前向きにいきたい僕のチェンソーマン (旧題:せっかく転生したんだし、前向きに行こう)   作:きりっと果実

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結構楽しく書いちゃったんですけどこの後のことなんも考えてません。
どうしよ。


頭上に注意

 

 

つい先日刺客を退けたばかりというのにどこか変わったような雰囲気もなく、ナツ達は通常通りに見回りをしていた。

しかし退けたとは言っても数多の国から送られてくる刺客のうちのたった1組を処理した程度。

それを思えば気を抜けないのも当然の話である。

 

「僕お昼はお寿司がいいな」

「ワシは魚は生臭いから好かん!」

「エ〜?いいだろ寿司にしようぜ、美味いよ」

 

そんな話をしている3人を見てレゼはきょとんとした表情を見せた。

 

「日本はそんな気軽にお寿司食べれるの?」

「寿司は日本の心と言っても過言では無いからね、当然だね」

 

彼女がいたソ連では寿司は庶民に対してそこまで浸透しておらず、富裕層向けの食事であった。

故に公務員といえど気軽に寿司を昼ご飯にする光景が新鮮に映ったらしい。

 

「僕も魚より中華とかの方がいいな…生臭いとか言われると食欲が失せてきちゃった」

 

パワーの我儘(わがまま)が天使の食欲へ影響を及ぼしてしまった。

 

「えぇ!?僕もうお寿司の気分なんだけど!」

「僕は気分じゃないんだけど」

「そこをなんとかぁ…僕たちの仲でしょお?」

「ウヌは愚かじゃのお……生魚には寄生虫がいるからの、それを食べるなどマヌケの所業じゃ!」

「日本の刺身なめんな!」

 

睨み合うパワーとナツを背に、日下部が突如足を止める。

絶賛前方不注意だったナツは日下部の背に衝突し「うげっ」とおよそ女らしくない声を漏らした。

 

「あいてて…背中逞しいな、ちょっと日下部さん急に止まんないでくださいよ」

 

日下部の視線の先には布で目を覆った黒衣の不審者が佇んでいた。

 

「何者だ」

 

毅然とした態度で目の前に立つ不審な男に日下部が声を掛ける。

しかし返事は帰って来ず、代わりに男は懐から1枚の写真を取り出した。

それは草薙ナツの写真であった。

 

「そこにいる女…そいつを渡してくれ。無関係の方々と敵対するつもりはない」

「それは出来ない相談だな。草薙、下がってろ」

「いや…まあ、そう言うなら下がりますけど……」

 

何かに引っかかった様子のナツにアキが尋ねた。

 

「どうした?」

「あの写真の僕すごく映りが悪いよ。みんなに見られたくないから回収してくれない?」

「もうお前黙ってろ」

 

不審な男はため息を吐き、手に持っていた写真を再び懐へと仕舞った。

丸腰の上、目隠しをつけているたった一人の不審者に対し、片手で数え切れない人数がいるナツ達は大した警戒心を抱かなかった。

 

男が右手を握り締める。

指をぴたりとあわせ左手を開き、握り締めた右手で左手を撫ぜている。

 

「そうか…仕方ないよな……もう、無関係じゃないもんな……」

 

擦り付けている右手の形が段々と変化する。

 

「庇うんなら…諸共仕留めないとだよなあ…」

 

やがて固めた右の拳が円柱のような形へと変貌を遂げる。

それを目にしたアキは油断なく刀を構えた。

 

「流石に完全に丸腰って訳じゃねえか。油断するなよお前ら…特に、デンジ」

「なンで俺だけ名指しなんだよ!油断しねぇから!」

「そうは言うけど、デンジ君どーせ相手が女の子だったら油断してたクセに」

「しねぇから!!」

 

黒衣の男がダラリと脱力した。

垂れ下がった左手は次第に黒く変色し、右手はまるで(つち)のような形をしていた。

周囲の空気が明確に変わり、いつの間にか辺り一帯から人の気配が消えていることに全員が気付いた。

皆、緩んでいた気を僅かに引き締める。

 

「犯人蔵匿(ぞうとく)罪…ちがうか…犯人隠避(いんぴ)罪、いやそもそも犯人でもないか……まぁなんでもいいや…悪魔庇ってんなら取り敢えず罪だろ」

「てめえ……グチグチうるせぇんだよ!」

「デンジ!突っ走るな!」

 

ヴ ヴ ヴ

 

スターターを引き、変身しながら走り出したデンジが腕のチェンソーを振り上げ、男に向けて振り下ろした。

 

「オラぁッ!」

 

しかし、男が振り下ろされたチェンソーの腹に槌と化した右手を打ち付ける。

 

意見陳述は認めない

 

カ ア ン ッ

 

軽い木の音が響き渡り、男がチェンソーに切り刻まれると同時に、突如上空に出現した巨大な槌が2人目掛け振り下ろされ辺りは砂埃に包まれた。

アキ達は砂埃に視界を塞がれてしまい、焦燥感を隠せない。

 

「ゲホっ……おい、デンジ!何があった!?」

「ゴホっ…油断したな。あの槌、前触れもなく出てきたぜ」

 

デンジの無事を確認するためアキが即座に声を張り上げる。

吉田は一人反省をしていた。

 

やがて砂埃が晴れた先には裁判官然とした服装をした、頭が槌の悪魔。

そして足を潰され地に伏すデンジの姿があった。

 

「痛ってエ〜……!」

「静粛にしろ、裁くぞ」

 

「あ゛〜クソ…痛えな」

 

その姿を目にしたレゼが呟く。

 

「頭が槌の形…あいつ多分シンガポールからの刺客だよ」

「シンガポール…?そんな大国でもない国が何でお前らと同じような戦力を持ってる?」

「国の歴史が長かろうが短かろうが悪魔からしたら関係ないってことでしょ、思ってたよりヤバそうだしやっぱ僕も戦うよ」

 

「邪魔だ」

「グえっ!」

 

槌頭の男がデンジを明後日の方向へ蹴り飛ばし、口を開く。

 

「チェンソーは元々うちのターゲットじゃねえんだ。かかって来いよ鎌女、公明正大に()いてやる」

 

変身したナツが日下部の前へと歩を進め、言葉を返す

 

「槌でどうやって捌くんだよ、ソレは(刃物)の専売特許だろ」

「言葉遊びだ。こんなことも分からんとは日本人にはユーモアが無いな、退屈罪で死刑だ」

 

鎌と槌が交錯した

 




短いですけどまぁほぼ閑話みたいなものだと思っていただければ…
なんなら本編考えるまで間の中継ぎ的なもんなので読まなくても大丈夫まであります。

どうやって負けさせようかなこのキャラ…オリジナルキャラだからあんまり出しゃばらせないように退場させたいんですけど、なかなか難しい。

黒衣の男の服装はボロッボロのローブっぽい服と目を覆う白い布だけイメージしてくれればいいです。体型は肩幅は広い割に肉付きは悪くて逆三角形みたいな体型です。顔はよく見えません。

てかこの辺キャラクター多すぎません?日下部さん、玉置さん、アキ、デンジ、パワー、ナツ、レゼ、天使、吉田……平等にセリフあげるの無理ですぅ!!!
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