフミっ♡ すきっ♡ もっと♡ もっとしよっ♡ くちゅくちゅ♡ くちゅくちゅいいっ♡ あっ♡ んあっ♡ あぁんっ♡ あっあっ……あはぁっ♡♡♡♡」
「んひっ♡ ひぃんっ♡ んあっ♡ あーっ♡ あーっ♡ フミちゃん♡ フミちゃんっ♡ くちゅくちゅいい♡ こすれてきもちいいですぅ♡♡ んぁっ♡ あ゙っ♡♡♡ あぁ……♡ しあわせですぅ♡」
「ヒフミぃ♡ あっ♡ くっついてるだけなのに♡ かってにこしがふるえて♡♡ あー♡ あー♡ くるっ♡ またきちゃうっ♡ うぁぁ♡ ヒフミぃっ♡ あーっ♡ うぁぁっ♡ あぁぁぁっ♡♡♡♡」
何度も気をやって、何度も目覚めて。
後の事なんか考えない、獣のように貪り合って。
ふと正気を取り戻した頃にはもう太陽は昇りきっていた。
頭が重い。
鈍痛に揺られながら全身の感覚が戻ってくると、腰と背中に痛みを感じた。
腰は、まぁ、酷使しすぎたせい。
背中はお互い強く抱き締め合った時に爪が食い込んで出来た傷に、ベッドから溢れてなお滴る淫水が滲みている。
後、両脚がガックガクだ。
今日一日はまともに動けないかもしれない。
と、私の上にヒフミンが乗ってるのに今更気付く。
可愛い顔で寝ちゃってまぁ♡
額にキスを落とすとくすぐったそうに身を捩る。
ホント、天使かってくらい愛らしい。
私より頭一つ分は身長高いはずなのに、こうしていると私と同じくらいの背丈に感じる。
童顔なのもあるけど、それだけあどけない表情が多いんだと思う。
はー、やっぱ好きだわこの子♡
肉欲抜きにしても多分この先の人生でヒフミンから離れられそうもない。
……まぁ、ヒフミン以外にもはーちゃんを始めとしていっぱいお嫁さんは作っていくんだけども♡
そこは性分として諦めてもらおう。
ヒフミン曰く淫婦らしいし♡
そんな事を考えていたら眠り姫が目を覚ました。
「うゅ……フミちゃん……?」
「おひゃー♡」
「わぁ、フミちゃんだぁ……♡」
「ヒフミンのフミちゃんだよ♡」
「おはよーございます……♡ ふわぁ……、あ!? イタタタ!? 敵襲ですか!?」
「おちつけ♡」
しっかり目覚めたら激痛にも気付いたらしい。
多分私と同じく背中と腰だな。
シャワーが地獄になりそうな予感。
筋肉痛になってる両腕を動かして悶えるヒフミンのぽっちをくにくに♡
「あんっ♡」
「今は昼間でここは私の部屋、その痛みは組んず解れつでお互いに爪を立てた傷と酷使しすぎた腰の痛み♡ これから這って移動してシャワー浴びてから消毒してガーゼ貼るわよ♡ おーけー?」
「わ、わかりましたっ♡ わかったので、あんあんっ♡ くにくにしないでくださいっ♡」
「おっと♡ ヒフミンが可愛くてもう一戦始める所だった♡」
「もう、フミちゃんったら……♡ そんな所も好きですけど……♡」
「流石にここからおっ始めたら背中の傷が悪くなりそうだから我慢♡ さ、お風呂目指して移動するわよ♡」
とは言ったものの。
お互い脚がガクガクでまともに立てないどころか膝立ちも出来ないのでずりずり這って移動する。
私とヒフミンの淫水がまだ乾き切らずに床を濡らしていて、動く度にじゅぷじゅぷぴちゃぴちゃ水音が鳴る。
この瞬間を先生に見られたら恥で切腹するかもしれない。
それくらい色々と残念な絵面だった。
「孵化したばかりのエイリアンですかね?」
「パロディAVに出てきそう♡」
「まずいですフミちゃん! 浴室の取っ手に届きません!」
「起き上がったらすぐ、くおぉっ!? 主に腰が痛い!」
「無理はダメですっ。な、何かで高さを稼がないと」
「ならヒフミン、私が台になるから乗るんだ♡ あ、背中だと悶えるから頭に上体乗せる感じでお願いします」
「わかりましたっ! よいしょ、ん〜……っ、いった! 開きましたよ!」
「でかしたヒフミン♡」
そんな小冒険もありつつ。
何とか浴室に滑り込みシャワーを浴びて全身のぬめりやかぴかぴを洗い流す事が出来た。
お互い背中にお湯が当たる度にひんひん泣いたのは言うまでもない。
両脚のマッサージもやってどうにかぷるぷるしながらも立てる程度には回復して、一旦スパッツだけ穿いておく。
改めて部屋に戻ると噎せ返る程に濃い淫臭で満ちていた。
すぐさま換気扇を回して窓も全開。
数日は誰かのお部屋に泊まるしかなさそうだ。
「よし、取り敢えず医務室行こう♡」
「上着どうしましょうか」
「新品の白シャツあるから一先ずそれで、処置してもらったらいつもの服に着替えるか♡」
「そうですね……それにしてもすごいですね。この水分私とフミちゃんで全部撒き散らしたんですよね?」
「軽い脱水症状も出てそう♡」
「そう言えば喉渇きましたね……医務室前の自販機でスポーツドリンクがぶ飲みしますか」
「がぶ飲みは怒られそう♡ したいけど♡」
軽くお着替えを済ませて二人でよたよた医務室へ。
普段は階段で行ける距離だけど、迷いなくエレベーターのボタンをぽちー。
支え合わないと立ってるだけでぷるぷるしちゃう。
普段使わないけど手すりの存在がとてもありがたい。
二人でひーこら言いながら普段の倍の時間をかけて辿り着いた医務室には、ピンクのナース服を来た子が待っていた。
「お待ちしていました、フミさん、ヒフミさん」
「あれ? セリナさん?」
「お待ちされてました♡ 多分せんせーかな?」
「はい、先生からモモトークをいただきまして。ひょっとしたらお二人が大変な事になってるかもしれないから、と。まずは座ってください、これもどうぞ。一気飲みしちゃダメですよ?」
セリナさんがスポーツドリンクを渡してくれた。
ありがたく受け取ってくぴくぴ。
あぁ〜生き返るわぁ〜♡
「では早速消毒しましょう。お二人とも上着を脱いでください」
「はい……えっ? えっ、何で傷の事を知ってるんですか?」
ヒフミンが疑問の声を上げる。
ガクガクの腰やぷるぷるしてる両脚は見て分かるだろうけど、背中の傷は上着で隠れてるはず。
するとセリナさんはちょっと顔を赤くして答えた。
「……その、先生からお二人の仲は聞いてますし、愛し合う事で
「……ええと、その。はい……」
「おみそれしました♡ ええい、恥ずかしがっても仕方ないぞヒフミン、大人しく脱ごう♡」
上着を脱いでセリナさんに背中を見せる。
不格好な入れ墨か、ってくらい色んな所が真っ赤になって所々爪痕で引っ掻き傷が出来てるはずだ。
流石のセリナさんもちょっと呻いていた。
でもすぐに消毒液を染み込ませたガーゼを傷口にぽんぽんと優しく当ててくれる。
優しさが沁みるなぁ……いやそれ以上に滲みるわ!
「いだだだだだだ!!? 主に全面が痛い!!?」
「我慢してください、放っておくとバイキンが入って化膿してしまうかもしれませんし、最悪敗血症になってしまいますよ?」
「なにその怖そうな名前の症状!? ぎゃーっ!? 滲みる滲みるっ!!?」
「感染症をキッカケに全身で細菌に対する免疫反応が過剰に引き起こされる症状です。ハチ毒に対するアナフィラキシーショックを想像すると分かりやすいかもしれませんね。初期対応が重要なのでいち早い治療が肝心です!」
「為になるぅーっ!!!」
「ひぇぇ……! おっかないです……!」
「半身浴みたいに背中全体を消毒槽に浸けたいくらいですけど、それをやっちゃうと今度は痛みでショック死しちゃいそうですね」
「引くも地獄進むも地獄!」
「な・の・で、お二人とも仲睦まじいのは素晴らしい事ですけど、ちゃんと節度を持ってお付き合いしてくださいね? その、せ、セックスの度に傷だらけになってたら本当に危ないですから!」
「あっ、セックスで恥ずかしがるセリナさん可愛い……いっだぁっ!?」
ちょっと茶化してみたら消毒液を直接吹き掛けられた。
医療従事者をからかってはいけない。(戒め)
「ひんひん」
「後は軟膏を塗ってガーゼを……背中全体に貼るのはちょっと不合理ですね。確かミレニアムが開発した人工皮膚型の吸着パッドがあったのでそれを使いましょう」
咽び泣く私に良い笑顔を向けつつ、セリナさんは前半分を切り落としたシャツみたいなものを持ってきた。
どうやらこれがその吸着パッドらしい。
服を着るように背中に貼り付けて、一日経ったら剥がして良いとか。
その後はまた消毒して傷の様子を見る、と。
明日もお世話になりまーす♡
「はい、お大事にしてください♪ 次はヒフミさんですね」
「お、お手柔らかにお願いしますぅ……」
「安心してください。滲みるって事は効いてるって事ですから♪」
「いたぁーっ!??」
逃げ出そうにも両脚が震えて踏ん張れないので満足に椅子から離れる事も出来ないヒフミン。
その様子を気にも留めず消毒液を染み込ませたガーゼをぽんぽん当てるセリナさん。
実はちょっとドSだったりして?
「セリナさんってせんせーが涙目で見上げて来たらゾクゾクしちゃうタイプですか?」
「それは誰でもするのでは?」
「確かに♡」
「何の話ですかっ!?」
ヒフミンの相槌に思わず納得していたら顔を赤くしたセリナさんにツッコまれた。
でもちょくちょく『先生のセリナです♪』って言ってるし、被虐願望と言うか先生に所有されたい願望が強いのかも?
その後ヒフミンもひんひん泣かされて同じように吸着パッドを背中に貼られた。
「ひんひん」
「はい、お大事にしてください♪ 明日吸着パッドを外しますから、それまではお風呂やシャワーは我慢してくださいね。代わりに濡らしたタオルやボディシートで汗を拭って清潔に保つようにしてください。それと軽い脱水症状も見られますので水分補給はしっかりと」
「はぁい♡ ありがとーございました♡」
「うぅっ、ありがとうございます……」
医務室をぷるぷるガクガク歩いて出て行くと、ちょうどはーちゃんを連れた先生に出会った。
昨日の怪我を診てもらうのかな?
軽く手を振ると二人ともにこやかに笑みを浮かべて、同時にきょとんとした。
やだもう可愛い♡
「はーちゃんもせんせーもおひゃー♡」
「おひゃーです♪」
“もうこんにちはだよ、二人とも”
「こんにちは、です」
“で、何でそんな産まれたての子鹿みたいに?”
「耐久お豆チャンバラしてて腰と脚が限界を迎えました♡」
「ふっふっふ、今の私たちはウェーブキャットさんよりも奇怪な歩き方が出来ますよ……!」
“何の自慢にもなってないよ? あと一応先生としては爛れた性生活を送ってる子にはお説教しないといけないんだけども”
「あわわ……お二人ともオトナです……!」
「せんせーもはーちゃんもすぐに私たちとえっちな性活に突入するから安心して♡」
“安心出来る要素は無いかな!”
「よ、四人で、ですか……!? あ、あわわ……!」
「代わる代わる先生に愛されちゃいましょう♪」
「はーちゃんがせんせーにとぷとぷされてる時に、私とヒフミンでぽっちちぅちぅ吸ってあげる♡」
「いっぱい幸せ感じましょうね♪」
“ダメだ、この二人を合わせると火力が高い! さぁハルカ、先生と二人で医務室まで行こうか!”
「え、あ、し、失礼します……!」
「やーん♡ いってらっしゃーい♡」
「ではまたー♪」
二人を見送って取り敢えず執務室へ。
来客用のソファーに二人でうつ伏せに寝転がり、給湯室の冷蔵庫から拝借したスポーツドリンクのペットボトルにストローを挿してちぅちぅ飲んでいく。
「今日はもう気力使い果たした感♡」
「今までで一番激しく愛し合った気がしますね」
「それなー♡ でもせんせーと結婚したらこれがほぼ毎日続く♡」
「おまた壊れちゃいますよぅ……いえ、吝かではないですけど♡」
「だからハーレムメンバーが必要だったんですね♡」
「突然ガバりそうな言い回しに」
「せんせーに見せてもらったやつ、すっかりハマっちゃって♡」
「なんでゲームの解説動画に男の人同士のビデオ要素が必要なんですかね?」
「分からない♡」
「お気に入りリストに入ってましたし、実は先生も男の人が……?」
「腐るんじゃないヒフミン♡ 第一せんせーが女の子好きなのは補習授業部の合宿で分かったでしょ♡」
「確かに! また先生に腰持ってパンパンされたいですねぇ……♡」
「おい待て初耳♡」
「ほら、停電になった時に先生が抱っこしたまま移動してくれたじゃないですか。あの時落ちないようにって先生が腰を持ってくれたんですけど、一歩踏み出す度に先生の熱い剛直がズボン越しに私へずりゅっ♡ ずりゅっ♡ って♡」
「なにそれ羨ましい♡ そんなんもう交尾じゃん♡」
「孕んだかと思いましたね」
「思わんといて♡」
そんな風に駄弁りながらドリンクちゅーちゅー。
ちょいちょい先生にお願いして外の世界のエンターテイメントを見せてもらってるけど、あの文化のハッテンはちょっとよぐわがんにゃい♡
キヴォトスと似てるものもあれば全く存在しないものもあったりと、文化の違いをすごく感じる。
でも先生の精神性はどうやったら培われるのか。
謎は深まるばかりだ。
単に先生としての心構えだけであんな鋼の理性は育たないと思うんですケド♡
「うーん、多分もう一押しなんだけどなー♡」
「最後の壁の耐久力おかしくありません?」
「なんか劇的なイベントでも有ったら良いんだけど♡」
「爆発する船からの大脱出とかですか?」
「せんせーを庇って生死不明に……いや、冗談だからそんな目向けないで♡」
「冗談でもそんな事言うフミちゃんキライですー」
「今のは私が悪かった♡ ねーぇヒフミン、こっちむーいてー♡」
つーん、とそっぽを向くヒフミン。
でもさり気なくほっぺたを突き出している。
リクエストにお応えしてほっぺたにちゅーすると、ヒフミンは途端に笑顔になった。
「もう、可愛いんだから♡」
「えへへ……そうですよー♪ ヒフミちゃんはすっごく可愛いんです! だからしっかり捕まえておかないとダメですからね?」
「どっか行く気も無いくせに♡」
「やぁん、それは言わないお約束ですよぉ♪」
二人で笑い合う。
こんな風にゆったりとみんなで仲良く過ごして行きたいものですな!
なお翌日またセリナさんに二人とも泣かされる模様。
やっぱセリナさんドSだよ!!!!