村紗「そろそろ返せ」
一輪「再会したんだから返せ」
「ねえ、この仙界ってどんな場所?」
「言うかよっ…」
「…強情だなぁ。太子とか言う人は?」
「人里だ、ばーか!」
投げ捨てる。困ったな。帰りを待つことになるとは。百足に姿を変え、緑の霊を飲み込む。幽霊なら壁抜かれるだろって?残念だけど、私って神だから。そういうところはなんとかなってるよ。多分。そのはず。私だって私の体のことはよく分からないし。なんならすり抜けるのなら私の攻撃だって当たらないはずであるわけで。…多分、大丈夫だ。待つこと数時間。空間に穴が空いたのを見て、穴の反対側に移る。宗教戦争とかそんなに好きじゃないんだけど、まあ良いでしょ。多分ね。
「屠自━━誰かな!」
「太子様!?」
「うわ、なんかバレた。お前気持ち悪いなぁ」
「君こそ、百足…で、良いのかな?」
「大百足。あと神様もやってるから。そこらへんよろしく」
「布都、屠自古を探してくれますか?」
「はい!直ちに!」
「青蛾!」
「は〜い」
仲間を多数呼び寄せたようだ。そこにムカデビーム。舐めんなよ、百足。そう思ってたら反撃として剣によって傷を付けられた。痛っ。…関節部分切られてても、多分だけど切り取れはしてないけどね。これは嫌味でも痩せ我慢でもないからね。ほんと。しかし、なるほど。先ほど飲み込んだ緑の人は屠自古って言うのか。そんで多分今切ってきたのが聖徳太子。呼ばれて飛び出たのが青蛾。布都とか言う人はいいかな。でも多分焼いてるのはあいつだよな。
「宗教戦争しにきたよ」
「…どこの宗派かな」
「寺」
「聖の…なるほど、君はそこで望まれたから、と」
「太子様が悠長にお話なんて…そんなことをして助かる相手だと思いますか?」
「やっぱり、厳しいかな」
「あ、いや戦いたいわけじゃないの。燃やしてくるのをやめて、仲良くしようねってしにきただけ。」
「じゃあ、先ほどの攻撃は?」
「普通に燃やされた仕返しだよね。頭おかしいの?」
ウダウダと言われて鬱陶しく思ったため、先ほど呼ばれた青蛾という人間にムカデビーム。そこから、尾を動かして叩こうと思ったのだが。ビームが一刀両断された。どうやら聖徳太子の力は私のビームを切り開く力があるらしい。…今のって弾幕じゃないの…?違う?そっか、違うんだ…なんか、流行りに乗ろうとして失敗したおじさんみたい。悲しいな、こういうの。でもそれなら仕方ない。戦争なら戦争らしくドンパチやりましょっか。尾を動かして地面を叩き、線を引く。
「…あら、ここから先には来てくれないの?」
「屠自古はどこだ。答えろ」
「なんでお前が怒ってるの?本来ならここを焼いて待ってても良かったんだよ?」
「この!」
剣で無理やり頭を斬られる。が、まあ、斬れないわけで。かちあげただけである。私相手にその刀は打撃武器として働く。驚いてる聖徳太子を頭を下げることで叩き落とす。なんだかな。邪魔そうな青蛾をムカデビームで蹴散らす。が、無傷。なんでだろう?と思ったら体の節々が欠ける気持ち。よく分からん死体が私を飼っていた。…邪魔なので、強制送還。仙界に開いたままの穴を利用して仙界から追い出す。その間に聖徳太子と青蛾が私の体の中に刀を入れていた。…斬れてもないのに、どうやったんだろう。
「内部に傷は!?」
「確認できませんでした。しかし、これまた…こんなことにも気づくなんて」
「強敵ですね…」
「…めんど」
面倒なので、地殻変動を起こす。地面に潜り、ウネウネと力強く体を動かす。揺らして飛び出すと、二人とも空を飛んでいた。そうだよね、空を飛べるなら普通飛んで回避するもんね。そこを私の尾でビターンと叩く。外れる。逃げた先にビームを放ち、それでも避けられた。仕方ない。実はここ最近、自分を大きすぎるように見せまいと頑張って身長を短くしていたのだ。ここに来て私、超巨大化。横にも大きくなるけど。大きすぎると生態系出来たり人が山とかに勘違いするんだよね。やめろ、私で山岳の神を作るな。
「でっ…」
「まぁ…」
「さて。これハッタリだから早く燃やしてごめんなさいって言ってくれない?」
「…はぁ。そうですか!」
これでも諦めずに斬ろうとしてくる。もう通じないもんね。渾身の斬撃も鈍い音を鳴らすだけで終わった。さて今度はこっちの番。顔の面積が大きくなったことで必然的に当たる面積も増えたムカデビームで当たり一面を焼き払う。修行してる奴、寝てる奴がいる場所は除外。なんで地鳴りさせたのにこうも建物は無事なんだ。おかしいだろ…と思った腹いせである。次に、青蛾を食べちゃう。大きくなったからと言って遅くなったわけではなく、むしろ早くなってる。そのままの勢いで布都も食べちゃえっ。
「そんな…」
「謝ってくれるだけで良いのに…」
「なるほど、あなたの要望はただ謝って欲しい、と?」
「うん」
「…まあ、元々はこちらの一方的な敵対視…申し訳ない。そちらの寺を燃やしてしまったこと、このような事態にまで引き延ばしてしまったこと。」
「ところで燃やしたのって誰?」
「布都」
「…ぺっ」
全員吐き出す。いやしかし、ここまでの人を口に含んだのは…いや、かなりあるな。最大数もあまり覚えてないわ。でかい津波が来たりした時に含んだ数が最多かな…まあ、あれはいれぎゅらーって奴だろ。多分ね。そんなこんなで私は全員吐き出してようやく終わったと思い帰り道の用意を希望する。人型出ないと通らないんだとかで、人型になる。この姿のままは流石に大きすぎるので、小さくなって人型に。なった途端、背中に鈍い衝撃と生暖かい感触、腹に何か生えたような触感。目の前には、地上が。
「…は?」
「私の面子がある。襲撃してきた百足に何も出来ずに逃げられたのでは、信仰も何もなくなる。賭けの騙し討ちだったが、すまないね」
「は…?」
やられたままだったら信者が自主的に何か起こすからやっとかないと、ね?