前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう) 作:きりっと果実
アキside
「強い悪魔と契約して貰うっちゅー事は結構な惨い契約内容になると思いますけど、俺達はアキ君をイジめたくてそんな事するんじゃありませんよ」
地下へと降りながら黒瀬ユウタロウがアキへと話しかける
「…それくらい分かってますよ」
「なんや、思ってたより冷静ですね」
そう口を開いたのは天童ミチコだ
「狐も呼び出せない上に、カースに頼ろうにもその度に仲間から妨害されちゃ敵いませんから。新しい武器が欲しいのは当然です」
アキは少し、ほんの少しだけ寿命が惜しくなっていた
「……ま、分かってるならええんです」
ガ タ ン
「ここには公安が生け捕りにした悪魔達がぶち込まれてる。ここで武器を見つけましょ」
黒瀬がそう言い、三人は口も開かず長い道を歩く
やがて沈黙に耐えられなかった黒瀬が適当な話題を口にする
「関係ないすけど昨日の可愛い子…彼女さんですか?」
「すぐそういう話やめな」
「……監視対象ですよ」
「あぁ…あれが例の……なんや可愛いかったのに人間ちゃうんですね」
「あんた言い方気いつけや」
「……信用は出来るやつらですよ」
少なくとも一般人に手を出すような奴らじゃない。そうアキは信じていた
「やつら…ってそうか、全部で三人でしたね。まぁ仲良うやれてるならいいんじゃないですか」
足音を響かせながら道なりに進んでいくと、扉の前で黒瀬達が止まる
「この部屋にいる悪魔とアキ君は契約して貰います」
この扉の先には未来の悪魔が居るらしい。
代償は重たいが、気に入られれば安く済むそうだ。
そう安く済むとは思えないが。
ガ チ ャ
「じゃあどうぞ」
バ タ ン
部屋に入ると、暗闇に眼球が浮かんでいた
やがて暗闇に目が慣れると、目の周りのシルエットに気がつく
「未来 最高 未来! 最高!」
ソイツは、木のような体をしていた
足はひとつにまとまり、両腕を広げている
例えるならば…趣味の悪い案山子のような姿をしていた
「未来!!最高!!」
「…なんだコイツ……」
アキはトンチキな悪魔に混乱していた
「イェイ イェイ 未来 最高 未来 最高」
「オマエも未来最高と叫びなさい!」
「……やらなきゃ契約は出来ないのか?」
どうやら恥を捨て去る必要がありそうだ。
アキは覚悟を決めた
「いや別に」
(なんなんだコイツは)
アキはすこし苛立った
「…俺はお前と契約しに来たんだ。お前は俺の何が欲しいのかを言え」
「……ノリも態度も悪いなオマエ!」
「まあいい、オマエの未来を見せな!未来次第で契約内容は考えるぜ!」
「早くお腹に頭を突っ込め!じゃなきゃ未来が見えないだろ!」
未来を見る手段が気味悪く、少し躊躇ったが素直に頭を突っ込んだ
未来の悪魔が揺れ動いている。
鼻歌が聞こえてくるのでおそらく小躍りしているのだろう。
つくづく気味の悪いやつだ。
突然未来の悪魔の動きが止まる
「厶」
何事かと、アキが腹から頭を引っ込めた
「待て、まだだ。まだ出すな」
「なにが…」
「早く戻せ」
先程より真剣な様子に気圧され、大人しく頭を戻す
「…何故……有り得ない……まさか」
「…もう出してもいい」
そう言われて頭を出し、未来の悪魔の顔を見ると先程まで閉じていた6つの目がアキを見つめていた
「契約はこうだ。お前の右目に俺を住ませろ。そうすればお前の力になってやる」
あまりにも軽い代償にアキが呆然とする
「それだけでいいのか?…って顔だな」
「お前の未来に興味が湧いたからな」
「……
未来の悪魔の言葉に少し衝撃を受けたものの、それほどショックは受けなかった
自分はまともな死に方をしないと、どこかで感じていたんだろう
「ハズだった」
「…何?」
「ありえないことが起きている……全ての未来は確定している。もしもあの時こうしていたらだなんて
「それが未来…未来は過去と同じく既に変えられないものなのだ」
「前に契約した二人もそうだった……だがお前に限っては、お前の周囲に限っては違った!!」
「どういう……何を言っている」
訳の分からない話を興奮した様子の悪魔に語られ、アキが困惑する
「お前は未来で最悪な死に方をするハズだったのに、もう一つの未来が現れた!!」
「未来が、運命が!歪められたのだ!!」
「お前がどちらを辿るのか気になった…だから契約をしてやる」
「どんな未来か教えてやろうか?オマエの…」
未来の悪魔が嬉々として未来を伝えようとしたが、アキが無理やり切り上げた
「言わなくてもいい。自分の死に方に興味はない」
「俺は俺の目的が果たせれば良い。さっさと俺の目に入れ」
早川アキ……やはり、気付いていない
誰も、分かっていない
支配の悪魔も、あの方のお力を忘れ…驕っている
私でさえも、あの方を理解し得ない
しかし、あの方はお隠れになられている
力のいくつかを、自ら封じていらっしゃる
未来を見た私しか、このことを知らない
知ることは出来ない
何があったのか、あの方が遂に降臨なさった
やはり、あの方は
あの方は、まさしく、──────
ナツside
岸辺がアパートの階段を上っていた
「あいつらの家は確か…」
アパートの各地にはメガネを掛けたパワー、デンジ、ナツが各々の位置についている
「この血の匂いは…来たなアル中ジジイ」
「俺達の日常を壊す奴ぁ、死だ」
「目にもの見せてやろう。超インテリ作戦・改、作戦開始だ」
部屋の扉に手をかけようとした岸辺の目の前から、血の槍が飛び出てくる
「お」
が、最小限の動きで躱されてしまった
「パワーの血の武器か、頭狙ってきやがった」
「待ち伏せしやがって」
「今度は俺が狩られる側ってワケだな」
そう言い、岸辺は槍をへし折り投げ捨てた
岸辺の上階に配置された血の入ったペットボトルが、パワーの動きに反応し岸辺目掛けて槍となり降り掛かる
降り掛かる槍が次々と躱されへし折られるが、これで終わりじゃあない
(僕も似たようなこと出来るの、知ってますか?先生)
ペットボトルには、ナツの血も少量混ざっていた
へし折った槍、これからへし折ろうとした槍から大小様々な鎌の刃が飛び出してくる
「うお、危ねぇ」
しかし全ての刃が横から振るわれる拳に破壊される
「鎌って事はナツだな。器用なことしやがる」
そう感心している岸辺の後ろにデンジが降り立ち、斧で襲いかかるも顎に蹴りを受け、一撃でダウン
その後、下の階から鎌が飛び出し岸辺を狙うも躱され、逆に鎌ごと下の階から引き抜かれるという想定外の対応をされたナツがドン引きしている間に岸辺に殴られダウン
パワーは既に玄関にて貧血でダウンしていた
傍で倒れているデンジとナツに岸辺が口を開く
「今までで一番良かったぞ」
「追い詰められた獣は頭を使うもんだな。もっと頭を使え」
「いっ…てぇっ……」
「うぐぁ…鼻が……」
岸辺の言葉が耳に届いてるか定かではないが、デンジとナツは呻き苦しんでいた
「今回の敗因は3つ」
「パワーは今の戦い方だと血を使いすぎて貧血になること……」
「これはお前なら予測出来たんじゃないのか、ナツ。お前はどうもスジが良い割に見落としが多い」
「もう1つはデンジとナツが俺の攻撃を予測出来なかった所だ」
「あんな事出来るって普通予測出来ないですよ…!」
「悪魔は常に予測出来ないことをしてくる。警戒を怠るな」
「…先生は悪魔でグエッ」
余計な軽口を叩いたナツの喉に蹴りが入る
「…今回は良かったからもう終わりだ。俺は飲みに行く」
ナツに蹴りを入れたあと、岸辺は踵を返して帰路に着く
岸辺の言葉を聞いたデンジが、玄関扉の向こうで倒れているであろうパワーに話しかけた
「パワ子…もう終わりだって…」
「ラッキーじゃ…」
「デンジくん、右…!」
「へ?」
「あっ…あえ……」
デンジの頭を伏せさせるも自分は伏せなかったナツの額にナイフがサクッと刺さった
「やはりお前はスジが良いが見通しが甘い」
「獣が狩人の言葉を信用するな」
その身をもって岸辺のアドバイスを受けた
早いけどここで切ります。
このまま書いたら1万字とかいきそうだったので……
未来の悪魔は誰かを崇拝している様子……
岸辺が砕いた血の槍から更に鎌が無数に飛び出すとかいう鬼畜仕様にしたんですが、脳内の岸辺が強すぎて無傷で乗り切られちゃいました。
この人おかしいですよね。
少し短かったですが、楽しく読んで貰えましたか?
書きながら設定を考えてるのでいきなり崇拝し始めた未来の悪魔に困りながら書きました。
読んでくれてありがとうございました
チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!!イェイ イェイ
レゼの心理描写入れたいんだけど、解釈違い?
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入れて欲しい
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入れたっていい
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入れなくたっていい
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入れないで欲しい