リアル鍛冶師のおっさんが刀匠へと至るまで 作:バナナラッシー
「あぁ・・・結構あっさり負けに待ったなぁ」
あのカエル野郎にぶっ飛ばされた後、俺はセカンディルの宿のベットで目が覚めた。
ここってかなり序盤のえりあのはずなんだけどなぁ・・・なんであいつはあんなに強いんだ?
「それにこのデスペナルティー・・・すぐにリベンジってのも難しいな」
この世界では一度死ぬと5分間全ステータスが低下するようだ。さすがにこの状態で戦うってのは無理がある。だが・・・やつの弱点はある程度理解することができた。
「あの全方位水晶飛ばしの後、あいつは装甲がなくなっていた。つまり、あいつに必殺技を打たせた後にどうにかして攻撃できないと俺はあいつを倒せないってことだ」
となると、どうにかしてあの攻撃から生き残らないといけないんだよなぁ・・・
バカ早かったぞあの攻撃?気づいたときには水晶がグサッ、だぜ?
「とにかく色々考えてみるしかないな。ぶっつけ本番で刀を使うってのもよくなかったし、スキルの使い方も考えていかないと」
とりあえずは、そこら辺の雑魚敵相手に検証を重ねてみよう。
「って、なんかおめぇらなんか強くなってねぇか!?」
俺ははすんでのところで赤い帽子をかぶったゴブリンからの斧攻撃を回避する。
唐突すぎる展開だが、俺もよくわかってない。ただ、覚えたばかりのスキルを慣らしていこうかなって軽いノリで四駆八駆の沼荒野に来たらこのざまだ。
俺の目の前には今、3匹のレッドキャップゴブリンがいる。普通のゴブリンと武器や姿形は同じなのに、攻撃パターンが多彩すぎる。
「ウギャ!」
「っぐ、ちょこまかと、って連携まですんのかよ!」
なんとこいつらは連携もすることができるらしい。三方向から少しずれたタイミングで別々にかかってきやがった。鞘から
抜刀してからの5秒間バフでなんとか食らいつけてる感じだ・・・
「めんどくせぇ、次で決めるか」
このままだとこっちがジリ貧になってくだけだ。あのカエル野郎よりはるかに弱いこいつらに苦戦してる場合じゃねぇ!
「「「ウギャギャ!」」」
「今度は同時にか・・・だが、逆にやりやすいねぇ!ブーストアクセル!」
脚力を強化してスピードを上げ、ゴブリンどもに突っ込む!
斧が当たりそうなギリギリで・・・ここだ!
「刀を抜きつつバレルスピン!」
突っ込んだ時の勢いとバレルスピンでついた慣性、流転のバフの相乗効果で一閃!
「「「グゴギィ・・・」」」
「おぉ・・・案外思い付きでどうにかなるものなんだな」
本当に今更だが、バグもなく現実と同じような物理的力を働かせるのってどんな技術を使ってんだ・・・まぁ何はともあれ討伐は完了だ。
「お、1レベル上がった。しかも新しいスキルも。あいつらどんだけ強かったんだよ・・・」
明らかに経験値の量が違うし、昼と夜だと敵の難易度が変わるのか?
まぁとりあえず、余ってたスキルポイントと合わせて割り当てるか・・・
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PN:テツギリ
LV:19
JOB:鍛冶師(鎚使い)
500マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM(スタミナ):60
STR(筋力):50→60
DEX(器用):20
AGI (敏捷):10
TEC (技量):30
VIT (耐久力):1(7)
LUK(幸運):10
スキルポイント:0
スキル
・武装鍛造
・アイアンスマッシュ
・アームブレイク
・ウォールジャンプ
・乱撃
・ブーストアクセル
・バレルスピン
・注視Lv1 New
・クイックアーム New
装備
右:水刃「
左:なし
頭:なし
胴:放浪の外套(VIT+3)
腰:放浪の袴(VIT+3)
足:浮き草履
アクセサリー:放浪の竹笠
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「うん?なんかレベルがついてるスキルがあるな。これが育てられるスキルってやつか」
「まぁ、うん、原理は怖いから解明しなくていいか」
そしてもう一つのスキル、どうやら手に装備した武器のフル速度を上げるスキルのようだ。
結構応用が利きそうなスキルでいいな。現実でも欲しいくらいだ。
「結構そろったな・・・リベンジしに行くか」
スキルの使い方や応用、刀の使い方、ある程度のやれることはやった。
これでだめなら、レベルをもっと上げるしかねぇな。
「ここは夜になるとまた違った景色になるなぁ。そう思わないか?
空一面に広がる満点の星々の光が、濁り一つない湖と群生している水晶に反射している。
その光景はあの時見た夕焼けと同等か、それ以上に美しく感じられた。
忌々しい大蛙がいなければ、の話だがな。
「お前のために色々考えてきたんだぜ?俺の充実した鍛冶師ライフのためにも・・・
さっさと死んでくれよ!ブーストアクセル!」
「グゴォォォ!」
水しぶきを飛ばしながら、
浮き草履の効果で水の上でも歩けるようになるため、移動速度の低下はない!
「ゴァ!」
「さっそく飛ばしてきやがったな。だが今の俺にはこれがあるんだなぁ、注視!」
注視は一つのオブジェクトに対してのみ少しだけスローで見ることができる。
だからこの水晶柱も・・・
「オラぁ!」
クリティカルを出すことで真っ二つにすることが可能になるってわけよ。
この世界でのクリティカルってのはほかのゲームとは少し勝手が違う。他のゲームならタイミングとか攻撃する場所で発生率が変わるような感じだが、この世界だとどれだけきれいな形で攻撃することで発生するようだ。
だから無理姿勢から無理矢理攻撃しても、かすかすのダメージだけになっちまうってことだ。
幸運はクリティカルの範囲を上げるためのものらしい。あんまり上げてないからよく知らんけど。
ともかく、理論上は常にクリティカルを出すことも可能ってことだ。
「1、2、3、4・・・5!やっと近づけたぜ、カエル野郎!」
そしてもう一つ。こいつが飛ばしてくる水晶柱は見た目から質感までもろ鉱石だ。
ってことはだ。本体であるあいつの鎧も普通に鉱石なんじゃねぇか?
俺はウォールジャンプを使い、カエル野郎の上へと飛ぶ。
そして装備を
「買いたて新品の未使用品だ!しっかり味わってくれよ?乱撃!」
鉱石にはツルハシ。当たり前の話だろ?それに今まで気づけなかったのが俺なんだがなぁ!
「グゴァァァぁ!?」
「おうおう効いてんねぇクソ蛙。やっぱりこれは特攻武器だったのか!」
だがスタミナの減りがかなり速い。どっちも結構割り振ってんだがな・・・
乱撃はスタミナを全消費するまで殴り続ける。尽きた瞬間にどうにか攻撃をよけなければ、死だ。
「グゴォォォォ!」
「なんつうタイミングの悪いところで・・・バレルスピン!」
飛んできた水晶柱を回転に合わせてよける。もう空腹ゲージもゼロになっちまった。
空腹ゲージはスタミナの回復速度に直結しているゲージだ。飯を食うことで回復し、移動・戦闘などをすることで減少する。スタミナがなくなるとアバターのパフォーマンスが低下し、動きが鈍くなる。ってまとめサイトに書いてあった。
「この世界の飯ってなんか薄味なんだよなぁ。あんまり好きじゃねぇ」
俺は補給食をほおばりながら水晶大蛙の行動パターンについて考えていた。
いまだにあいつは全方位水晶発射をやってこない。わざわざ弱点まで露出させたのに、いまだに水晶を飛ばす以外の行動をしてこない。
「HPがまだ減りきってないのか?もう水晶の速度にも慣れちまったんだが・・・」
何度も何度も水晶を叩き切ってきたせいで武器の耐久力も結構ぎりぎりだ。
・・・このゴブリンの手斧投げたら減ったりしねぇかな。
「えい」
カツン・・・・・・
「グ・・・グゴォォォォォァァァ!!!」
「え、まじかよ」
まさかそんなにぎりぎりだとは思わないじゃん!
ガチどうしよ。耐えきれるか?今の俺に?クールタイムは?大丈夫。
耐久値、まだいける。鞘に納めて・・・
「よし、こい!!」
「ガァァァァァ!」
実に8本もの水晶柱が今までの倍の速度で迫ってきていた。
「バレルスピン!からの注視!」
1本目を回転して回避。2本目を注視による強化でぎりぎり回避。
「ブーストアクセル!」
ダッシュで突っ切って、3本目を回避。
「クイックアーム!」
武器を振る速度を上げる。4本目、5本目を切り捨てる。
HP減少。残り20。
「まだまだ行ける!ウォールジャンプ!」
飛んでくる水晶を壁としハイジャンプ。6、7本目を回避。
「あと1本は・・・ぐ!?」
突然右手に衝撃が走る。8本目、直撃。右腕欠損。
残りHP・・・1!
「もう自慢の鎧はなくなっちまったなカエル野郎!」
宙を舞う流転を左手で握り直し、構える。
「最後は結局、重力が強いんだよぉぉ!一閃!!!」
重力に身を任せ放った一撃は、沼地の主を真っ二つに切り伏せた。
「グゴォォォォ・・・」
「じゃあな、
星々が煌めく静かな世界に、一つの断末魔と一つの喝采がこだました。
実際に超速で迫ってくるものを見たら、大体の人は固まるよね。
・星海鏡海の大鉱床
四駆八駆の沼荒野のレアエリア。ユニークシナリオ【握り振るうは鎚と剣】を受諾し、特殊モンスター
数多くの水晶が群生しており一部のNPC鍛冶師たちはその水晶を利用して装備品を製造している。
沼地ではない為、普通に歩くことが可能。
・注視
視覚強化スキル。使用することで視界内にある一つのオブジェクトをスローで見ることができる。
レベルが上がることでスローに見えるオブジェクトの数が増える。
効果時間は一律3秒。
・クイックアーム
手に装備している武器を動かす速度を上昇させるスキル。
戦闘でなくとも使うことができ、鍛冶の速度を上昇させたり鍬を振る速度を上昇させたりすることができる。
唐突で悪いのですが、皆様は主人公の身体欠損には肯定的ですか?特に他意はないです
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yes
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no