リアル鍛冶師のおっさんが刀匠へと至るまで 作:バナナラッシー
・・・さすがにいきなり弟子になりたいですなんて言うのはまずかっただろうか。
俺はこれまでこの世界のNPCとあまり触れあってきていない。
精々めちゃくちゃリアルな反応するなぁ程度の感覚だ。だが今の俺にはわかる。
この目の前のおっちゃんがとても困惑しているということを…!
「あ~すまないね。私は店番を任されているだけであって、実際に工房にはいっていないんだ」
「あ・・・そ、そうなんですか・・・」
なんと俺は鍛冶師でもない人に弟子入りを希望していたらしい。恥ずかしすぎて消えそうだ。
「まぁそんな残念そうな顔をしないでおくれ。一応紹介はしてあげるから」
「え!本当ですか!」
「あぁ、君は鍛冶師のようだからね。いきなり突っぱねられたりはしないはずだ」
俺はこのおっちゃんに感謝してもしきれないだろう。おっちゃんがいなければ俺はこの世界で鍛冶師にすらなれなかったかもしれない。ありがとう、おっちゃん。
「じゃあ親方のところまで案内するね。その、ちょっと親方はきつい言い方をする人でね・・・
弟子に厳しいことで有名なんだが、大丈夫そうかい?」
「大丈夫です!」
厳しい師匠なんざリアルにもいるんでね。正味今更って感じだ。
「そ、そうかい。ならついてきてくれたまえ」
俺は少し引き気味なおっちゃんと共に、店の裏側にある工房へと足を進めた。
火の爆ぜる音、焦げ臭いにおい、肌に感じる熱、まさかゲームでこの感覚を味わえるとは・・・
「おいレンギン!お前の新しい弟子入り希望者が来たぞ!」
「あぁ?俺はもう弟子を取らねぇって言っただろ、マーデン!」
どうやらこのおっちゃんはマーデン、ここの親方はレンギンというらしい。俺のテツギリと若干ニュアンスが似ていて少し親近感が湧いた。
「まあそういうなレンギン。お前が厳しいって言っても大丈夫だって豪語するやつだぞ?
これが最後のチャンスかもしれねぇじゃないか」
確かに工房にしては賑やかさがねぇなと思っていたが・・・本当に弟子がいねぇんだな。
なんだが、現実の後継者問題みたいで・・・なんだかなぁ。
「どうせそいつも口だけだろ。今までそんな奴をどれだけ見てきたと思ってやがる」
ほう?俺が口だけ?言ってくれるじゃないか。こちとらリアル鍛冶師だぞ?
「お言葉ですがレンギン殿。俺をそこらの有象無象と比べちゃあいけませんで?」
「あ?鍛冶のノウハウすら知らねぇ小僧が何言ってやがる?」
「俺はそれを教わりにここにいるんすよ?」
「あぁ?」
「はぁ?」
この親方は何を言っているんだ?知らないから教わりに来たのにそれを教えないだぁ?
ふざけんじゃない。うちの師匠だってもう少し考えられるぞ。
「まぁまぁ落ち着け二人とも。いつもみたいに条件を出せばいいじゃないか。」
「え?条件?」
「あぁ。こいつは昔から弟子入り希望のやつに弟子になるための条件を付けていたんだ。
まぁどれも難しすぎて誰も弟子になることはできなかったけどな。」
「ふん。最近のやつは軟弱なやつが多いんだ。そんな奴を弟子にする気はない」
まぁ確かに最近うちに来る奴らも、師匠に怒鳴られて涙目になるやつが多いな。全員覚えはいいから、大体は俺がかばってるんだけどな・・・
「俺は絶対にあなたの弟子になります」
「・・・本気なんだな。いいだろう。ならば『四駆八駆の沼荒野 』の主から素材を剥いで来い」
「おいおいレンギン、それはさすがに・・・」
「うるせぇぞマーデン。こいつはできると言ったんだ。当然逃げるなんてことはしないよな?」
「はい、必ず成し遂げます」
「ならばよし。お前、名前は?」
「テツギリです」
「そうか。ならばテツギリ、お手並み拝見と行こうか」
『ユニークシナリオ「握り振るうは鎚と剣」を開始しますか?』
・・・なにこれ
この頑固おやじに挑んでは蹴りだされた者は数知れず。
店主とフラグを立てないとまず仲介人がいないので追い出されます。
鍛冶師じゃなかったらそもそも工房に入れません。
ここでパーフェクトコミュニケーションをとれなければ条件を言ってくれません。
経験を積みすぎると「お前に教えることなんざねぇ!」と追い出されます。
あ、ファステイアでの商店のおっちゃんとの会話はなくても大丈夫です。
・・・これ発見条件馬鹿むずくね?
唐突で悪いのですが、皆様は主人公の身体欠損には肯定的ですか?特に他意はないです
-
yes
-
no