前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう)   作:きりっと果実

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サムライソードは多分原作とあんまり変わらないので割愛……
サムライソードとの戦いを楽しみにしてた方は申し訳ない。
特訓後デンジ、ナツVSサムライソードだとチームワークでデンジたちが圧勝しちゃうので……

追記:ナツちゃんイメージ絵です

【挿絵表示】

敵を前にしたナツちゃんはこんな感じかもしれないですね


リベンジと大会

 

 

僕の視界いっぱいに綺麗な青空が広がっている

世界は美しい

しかし少し顔を横にそらすと死屍累々のデンジパワー僕

そこら中に撒き散らされた血痕と切り裂かれたような跡

散らばっている血の武器と鎌

そして僕らを見下ろす先生

 

やっぱ世界美しくないかも。

 

 

「…………うん、良し」

 

「今のは100点の動きだったぞ。今日から指導は毎日じゃなくていいな、週一にする」

 

 

「ほんとに…!?」

 

「いえ〜…い」

 

「やった…!」

 

 

地べたに寝そべっていた3人が体を起こす

 

体を起こした3人に岸辺が告げた

 

 

「ハイな時でもクールに脳みそ動かせ」

 

「常に自分の持ってる武器と状況を頭に入れとけ」

 

 

ここにくるまでに嫌という程実感させられたアドバイスだ。

 

 

「指導を踏まえて明日に実戦だ」

 

 

「実戦?」

 

 

公安に手を出した馬鹿共、サムライソードとヘビ女を俺達全員で捕まえに行く。新4課のお披露目式だ

 

 

「お披露目……つまり失敗したら僕らは終わりってことですよね」

 

 

「その通り。そうなりゃお前達は処分されて俺とマジバトルだ」

 

 

大人しく話を聞いていたデンジが口を開く

 

 

「そん時ゃ俺らは先生を殺さないで見逃してやるよ」

 

 

「は?」

 

 

「さり気なく僕らも入れてきたね。まぁ殺す気ないけど…」

 

 

「俺らを強くしてくれたからなぁ…ナツも結構気に入ってんだろ?言ってたじゃん」

 

 

「言わないでよちょっと」

 

 

「ウヌらなんでそんな元気なんじゃ…指導終わったばっかじゃぞ……」

 

 

恥ずかしい事をさらっと暴露され、ナツがデンジの頬をベシベシと殴打し始める

 

 

岸辺はただその様子を眺めていた

 

ナツの暴行を止めるでも、会話に加わるでもなく、ただ静かに眺めていた

 

感情の読めない瞳で、ただ静かに

 

 



 

 

岸辺side

 

 

高級そうな旅館の1部屋、座布団に座る男女が長い机越しに向かい合う

 

 

「今回は忙しい中おつかれさまでした」

 

男にそう話しかけるのは特徴的な瞳を持つ女、マキマ

 

「これからもデンジ君とナツちゃんとパワーちゃんをよろしくお願いします」

 

 

話しかけられた男、岸辺が酒を一口飲み言葉を返す

 

「俺もうアイツらは嫌になってきちゃったな」

 

心から嫌そうにする岸辺の言葉にマキマは沈黙し、耳を傾ける

 

「育てた犬が死ぬ度に酒の量が増える」

 

「おもちゃなら壊れても罪悪感はないと思っていたが…」

 

 

「この歳になるとボケてきておもちゃにも情が湧く」

 

 

 

 

『悪魔が恐れるデビルハンターはなあ…頭のネジがぶっ飛んでるヤツだ』

 

かつて姫野にそう語った岸辺は、

最強のデビルハンターは、

イカレていることを重要視した先生は、

 

どうしようもなく()()()だった。

 

まともじゃダメだと考えてるうちは、どうしようもなくまともなのだ。

 

 

 

「それで…」

 

またしばらく沈黙が流れ、マキマが話を切り出した

 

「話っていうのはなんですか?」

 

 

「今回の公安の襲撃…公安も馬鹿じゃないだろ。お前分かっていて見逃したな」

 

 

「私も襲撃にあいましたよ」

 

 

「…1つ、妙なことがあったな」

 

「何人か、襲撃を免れた奴がいたが……4()()()()、それが妙に多かった」

 

 

「それについては私は何も知りません」

 

 

嘘だ。

こいつは間違いなく何かを知っている。

何人かの襲撃犯は襲撃を実行する前に内側から切り刻まれたようにして死んでいた。

恐らくはナツの仕業だろう。

こいつはナツについて何をどこまで知っている?

 

 

 

 

「………お前がどんな非道を尽くそうと」

 

「俺の飼い犬を殺そうと」

 

 

 

(許してやるつもりは毛頭ないが)

 

 

 

「人間様の味方でいる内は見逃してやるよ」

 

「内はな」

 

 

 

「………私は悪魔から1人でも多くの人を救いたいだけです」

 

「今回の作戦が成功すれば4課の存在を積極的に報道する事になってます。そうすれば4課は今より動きやすくなってより悪魔から人を救える」

 

 

また、嘘。

あぁ、やはりこの(あくま)は信用出来ない。

 

 

「嘘つき」

 

 

岸辺の指摘に、マキマが言葉を返すことはなかった

 

 

 

 

 

 

そして作戦当日、岸辺はビルに向かい合っていた

 

 

作戦はない

 

特異課全員をビルにぶち込む

 

 

 

 



 

 

ナツside

 

 

ス パ ッ

 

 

「アキくん、敵はゾンビだけじゃないんだから気を付けないと」

 

 

構えた銃を手首ごと切り落とされたヤクザの下っ端を尻目にナツが語りかける

 

 

僕達4課は、ビルの中でゾンビを相手に蹂躙していた。

いくら噛まれたら終わりとはいえ、ほぼ人外しか居ない4課との相性は最悪だ。

この場で唯一の人間であるアキくんが心配だったが…無事に未来の悪魔と契約できたらしく、先程からゾンビの攻撃はかすりもしていない。

 

 

「あぁ…悪い、助かった」

 

 

しかし未来の悪魔の目も万能ではないようで視野の外からの銃撃に反応出来ていなかった。

目に見えなきゃダメなんだろう。それも当然か…目だしな。

 

 

「…えーっと、ナツちゃんだったっけ……室内でそんな大鎌振り回して大丈夫?」

 

 

そんなことを考えていると天使の悪魔に話しかけられた、感激!

それにしても可愛いなこの子、男とは思えない…ついてないでしょこんなん。

 

 

「大丈夫!切れ味は落ちないから!」

 

 

「いや…鎌の心配じゃなくてそれに切りつけられ続ける建物の方が心配だったんだけど…まあいいや」

 

 

その後アキくんが天使の悪魔にヤクザを連れ出させ、僕と二人で建物を闊歩していた。

 

 

「全く人の気配がしないね」

 

 

「どこかにまとまって潜んで居るのかもしれない。警戒を怠るな」

 

 

「分かってるよ…」

 

警戒してるつもりなんだけどなぁ……先生もそういうことばっか言ってくるし

 

「いや〜それにしてもゾンビ飼ってた割に中はキレ…」

 

 

 

「ヘビ、尻尾」

 

 

ゴ オ ッ

 

 

会話の途中、沢渡アカネのヘビが壁から飛び出しナツとアキに襲いかかる

 

 

ス パ ッ

 

 

「いきなりだなぁ……せっかく会えたんだからもっとお話しようよ…女の子同士さぁ」

 

 

何でもなかったように尻尾を切り裂きナツが現れる

 

 

「ほんとに警戒してたのかお前」

 

 

アキもまた同様に尻尾を切り裂き現れた

 

 

「チッ…今ので死んでおけよ」

 

 

「そんな事言わないでさ〜ガールズトークでもしちゃう?」

 

 

「一人でやってろ…ヘビ、叩き潰し」

 

 

以前の薙ぎ払い同様、初見の攻撃だったがナツが焦ることはなかった

 

上から迫る尻尾に狙いを定め、鎌を素早く三度振るう

特訓をするうちに上がった切れ味で大した抵抗もなく尻尾が裂かれた

 

 

ス パ パ ッ

 

 

「こんな弱かったっけ?アカネちゃん」

 

 

「名前で呼ぶな気持ち悪い…!ヘビ、薙ぎ払い!」

 

 

「ちょ、室内でそれは危ないでしょ!」

 

 

辺り一帯の壁を破壊しながら尻尾が半回転する

 

 

「危ないなぁ、でも当たんなきゃ意味ないよ?」

 

 

「…もう手を離せ」

 

 

ナツは寸前でアキの手を掴み、天井に鎌の刃を引っ掛けぶら下がっていた

アキから催促され、手を離し2人が着地する

 

 

「おっとと…じゃ、投降してくれるかな。今なら痛くしないよ」

 

 

「冗談じゃない…ヘビ……!」

 

 

沢渡が焦って再びヘビを呼ぼうとするも既に一手遅れていた

 

 

「殺すな」

 

 

背後を取ったコベニが沢渡の首元に包丁を添えていた

 

 

「コベニちゃん、まだ公安残ってたんだね」

 

 

「…どうして残ったんだ?」

 

 

「……もうすぐボーナスが出るので…」

 

 

襲撃を自力で生き残りデンジの救出までしただけあり、やはりコベニもイカレていた

 

 

 

そういえば……

 

 

「今更なんだけどさ」

 

 

「どうした」

 

 

「姫野先輩ってどこに配置されてるの?」

 

 

「あぁ…姫野先輩は外に配置されてる。お前達4課の人外組が逃げ出した時の対処をするためにな」

 

 

なあんだ…最近会ってなかったから挨拶しようと思ったんだけど

 

 

「僕らまだ信用されてないんだな〜…」

 

 

「お前らの事をよく知らないんだ、それも仕方がないだろ」

 

 

ま、そんなもんだよな〜……ん?

 

 

「アキくんは信用してくれてるってことだよね?」

 

 

「うるせえ」

 

 

少し不機嫌になってしまったアキが先をさっさと歩いていってしまう

 

 

「ちょっと!どこ行くの?」

 

 

「デンジの加勢にだ。コベニ、そいつ拘束して姫野先輩たちのとこ連れて行け」

 

 

「はっ、はい!!」

 

 

さて、今から行っても終わってるだろうけどデンジくんの加勢に……あ、そういえば

 

 

「コベニちゃん!」

 

 

「は、はい?なんでしょう」

 

 

「そいつ連れてく時、()()()()()()()()!」

 

 

「へ?……わかりました」

 

 

そこで会話は途切れ、アキとナツはデンジを探しにビルの外を探索し始めた

 

 

 

 

「殺してやっ…ぶっ殺してやるうア!!」

 

 

そんな叫び声が線路の方からナツの耳に届いた

 

 

「お、デンジくんはっけーん!」

 

「アキくん、時計館前の線路の方でデンジくんと目標確認したから、報告した後こっちきて」

 

 

叫びを耳にしたナツは無線でアキに報告した後、小走りで現場へと向かった

 

 

「負け犬の声はデケえなあ」

 

 

叫び声の聞こえた場所に着くと、既にサムライソードはパンツ一丁で拘束されていた。

無様。

 

 

「デンジくんお疲れ様!」

 

 

デンジの背後からナツの声が掛かる

 

 

「おお、おつかれ」

 

 

「そいつどうするの?」

 

 

「じいっと待ってなきゃいけないんだろうけどよお……なあんか納得できねえんだ」

 

「コイツらは沢山公安の人間殺してよぉ…殺されたやつの中にはツラのいい女もいたかもしんねえだろ?もしそうなら世界の損失だ」

 

「なのにコイツは反省もせず一生刑務所暮らし…それじゃムカつくだろ?」

 

 

「…そうだね!」

 

(姫野先輩死んでなくても結局こういう展開になるのか!)

 

 

デンジの言葉を聞いてなお、サムライソードには余裕があった

 

 

「お前には何もできねえだろ…公安の犬風情がよ」

 

 

「なんで?」

 

 

サムライソードの言葉にナツが疑問を呈した

 

 

「…は?」

 

 

「お前、死なないんでしょ?僕らと同じだから」

 

「じゃあ、何したって治るんだから僕ら怒られないよね」

 

「じゃあ……何してもいいよね?」

 

 

サムライソードが顔を青くして全身から汗を吹き出させる

 

 

「…思いついた!ナツ、俺ぁ今から大会を開く!」

 

 

「いいね、賞品は何にしよっか」

 

 

後ろから二人に声が届く

 

 

「大会…?」

 

 

「お、アキくんいい所に」

 

 

「お前、報告は自分でやれよ。……で、大会ってなんの話だ」

 

 

アキの疑問にデンジが答える

 

 

「早川の先輩も参加するか?最強の大会によ」

 

 

「…だから何の話だ」

 

 

「コイツは俺らんこと弾で撃った。だからコイツも玉を撃たれるべきだろ」

「だから大会を開く!」

「お互いにコイツのキンタマを蹴っていって…警察が来るまでに一番デケえ悲鳴を出させた奴の勝ち!」

 

 

「デンジくんさ……」

 

デンジがニヤつきながらナツを見やる

 

「最っ高だよ!」

 

 

「だろ?」

 

 

この時、二人のやり取りを見たサムライソードと早川アキは奇しくも同じ感想を抱いた

 

 

((正気かこいつら…!))

 

 

「ねえデンジくん、足に武器つけるのは禁止?」

 

 

「俺はできねえからダメ!」

 

 

アキが特大の溜息をつき、地面にしゃがみ込む

 

 

「ハア〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

 

「ああ?やんねえのか?」

 

 

「…俺達の仕事はコイツを捕まえることだろ」

 

 

「いたぶっちゃダメなんて命令されてないよ?」

 

 

「そうだぜ、お前がやんなくても俺らで勝手にやるからな」

 

 

「アキくんもやろーよ。ほら、コイツ姫野先輩の肩撃ち抜いたよ?」

 

 

しばし悩んだ様子を見せたアキだが、やがて小さく溜息をつき立ち上がる

 

 

「ハア………」

 

 

そして動きやすいように腕をまくり、訊ねる

 

 

「勝ったら何くれんだ?」

 

 

ノってきたアキに楽しそうなデンジが答える

 

 

「へ!そりゃもちろんコイツの玉金よ!」

 

 

「別にいらないけど僕が勝つから!」

 

 

天使の悪魔曰く、最強の大会が行われている最中…時計館近辺ではやけにカラスが飛んでいたそうだ

 

 

 

 

 

 

「ヤアアアアアアアアアア」

 

 

 

 

「ハハハハハ!!!」

 

 

 

汚い慟哭と愉しげな笑い声が響く度、カラスが空へと羽ばたいた

 

警察が到着するその時まで、どこまでも、どこまでも響き続けた

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

カ ラ ン カ ラ ン

 

 

「おはようございまーす」

 

 

「ん、今日は時間通りに来たね」

 

 

「私だってしょっちゅう遅刻する訳じゃないよ!失礼な!」

 

 

「じゃあ遅刻なくそうよ……着替えたら2番テーブルさんにお水ね」

 

 

「はぁーい」

 

 

 

 

 




この作品もレゼ篇がいよいよ始まります。
デンジの恋がどうなるのか作者自身一番分かっておりません。
どうなるんですかこの先はァ!!!

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!
ナツもすっかりデンパワと同じく岸辺の立派な犬ですね!
ちなみにマキマもナツのことはあんまり知らないので、
「何も知らない」ってのは嘘だけど「知らない」ってのはガチです。
ちなみに作者も鎌の悪魔まわりのことは分かってません。
書きながら読者と同じ楽しみ方してます。



それではまた次回をお楽しみにしてください!

チェンソーマン最高!チェンソーマン最高!!

レゼの心理描写入れたいんだけど、解釈違い?

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  • 入れなくたっていい
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