三国時代まで生き残りたい   作:でねでね

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4話 反董卓連合3

191年 8月

 

 洛陽燃ゆ。反董卓連合に一報が届いた夜、駐屯地から望む洛陽のある西の夜空は、赤く燃える光が見えていた。

 虎牢関陥落後、董卓は都を長安に遷都した。またその軍勢でもって洛陽にある皇室の陵墓を暴き、臣民問わず資金や食糧備蓄を巻き上げ、火に掛けて行ったのだ。ここに洛陽が誇った漢朝200年の栄華の歴史が燃え尽きていく。

 

 連合軍が曾ての都に着いた時、諸侯達の目の前は廃墟と化した洛陽と徴兵に使えない者、行き場を失った民たちだけが残されていた。目的を失った連合軍の瓦解はここより始まる。

 

 

 一先ずおれ達は孫家の皆さんと復興作業に勤しむ事となった。宮中は孫堅に任せ、こちらは陵墓の修復と朝廷の倉庫に残されてる物があれば、金や食糧に替えてもらえるよう諸侯にお願いしていった。

 勿論、民たちに施すためだ。今すぐに使えそうにない物、売買利用できないであろう名品は大切に保管して陣内にオモチカエリーした。人は何かの糧がなければ生きられない、臣下や付き従う兵達の御飯だって必要なのだ。と追記しておく。

 今日も今日とて、おれ達はまだ値打ちになりそうな名品を宮中から掻っ払って帰る時、庭に集まってる孫家の皆さんと鉢合わせした。

 孫堅たちは緊張の走った表情を。おれは両手いっぱいの戦利品を背中に隠し惚けた顔をする。お互いに挨拶して会話にお茶を濁すも変な空気になる。

 

 「劉備殿、いくら民たちに施す為であれ、宮中を漁りすぎるのは、あまりよろしくないのではありませんか?」

 

 孫堅配下の程普さんに痛いとこを突かれ嫌な汗がでた。

 ハハハ、なんの事やらーーーと誤魔化した。関羽は表情から読み取れんが、張飛は分かりやすく顔にでる。マズい、、、

 

 なんて、日頃のおれであればバレたら即謝って返却するが、今日の劉備さんは一味も二味も違う。

 

 「孫家は天命を見つけられましたか」

 

 おれはシャフ度でしたり顔をしながら言ってやった。

 

 「ーーーなんの事か解りませんな。そんなに空に首を見返りながら横顔を向けられますと、背中にお持ちの物がよく見えますぞ」

 

 今度こそ本当に痛いところを孫堅に突かれた。これが孫子の末裔か、やりおるわ。

 おれはバツが悪そうな顔をして、お互いに何も見なかったことにしましょう、貸し1ですぞ!と伝え、孫堅の返答も聴かず脱兎の如く走り去った。後に、この勝手に付けた貸しで荊州貸借チャラにしてくれないかなって思ったのだった。

 

 

 しかし、伝國の玉璽を手に入れた孫堅と会うのは生涯これが最後である。

 孫堅は玉璽の件をどこからか聞き付けた袁紹に招喚され、玉璽を渡すよう問いただされたが白を切り通し、本拠地・長沙への帰還の途につく。袁紹は玉璽の件を帝の血縁であり荊州牧・劉表に伝える。劉表は玉璽の返還を求め攻撃を行い、それにより孫堅軍は長沙に着くまでに多大な出血を強いられ、劉表への怨嗟の炎に焼かれていく。

 

 反董卓の名目で集まった諸侯は、目の前の脅威が無くなった事により決裂していき、袁紹と袁術の袁家後継者争いから、新たな火種が燻る。

 

 我ら劉備軍を置いてけぼりに諸侯は、袁紹・曹操・劉表陣営と袁術・公孫瓚・孫堅陣営の大きく2つに分かれ、お互いに遠交近攻の形勢にて牽制を始めちゃってるのだ。寂しいかな連合の終わりを感じた。

 ということで、民たちに別れを告、沢山の積荷を引く白馬と共に洛陽から帰還しようと思います。ちなみに、曹操にも一言伝えようとしたが孫堅と袁紹の揉め事の時には連合に見切りをつけ、さっさと立ち去ったそうだ。

 

 反董卓連合はこれにて瓦解、董卓は献帝と軍勢の大部分を維持したままに、その隆盛を極めていく。

 

 

 

192年 平原

 

 洛陽から帰還した後、新年を本拠地で迎えることが出来る幸せを噛み締めながら二度寝していると。

 

「ご報告!情勢が大きく動きました!!」

 

 田豫が私室に入ってきた。

 何があったんだい?あと寒いから扉を閉めてくれと伝えると、有う事か田豫は窓を全開にしやがった。コイツちょっと見ない間に生意気になりよって!

 

 話を聞くと、なんでも孫堅が劉表との戦で死んだ事。長安で董卓が呂布に討たれたのち、呂布自身も董卓軍残党との派閥争いに負け、落ち延びたとの事がわかった。

 

 そっかー美女連環の計がハマったんだねー、ハメたが正しいかもだけど、おれも傾国の美女に舞を教えてもらいたいなー

 そんな下卑た考え事を見透かされたのか、田豫は冷めた目つきで退出していった。扉と窓は閉めていってくれよ、、、

 

 ついに群雄割拠の時代が来たのだと、布団に包まりながら感じた。この身体の震えは決して寒さのせいではない、と言い訳しておく。

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