前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう) 作:きりっと果実
ここでナツの休日を書くって選択肢もあったんですが、想像力乏しい作者では絶対難産になって4日くらいかかるのでやめときました。気が向いたら閑話として今回の話と次回の話の間に挟みます。
「てめぇコラ!寄ってくんな!後ろにいろ!!」
「ビームくん、外歩く時は潜ってないとデンジくん怒っちゃうよ」
「エ!!…わかった!潜る!!チェンソー様に迷惑かけない!!」
マキマにパワーのツノに関して報告したのち、ナツ達はいつも通り見回りをしていた
「コイツ…俺の言うこと聞くんじゃなかったのかよ…無駄にベタベタしやがって」
「まあまあ……多分会えたのが嬉しくて興奮してるんだよ。次に会う時には落ち着いてるんじゃないかな」
「…ならいいけどな」
その後見回りを終え、デンジから離れることを嫌がりゴネにゴネるビームをどうにかこうにか引き剥がしたナツ達は夕日に照らされ家路を辿っていた
何やら元気のない様子のデンジを見かねて、ナツが訊ねる
「…デンジくんなんか元気ない?どうしたの?」
「あー……」
頭の後ろをかきながら少し言い淀むデンジ
「言いたくないなら別にいいけど…僕、なんでも聞くよ?」
「………ひでぇこと言うけど、怒んない?」
悩んだ素振りを見せ、デンジが恐る恐る訊ねた
まぁ僕を不細工だとか宣ったら全身全霊で張り倒すが、デンジくんに限ってそんなことは有り得ない。どんなひでぇこと言うんだろう。
「もちろん、怒んないよ」
やや言葉を詰まらせ、デンジが語る
「…ラーメン屋で襲撃、されたろ?」
「あんときゃみんな死ななかったけどよ、いつかは死んじまうかもしんねえんだよな」
おお…随分とセンチメンタルなことを……そういえば、この頃のデンジくんはサムライソードに言われたこと気にしてたんだっけ。
「僕は皆をみすみす死なせる気は無いけど……そうだね、絶対は無いかな」
実際僕は伏さんや荒井くんを救えなかった。
やがて俯きながらデンジが言葉を紡ぐ
「俺、あんとき誰か死んでたらって思ったんだけどよ…」
「ちっとも悲しいって思わなかったぜ」
「みんなが死んでも、多分俺はすぐに立ち直れるんだ」
「ナツが死んでも……多分3日くらい落ち込んで、それが過ぎたら普通にしてると思う」
「それで、ずっと考えてんだ」
デンジの脳裏に言葉が反芻される
『お前に限っては心がもう人じゃねぇんだよ』
「俺に心なんかねえんじゃねえかって」
デンジのそんな切実な疑問に数秒と経たずナツが言葉を返す
「あるよ」
「え?」
「ある」
呆気にとられた顔をしたデンジが足を止め、隣のナツに顔を向ける
「デンジくんは普通に喜べるし、普通に怒れるし、普通に楽しめる。ただ普通の悲しみ方を無くしちゃっただけ」
そんなナツの言葉に落胆を隠せないデンジ
「…無くしたんなら無いのと同じじゃん」
ややムッとした表情のナツが言葉を返す
「全然違うよ。最初から無いのと途中で無くなったのじゃ全然違う」
それでも納得いかないようにデンジが「ん〜…」と声を漏らす
「そうだなぁ……じゃあ」
デンジの両手がナツの手に包まれた
「どうしても分からないなら、僕も一緒にデンジくんの心を探してあげる」
ナツの花が咲いたような微笑みにデンジの目が奪われた
「だから今は元気だして、家に帰ろう?」
しばらく無言の時間が流れ、2人揃って顔を赤く染める
「……じゃあ僕先に行くから!デンジくんも早く帰ってきてね!」
はにかんだナツが照れくさそうに小走りで先を行ってしまった
ナツが先を走ったややあと、胸に動悸を感じたデンジは夕日と遜色ないほど赤く染まった顔色を隠すようにその場でしゃがみこむ
「…なんだこれ…エッチなことしてねぇのに、ドキドキが……!」
ドキドキが収まらない胸を抑えながら、デンジは閃いた
「そうだ……ドキドキするっつー事は…オレ、心あんだ…!」
(ナツのおかげで俺は自分の心に気付けた…)
(ナツはすげぇな……でもどうしよう)
(マキマさんの事も好きなはずなのに、ナツの事もっと好きになっちまった……!)
やがてしゃがみこんでいたデンジが覚悟を決めた表情でゆらりと立ち上がる
「決めたぜポチタ…俺ぁマキマさんの事も尊敬してるけど、好きなのはナツ1人だ!」
俺ん心はナツのもんだぜ!!
「…なぁナツ、アイツはなんであんなに気持ちの悪い顔をしてるんだ」
「…なんででしょうね」
パワーが抜けてやや静かになった早川家の食卓
何やら妙な雰囲気を纏い帰ってきたデンジに戦慄するアキと、恥ずかしいことを言った自覚のあるナツはやたらと幸せそうにニヨニヨと笑みを浮かべながら夕飯を頬張るデンジを食事に箸もつけずに眺めていた
「んんぅ……くぁ…はぁ…」
昼下がり、頭を酷い寝癖でボサボサにさせたナツが目を覚ます
普段ならばこんな時間に起きてしまったら滝のように汗を流し韋駄天のように公安本部へと駆けるところだが幸いにも今日は休日だ
ニャーコと同じ部屋で眠るせいか毛玉の付いた寝間着にボサボサのままにした寝癖でリビングへ出る
「…なんだ、いたのか」
「おぁようあいます…」
「デンジと一緒に出かけたもんだと思ってたが」
「あぇ…?」
……あぁ、頭がはっきりしてきた。
デンジくんは結構アクティブだけど、僕はインドア派だからなんやかんや休みの日一緒に居ることはあんまりないんだよな。
「僕、休みの日はダラダラしたい派だから……」
「まぁ仕事がちゃんと出来てるんなら良いだろうが……」
「そういうアキくんは…その服装、どこか出掛けるの?」
ボサボサの寝癖によれよれの寝間着のナツとは対照的にアキの髪は整っており、服も外着に着替えていた
「あぁ…姫野先輩から買い物に付き合えって」
「ははぁなるほど。じゃあ今日家にいるのは僕1人か〜…」
「昼飯作るのはいいが卵は使うなよ。残った分は今夜のトンカツに使うからな」
「そっか、パワーちゃんがいないから飛ばしてデンジくんの日だね」
面倒見の良いアキは最近デンジ、ナツ、パワーの好きな料理をローテーションで作っている
ローテーションが一周したらナツがアキの注文を受けて夕飯を作っていた
昨日はナツの好きな麻婆茄子、今夜はパワーの好物になるはずだったが……
パワーは血抜きで留守なので飛ばしてデンジの好きなものが食卓に並ぶらしい
ちなみにアキとナツが好む料理は必ず野菜が入るのでパワーからは不評である。
本来の世界と違い姫野が死なず、カースに頼って寿命を縮める事もなく、普段の生活もナツがデンジとパワーの手綱を握ることによって心に余裕のあるアキは原作よりも共に暮らすデンジたちに
それを本人に言ったところで認めやしないだろうが
「じゃあお昼は外で食べてくるよ。今から作るのも億劫だし」
「そうか…俺はもう行くが、鍵かけて出るなよ。デンジが入れなくなる」
「それくらい分かってるよ…いってらっしゃ〜い」
「おう」
…さて、外で食べるとは言ったけどどこで食べようかな
テレビをつけ、胡座をかいたままぼけっとしていると膝の辺りにスリスリと何かが擦り寄って来ていた
「お…おはよう、ニャーコちゃん」
ナツは擦り寄ってきたニャーコを抱き上げ顔の前まで運び、そのふわふわとしたお腹をに顔を埋めた
(スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……)
全身全霊の深呼吸をおみまいした後、膝の上に乗せて撫で回す
「ほんと君は良い香りをしているね。パワーちゃんのペットとは思えないくらい清潔だ…毛繕いがうまいのかな」
そう呟くとニャーコから「にゃあ」と返事が届き、表情筋が緩みややニヤけてしまう
「猫はいいねぇ…猫は心を潤してくれる…リリンの生み出した文化の極みだよ」
心が穏やかになりすぎたあまり猫派の最後のシ者のようになったナツにニャーコが撫で回される
猫は生き物であって文化ではない
(……でも、マキマさんが見てるかもしれないんだよなぁ)
……やめだ、そんなこと考えたって仕方がない。
ニャーコはニャーコだ。
例え監視カメラの役割を果たしていたとしてもそれは変わらない。
「はぁ…お昼ご飯はラーメンにしよっかな」
撫でるのを中断し膝からニャーコを下ろすと髪を整え私服に着替える
準備を整えたナツが玄関の扉に手をかけるとニャーコに「行ってきます」と告げ、以前に姫乃たちと食べたラーメン屋へと足を運んだ
お昼はチャーハンを食べた
最近短くてごめんなさいね…戦闘とか増えてきたらガッツリ書きます。
楽しく読んで貰えてたら幸いです。
高評価とかお気に入り登録とか感想とか…あとしおりとか、ありとあらゆるものが作者のモチベに繋がるので続きが気になったら是非お願いします♡
レゼ編まじで内容どうしようかなぁ……夏祭り以前のデンレゼいちゃいちゃは対して話変わらない気がするから飛ばすべきか…本格的に書くとしたらレゼ&台風VSデンジ&ビーム&ナツの部分になるんですよねぇ……レゼ編のこの辺が気になる!ってところありますか?ご意見聞きたいです。
レゼ編では何がみたい?
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レゼとデンジのいちゃいちゃ
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レゼとナツの関わり
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ナツと天使くんの関わり
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戦闘シーン
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死亡キャラの救済
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マキマとの交渉
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↑は入れるか分かんない