前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう)   作:きりっと果実

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刺客編制作決定ということで僅かにですがモチベーションが上がりました。
とても楽しみですね!


あんまりじゃあ!

 

 

「ああいう鳥って捕まえて食ってもいいのかなあ」

 

「美味しくないんじゃない?」

 

「大事なのそこじゃないと思うなレゼちゃん」

 

「ワシが大統領だったら許可するがのお…」

 

 

ナツ達は現在、池を眺めながらおにぎりを貪っていた

 

 

「ここは静かで落ち着くね」

 

「僕らめちゃくちゃ監視(警護)されてるけどね。…おっと、気を付けて。」

 

「おお…サンキュ」

 

 

デンジが手から落としたおにぎりを地面に落ちる前に掬い上げながらレゼと会話を続ける

 

 

「レゼちゃんは見られてると落ち着かないとかないの?」

 

「私?ん〜…こういうのは慣れてるから別に、かなあ」

 

「ああ確かに……」

 

 

まあソ連でスパイやってたなら監視なんか慣れてるか……

警護に来てくれた人達もレゼちゃんに勝てそうにないし、気にする必要も無いって事かな?

だとしてもずっと見つめられてるのは落ち着かないけどな〜……

 

 

「そろそろ」

 

 

全員がおにぎりを食べ終えしばらくすると後ろから声が掛かった

 

 

「休憩は終わりにしましょう、草薙さん」

 

「あぁ…はい。了解です、()()()()()

 

 


 

 

「宮城公安対魔2課日下部です。よろしくお願いします」

 

「バディの玉置だ、よろしく」

 

「オレ吉田な、仲良くしようぜ」

 

 

初対面の男3人が次々に簡単な自己紹介を済ませる

 

 

「マキマさん、彼らが今回の護衛ですか?」

 

「そう。ナツちゃん達と戦って無傷で勝てるほど強くは無いけど、皆対人護衛に関してはエキスパートだから。安心して護られていいよ」

 

 

なるほど…確かに戦闘技術と護衛の能力は同一じゃないもんね。

武器人間3人+魔人より強くないと僕らの護衛なんて務まらないと思ってたけど、僕の短慮だったな。

 

 

「この3人に加えてアキ君と天使君、京都からあと3人加わってしばらく君達にくっつきます」

 

「あれ…天使くんですか?姫野先輩じゃなくて?」

 

「姫野ちゃんは護衛に不向きだからね。自衛ならともかく」

 

「そうですか…ゆっくり話すのはまた今度かなぁ」

 

 

というか京都から……その人達無事に東京にたどり着けるのかな?

 

 

「あと、色んな人達が動いてくれてるけど、デンジ君はそれを考えなくていいから」

 

「なんでデンジくんだけ名指しなんです?」

 

「余計なこと考えない方が守りやすいでしょ」

 

 

遠回しにバカだって言ってるよね。

デンジくんは「へ〜…」とか言って半分くらい聞き流してるから言いたいことは分かるけど。

 

 

「あの、マキマさん」

 

「何?」

 

「京都から来る人達なんですけど……どうやってこっちまで来るんです?」

 

「移動手段は特に指定してないけど…車で来るんじゃないかな」

 

「何か他の手段に変えた方がいいと思うんですけど…ダメなんですか?」

 

「う〜ん……」

 

そう唸るマキマは目を伏せ、悩む素振りを見せる

 

駄目かな

 

「……そうですか」

 

 

もし僕らを狙う刺客の中に暗殺や騙し討ちが得意な奴がいたとして。

僕ならまずは味方から離れた位置にいる奴を狙う。

悪魔の能力を駆使して変装して潜り込むもヨシ、同じこと(暗殺)を続けてじわじわと削り倒すのもヨシだ。

だからバレずに襲撃しやすい車よりほかの移動手段がいいんじゃ?と思ったけど……

電車でも飛行機でもやろうと思えば襲えるし無意味な考えだったかな。

何事も起きなきゃいいけど…まあ無理か。

 

 


 

 

「レゼちゃんってハンバーガーとか食べるの?」

 

「私?あんまり食べないよ。……普通にハンバーガーを食べられるような生活出来てたら日本で公安になってないんじゃないかなぁ」

 

「ふぅん…じゃあレゼちゃんには悪いけど、レゼちゃんの祖国には感謝しなきゃ」

 

「え〜?言いたいことは分かるけどさ〜…」

 

「ごめんて」

 

「あ〜私気分良くないな〜!おにぎりしか食べてないから、ハンバーガーセットだけじゃ足りないかもな〜!」

 

「ごめんごめん…ほら、ポテトあげる。塩っけ多くてあんま好きじゃないんだ」

 

「おっ、やった〜!ナツちゃんってゴネると良いことあるよね」

 

「嫌なこと学習しないでくれない?」

 

「てへっ」

 

可愛子(かわいこ)ぶったって僕にゃ効きませんからね」

 

 

レゼちゃんと話してると未だに手のひらの上な気がするんだよなあ…

 

 

「ギャハハハ!」

 

談笑していると、レゼの後方…ナツ達の隣の席から大きな笑い声が1つ響いてきた

 

「ん?どうしたんだろ」

 

レゼが振り返り、隣の席を覗き込む

 

「え〜と?…デンジ君がパワーちゃんに野菜を食べさせたみたいですねぇ」

 

「げ…大丈夫かな」

 

こんな公衆の面前でリバースされちゃ大変なことだ。

 

「確かパワーちゃんは野菜苦手なんだったよね?」

 

「苦手どころか憎んでるまである」

 

パワーちゃんは子供舌が過ぎるからな……ピーマンやほうれん草はともかく、ほぼ味がないきゅうりも、子供には人気な部類のじゃがいもも食べれないんだもん……

 

詮無いことを考えていると、綺麗な外国人の女性が席のすぐ横を通って行った

 

「失礼、通りますよお嬢さん」

 

「ああどうぞ…」

 

 

ト ス ッ

 

 

…?

今なんかなんか違和感が……

 

「ナツ〜俺らもう出るぜ〜」

 

「えっ、まだ食べ終わってないのに」

 

「ナツちゃん、私と話してばっかで食べなかったのが悪いよ」

 

「えぇ〜!…もぉ、分かったよ食べながら行くよ」

 

自分はちゃっかり食べきっちゃって……

 

「…レゼちゃん僕のポテトもあったのに食べるの早いね?」

 

「そりゃあ誰かと話しててご飯食べられずに戦闘…なんてなったらとんだ恥さらしだもん」

 

ぐぅ……ソ連の兵士のスペックが高い……

 

 


 

 

「うげ〜……足パンパンなんですけど…」

 

僕とデンジくんとパワーちゃんは1日の仕事を終え、帰宅していた。

 

「もう人間は嫌いじゃ」

 

「もう11時だぜ…クソ……」

 

僕らはへとへとになってるけどレゼちゃんはピンピンしてたんだよなぁ……

ついさっき「また明日〜!」…な〜んてニコニコしながら手を振って別れた。

僕はもっと持久力をつけなきゃな。

 

「……俺分かっちまったぜ。あいつら俺らを守ってんじゃねえ、俺らを餌にしてんだ」

 

「餌ぁ?」

 

「………」

 

ついに気付いてしまいましたかデンジくん。

…デンジくんって物を知らないけどそこまで馬鹿じゃないよね。

むしろ頭の回転は早い気がするまである。

 

 

やがてキッチンの向こう側からアキが顔を出す

 

「そうだ。お前たちを餌にしておびき出してるんだ」

 

あまりな言い草にデンジもパワーもご立腹だ

 

「この畜生が!」

 

「なんじゃとお!?」

 

まあねえ……

それが一番合理的でやり易いんだから仕方がないとは思う。

実際僕がその立場ならそうする。誰だってそうする。

しかし僕は如何せん疲れた。

 

「そうだ!この鬼畜組織め!!」

 

「鬼畜……ハア…お前達は普通の人間より頑丈なんだ。少しでも早く江の島に行くためだから許せよ」

 

「江ノ島あ〜〜…!?…なら許すけど!」

 

デンジくんそんなに江の島行きたかったんだ。

僕は別にこんな面倒なことしてまで江の島に行きたくは無いけど。

江の島か…前世でどうだったか知らないけど、今世では海で泳いだのレゼちゃんの時くらいなんだよなぁ。

しかも水着じゃなくてボロッボロの公安制服で水遊びしてただけだし。

1回くらいまともに海で遊びたいものだ。

 

 

しかし目的が単純明快なデンジと違い、納得しない者が1名

 

「まて!!ズルいズルい!!卑怯じゃ!!」

 

「はあ?」

 

「ウヌらには仕事の褒美があるのにワシには何もない!あんまりじゃ!」

 

「ナツもそこまで江の島に行きたいわけじゃないだろ。お前だけじゃないんだ、我慢しろ」

 

えぇ見抜かれてらぁ!?

 

「嫌じゃ嫌じゃ!!ワシにとって江の島は罰じゃ!ナツとは違うんじゃ!!ズルい!!」

 

「…パワー、じゃあ何が欲しいか言ってみろ」

 

 

あっさりと要求が通るとは思わなかったのか、しばし固まっていたパワーがやがて口角をゆっくりといやらしく持ち上げる

 

「誰か人間の血をそいつが死ぬまで全部吸いたいのお……」

 

当然そんな事は認められるわけがない。

おや…しかし、ここにデンジくんがいるではないか。

血を吸い尽くしても新たに血を与えれば復活する都合のいい等身大輸血パック。

哀れデンジくん。君はパワーちゃんを納得させる為の礎となるのだ。

 

「いいだろうわかった。デンジ、ナツ、今回のが一段落したら死ぬまで全部吸わせてやれ」

 

失血死(死なない)はきっと苦しいだろうけど僕は君の事を応援するよデンジく…

ん?

 

「僕も?」

 

「当たり前だろ。お前も不死身なんだから協力してやれ」

 

『ええ〜!?』

 

明るくない未来を案じ、2人の抗議の声がぴったりと重なる

 

「最悪だ〜!!」

 

「やだあ〜!!」

 

意外にもデンジの方が女々しい反応をしていた

 

「デンジとナツの血ィ〜!?」

 

テンションの上がったパワーがナツとデンジを引き寄せ、器用に二人の上へとよじ登り片腕を天に突き上げる

 

いやったア〜〜!!

 

「うぐっ……今回は仕方ないからデンジくんに譲ってあげるよ。血を吸われたさそうな顔してるもんね」

 

「はあ〜!?してねーよ!たまにはナツの血ィ吸わせりゃいいじゃねえか!」

 

「ガハハハハ!!」

 

「パワーてめえ降りろ!揺らすな!!」

 

「うわあ倒れる!倒れる!!」

 

 

命を狙われてるとは思えないほど賑やかな夜が更けていった

 

 

 

 




楽しく読んでいただけたでしょうか?
最近忙しいので更新頻度は以前ほどには戻りませんが少しだけ上げられたらなと思います。
頑張って刺客編書き切るぞ〜!
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