前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう) 作:きりっと果実
楽しんで呼んでくれたら幸いです。
突然ナツとのバディが一時的とはいえ解消されたデンジは不貞腐れ街を歩いていた
「あ〜あ…せっかく心見つけてもらったのにこれじゃ台無しだぜ……」
不貞腐れながら道端の小石を蹴飛ばし、石が辿り着いた先に何やら人が並んでいるのに気付く
「…なんだ?」
「悪魔被害を受けた子供達に募金お願いします!!」
「お願いします!」
少し目をやるが興味なさげに通り過ぎてしまう
「子供より俺ん心を助けて欲しいくらいだぜ…」
落胆した気持ちを抑えきれずそう呟く
しかし数歩歩いた後、デンジの足が止まった
(でもナツなら募金するよなぁ……募金できる男の方がかっこいいか?)
踵を返し募金箱を抱える女性の前にデンジが佇む
「俺ぁ優しい男だから募金できるぜ!」
言葉の割に募金箱に入れられたのは五円玉だった
「ありがとうございます!募金してくださった方に花をプレゼントしています!」
「ふ〜ん……キレイじゃん」
パ ク
募金活動していた団体に戦慄が走った
「キレイって思える余裕があんのも心見つかったからなんだな」
(さすがナツだ。一緒に居なくてもナツんコト考えただけでキレイな気分だぜ)
(俺ぁナツんことが大好きになっちまった…どうしたら付き合って貰えるのかな〜)
(隣にナツはいないのにナツのことばっか思い浮かぶ。ナツじゃない奴の胸揉んだりキスしちゃったけど…マキマさんにはわりぃけど、俺の心はもうナツのモンだ)
(絶対に他の人を好きになったりはしねえ!!)
ザ ァ ━━━━━━━━━━━━
そう決意を新たにした直後、地を打つような太い雨が降り注いだ
「ギャー!逃げろ!」
「キャキャ!水だ水だ!水だ!」
久方振りの雨にサメの魔人であるビームが気分を昂らせ地面から飛び出した
「ア!」
「ビーム!てめえはひっそりしてろよ!人にバレたらマキマさんに突き出すからな!」
「ハイ!ゴメンナサイ!」
「…魔人はマキマさんの名前だしゃ言うこと聞くってのはマジなんだな」
晩御飯の時、ナツから教わった手綱の握り方を実践してみると目に見えて効果があったので感心してしまう
ビームを鎮めた後、近場に雨宿りできる建物が無かったので仕方なく公衆電話にて雨を凌いでいた
「ハア…傘持ってくりゃよかったぜ」
(良い気分になったり悪ぃ気分になったり疲れた……)
「わー!ひー!」
突然公衆電話の扉が開かれ、自らと同じくずぶ濡れの見知らぬ少女が舞い込む
「わあどうもどうも…いやいやスゴイ雨ですね」
あまりにも突然の事だったのでさしものデンジも目の前の少女への対応の仕方を決めあぐねていた
「あ〜………ああ」
「天気予報は確か…む…え!?」
「あはははははは!」
顔に着いた水滴を拭い、髪を流した少女が顔を上げるとまたも突然笑い出した
「あ?なに?」
「やっごめっ、すいませ……あははは!」
「んだよテメー……」
「…はあ!?なんで泣いてんの!?」
突如笑い出したかと思えば涙を流し始める少女にデンジは動揺を隠せずにいた
あまりの情緒不安定さにドン引きさえしていた
「いやいやすいません………アナタの顔…死んだウチの犬に似ていて…」
「いや〜…2日でこんなに奇跡が重なるなんて……」
「ああ!?オレ犬かよ〜〜…!」
(泣いてる女ってどーすりゃいいんだ……?ナツならどう慰める…?)
今の状況の参考にするため自分がナツにどう慰められたかを思い出すが
(…やべぇエロいことばっか思い付いちまう!)
何一つ参考にならなかった
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
(え〜〜〜………そうだ!)
「うえっ」
「え、大丈夫ですか…?」
「うえええっ…!おえっおえっおぇ、げっ」
「まってハンカチ!ハンカチ!」
「タラーン!」
(ホントはナツに最初に見せるつもりだったけど、これなら泣いてる女にも効く自信があるぜ)
「ええっ!?わっ手品!スゴイ!」
その反応の良さに少し誇らしげな気持ちが湧く
少女がデンジの手から湿った一輪の花を受け取った
「種も仕掛けもないんだなこれが」
「ありがとう…」
感謝を口にし、初めてきちんと互いの顔を見合った瞬間
デンジの全身を電撃が駆け巡る
(可愛…)
「あ〜!雨止んだよ!」
「ねえ!私この先の二道つてカフェでバイトしてるの」
「来てくれたらこの花のお礼してあげる」
「絶対来てね!」
デンジは喫茶店に居た
「遅刻した分給料から引いとくからね」
「ケチ〜」
「4番テーブルにお水ね」
「ケチケチケチケチ…って早〜!?」
「ええ〜?私より早く来たでしょ!?」
「まあそういえばそうかな」
少女から手渡された水を受けとり、口に付ける
「お礼貰いにきただけだぜ。今日は暇だったしな」
「ふ〜〜〜ん」
「じゃ、一緒に飲みますか〜」
にんまりと笑う少女がデンジの隣へ距離をあけずに座り、マスターにコーヒーを強請った
(ち、近ぇ……!)
「へいへいマスター!私と彼にコーヒーを!」
「アンタほんとに…2回目だよこれ」
「いいじゃないですか〜!あの時も今日も客は1人だけですよ?それにモーニングにしか客なんてこないんだし」
「もお〜〜〜…………他のお客さん来たら仕事してよ?」
「もっちろんですよ〜、ほら早く!」
マスターが少女に急かされせかせかとコーヒーを淹れた
淹れられたコーヒーが机の上にコトリと置かれる
「お礼はコーヒーでした!コーヒー好き?」
「…飲む」
ほんの刹那逡巡するも、躊躇わずにコーヒーを飲み込んだ
が、味覚に伝わる刺激に耐えきれず舌を出し不細工な顔を披露する
「ぷっ…なにその顔〜!絶対強がってる!」
「だぁってコーヒーってマズくねえか!?ドブ味だよドブ!」
「あははははは!子供だ子供!あははははは」
笑い泣きしながら少女に肩を叩かれる
(なんか…やたら触ってくるし、俺に笑ってくれるし、もしかしてこの
(これはまずい……まずいぜ俺…)
「私の名前レゼ、キミは?」
「デンジ…」
「デンジ、デンジ君」
「デンジ君みたいな面白い人、はじめて」
「ふ…う〜ん」
辛うじて言葉ととれなくもない音を口から絞り出す
(確定で俺のコト好きじゃん)
(どうしよう…)
(俺は俺のことを好きな人が好きだ…!)
(さっき1人に決めたばっかなのに……!)
(ナツ助けて!俺この娘好きになっちまう!)
「くしゅんっ!」
「ぇあ…風邪?あんまり近寄らないでよね」
天使の悪魔がソフトクリームを上手く舐め取りながら話す
「そんなことないと思うけど…てか天使くん悪魔なんだから風邪とかうつんないでしょ」
「ていうか、パトロール行かなくて大丈夫?マキマさんに怒られるんじゃないの」
「アイス食べたら疲れた…食べるのにも体力って使うらしいよ。今日はもう働きたくないんだけど」
(えぇ……)
「アイス3つも食べたからでしょ。そもそも悪魔にアイス3つでへばる程度の体力しか備わってないとは思えないんだけど?」
「それに、僕はマキマさんに怒られたくないからそれ食べたら行くよ。僕らバディなんだから互いに責任が伴うんだよ。ちゃんとしてよね」
「え〜…………もう一個アイス食べてから考えるってのはどうかな?」
「アイス食べて疲れたって言ってたのにアイス食べるの?」
「アイス食べて回復したんだよ」
(えぇ…………)
「都合いいなぁ……僕らは処分されたくないなら働かないとだよ」
「ん〜………働くくらいなら死んだほうがマシかな…」
(こんな平成のニートみたいな思想だったっけこの子)
「あぁいや…そういえばそういう子だったな……でも僕は処分されたくないから無理やりでも連れてくからね」
そう言ってナツは天使の手を握り、立ち上がらせるため引っ張った
「うわっ」
しかし握った手が振り払われる
「何驚いてるの。僕らには君の力は効かないって話、マキマさんから聞いたでしょ?」
「……そうかもしれないけど」
「ちなみに参考までに今ので寿命どれくらい?」
「え〜…半月くらい、かな…」
「へぇ…長く触れられたらアウトって確かに強いなぁ……」
「キミ本当に大丈夫なの…?そもそも一体どんな仕組みで……」
「さあね〜」
「ナツちゃんと彼を組ませるに当たって早川君には話を通してあるから知ってるかもだけど」
「それ今朝の話でしょう?途中で離れてから会ってないから知らないですよ」
「そう?じゃあ改めて説明するね」
「ナツちゃんと新しく組む彼は4課で岸辺隊長の次に強いんだ」
マキマからの言葉を聞き、窓の外で大きなツノを携えたパワーと会話をしている彼……天使を見やる
「ナツちゃんと組ませるの、上からは過剰戦力だって言われたんだけどね。彼には怠け癖があるから丁度いいってゴリ押したんだ」
「それに何よりナツちゃんやデンジ君に彼の力は効かない筈だから」
(……武器人間が不老だって話、こんなとこでバラしちゃっていいのか?)
そう考えていると、感情の感じられない瞳がこちらを向いていることに気が付いた
(ダメだ、知らないフリをしないと…)
「彼の力とは…?」
「うん」
「彼は自分が産まれた場所の村人を全員殺している」
「もっと正確に言うなら寿命を吸い取って武器に変えてしまった」
改めて聞くととんでもない話だ。
こんなこと聞かされて、原作のアキくんが最初の方は天使くんを信用してなかったのも頷ける。
「武器……」
「彼は触れた人の命を武器に変換する。早川君の新しい刀は知ってるかな、アレも彼の武器なんだよ」
「あの武器なら姫野ちゃんの幽霊も切れるし、彼の武器はいろんな特殊な力を持っている」
「きっと力になるから、仲良くしてあげてね」
それ以上言葉は続かなかった
どうやら説明は終わったらしい
…いや、力が効かないってのは説明無し?聞いた方がいいのかなこれ。
「…あの、力が効かないっていうのは……」
質問をするも答えは返って来なかった
不審に思ったナツが窓の外の天使から視線を戻しマキマをみると、酷く冷たい同心円状の瞳がこちらの一挙手一投足を見逃さぬまいとナツを捉えていた
有無を言わさない圧にナツが冷や汗を流してたじろぐ
「……よろしくね?」
「…はい」
「ふう…これなんの悪魔だろ、豚?」
「おいしそうだしそうかも」
「美味しそうって……あ、そうだ」
「悪魔は処理しました!危険ですからみなさんは悪魔の血や肉に触らないようにしてください!」
(…それにしても美味しいのか?これ)
試しに匂いを嗅いでみるが刺激臭が凄いので多分人間の口には合わないだろうな。
ほぼ人間辞めてる僕には合うのかな?
「ねぇ鎌のキミ、ちょっとこっち来て」
「ん?」
鎌のキミって…僕もう何度も名乗ってるんだけどな。
「どうしたの…って、あ〜なるほど……」
「こいつは民間のデビルハンターみたいだね。この悪魔に食べられてたみたいだけど、下半身ないしもう死ぬね」
「何もそんなあけすけに言わなくても……」
天使のあまりな言い草にナツが苦言を呈していると足元から苦悶に満ちた声が響く
「おっ、こっ、こっ、こっ…こおして…おろして…こお…」
「……一応聞いてみるけど天使くんが死なせてやってくれたり」
「…え?やだよ」
「僕は天使である前に悪魔だよ?人間は苦しんで死ぬべきだと思ってる」
(ま…しょーがないかなぁ……きっと無意識だろうけど命を吸うのはトラウマなんだろう)
(名前を覚えないのもその一環かな?)
「…だよね。ごめんね」
「貴方も、お疲れ様。もう楽になっていいから」
ザ シ ュ
「うっ」
「あ…り…」
恐らく感謝の言葉を最後に男は息絶えた
「こーゆーの嫌でデビルハンターなったのにな〜……ままならないね」
まぁ過ぎたことは考えてもしょうがない。
身元の特定とかはあとから来る警察に任せよう。
「無理言ってごめんね、天使くん」
「…あ、うん」
公安、もといマキマに捕まって以降謝罪の言葉など貰ったことの無い天使は妙な表情でナツの後ろ姿を見つめていた
(悪魔に謝罪なんて変な
「…お、警察来たみたい。あとは警察に引き継いで僕達はパトロールに戻ろっか」
「え〜……まだ働くの?」
「デビルハンターはビシバシ働くのです」
「はぁ…今回のバディはハズレかなぁ……」
「何か言った?天使くん」
「ハア…………」
この日の晩、デンジのナツへの態度が妙でナツにものすごく詰められた
当然デンジはとんでもなく狼狽えたが、ナツがレゼの事を思い出し急にうんうんと悩み出したので更に狼狽えることになったらしい
「んんん〜……」
弁明しようとするデンジそっちのけで悩むナツ
「あのぉ……」
どうにか弁明しようとするデンジ
「…どうしたんだお前ら?」
珍妙な様子の2人に夕飯を食べる箸が泊まるアキ
「あ、いや…なんでもねえ」
「あぁ、うん…なんでもない」
「ホントにどうしたんだお前ら…?」
ナツの影響デカすぎてデンレゼが上手に書けませんねぇ……
どうしてもレゼとナツの間で揺れ動いてしまう…
まぁ多分デンジもどっかのタイミングで割り切るでしょう。
割り切ってレゼとナツに左右から詰められて狼狽えたりするんでしょう。
ウッヒョ〜^
次回学校~夏祭りくらいになるかなと思います。
楽しく読んでいただけたでしょうか?
満足いく物に仕上がっていたら嬉しいです。
次回をお楽しみにお待ちください!
レゼの心理描写入れたいんだけど、解釈違い?
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入れて欲しい
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入れたっていい
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入れなくたっていい
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入れないで欲しい