ペットの大百足様   作:覚め

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ハーレム(主導権なし)


両手に花

「ご主人」

 

「なんですか」

 

「今まで二股は悪きものだと思っていました」

 

「今からも悪きものですが?」

 

「しかし相手は本人…二股と言えるでしょうか」

 

「何言ってるんですか??」

 

「『私』は素直じゃないな」

 

「それが私の素のような言い方はやめてくれますか!?」

 

茨木童子を抱えながらご主人に嘆く。他のペットに何を見られても構わない。つーか何見てんだ。邪魔するつもりなら食うぞ。ご主人はあまり触らせてくれないため、茨木童子をこうして抱えている。身体の寂しさを茨木童子で、心の寂しさをご主人で…ぐへ、ぐへへ、…ダメでしょ、そんなこと。頭を振る。全く私としたことが、茨木童子が身体を触らせてくれるからって変なことを考えていた。全く不埒な。これではご主人が好きなのではなく都合のいいご主人が好きになる。ダメだろう、それは。

 

「ま、『私』がどう考えてるかは知らないけど。私は好きだぞ、お前のこと」

 

「ひ、人からの好意は無碍にするなとご主人の教えが…でもご主人には一途で…」

 

「私じゃダメか?」

 

「がががががが」

 

「律しなさい!」

 

「あだっ」

 

誘惑が多い。そう愚痴をこぼしながら茨木童子を放す。体が寂しい。ついでに仙界を追い出される。なんで?私が何をしたのか。普通に心当たりだらけだが、一番の目的は恐らく己を律しろということだろう。酒を飲んで一度ご主人に心の内を明かしたのだから、もはやいつ明かしても同じだろう。ご主人lover。アイラブご主人。あれ、英語の使い方合ってる?まあ幻想郷じゃ英語なんて使うやついないからいいか。背中をググッと伸ばし、さてどうするか。

 

「あー、首痛い」

 

「足月!」

 

「うわ寅丸!?…ここってどこ!?」

 

「寺の近くですよ!助けてください、宗教戦争が始まります!」

 

「え、何、どゆこと?」

 

聞けばよく分からん太子だったか聖徳王だったかが寺陣営にウダウダと管を巻くように宗教について語ってくるらしい。えー何それめんどくさ。しかも、たまにその手下が寺を焼きにくるらしい。バケモンかその部下。さらに電気を操る部下もいるらしい。電気なんだ、そいつ。私が仙界でうんたらやってる間に変なのが増えたなぁ。寺も信者を獲得しつつあるらしく。ほら、寺からは何か変なのが立ち上って…ダメじゃん、あれ煙だろ?

 

「消火〜!!」

 

「え、酒じゃ燃える勢い強くなるの!?」

 

「なんで寺に酒があるんだ!教えはどうなってんだ!」

 

「水持ってきたよ!」

 

「ばしゃーって!ばしゃーって!」

 

…消火って、こんなに大変なんだ。水引いた方がいいんじゃない?と言うと、ここの住職である聖白蓮が断るらしい。へぇ、僧侶。ただし武力は延暦寺。そう考えるとこの寺って過剰な兵隊持ってるのに力で信仰を強要させないのは不思議だな。いや、私としても延暦寺は嫌いだったからいいけどね。なんてことを考えながら消火完了。いやー疲れた。とっても疲れた。ので帰って寝る。許されなかったため命蓮寺に滞在。燃やしにきたやつの家燃やそうぜと言った話をされる。やめてよそれ。

 

「奴らは聖がいない時を狙って燃やしに来るから、聖は対応できないのです。そこで!どうか、足月に!」

 

「…良いよ。多分私、カチコミ出来るし」

 

「えっ!?」

 

「そいつらの気配見た感じ、仙人みたいなものだからね。私ならその仙界に入ることはできる。普通にぶつかってくるけど、どうする?」

 

「星、そんなことできてもあっちでボコボコにされるんじゃないの?」

 

「な、何を!村紗、足月は昔、強い鬼三体に囲まれても尚拮抗した化け物ですよ!」

 

「強い鬼って?」

 

「…ほら、地底にいた、あの…私が怖くて挑めなかった」

 

「星熊勇儀?」

 

「そう!そいつらです!」

 

地底で鬼相手に喧嘩売ってたのはやっぱり寅丸だったか。勇儀イライラだったぞ、次地底に行ったら潰されるな。そうしてわたしは空を駆け上り空間タックル。仙界に無理やり入る。この仙界はご主人の仙界だ。これは多分、何回か仙界を越えないと入れないな。ご主人の仙界に入る時は楽で良いんだけどな…空間タックル。今度は中華風…そういや相手がどんな場所に住んでるかも知らないから私には全然わかんないな。なんなら仙界じゃないかも。歩き回っていると、金髪ロングの中華貴族風服を着た人と、ダサい英字シャツを着たミニスカ赤髪の女が。

 

「…誰だ?」

 

「申し訳ないけど、私達はあなたの探している人じゃないのよねん」

 

「え、宗教とかは?」

 

「ない。まだ長居するつもりなら消すが?」

 

「私はあるけどね。しかし、大きいわねぇ…ねえ純孤、消すのは待ってくれる?ペットにちょうど良いかも。クラピちゃんの遊び相手とか」

 

「失礼しました!」

 

あいつら桁が違う。文字通りガチで次元が違う。あのまま居たら多分殺されてた。ていうかなんなのあいつら。空間タックルして逃げ出す。今度はよく分からない仙界。…うわ、なんだここ死体がたくさんある!!またもや逃避。便宜上空間タックルなんて名前をつけてはいるが、ご主人が言ってたやり方を真似て、行き先の仙界をランダムに設定しているだけ。だから本当にタックルしているわけではない。今更だけど言っておくからね。さて、今度の仙界は…多分当たりだ。

 

「…よっこいしょっと」

 

「ん?…なんだお前、不法侵入者か?」

 

「不法侵入者ならどうするって習ってんの?」

 

「…やってやんよ!」

 

「きゃっ!?」

 

「その図体で女か」

 

「悪い!?」




ヘカーティア「あら、逃げられちゃった」
純孤「追うのか?」
ヘカーティア「クラピちゃんの遊び相手は別に地獄なら何人でもいるからね。別にいらないわ」
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