前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう) 作:きりっと果実
こっから先区切る場所難しい……
吹き飛ばされたあと、どうにか戻って来て現場に残っていたのは気絶した姫野先輩と早川先輩、傍で慌てふためくパワーだけだった
デンジくんは今頃コベニちゃんに回収されてるかな…
「ごめんパワーちゃん、遅くなって」
「先輩たち、病院連れていくから手伝ってくれる?」
ナツはデンジ達を連れて見舞いに来ていた
「あ、早川先輩起きたよ」
リンゴを食べながらナツが呟く
アキが目覚め、こちらに気が付いたらしい
「デンジくんリンゴもういっこちょーだい」
「おう」
「はぁ!?ワシにもよこせ!」
「嫌だね!頑張ったのは俺とナツだからな!テメえにゃやらねえ!!」
「ワシだって止血してやったじゃろうが!!」
「いいよデンジくん、みんなで食べよ?」
「おう」
あまりの対応の差に開いた口が塞がらないといった様子でパワーが驚愕する
「ウヌはなんでナツの言うことばっか聞くんじゃ!ワシにも従え!!」
「嫌だね!バカ!嘘つき!」
「んなろ〜!」
「病院でくらい静かにしてよ……」
「おう」
「はあ〜!?」
病院でまで元気よく喧嘩するデンジとパワーに少し辟易とするナツ
そうこうしているといつの間にか体を起こしていたアキが少し不安そうに訊ねてくる
「4課は…誰が生き残っている…?」
原作よりも感情が分かりやすいのは姫野が無事だと分かっているからだろう
死んでいないのなら心を押し殺す必要も無い
溢れそうな涙を抑える必要も無い
だから分かりやすく不安そうに訊ねるのだ
「姫野先輩は無事ですよ」
一番知りたいであろう情報を真っ先にナツが出す
「あとコベニってチビと…歓迎会んとき端に座ってた女と、メガネの男も生き残ったみたいだけど二人とも公安やめたんだと」
残りの生存情報はデンジが伝えた
「そうか……」
緊張で固くなっていた体から力が抜け、アキの肩が下がる
「じゃあ…元気そうですし、僕らもう帰りますね」
「俺とナツとパワ子はマキマさんに呼ばれてるから帰るぜ」
「見舞いの果物を食いに来ただけじゃ……あだっ!何するんじゃ!」
「思ってたってそういうこと言わないの。じゃあ先輩、お大事に」
「りんご、3つくらい置いてきますね」
「…待て」
帰ろうとすると、アキからナツに声が掛かった
「はい?どうしました?」
「…ありがとう、姫野先輩のこと庇ってくれたろ」
「あぁ………いいんですよ!僕は何貰っても治りますから!」
「……
「……へ?」
あ、おっ、えっ、名前!
デンジくんやパワーちゃんと違ってずっと先輩呼びしてるから少し距離を感じてたんだけど……
この感じだと僕も身内だと思ってもらえたのかな?
……そうだと、嬉しいな。
僕もいつまでも後輩のままじゃ距離感感じちゃうし……
よし、慣れないけどここは…
「…
「…お前にそう呼ばれると違和感が拭えないな」
「え〜…じゃあアキ?アキさん?はたまた早川くんとか…」
「いや…好きに呼べ。それと、夕飯は任せる」
「なあ〜ナツ!早く行こうぜ!」
「今行く!…それじゃ先輩、また後で」
互いに軽く手を振り、病室をあとにした
「ごめんデンジくん、パワーちゃん。行こっか」
「あとデンジくん、病室に漫画忘れてたよ」
「あれ?マジだ、サンキュ」
「チョンマゲと何話しとったんじゃ?」
「んー?ん〜…パワーちゃんが可愛いなって」
パワーちゃんに言っても名前がどうとか呼び方がどうとかの情緒はよく分からないだろう、と思い適当なことを言う
「お、おお?まぁ当然じゃの!」
疑いもせず鼻の下を指で擦るパワーちゃん。
最近ではこの馬鹿さが良い所だと思えてきた。
「そんなんどーでもいいよ、早く行こうぜ」
「どうでもいいとはなんじゃ!」
「そうだね。どうでもいいから早く行こ」
「可愛いってウヌが言ったんじゃろうが!!」
二人してパワーを突き放すのでパワーがツッコミをするなどという異常事態を引き起こしながら、3人は病院をあとにした
ガ ラ
病室の扉が開き、顔に揃いの傷を持つ男女が遠慮もなく入ってきた
「失礼します」
背の高い女が返事も聞かずに入る
「ども」
少し軽薄そうな男が並んで入る
「あれ〜?何わろてるんです?良いコトありました?」
「なんだお前ら……」
口に携えた僅かな笑みを消し、訝しげな顔でアキが訊ねる
「私達マキマさんに頼まれて京都から特異4課を指導に来ました」
「そのりんご食べていいですか?3つあるしいいですよね、いただきます」
「いや、勝手に食うたらあかんやろ」
返事も聞かずに勝手にりんごを食べる男を脳の隅に追いやり、アキが女の方へ言葉を返す
「指導…?」
「ホテル事件と今回のでデンジ君、並びにナツちゃんが敵勢力に狙われている事がわかった」
随分と広い墓地の中、先頭を歩くマキマの話を聞きながらナツたちが着いていく
「だから4課を強化しようと思ったんだけど、ほとんど死ぬか辞めちゃったね」
ナツのお陰で命を拾った者も居たが、その殆どは敵が悪魔以外にもいることに尻込みして辞めてしまったらしい
「マキマさんが指導してくれるんですか?」
原作より幾分か期待感が薄いが、それでもまだデンジはマキマに気がある素振りを見せる
(…この指導楽しみにはしてたけど、なんか物凄く怖くなってきた……)
「残念だけど私は忙しくなっちゃうから適任を紹介するね」
「キミ達を指導するのは彼だよ」
そうして足を止め、目の前にはこちらに背を向ける壮年の男が墓を前に佇んでいた
「彼の名前は」
「シー…黙れ」
説明をしようとするマキマの口が閉ざされる
酒に焼けたような低く嗄れた声が耳に届いた
「俺の質問に答えろ」
指が一本立つ
「仲間が死んでどう思った?」
「別に〜?」
「死んだ!と思った!」
「もう終わったことだと思いました」
二本目が立つ
「敵に復讐したいか?」
「復讐とか暗くて嫌いだね」
「ワシも!」
「僕も」
三本目が立つ
「お前達は人と悪魔どっちの味方だ?」
「俺を面倒みてくれるほう」
「勝ってるほう」
「気に入ってるほう」
男が振り返り酒の入ったこちらを指差す
「お前達100点だ」
「…」
「「あ?」」
露骨に困惑する二人をそのままに岸辺が言葉を続ける
「お前達みたいのは滅多にいない、素晴らしい」
「大好きだ」
パワーの顔が横のナツとデンジへと向く
「恐い」
ごもっともである
「マキマお前は帰れ。今すぐこいつらは指導だ」
マキマへのぞんざいな扱いを見るに彼女のことが余程嫌いらしい
それもマキマの正体を考えれば当然だろうが
そしてぞんざいに扱われた本人もそれに物申すことなく踵を返す
「じゃあ後はよろしく」
「マキマさん!?」
すんなり帰ってしまった想い人その1に気を取られるデンジ
岸辺が近付いて来るのに気づきナツだけが一歩後ろへ下がる
「俺は特異1課でデビルハンターをやっている」
どこを見ているのか分からない暗い瞳がこちらへと向いているような気がする
「先生と呼ばれると気持ちがいいから先生と呼んでくれ」
「好きなのは酒と女と悪魔を殺すことだ」
「そこの女は勘がいいな」
デンジくんとパワーちゃんの首に腕を回す岸辺からそうお褒めに預かる
「ありがとうございます」
「あ?」
「は?」
ポ キ パ キ ポ キ
回された腕に絞められ、抱き着かれ困惑していたデンジとパワーの首がへし折られてしまう
「うわぁ…」
「見捨てた癖によくその顔が出来るなお前」
ドン引きするナツに岸辺がそう話しかける
嫌味のように聞こえるが多分褒められているので再び感謝を伝えた
「どうも」
デンジくんとパワーちゃんが地面に折り重なっている
岸辺が手に持つ酒に口をつけたのを見て、ナツが話す
「僕達も筋肉と骨の仕組みは先生達と同じ…だから首の骨を折ったんですか」
「スジがいいな。そして人間様と違うのは……」
岸辺が懐をまさぐり血の入った袋を取り出す
「血を飲めば復活するトコだな」
血を飲まされ復活したデンジくんの口から抗議の言葉が出る
「あ〜…チキショー何しやがるテメー」
「油断したデンジくんが悪いよ」
「お前どっちの味方だよ!」
マキマさんに気を取られてたのが悪い。
再び酒を飲んだ岸辺が口を開く
「マキマにお前達を鍛えてくれと頼まれた」
「お前ら二人の心臓がなぜか知らんが銃の悪魔に狙われている」
「なのにお前らが簡単にやられるザコだから困ってるんだろうな」
ザコ呼ばわりは物凄く不服だが、僕は魂を見てズルしてる癖に不意打ちされたんだからぐうの音もでない
「なんでさっきワシらをシメた!?」
パワーちゃんからの真っ当な疑問に岸辺が答える
「俺は人間を鍛えた事はあるがお前達みたいな悪魔は一度もない」
「酔った俺はどうしようかと考えた」
「そしてアルコールでやられた脳でついに閃いた」
「俺は最強のデビルハンターだ。最強の俺を倒せる悪魔は最強なワケだから…」
「お前達が俺を倒せるようになるまで俺はお前達を狩り続ける」
ドン引きしたパワーがしばし間を置いて口を開く
「コイツ頭が終わっておる!」
「な〜」
「言ってる場合じゃないよ二人とも」
「じゃ再開だ」
何でもないように再開の合図が成された
「酔ったジジイでも殺しちまったら逮捕だぜ!」
「僕はこの人ヤれる自信ないな…」
僕とデンジくんに声が掛る
「デンジ、ナツ」
パワーが血の武器を二つ生成し、僕とデンジに渡してくれる
三人で岸辺に迫り、ハンマーを振りかぶったデンジは軽々と避けられ胸に三度、顎から頭へ一度刺突を喰らいダウン
横から襲いかかるパワーも攻撃を振り切る前に喉を掻っ切られダウン
ナツは後ろに回り岸辺から武器を弾き頭を狙うも、同様に武器を弾かれそのまま首をへし折られダウン
(クソっ!分かってたけど、こんな強いのかこの人…!)
(まるでレベルが違う…!)
「
先程ナツがデンジへ送った言葉を岸辺から返される
(…クソ!)
首を折られ倒れるデンジの上で動けなくなったナツは岸辺の強さに慄く
すると三人をものの数秒で攻略した岸辺が呟いた
「男も女も不死身、魔人の方は半分不死身」
「咄嗟に人の頭をぶん殴れる脳みそをもっていて、三人に人権はない」
弾かれ落としたナイフを拾い見つめながら言葉を続ける
「……俺はガキの頃から力が強くておもちゃをすぐに壊しちまう」
「だから壊れないおもちゃが欲しかったんだ…」
「だから俺がお前達を最高にイカした奴らにしてやるよ」
意識を失っているデンジ、呻くパワー、体を動かせないナツ
(イカしたというか、先を思うとイカレそうです先生…)
「血を飲んだら再開だ」
(イカレそうです先生)
真っ暗な空の下、岸辺から今世紀最大に喜ばしい言葉を告げられる
「寝るから帰る。明日家に迎えに来るからな」
「おはかこわい……おはか、おはかがおはかはかははははは」
「おぎゃ……おぎゃ」
「なっ、ナツもおかしくなった……!治れ!助けろデンジ!治れ!治れ!」
未だかつて見たことの無いナツの醜態に震え上がったパワーがデンジに助けを求め始める
「はっ…!……俺は今日何回殺された!?」
「そんなことどうでもいい!助けて!コイツ恐い!」
「はかおはか……へへ……こわ…へへへ…こわ……」
「うわぁ!!」
ナツが意識を取り戻すまでの30分の間、墓地の周辺には何かをひっぱたく音が響き続けていた
「……デンジくん、パワーちゃん…?」
「起きた…やっと……!」
「恐ろしい…あのジジイ恐ろしい……!」
その後正気に戻った三人は鈍い足取りで家への道を辿って行った
「自分を鍛えられるって期待してたのに……僕が間違っていた……」
「あのジジイ強すぎじゃ…」
「こんな生活続いたらマジで楽しくねえぞ」
口々に今日の鍛錬への愚痴を漏らす
「楽しくなる為に頑張ってきたのに楽しくなくて頑張るのは糞だ」
「一緒に逃げるか?」
「……逃げたら先生が追ってくるよ?」
「「ヒィ……!」」
ひとしきり怯えたあと、デンジの心にふつふつと苛立ちが湧き上がったきた
「あのアル中野郎…!俺達んおもちゃ扱いしやがってよォ〜…ナツもあんな無惨な事にしやがって…!だんだんマジでムカついてきたぜ…!」
「僕の身に一体何があったの?……まって、やっぱり聞きたくない、やめて」
「わかった!!」
「うわびっくりした…やめてよ今大きい音敏感なんだよ」
「んで、何が分かったんだよ」
「アイツを倒す方法じゃ!」
「デンジくん、今度はパワーちゃんがおかしくなったよ」
「なっとらん!確かにアイツは超強い!じゃが!酒で頭がダメになっておる!」
「ワシらは頭を使って戦えばいいんじゃ!!」
パワーのそのセリフにデンジが感銘を受けたように返す
「なるほどな…!俺も最近めちゃくちゃ憧れてたぜ!漫画とかの頭いいキャラみてえに戦えたらいいな〜ってよ!」
「確かに…三人寄れば文殊の知恵……僕らなら勝てる!!」
三人の中で最も教養のあるナツも、もう限界だった
「頭脳でアイツぶっ殺すか!!」
「な〜んかオレスゲぇ頭良くなってきた気がするぜ!!」
「作戦立てよう!作戦!!」
一方その頃…ナツがダメになった今唯一のツッコミ役である早川アキはナツに作ってもらうはずの夕飯を律儀に待ち続け腹を減らしていた
ナツは終わったことには非常にドライな様子……
人と悪魔どっちの味方かと聞かれて気に入ってるほうと答えたのは天使くんとかビームとかその辺ですね。
そいつが過去にどんな悪行を為してようがどんな善行を為してようが関係なく気に入った方の味方です。
ちなみに一般的な光のオタクなので闇堕ちとかは無いです。多分。
さて、楽しく読んでいただけたでしょうか。もしそうなら嬉しいです。
誤字とかあったら報告お願いします!
ところで僕の文章は改行が多いので縦に長くなってしまいますが、読みにくいでしょうか?ご意見あればお願いします。
次回は岸辺ブートキャンプ終了、短く書けたらサムライソードラウンド2です。
チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!!
レゼの心理描写入れたいんだけど、解釈違い?
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入れて欲しい
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入れたっていい
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入れなくたっていい
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入れないで欲しい