三国時代まで生き残りたい   作:でねでね

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8話 群雄割拠4

197年 冬

 

 曹操暗殺計画の発端は、献帝が権勢を強め朝廷を私物化する曹操に恐れを抱くようになった為だ。董承が用意した血判状には、涼州軍閥の馬騰ほか漢の名臣の名前がある。ここで単純な疑問ではあるが、なぜ董承は袁紹を誘わなかったのだろうか、この時代に曹操にもっとも対抗できそうなのは河北冀州の名族・袁紹であるのに、、、同族の袁術がやらかしたからなのか。

 

 閑話休題、とりまおれも董承の求めに、いいですよーと血判状に捺印しといた。反董卓連合の時に決意したのだ、やるときはやる男だ。おれこと劉備は献帝の皇叔と勝手に吹聴してきた甲斐があって官職もどんどん上がっている。献帝よ、おいたんに任せときんしゃい。

 

 

198年 春

 

 曹操より呂布討伐の下知が下った。

 徐州では相変わらず呂布と曹操が争っていたが、小沛は呂布に反旗を翻す陳登親子が曹操と内応、奪取に成功していた。呂布は残された下邳にて抵抗している状態だ。

 

 

「劉備殿、今の世、天下において英雄と言えば誰のことであろうな?」

 

 曹操は下邳に進軍し、呂布討伐戦を開始する前夜、おれは曹操に招かれ酒を酌み交わしていた。

 

 そ、そうですねーやっぱり河北の袁紹ですかね。ちがう?おぼっちゃんすぎる?そしたら、江東の孫策ですねー。と次々名前をあげていく。ほんとは曹孟徳だ、と言って欲しいくせにコイツめ!

 

「英雄とは大志を抱き、大謀を胸中に秘め、天を貫く志を持つ者だ。今、天下に英雄と言えるのは貴公と、このわしだ」

 

 曹操は語る。「天」を貫くね・・・天とは帝の事ではないのか、この皇叔を前にして不敬な。ちょっとだけイラッ☆としたので意趣返しをする。

 

 曹操殿、私は老驥櫪に伏すも、志、千里に在り。その志が世を正すと思いますよ。

 この世、全てを思い通りに成しえる事はできないのではないでしょうか。この戦乱の世、我々も何れ死ぬのです。だけれども、私たちが歩んだ人生の短さに絶望するのは違うでしょう。私たちが立てた志、それこそ曹操殿の言う大志を立てれば、自分が死んだ後の世に実現されていくのでしょう。

 

「志在千里、、、劉備殿は斯様な良い詩を詠むのだな」

 

 曹操が褒めてくれた!

 そうだろう、そうだろう、お前が歳食ってから詠む詩だからな!!

 

 雷鳴が轟き、酒盛りはお開きになった。天が荒れ、雨が降りしきり、下邳が水面に沈んでいく。

 

 

 下邳攻略は包囲戦から水攻めにて行われた。呂布軍は包囲を打ち破ろうと出陣するも、湿地となった戦場に虎の子の騎兵を損失・腹心の驍将、成廉は生け捕りになった。水攻めでの長期戦は曹操軍側も兵糧切れによる撤退が危惧されたが、荀彧、郭嘉の進言により呂布と雌雄を決するまで戦う事となる。

 籠城戦において恐ろしいのは味方の裏切りである。呂布は禁酒令を破った将を罰した事により、将兵の不和を招き、愛馬・赤兎馬を手土産に曹操と内通する者が現れた。

 

 

199年 秋

 

 斯くして、武としての騎兵、半身としての赤兎馬を失い、下邳の戦いは曹操に軍配があがる。

 呂布配下の将は最期まで奮戦するも落城。呂布、陳宮は斬首となり、ここに中原を翔けた飛将・国士無双の呂奉先は墜ちる。

 

 

 曹操は呂布処刑後、後方に着陣していたおれ達を呼び寄せた。

 徐州は再び劉備統治下にさせる旨を伝えられる。去り際に、この度の戦の戦利品だと関羽に赤兎馬を、おれに方天画戟を下賜された。まだ呂布の血と熱が残っている。方天画戟は並の力では振るう事は出来ない。勿論おれには扱えない。敢えて渡すあたり、過ぎたる物を持つなという意思表示なのだろう。

 

 

 

 徐州統治が決まり、準備に一度汝南に戻るため、同行していた陳羣を下邳に残す事とした。

 汝南に戻る道すがら、良い知らせと、悪い知らせが届く。

 

「これからよろしくお願いします!劉備様!」

 

 高順に伴われ、呂布の妻子・厳氏と呂玲綺、貂蝉がやって来たのだ。落城前に呂布達が囮となり落ち延びさせたようだ。

 

 出奔前まで高順は呂布と一悶着あったらしい。

 ーーー思えば、お前の忠言を一度も聴いてこなかった、だから最期も聴かぬ。故に、妻子を頼む。

 

 臣として最期を伴に出来ないことを悔やんでいたが、今は娘・呂玲綺に仕えている。

 

 

 呂玲綺・高順・厳氏・貂蝉が仲間になった!

 呂玲綺に方天画戟をあげた。呂玲綺の武力がぐーんと上がった!

 

 

 悪い知らせは汝南からだ。

 董承の曹操暗殺計画が露呈し斬首されたとの事、徐州は駐屯していた曹操軍に併合され、汝南にも兵が差し向けられようとしているらしい。おそらく、おれ達にも追手が迫っている事だろう。

 

 気の遠くなるほど長い長い、退却戦が幕を開けた。

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