ふぅ。
思いのほか盛り上がってしまったが、よく考えたらただの手本だったのを忘れてた。
進行役だったロックハート先生も復活したので、何事も無かったかのように生徒たちの一番後ろに戻る。
ネビルに杖を返すのも忘れずに。
ひとまずグリフィンドールからはポッター、スリザリンからはマルフォイを代表として皆の前で決闘させるらしい。
教師の手本と同級生の決闘では得られるものも違うだろうしな。
それが終わり次第フィールドを増やして各自で決闘させるつもりみたいだ。
さて、ロックハート先生がカウントをして──
──いる最中にマルフォイが仕掛けた。
スネイプ先生的にはアレはいいんだろうか。
スリザリンという寮のコンセプト的には許されるんだろうけどさ。
ポッターもすかさず反撃をする。
うん、しっかり杖を保持して奇襲にあっても杖を離さなかった。
これは大事なことだ。
こういうところから命運というのは別れていく。
「サーペンソーティア!」
マルフォイが使ったのは蛇出現呪文か。
比較的簡単な呪文だが、実際目の前に突然蛇が出てきたら驚くよね。
コイツを食ってやろうとジリジリと迫ってくる蛇の姿は、恐怖も相まって何倍も大きく感じられることだろう。
しっかり対抗する術を持っていれば冷静に対処出来るだろうが、どう出る?ポッター。
というか蛇のターゲットが他の生徒に向く前に早く何とかして欲しいが。
は?
……蛇と会話をするのは予想できなかったな。
まさかポッターがパーセルマウスだったとは。
ちょっと凄い空気になったりもしたが、無事に決闘クラブは終了した。
ただ、そうか。
パーセルマウスと言えば、オミニス・ゴーントもパーセルタングを使ってたな。
確か遺伝らしいし、もしかしたらオミニスの遠い親戚だったり──
待てよ。
なんでオレはオミニスがパーセルタングを使ったことを知っている?
オミニスがオレの目の前で蛇語を話したことは一度も──
──いや、あるじゃないか。
そうだ、思い出した。
セバスチャン・サロウと一緒に聞いたんだ、彼の蛇語を。
闇の魔術を調べている時だ。
そう、スリザリンの談話室近くの隠し部屋で。
オレがセバスチャンに磔の呪文を教えてもらったあの日だ。
そうだ、そうだった。
あのうす暗い廊下を調べた先にあったのは──
サラザール・スリザリンの書斎だったんだ。
そこに『秘密の部屋』を遺したことが書いてあったんだ。
だからマクゴナガル先生の解説に既視感を覚えた!
こんなことを今更思い出したってしょうがないかもしれないが……
書斎に行くためにはその『素質』を示す必要があった。
パーセルマウスであること、磔の呪文を使える技術、そしてそれを同行者にかけるという覚悟、残虐性を。
『秘密の部屋』にも同様の仕掛け──例えば蛇語に反応して開く扉だとか──があるかもしれないな。
念の為、アルバスに報告しておくべきか。
女子トイレの手洗い場に蛇語を聞かせると入口が開くとか予想できるわけありませんからね。