三国時代まで生き残りたい   作:でねでね

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29話 五丈原の戦い

225年 11月 第二次北伐

 

 呉の勝利となった石亭の戦いによる影響で、西方魏軍の弱体化を見通した諸葛亮並びに龐統の第二次北伐の進言は蜀帝・劉備の一存で即座に決行となった。蜀漢は予定していた荊州方面軍の再編を後回しに、益州軍主力を漢中に集結させ進軍を開始する。敗戦した第一次北伐よりわずか半年後の事であった。戦略は前回と同じく2手に分かれるが主力は陳倉道を北上する、別動隊は速度重視の編成で武都と陰平を制圧し再度涼州への橋頭保となる天水攻略を行う。別動隊はその後、涼州平定と主力への補給および合流のため再度軍を割き、長安攻略へ移る。

 

蜀漢軍

主力:劉備、諸葛亮、龐統、関羽、張飛、趙雲、黄忠、田豫他

別働隊:馬超、馬岱、馬雲騄、呂玲綺、李恢、馬謖他

 

 

225年 12月 陳倉の戦い

 

蜀漢軍

主力:劉備、諸葛亮、龐統、関羽、張飛、趙雲、黄忠、田豫他

 

魏軍

陳倉守将:郝昭、王双、費曜、張郃(長安より増援)

 

 陳倉の城は以前よりも要塞化がなされ堅い防衛を布いていたが諸葛亮は焦らず軍を展開、城を包囲しての攻城戦となった。戦闘は1か月近く続いたものの魏軍の守りを崩しきるには至っていなかった。想定よりも悪い進捗におれは本陣に詰めている軍師の諸葛亮と龐統、後方を守る田豫を側に呼んで相談をする。

 

 どうする孔明。敵はそろそろ長安からの援軍が到着する頃合いだぞ?残り少ない兵糧も陳倉制圧後に同時攻略する予定の天水から補給する手筈、いつまでも時間に余裕があるわけでもあるまい。

 

「はい、陛下。その通りでございます、このまま敵軍の増援が到着すれば我々は撤退するしかありません。その為の策を士元殿がお持ち致しました」

 

 ならば遠慮はいらんぞ、前線の翼徳からも早く戦局を動かすよう催促されているのだ。忌憚なく言ってくれ。

 

「このまま力攻めは下策と判断します。敵軍に偽報を仕掛け、偽装撤退を行い追撃に打って出た敵守兵を逆に討ち取るのです。また出てきたところで騎兵を使い、敵陣の突破口として風穴を開けてやりましょう」

 

「陛下、張飛殿に一時引く様に指示を出しましょう。敵を誘き寄せ迎撃に趙雲殿と黄忠殿を当てるのです。その隙に張飛殿の軍は反転、髭殿と敵城制圧に入ると同時に我等本陣は敵軍増援に備えましょう」

 

 よしわかった、早速行動に移そう。田豫!翼徳に伝令を出してやれ。はやくしないとアイツまた勝手に突っ込むからな!

 

「承知しました、関羽殿たちは軍師殿にお任せ致します。私はその後、一足先に敵増援の来る方向に守備兵を廻しておきます。ではご武運を!」

 

 龐統の読み通り、敵将・王双は下がっていく張飛の背中をみると守将である郝昭に判断を仰ぐことなく一早く騎兵にて追撃を仕掛けてきた。張飛は陳倉城の平野部から森へ撤退、おれ達のいる山道付近まで軍を引いてきた。王双は目の前の武功と自身の武力に目が曇り、張飛が引いていった森へ躊躇することなく突っ込んできた。敵は蜀漢を代表する大将軍の1人、討ち取れば官職は間違いなく昇格するだろう。そうすれば魏の王双ここにあり、大いに名を轟かすことができる。

 

 王双のそんな雑念を持った武に趙雲と黄忠の伏兵は左右の森から襲い掛かった。王双の供回りは趙雲によって蹴散らされ、黄忠の放った一矢によって敵将・王双の首が飛んだのであった。

 

 張飛は王双迎撃の様子を確認後、即座に軍を反転させ先に陳倉の城門に攻め込んでいる関羽に合流、城内へ雪崩れの如く突撃した。

 張郃の増援が陳倉へと続く街道を封鎖している田豫と対峙する頃、陳倉城陥落の報が届いた。救援が間に合わなかった事を知った張郃は数的有利であるにも関わらず、田豫と戦闘は行わず長安への帰還を優先したのである。それは同時侵攻されているであろう涼州方面への援護をするために長安にいる都督・曹真へ火急の知らせを確実に伝える事を重視したからだった。

 

 

226年 春 第三次北伐

 

蜀漢軍

別働隊:馬超、馬岱、馬雲騄、呂玲綺、李恢、馬謖他、黄忠(陳倉より増援)

 

魏軍

天水守将:郭淮他

 

 陳倉の戦い直後の春、馬超率いる別動隊は武都を越え天水に迫っていた。馬超は麾下の李恢に異民族である姜族へ協力の要請を指示し、天水攻略の足掛かりとした。天水守将の郭淮は蜀漢と異民族の協調を遮るため天水から出撃、馬超と対峙する事となる。

 しかし、武都・陰平での戦闘が起きる事はなかった。陳倉を制圧した諸葛亮たち主力は、別動隊への援軍に黄忠を向かわせていた。黄忠は敵将・郭淮の後方に布陣し、馬超たちと挟むように軍を展開した。退路を断たれ、挟撃を恐れた郭淮は撤退に追い込まれた。

 だがしかし!そう簡単に撤退を許す馬超ではなかった。黄忠が敵退路を封鎖しようとする意図を汲んだ馬超率いる騎馬隊が撤退する郭淮に追撃を行ったのである。郭淮の軍は撤退の判断が早かったこともあり、大損害というほどのモノではなかったが天水への帰路を失い、涼州を大きく迂回するように北西に退却する事となる。

 

 天水攻略は守将・郭淮が不在になったことに加え、長安方面へと続く陳倉を抑えられたため援軍の見込みがない事が確定的となり、程なく降伏した。天水を制圧した別動隊は守りを李恢と馬岱に任せ、馬超と馬雲騄ならびに馬謖は涼州平定のため軍を再編成。目標を馬超の故郷・武威へと定めた。援護に向かった黄忠は呂玲綺と合流後、漢中からの補給を待って再び劉備たち主力の下へ戻る予定だ。

 

 

 

 

「ということになりました」

 

 いや、いきなりそんな事言われてもついていけないんだが・・・・

 

 陳倉を制圧したあと屯田しながら年越してたせいで風邪を引き、しばらく寝込んでいた間に第三次北伐が終わって天水まで攻略できた事を、天幕に入ってきた田豫から報告を受けたおれは、ほーんそれで?順調でよきよき!と軽く返すと、田豫には『40年以上の付き合いにもなるのに!!』未だに敬意を感じない冷ややかな視線を向けられた。

 

 なんだよ、言いたいことが有るならはっきり言えハッキリ!

 

「劉備様・・・第二次北伐と第三次北伐が少なからず成功したのです。主導した諸葛亮殿をいい加減に丞相へ戻してあげてください。それが蜀漢の民のためと愚考します」

 

 

 

蜀漢官位

諸葛亮が丞相になった!

 

 

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