三国時代まで生き残りたい   作:でねでね

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11話 官渡の戦い2

201年 1月 劉備敗戦

 

 許昌制圧に向け出陣。都を目前にして、曹操軍の防衛部隊と野戦にて対峙する。

 

 陣形は鶴翼を選択。

 先鋒・趙雲、中央・関羽、右翼・張飛、左翼・高順、後詰・呂玲綺、本陣・劉備。

 

 敵将・曹仁、参謀に荀彧。

 曹仁は曹操軍の方面司令官を任せられる名将。曹操挙兵からの将である夏侯惇・夏侯淵たちに比べ、仕えるのは遅かったが、両夏侯を差し置いて常に曹操の手が回らない別方面を指揮してきた。許昌の隣接都市・宛より急行し着陣した。

 

 

 献帝まであと少しのところで、やっかいな敵が出てきたなと独り言ちる。敵陣は方円の防御陣形。奇襲は通用しないだろう。

 だがしかし。どうぞ此方の布陣を見て下さい、良い布陣でしょう。余裕のメンツだ、馬力が違いますよ。勝ったなガハハハ!

 曹操は未だ官渡で戦後処理中だろう、袁紹軍の戦力がすべて失われたわけじゃないから曹仁が来たのが証拠だ。徐州での恨み、献策した荀彧共々この恨みはらさでおくべきか。い~え!やられたらやり返す、倍返しだ!

 寿春では孫策が進軍しているだろうし、曹操はすぐには動けない。戦力はこちらが上ときた。ゆるりと詰め将棋をしてやろうぞ。

 

 全軍前進。

 

 

 

 

「むむむ」

 

 関羽が唸る。

 

 なにがむむむだ!曹仁硬すぎだろ、どうなってんだ。これが八門金鎖の陣ってやつなんですか、だれか徐庶呼んでこいよ。今のウチにあれの弱点見抜ける知恵者なんかおらんぞ、気付けば我が軍脳筋になってるわ。

 まぁ少しずつでも削れていってるからそのうち崩せるか、、、

 

「報告!」

 

 伝令が駆け込んでくる。あっ、聴かなくてもわかるよ。

 

 

 曹操が騎兵で許昌に戻ってきた。

 敵陣は曹操の増援で一時沸くも、形勢は依然こちらが有利。引導を渡してやる。

 

「劉備!この逆賊が。庇護してやった恩を忘れ何故、漢朝に叛くのか!」

 

 うるさーい!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!!!

 徐州の件はお前が謀ったからだろう。漢室の一門(自称)として、今こそ陛下の勅に報い奉らん!

 

「おのれ・・・!誰か劉備を討ち取ってまいれ!!晒し首にしてくれる」

 

 ぎゃぁ曹操護衛の虎痴・許褚が突っ込んできた!斯くなる上は、、、いけっ趙雲、君に決めた!

 

「常山の趙子龍、ここにあり!これより先に進ませはせぬ!」

 

 両軍の将は幾度も打ち合い、なかなか決着が付かなかった。そこに曹操ゼッタイ殺すウーマンの呂玲綺が一騎討ちをしている趙雲たちを無視して曹操に突撃をぶちかます。

 遠路を急行して疲弊していた曹操の部隊はボコボコにされ、それを見た許褚は焦って後退していく。見せ場を蔑ろにされた趙雲はちょっと寂しい背中をしていた。

 

 緒戦はおれ達が勝ったのだ!

 

 

 満足気な顔をしている呂玲綺をよそに、おれ達は陣を下げ籠ってしまった曹操への対応を相談する。また何か計略を練っているのだろうが、参謀がいないウチは常に後手に回ってしまう。

 間もなく、寿春方面より夏侯惇が汝南に攻め寄せたとの急報が届く。

 

 な、なんだってー!そんなバカな。寿春方面って孫策はどうした、まさか周瑜に謀られたのか、、、?

 

 関羽・張飛を援軍に送るも汝南は陥落。臣下達は命からがら落ち延びる事となる。

 また、曹操が背後を突くだけで許すはずもなく、援軍のため陣営が薄くなったタイミングで攻勢に転じてきた。おれ達は趙雲を殿軍として退却、なんとか追撃から逃れ、汝南にいた臣下・関羽たちと合流する。

 

 

 曹操に敗けてまた家なき子になっちゃった!

 おれに仕えたばかりに、皆には迷惑ばかりかける。本当に申し訳ない。

 

「荊州を治める劉表殿は、劉備様と同じ漢室の血縁です。放浪の身となった我らは一先ず、劉表殿の下に身を寄せてはどうでしょう」

 

 孫乾がすばらしい提案をしてくれた。そうしよう、そうしよう。

 斯くして、おれ達は現在地より遥か南。荊州を目指して再び歩き始めるのだった。

 

 

 

 周瑜を通し後から知った事だが、計画していた孫家の寿春への進軍は当主・孫策の急逝によって破綻となったらしい。袁術配下の時代に命令を受け、今回出陣する予定だった拠点・盧江を攻めた経緯があった。孫策は平定時に名家・豪族達を苛烈に処断した事で、怨恨から暗殺されてしまったようだ。その盧江で孫策が一族を処断した豪族は名門・陸家である。

 

 孫策は劉備のアドバイスを覚えていたようだ。

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