前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう)   作:きりっと果実

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とんでもなく進みが遅い!ごめん!


未来への1歩

 

「…ねぇパワーちゃん、僕のお皿にわざわざサラダ入れるのやめてくれない?それくらい自分で入れるから。いくら野菜といえど朝からその量は無理があるから。ねぇ、ちょっと、ねえってば」

 

「うるっさいのぉ…これはワシからニャーコを奪おうとした愚か者への罰じゃ。しかと受け止めろ」

 

「そんな馬鹿な……」

 

「いいからもう食えよ」

 

野菜が…野菜の悪魔(パワー)が僕を苦しめる…!

うぅ…ドレッシングあってもきつい…

しかもさりげなく自分の皿の野菜もこっちによそってくるぅ……

…あれ?そういえば

 

「ねぇアキくん、デンジくんは?」

 

「うちの隣、空き部屋だったろ。そこに新しく公安の新人が入居した。…あの時の奴だ」

 

「あ!」

 

そういえば、レゼちゃんがお隣に引っ越してきたんだった。

いやぁまさかこんなに簡単に上手くいくとは、嬉しい誤算だった。

確かにすぐ隣の部屋にレゼちゃんが居るならデンジくんが顔出しに行っちゃうのも頷けるかな…

 

「危うくまた俺のとこによく分からんヤバいのが入れられるところだったんだが…本人と俺の要望を汲んでか、隣の部屋に住むことになったらしい。この部屋が狭くて助かったと思ったの初めてだぜ」

 

「まぁ流石にこの部屋の大きさで人間5人とネコ1匹は無理があるもんね。でもこのままだとデンジくんも勢いで隣に引っ越しちゃいそう」

 

「それはもう試そうとしたらしいけどな。認められなかったみたいだ。それと、お前も誘おうとしてマキマさんに先回りで釘刺されて廊下で不貞腐れてるのを見掛けた」

 

「…デンジくんデリカシーとかさぁ」

 

デンジくん……変なところで気が使えるのに変なところで気が回らない子………

お、この目玉焼きの焼き加減最高。朝から気分が上がるね。

 

朝ごはんを食べ終え、寝間着から制服に着替えた僕達は先日の血抜きの件もあり未だに出勤を忌避しているパワーちゃんを引き摺って家を出た。

隣の部屋のインターホンを鳴らしたがレゼちゃん達は出てこなかった。

僕達よりも先に家を出たのかな。

 

「嫌じゃ〜!…そうじゃ!今日はワシ大事な任務を任されておるからマキマの所に行かなくていいんじゃ!さぁ、離せ!」

 

「お前も呼ばれてんだよ。雑な嘘つくな」

 

「嘘ばっかつくのに嘘下手くそだよねパワーちゃん」

 

「そんなぁ……」

 

ほんとに初めて会った時から嘘のクオリティがまるで上がってない。

ん?あれは……

 

「ねぇねぇデンジ君、私達バディになったりするのかな?」

 

「んー…どうかな。俺はもうパワーとバディだから…レゼは別のやつと組むかもな」

 

「パワーって……一緒に住んでる女の子だっけ?」

 

「嘘つきのクソ悪魔だぜ」

 

道中でレゼと仲良く歩くデンジを見掛け、声を掛けた

 

「おーい!デンジくーん!」

 

「…お?おー、ナツ!おはよ」

 

「あ…ナツちゃん、おはよう」

 

デンジくんはいつも通り挨拶を返してくれたが、レゼちゃんは何処か気まずそうだ。ついさっきまでデンジくんと仲良く話してたのを見たあとだと少し寂しい。

まぁ、海辺で別れてからまともに会話してないから仕方がないとは思うけれど……

 

「あ〜その…レゼちゃん」

 

「…なに?」

 

「なんだろうな…え〜…その……えぇい、今日からよろしく!!」

 

「え?」

 

こういう時は勢いだ、突然右手を突き出されて困惑してるレゼちゃんの手を掴み取り上下にブンブンと振る

 

「わっ…う、うん。よろしく…!」

 

美少女2人が仲睦まじく握手をしている傍らでデンジがアキに耳打ちをする

 

「…なぁ早パイ、こいつらまだ仲直りしてなかったの?」

 

「……俺に聞くな。そっちの奴はほぼ初対面だぞ、知るわけないだろ」

 

「ぐえっ……」

 

隙を見て逃げ帰ろうとしたパワーがアキに首根っこを掴まれていた

 

「このまま皆で本庁行っちゃおうか?」

 

「別れる理由もないだろ。もうあとは電車乗るだけだぞ」

 

「細けえこというなよ早パイ」

 

やがてナツ達は通行の邪魔にならぬ程度に群れて移動し始めた

電車に乗る直前、ナツの肩が後ろから指でつつかれる

 

「ん?どうしたのレゼちゃん」

 

「あ…いや……怒ってないのかなって」

 

「何が?」

 

「何がって…ナツちゃんとデンジ君騙してた事。さすがに良くないことしたって自覚はあるから」

 

「じゃあそれで充分だよ。」

 

全部嘘だったって言うけど、やっぱり全部が全部偽物だったなんて思えない。

 

「友達は()()したら仲直りするもんなんだよ。だから僕たちの喧嘩はこれでおしまい、これからはまた友達!」

 

「喧嘩………私、女の子の友達って初めてかも」

 

本当に嬉しそうな顔だなぁ…感情を頑張って抑えようとしてるけど、力を使って魂を見れば分かる。

明るく輝いていて、ゆったりと揺らめいてる。

街中でたまに見かける仲睦まじそうな家族とかとよく似た形をしている。

 

レゼの耳に口を近付け、意地の悪い笑顔でナツが小さく呟く

 

「でも、デンジくんを独り占めはさせないからね?」

 

「へ?」

 

そのままナツは体の後ろで手を組み、意地の悪い顔のまま電車へと振り返り乗り込んでいった

 

「……そっか、そうだよね。私、デンジ君の事好きなんだ」

 

夜の学校での甘いひと時を思い返し、優しく首元のピンを撫ぜる

 

「恋のライバル、かぁ…デンジ君もナツちゃんも、私に初めてのことばっかり教えてくれるんだね」

 

あんなに私のことを真っ直ぐ見てくれる人達は初めてだよ。

 

「は〜あ…デンジ君には私が色々教えてあげるって言っちゃったんだけどなぁ」

 

喜んだりしんみりしたり溜息をついたり、この一瞬で滅多に出さない素の感情を沢山だしてしまった。

 

頭を小さく振り思考を切替える。

 

「…よし!私も今日から公安…デンジ君達と一緒に頑張るぞっ」

 

いつもと同じように1歩踏み出し、電車へと乗り込む。

この国に来てそこまで長くはないけれど。

いつも通りの街、いつも通りの景色。なんだか安心する。

今までずっと()せた過去に取り残されていた心が、初めて前に進んだ気がした。

 

 

 




ちょいちょい進めてようやく2000文字かけました……
あんまり内容読み返せてないのでどっかのタイミングで内容そのままにしっかりした文に書き換えるかも?

目次の方に新しくナツちゃんイラスト載っけときました。
想像力が足りないので相変わらず色んな資料頼りですが中々良く描けました^^

楽しく読んでいただけてたら幸いです!
また次回の更新をお待ちくださいm(_ _)m
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