三国時代まで生き残りたい   作:でねでね

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13話 三顧の礼

207年 秋

 

 3行で分かる、三顧の礼。

 

 劉備は3度、諸葛亮を訪ねた。

 諸葛亮・黄月英・諸葛均が仲間になった!

 よいぞ、よいぞ。

 

 

 諸葛亮より天下三分の計を授けられる。

 

「この諸葛孔明、国事がため犬馬の労も厭いませぬ」

 

 仕えてくれる時、諸葛亮は決意を聴かせてくれた。

 なるほど?

 

 

 おれは徐庶の進言により新たに、伏龍・諸葛亮孔明を迎え入れ軍師に据えた。諸葛亮には主に戦略と政略を一任、徐庶には引き続き軍事メインの参謀として従軍してもらう。

 

 だがしかし、職務分担とそんな事を言ってられないのが劉備軍、最前線の新野である。

 毎日毎日、曹操軍の散発的な攻勢に晒されているため、関羽たちを筆頭にローテーションで防衛戦に勤しんでいるのだ。頭脳担当の諸葛亮と徐庶は2交代制で参軍、出陣しない時は内政。とワークライフバランスなど存在しない。

 内政官たちも大忙しだ。特に商人との交渉は糜竺が商才を発揮し、湯水の如く消耗していく金と兵糧の工面を行う。またそれだけでは間に合わないので、簡雍と孫乾が常に劉表さんのとこに補給をねだりに行く。

 

 諸葛亮も最初は余裕ある微笑みを浮かべながら過ごしていたが、先だって執務室に遊びに行くと白目むきながら手元の書類を捌いていた。こうめーい。と声を掛けたが返事がない、ただの屍のようだ。しかし書類の山は減っていく。寝ながら仕事をしている、、、だと、、?

 おれは小声で起こさぬように呟き去っていく。よいぞ、よいぞ。

 

 後で孔明の妻・月英さんに、徐庶の母たちと作ったお手製の餡饅を差入れしておいた。

 

 

208年 夏 荊州分裂

 

 渇いた風が頬を撫で、真夏の日差しが肌を灼く。茹だる様な暑さの中、荊北・襄陽では一つの転換期を迎えていた。

 黄巾の乱より続く天下騒乱を割拠し、平穏な統治をここ荊州で施してきた諸侯・劉表が病に倒れ亡くなった。劉表は長子・劉琦を後継者に選び、劉備を後見人とする遺言状を残したが、その願いは叶わなかった。荊州水軍の将・蔡瑁が劉表の次男・劉琮を擁立する目論見から遺言状を偽造、主君である劉表の意思を捻じ曲げたのだ。

 斯くして蔡瑁の謀略は成就した。後を継いだ劉琮に蔡瑁は奸言を囁く、曹操に降伏し荊州を明け渡せと。

 曹操の軍勢は迫り、長きにわたって安定していた荊州にいま動乱の火が付いた。

 

 襄陽にて劉表さんの葬儀の後、劉琮が曹操に降伏した事を知ったおれ達は新野の破棄を決断した。目的地は襄陽の南に位置する都市、荊南・江陵。荊南まで後退し劉琦さんと合流、対策を練る為だ。出立前、民に向け新野及び襄陽に触れを出すと、次々に付き従い数万もの人数となった。こんなにも慕ってくれているとは、、、

 

「報告!後方の民が長坂坡にて曹操軍より追撃を受けているとの事!」

 

 そう息も絶え絶えに伝令は叫んだ。

 

 もう、追手を出して来たのか。反転し救援に向かうと伝えたが、張飛により却下される。

 

 「俺が向かう、ここは任せてくれ。民のために体を張るのは、俺の役目だ!」

 

 関羽も同意する。民は誰の天下を夢みてここ迄辛い道のりを付いてきたのかと、劉玄徳が倒れたら民は誰に縋れば良いのかと、訴えてくる。

 

 わかった。翼徳、民を任せたぞ。

 

 

 

 その頃、趙雲はおれの妻子・糜氏と甘氏、阿斗を救出するため乱戦の中進んでいた。趙雲が妻子を見つけた時、甘氏は事切れ、糜氏が阿斗を抱き抱え彷徨っていた。

 

 趙雲は駆け寄り伝える、私の代わりに馬にお乗り下さい。

 だが糜氏は言う、将たる者が騎馬なくしてどうするのです。後の事はお任せします、どうかこの子をお救い下さいますよう。

 

 糜氏はそう伝え、自身を井戸に身投げした。それは敵軍の捕虜にならない為、そして劉備の子を託した趙雲が自分の事で振り返らない様にする為。ここに劉備の妻、糜竺の妹である糜氏は息絶える。

 趙雲は阿斗を懐中に抱え、押し寄せる曹操軍に向かって馬を走らす。

 

 常山の趙子龍、何人たりとも道を阻む者は容赦せぬ!

 

 趙雲が単騎で突き進むところ敵の将兵悉く倒れ、止められる者は現れなかった。

 

 長板橋の前で張飛が仁王立ちしていると、敵陣を突き破り趙雲がやって来た。張飛は長兄の妻の安否を尋ねその最期を聴くと、・・・そうか。一言零し、劉備たちの元へ趙雲を先に行かせる。

 張飛は迫り来る曹操軍に向かって大喝一声した。

 

 我こそは燕人・張飛!死にたい奴からかかってきやがれ!!

 

 その叫びは迫り来る、万の敵兵を止めたのだ。

 

 

 斯くして、おれは犠牲者を踏み越え逃げ仰せた。

しかし、江陵はいち早く攻め入った曹仁に先越された為、進路を変え荊北の江夏にて劉琦さんと合流する事ができた。

 

 そこに孫呉からの使者が訪れる。

 その男は周瑜の名代・魯粛と名乗った。

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